7月9日のニュース<br>・マレーシア女子代表もヘリテイジ帰化選手による強化を目指す<br>・さすが金満クラブ!ブルネイDPMMがアウェイチームの移動費用と宿泊費を全額負担<br>・ジョホールはキャンプ地スペインでプレシーズンマッチ2連勝<br>・スランゴールで構想外のキャプテンはライオンシティセイラーズにローン移籍

マレーシア女子代表もヘリテイジ帰化選手による強化を目指す-FAM

何かと話題のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)による強化が進むマレーシア男子代表ですが、英字紙ニューストレイトタイムズは、マレーシアサッカー協会FAMは女子代表もヘリテイジ帰化選手の参加による強化方針を打ち出していると報じています。

FAM女子委員会のスラヤ・ヤアコブ委員長は、来月8月6日から10日までクアラルンプールで行われるAFC U20女子アジア杯2026年大会予選に国外出身の3選手を代表招集する予定であることを明らかにしています。このAFC U20女子アジア杯2026年大会予選ではマレーシアはF組の開催国となり、日本、イラン、グアムと同組になっています。

スラヤ委員長は昨年の憲法改正により、マレーシア国外でマレーシア人の母親とマレーシア人以外の父親との間に生まれた子どもは、自動的にマレーシア国籍を取得できるようになったことで、国外生まれの選手の国籍取得が容易になり、より多くの選手がマレーシア女子代表候補となると期待していると述べています。(この憲法改正以前は、マレーシア人の父親とマレーシア人以外の母親の間に生まれた子どもに限り、自動的に国籍取得となっていました。)

またスラヤ委員長は「FAMは国外に住む選手を広く受け入れたい。もちろん代表入りについては審査が必要になるが、既にアメリカやオーストラリア、イギリスなどでプレーしている選手からは問い合わせも受けている。」と述べ、、男子代表がヘリテイジ帰化選手の参加により注目を集めたことで、国外でプレーするマレーシアにルーツを持つ女子選手からの関心も高まっていると説明しています。

さすが金満クラブ!ブルネイDPMMがアウェイチームの移動費用と宿泊費を全額負担

今季2025/26シーズンからマレーシアスーパーリーグ(MSL)に参戦する隣国ブルネイのクラブ、DPMM FCはホームゲームを首都のバンダル・スリ・ブガワンで開催する子を発表していますが、ブルネイのあるボルネオ島は多くのMSLクラブが本拠地を持つマレー半島から南シナ海を挟んでおよそ1500キロメートル離れています。空路での移動となるとその費用も安くはありませんが、この移動費用をDPMM FCが全額負担することをMSLを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が明らかにしています。

昨季2023年シーズンと2024/25シーズンの2シーズンはシンガポール1部プレミアリーグに参戦したDPMM FCは、その主戦場をマレーシアスーパーリーグとしますが、MFLのモハマド・シャザリCEO代行によると、この費用の負担はDPMM FCのマレーシアリーグ参入の際の重要な要件だったようです。

なおDPMM FCはマレーシアスーパーリーグでタイトルを獲得した場合でも、マレーシアを代表してアジアサッカー連盟AFC主催大会のACLエリートやACL2、また東南アジアサッカー連盟AFF主催大会のクラブ選手権ショピーカップなどへの出場権は与えられないことも明らかになっています。

また8月に開幕するマレーシアスーパーリーグ(MSL)について、今季昇格を果たしたイミグレセン(入国管理局)FCを除く12チームの本拠地の確定と、各クラブの本拠地が使用できない場合の代替開催地として今季のMSL参加を辞退したスリ・パハンFCのホーム、ダルル・マクモル・スタジアムを使用することなども発表されています。これはクランタン・ダルル・ナイムFCのホームであるクランタン州コタ・バルのスルタン・モハマド4世スタジアムが来年2026年の2月から3月にかけてのイスラム教の断食月(ラマダン)中はタラウィーと呼ばれるラマダン期間中の祈りの場として使用され、スタジアムの使用ができなくなる場合などに使われるということです。


DPMM FCは2005年から2008年まではマレーシアリーグでプレーしていたこともあり、国内のサッカー協会の問題を理由にマレーシアリーグから撤退し、翌2009年シーズンにはシンガポールリーグへ移っています。その後、ブルネイ政府によるブルネイサッカー協会(BFA)への介入を理由にFIFAはBFAの資格を停止し、これにDPMM FCはシンガポールリーグからも撤退し、最終的には2012年にシンガポールリーグに復帰しています。

その一方で2018年に再びマレーシアリーグ復帰を画策したDPMM FCでしたが、当時リーグを運営していたフットボールマレーシアLLP(現MFL)が、ホームゲームをマレーシア国内で行うこと、ブルネイ人は外国籍選手登録となることなどを条件としたために、マレーシアリーグ参戦を断念、今度はインドネシアリーグ参入を試みるものの、インドネシアサッカー協会PSSIからは断られ、結局はシンガポールリーグに残留しました。

今回のマレーシアリーグ参入にあたりDPMM FCは自国でのホームゲーム開催が認められたことに加え、ブルネイ国籍の選手をマレーシア国籍の選手と同様に登録することも認められており、前回参入を試みた時よりも環境は整っています。またマレーシアスーパーリーグにとっても今季はクダ・ダルル・アマンFC、ペラFC、スリ・パハンFCと昨季から一気に3クラブが撤退する中でのDPMM FC参入認可は、クラブ数減少という苦境をを打破する苦肉の策の結果とも言えそうです。

ジョホールはキャンプ地スペインでプレシーズンマッチ2連勝

リーグ12連覇に向けて7月2日よりスペインの南東部バレンシア州アリカンテでプレシーズンキャンプを行っているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、現地時間7月7日に2試合目のプレシーズンマッチを行い。スペイン5部相当のバレンシア地域リーグに所属するコスタ・クラブと対戦し、ベルグソン・ダ・シルヴァが68分に決めた1点を守り切って勝利しています。

JDTは7月6日にはスペイン3部のレアル・ムルシアCFのBチームでやはりスペイン5部相当のレアル・ムルシア・インペリアルと対戦して4-0で勝利しています。こちらの試合ではベルグソン選手(5分)の他、新加入のハイロことハイロ・ダ・シルヴァが20分に、そしてコロンビア出身の帰化選手ロメル・モラエスが56分と64分にそれぞれゴールを決めて快勝しています。

シスコ・ムニョス新監督が就任したJDTの次戦は7月9日(現地時間)に行われる英国3部リーグ所属で、マレーシア人実業家のヴィンセント・タン氏が所有するカーディフ・シティFC戦です。さらにJDTは7月12日にはスペイン2部のレバンテUD、その2日後にはバレンシアCFのリザーブチーム、同4部のバレンシア・メスタージャとの対戦が発表されている他、カタールリーグで昨季5位のアル・ラーヤンSCと7月16日に、同9位のアル・アラビSCと7月19日に対戦します。また7月21日にはサウジアラビア1部リーグで昨季11位のアル・リヤドSCと対戦した後、22日間に及ぶスペインキャンプを終えてマレーシアに帰国します。

スランゴールで構想外のキャプテンはライオンシティセイラーズにローン移籍

喜熨斗勝史監督の構想外であることが明らかになったスランゴールFCのキャプテンでシンガポール代表のCBサフワン・バハルディンが、自国リーグの王者、ライオンシティ・セイラーズFCへローン移籍することを、スランゴールFCが公式SNSで明らかにしています。

契約期間が来年6月末までと1年残っているサフワン選手は、現在、タイでプレシーズンキャンプ中のチームを離れて、スランゴールFC U23チームの練習に参加していることが報じられると、その去就に注目が集まっていました。

2015年にメルボルンシティFCと契約し、シンガポール人選手として初めてオーストラリア1部リーグでプレーしたサフワン選手は、2016年シーズンからはPDRM、パハン、スランゴール、ヌグリ・スンビランと複数のクラブでプレーした後、2023年シーズンからはスランゴールFCでキャプテンとしてプレーしていました。

移籍するライオンシティ・セイラーズは昨季のACL2では決勝に進出し、アラブ首長国連邦UAE1部のシャルージャFCに1-2と惜敗しています。10年ぶりのシンガポールリーグ復帰となるサフワン選手ですが、チームにはシンガポール代表のチームメートも多く在籍し、サフワン選手自身もシンガポールサッカーのレベルアップに貢献できることは何でもする覚悟であると述べています。

7月8日のニュース<br>・C大阪のクールズがマレーシア人選手初のJ1デビュー<br>・AFC -マレーシアの帰化選手について公式な異議申し立てはこれまでなし<br>・6月代表初招集のブラジル出身帰化選手がジョホール入り-ジョホール入り帰化選手はこの1ヶ月で3人目

C大阪のクールズがマレーシア人選手初のJ1デビュー

タイ1部ブリーラム・ユナイテッドからJリーグのセレッソ大阪へ移籍したマレーシア代表DFディオン・クールズが移籍3試合目にして、ついにJリーグデビューを果たしています。移籍直後のFC東京戦はベンチ外、続く東京ヴェルディ戦はベンチ入りしたものの出番なしと、マレーシアのサッカーファンはもやもやしましたが、加入3試合目となる7月5日のガンバ大阪との大阪ダービーで0-1と劣勢の中、72分にJ1デビューを果たしています。

試合は70分にガンバがイスラエル代表MFネタ・ラヴィの放ったシュートが近くにいたチームメートの半田陸選手の背中に当たってコースが変わるラッキーなゴールで先制します。そしてその3分後に、ついにクールズの出番がやってきました。右SBの奥田勇斗選手と交代で出場したクールズ選手はそのまま試合終了までプレーしています。

デビュー戦はわずか17分というプレー時間に終わったクールズ選手ですが、、セレッソのアーサー・パパス監督とは2023/24シーズンには前所属のブリーラム・ユナイテッドで監督と選手という関係だったこともあり、自身の能力を知る監督のもとで出場時間が増えることが期待できます。なお2023/24シーズンは、パパス監督はリーグ30試合中26試合にクールズ選手を先発で起用、途中出場2試合も含め28試合に起用しています。

なおクールズ選手についてパパス監督はブリーラム時代にCB以外にも右SBや右WGなどでも起用しており、「彼はスピードがある。ちょうどいい年齢で取ってこられて良かった」と日本のメディアにも話しているように、今後はさまざまな使われ方をしそうです。

マレーシア代表でも当初はCBとして起用されることが多かったクールズ選手ですが、ピーター・クラモフスキー監督はこの2試合では右のサイドハーフ/ウイングバックで起用しており、単なるDF以上の起用は十分にありそうです。

AFC -マレーシアの帰化選手について公式な異議申し立てはこれまでなし

今年に入って既に7名がマレーシア代表入りしている帰化選手について、アジアサッカー連盟AFCには正式なルートを経ての異議申し立ては行われていないと、マレーシアのオンラインメディア、フリーマレーシアトゥディ(FMT)が報じています。

FMTはウインザー・ポールAFC事務局長の発言として、6月10日に行われたAFCアジア杯2027年大会3次予選のベトナム代表戦に出場した帰化選手についてどの国のサッカー協会からも公式な不服申し立てが出されていないという発言を紹介しています。

6月10日の試合に臨んだマレーシア代表はマレーシア出身2名、マレーシア国外で生まれ育ったもののマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手9名という編成で、しかもその帰化選手中5名は、このベトナム代表戦の数時間前にマレーシア代表でのプレーをFIFAが承認するというという慌ただしさでした。

「(代表選手としてプレーできるか否かの)資格の判断はFIFAの管轄であるが、AFCはいかなる不服申し立ても受け取っていない。もしそういった申し立てがあれば、AFCはFIFAの判断を仰ぐことになる」と説明したマレーシア出身のポールAFC事務局長は、一部のインドネシアのオンラインニュースサイトが伝えた疑惑を否定しています。

このオンラインニュースサイトでは、マレーシア代表が4-0と圧勝したベトナム代表戦に出場した帰化選手数名が代表選手としての資格を持たない可能性があり、その場合には試合の結果は覆され、ベトナム代表が3-0で勝利となり、さらにマレーシアサッカー協会FAMには200万米ドルの罰金が課せられる可能性があると伝えていました。さらに代表選手資格を得るための書類の偽造が明らかになった場合には、更なる処分が科せられる可能性があるとも報じていました。

マレーシアサッカー協会FAMはこの報道を根拠のないものとして一蹴していましたが、その一方で、FAMは一部選手が持つマレーシアのルーツを明らかにしていないこともあり、対ベトナム代表戦で11年ぶりの勝利に湧き立つ国内サッカーファンの間でも、隣国からの報道についてはさまざまな声が上がっていました。AFCが不服申し立てがないことを明らかにしたことで、この問題はひと段落となりそうです。

6月代表初招集のブラジル出身帰化選手がジョホール入り-これでジョホール入りは3人目、さらにアルゼンチン出身SBも加入

フィゲイレドお前もか。

国内リーグ11連覇中の絶対王者、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、FWジョアン・フィゲイレドがトルコ1部のイスタンブール・バシャクシェヒルFKから移籍することを、クラブ公式SNSが伝えています。背番号は25となります。

29歳のフィゲイレド選手は6月10日のAFCアジア杯予選ベトナム代表戦で初招集されたブラジル出身でマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手です。ベトナム代表戦では先制ゴールも決めているフィゲイレド選手はトルコリーグで昨季は34試合に出場し7ゴール2アシストを挙げているほか、UEFAコンファレンスリーグなどでもゴールを挙げており、、

JDTにはやはり今年6月に帰化選手としてデビューしたばかりのMFエクトル・ヘヴェル(ポルトガル2部ポルティモネンセから加入)、DFジョン・イラザバル(アゼルバイジャン1部サバFKから加入)も加入しており、JDTの「マレーシア代表チーム化」がさらに進んでいます。


このフィゲイレド選手加入の後、JDTはさらにアルゼンチン出身の左SBホナタン・シルヴァの加入も発表しています。31歳のシルヴァ選手は、現在スペインのアリカンテでプレシーズンキャンプ中のJDTに合流予定ということです。

シルヴァ選手はアルゼンチン1部のエストゥディアンテス、ボカ・ジュニアーズ、ポルトガルのスポルティングCP、ラ・リーガのCDレガネスやヘタフェCFなどでプレーし、昨季はキプロス1部のパフォスCFへローン移籍していました。なお、このパフォスFCでは、既にJDT加入が発表されているジャイロことジャイロ・ダ・シウバのチームメートでもありました。。

シルヴァ選手は2014年にアルゼンチン代表として国際親善試合の香港代表戦とクロアチア代表戦に出場した経験もあります。

7月6日のニュース<br>・ヌグリ・スンビランに2人目の日本人選手加入<br>・トレンガヌは4人目の外国籍選手となるコンゴ代表FWの加入を発表<br>・東南アジアクラブ選手権組合せ抽選-スランゴールは前回王者ブリーラムと同組に<br>・女子アジアカップ2026予選-マレーシアは北朝鮮に完敗で敗退

ヌグリ・スンビランに2人目の日本人選手加入

昨季2024/25シーズンのマレーシア1部スーパーリーグでは13チーム中12位に終わったヌグリ・スンビランFCには、昨季から元Jリーグ仙台などでプレーした元U18日本代表のMF佐々木匠選手が所属していますが、新たに2人目の日本人選手が加入することが明らかになりました。

J3のガイナーレ鳥取がクラブ公式サイトで常安澪(つねやすみお)選手のヌグリ・スンビランFCのローン移籍を発表しています。23歳のMF常安選手は東京都出身で、川崎フロンターレU18から東海学園大を経て、2024年に鳥取へ加入し、今季はここまでJ3リーグ戦2試合(0得点)、ルヴァンカップ1試合、天皇杯1試合出場を記録しています。

スーパーリーグのクラブに複数の日本人選手が所属するのは、2022年シーズンに元日本代表で元鹿島の本山雅志選手と元盛岡の深井脩平選手の両選手がクランタン・ユナイテッドFC(現クランタン・ダルル・ナイムFC)在籍して以来です。(なお前年の2021年は現在はクチンシティFCでプレーする谷川由来選手もクランタン・ユナイテッドFCに在籍しており、マレーシアリーグ史上初めて日本人選手3名が同じクラブでプレーしています。)


昨季は4勝4分16敗で、11位のクダ・ダルル・アマンFCとは勝点差5の12位だったヌグリ・スンビランFCですが、昨季途中までスランゴールFCの監督を務めたニザム・ジャミル新監督を迎え、今オフシーズンは積極的な補強を行なっています。新戦力としては前U23マレーシア代表GKアズリ・ガニと元U21ボスニア代表のWGジョバン・モティカがクアラルンプールシティFCから、元マレーシア代表WGハキミ・アブドラがトレンガヌFCから、そして元マレーシア代表DFクザイミ・ピーがスランゴールFCからそれぞれ加入しています。またAFC U16選手権で得点王となり、早熟の天才としてベルギー、アイスランド、日本と国外リーグに挑戦しながら結果が出ずに苦しんだFWルクマン・ハキム(前ベルギー1部KVコルトレイク)も5年ぶりの国内復帰先にこのヌグリ・スンビランFCを選んでいます。

移籍初年度ながらその活躍が他のクラブの注目を浴びた佐々木匠選手との契約をシーズン途中で延長するなど、なんとしても手放したくなかった佐々木選手を司令塔とするヌグリ・スンビランFCは今季はスーパーリーグの台風の目になりそうです。

なおこのヌグリ・スンビランFCは昨日7月5日に今季のユニフォームのサプライヤーであるタイのブランド、ウォリックス(Warrix)社直営のクラブショップを開店しましたが、その開店イベントにはガイナーレ鳥取クラブアンバサダーに就任されたの長谷川アーリアジャスール氏も参加しており、今後はガイナーレ鳥取とヌグリ・スンビランFCの提携などもあるのかも知れません。

トレンガヌは4人目の外国籍選手となるコンゴ代表FWの加入を発表

トレンガヌはフランス出身でコンゴ民主共和国代表CFヤン・マベラの加入を発表しています。29歳のマベラ選手はルクセンブルグ1部のラシンFCユニオン・ルクセンブルクからの移籍で背番号は11となることも発表されています。トレンガヌFCの発表によると、マベラ選手は昨季はラシンFCユニオン・ルクセンブルクで29試合に出場して22ゴールを決めた他、UEFAカンファレンスリーグの予選などにも出場しているということです。

トレンガヌは、昨季在籍した9名の外国籍選手の内、ウズベキスタン出身のMFヌリロ・トゥクタシノフのみが残留しています。また新戦力としてはカメルーン出身のCFスティーブン・ンゴン・サムをフィリピン1部のワン・タギッグFCから、ブラジル出身のWGガブリエル・シウバをカンボジア1部のスヴァイ・リエンFCからそれぞれ獲得しており、マベラ選手が4人目の外国籍選手となります。

東南アジアクラブ選手権組合せ抽選-スランゴールは前回王者ブリーラムと同組に

東南アジアクラブ選手権ショピーカップ2025年大会の組合せ抽選がタイのバンコクで行われ、マレーシアから出場する昨季の王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)と2位スランゴールFCの対戦相手が決まっています。

今回が第2回大会となるショピーカップは東南アジアの各国リーグの優勝チームやカップ戦優勝チームが出場し、マレーシアからは国内三冠を達成したJDTとリーグ2位のスランゴールFCが出場します。スランゴールは、昨季のタイ王者で第1回ショピーカップ優勝チームのブリーラム・ユナイテッド、そしてショピーカップ決勝でそのブリーラムに敗れたハノイ公安FC(ベトナム)、そしてBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)、タンピネス・ローヴァーズFC(シンガポール)と同じA組に入っています。一方のJDTはシンガポール王者のライオン・シティ・セイラーズFC、ベトナム王者のナムディンFC、カンボジア王者のPKRスヴァイ・リエンFC、バンコク・ユナイテッドFC(タイ)と同じB組に入っています。

上記の10チームに加えて、プレーオフに参戦するブルネイリーグ王者のカスカFC対DHセブFC(フィリピン)の勝者がA組に、ラオスリーグ優勝のエズラFC対ミャンマーリーグチャンピオンのシャン・ユナイテッドFCの勝者がB組に加わり、12チームが第2回大会優勝を目指して対戦します。

なおインドネシアはACL2のプレーオフに出場する昨季リーグ優勝のプルシブ・バンドンや2位のデワ・ユナイテッドではなく、今季3位のマルト・ユナイテッドと4位のプルスバヤ・スラバヤをインドネシアサッカー協会PSSIがリーグ代表としていましたが、この大会を主催する東南アジアサッカー連盟AFFが、この大会は各国のリーグ1位または2位、あるいはカップ戦優勝を出場の条件であるとして両チームの出場登録を拒否し、PSSIにインドネシアの代表として参加するチームの再考を求めていましたが、出場登録申し込みの期限までに代替チームについての連絡がなかったことから、今大会はインドネシアからのチームの参加が無くなってしまいました。

今回のショピーカップはホームアンドアウェイ方式で行われるグループステージの成績1位から4位までのチームが、ノックアウトステージとなるベスト8に進出します。そこを勝ち上がると決勝は来年2026年5月20日と27日にホームアンドアウェイ方式で行われます。


昨季2024/25シーズンのこの大会はマレーシアからは前年2023年シーズンリーグ1位を含めた国内三冠のJDTはACLエリートへ、2位のスランゴールはACL2に出場したため、マレーシアカップ準優勝のクアラルンプールシティとFAカップ準優勝のトレンガヌFCが参戦し、いずれもグループステージ3位で敗退しています。

女子アジアカップ2026予選-マレーシアは北朝鮮に完敗で敗退

AFC女子アジアカップ2026年大会予選H組の最終節が7月5日にタジキスタンのドゥシャンベで行われ、いずれも2勝同士となったマレーシア女子代表対北朝鮮女子代表の対戦は、地力で勝る北朝鮮がマレーシアを圧倒して6-0で勝利し、来年3月にオーストラリアで行われる本戦出場を決めています。

初戦のパレスチナ戦を1-0、2戦目のタジキスタン戦はアディショナルタイムのゴールでやはり1-0といずれの試合も僅差でものにしてきたマレーシアに対し、北朝鮮は同じ2チームを相手にいずれも10−0と圧倒していました。マレーシアは本戦出場の可能性を最終節までするところまでは何とかこぎつけたものの、FIFAランキング9位(日本の7位に次ぐアジア2位)の北朝鮮に対して、同102位のマレーシアは試合開始から防戦一方となりました。

それでも北朝鮮の猛攻に耐え続けたマレーシアでしたが、39分にキム・ヘヨンにゴールを許してしまいます。さらに前半のアディショナルタイムにはミョン・ユジョンがさらにゴールを決め、前半は北朝鮮が2点のリードで折り返します。

後半に入ってもほとんどの時間が自陣でのプレーとなったマレーシアは、52分、54分、77分とキム・ギョンヨンにハットトリックを決められるなど、技術、スピード、そして体格の全てが勝る北朝鮮相手に後半も4失点して6-0で敗れています。

7月4日のニュース<br>・CAFAネイションズカップ組み合わせ発表-マレーシアはイランと同組<br>・KLシティにジョホールからのローン移籍選手が集結-昨季は給料未払いを抱えたクラブにとってはお得な補強!?<br>・KLシティはヴィダコヴィッチ新監督就任を発表<br>・スランゴールは元甲府のリラを獲得、U23でプレーのアフガン代表もトップチーム昇格でFW強化

CAFAネイションズカップ組み合わせ発表ーマレーシアはイランと同組

8月下旬にタジキスタンとウズベキスタンで開催される中央アジアサッカー連盟CAFAネイションズカップ2025年大会の組み合わせが発表され、招待チームとしてこの大会に参加するマレーシアは、日本に次ぐアジア2位のイランと同じB組に入っています。

先月のAFCアジア杯2027年大会予選でベトナム代表を4−0と撃破したことで、俄然注目を集めることになったマレーシア。そのおかげか、今回が第2回大会となるこのCAFAネイションズカップにオマーンととも招待されています。

8カ国が出場するこの大会の組分けが先日発表され、直近のFIFAランキングが131位のマレーシアは、同18位で第1回大会優勝のイラン、102位のタジキスタン、160位のアフガニスタンと同組のB組に入り、もう一方のA組にはW杯2026年大会出場を決めているウズベキスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、オマーンが入っています。

8月26日から9月9日まで開催されるこの大会はA組がウズベキスタンが開催国に、B組がタジキスタンが開催国になりグループステージを行い、各組の1位が決勝に、2位が3/4位決定戦に回るフォーマットになっています。


W杯予選など公式戦以外では対戦する機会がないFIFAランキング上位のイランとの対戦が決まったマレーシア。この大会はFIFA国際マッチカレンダー外で行われるため、ベトナム戦のようなベストメンバーを招集することは難しそうですが、逆にいえば、洪水のように押し寄せてきた帰化選手にポジションを奪われたマレーシア人選手たちにとっては、ピーター・クラモフスキー代表監督へのアピールの良い機会でもあります。

KLシティにジョホールからのローン移籍選手が集結-昨季は最大7ヶ月の給料未払いを抱えたクラブにとってはお得な補強!?

2025/26シーズンの開幕を来月に控え、各クラブが新加入の選手を披露していますが、昨季2024/25シーズンはリーグ6位に終わったクアラルンプールシティFC(KLシティ)は、いずれもジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からのローン移籍選手3名の加入を発表しています。

マレーシア代表FWサファウィ・ラシドは、昨季2024/25シーズンはやはりローン移籍でトレンガヌFCでプレーし、リーグ戦とカップ戦合わせて36試合に出場し、18ゴール4アシストを記録しています。同じく代表でプレーするMFシャミル・クティは、昨季はペナンFCで21試合に出場しています。またアルゼンチン出身で元シェフィールド・ウェンズデーU21でもプレーしたMFマヌエル・イダルゴは今季のリーグ参加を取りやめたスリ・パハンFCからの移籍で、昨季は24試合で7ゴール4アシストの記録を残しています。このイダルゴ選手は、2021年からマレーシアでプレーしており、27歳となる来季にはマレーシア国籍を取得し、帰化選手として代表入りするのではとも言われている選手です。

またKLシティは、オランダ生まれのフィリピン代表GKクインシー・カメラードの加入も発表しています。KLシティは昨季の正GKアズリ・ガニがヌグリスンビランFCへ移籍しており、このカメラード選手はかつてKLシティでGKを務めたケヴィン・メンドーザ(現インドネシア1部プルシブ・バンドン)以来の外国籍GKとなります。


昨季は給料未払いが長期化し、シーズン終盤は不安定な戦いが続いたKLシティですが、このローン移籍選手の加入は経費の節約にもなる経済的な補強となっていると同時に、加入する選手たちも出場機会が得られるいわばウィンウィンの補強です。所属するJDTが給料の一部を負担することで、本来なら獲得には高額の給料が必要となる代表選手と外国籍選手が補強できたKLシティは昨季以上の順位を狙うこともでき、帰化選手を次々と補強するJDTに戻っても出場機会が得られそうもない3選手は選手層が薄いKLシティで出場時間を積み重ねることができれば、帰化選手が顔をきかせ、マレーシアで生まれ育った選手の居場所が少なくなっているマレーシア代表への復帰も期待できます。

KLシティはヴィダコヴィッチ新監督就任を発表

昨季2024/25シーズンは11勝4分9敗のリーグ6位に終わったクアラルンプールシティFCは、ミロスラフ・クリヤナッチ監督の退任とリスト・ヴィダコヴィッチ新監督の就任をクラブ公式SNSで発表しています。

開幕後にクラブライセンス取得の際の書類に不備があったとして勝点6の剥奪処分を受け、さらに一時は最大で7ヶ月分の給料未払いがあることを選手が告発するなど、選手のパフォーマンスに大きな影響を与える問題がピッチ外で続いたクラブをやりくりしたクリヤナッチ監督でしたが、残念ながら1年でチームを去ることになりました。

クリヤナッチ監督と同じセルビア出身のヴィダコヴィッチ新監督は、2022年シーズンにはマラッカ・ユナイテッドFCの監督に就任しましたが、開幕から4試合を1分3敗という成績で解任されています。しかし、このときは開幕直後にもかかわらず、プレーシーズンから既に給料未払い問題が起こっていたことが明らかになり、主力の外国籍選手たちも試合をボイコットするなど、評判の高かったヴィダコヴィッチ監督の手腕が問われる前にクラブが崩壊していました。(なおマラッカ・ユナイテッドFCは2022年シーズン終了後に負債を抱えて解散しています。)

ヴィダコヴィッチ監督は、セルビア代表やスペイン下部リーグでコーチを務めた後、フィリピン1部のセレス・ネグロスFC(現ユナイテッド・シティFC)で2016年シーズンから3連覇を果たし、2020年シーズンにはモルジブ1部マジヤS&RCでリーグを制覇しています。この他にも東南アジアでは、インドネシア1部のボルネオFCやPSSスレマン、シンガポール1部のライオンシティ・セイラーズFCでも監督経験があります。

スランゴールは元甲府のリラを獲得、U23でプレーのアフガン代表もトップチーム昇格でFW強化

昨季2位のスランゴールFCは、その獲得が噂されていた元Jリーグ甲府のストライカー、ウィリアン・リラの加入を発表しています。31歳のリラ選手は2023年シーズン途中までクダ・ダルル・アマンFC(現在は3部降格)でプレーし、14試合で8ゴールを上げる活躍を見せていましたが、給料未払い問題が起こると前半戦終了後のトランスファーウィンドウで隣国タイのチョンブリーFCに移籍していました。移籍したチョンブリーFCではリーグ戦30試合に出場して15ゴールを挙げ、その後はアラブ首長国連邦UAE1部のハッタ・クラブで24試合にプレーし14ゴールを記録しています。

甲府を天皇杯優勝に導き、その甲府はACL出場を果たしたものの、リラ自身はクダに移籍しており、ACLには出場しませんでした。今季のACL2出場が決まっているスランゴールでリーグ戦はもとより、ACLでも爆発的な得点力を見せてもらいたいところです。

またスランゴールは昨季はU23チームでプレーしたアフガニスタン代表FWオミド・ムサウィのトップチーム昇格も発表しています。アフガニスタン生まれながら、オランダで育ったオミド選手は、FCトゥウェンテやSBVフィテッセ、PECズヴォレなどのユースでプレーし、その後はオーストラリアのセミプロリーグを経て昨年10月にスランゴールU23に加入しています。代表デビューは2022年6月のベトナム代表戦で、アフガニスタン代表のアジア杯2027年大会予選のミャンマー代表戦、シリア代表戦のいずれにも先発するなど、通算17試合に主通常しています。前述のCAFAネイションズカップにはアフガニスタン代表も出場し、マレーシアと同じB組に入っていますので、マレーシア代表と対戦する可能性もあります。


今季のマレーシア1部スーパーリーグは各クラブは最大で15名の外国籍選手の登録が可能となっていあす。試合出場登録は最大9名でピッチ上には同時に7名(アジア枠1名、東南アジア枠2名を含む)が立つことが可能です。なおスランゴールFCは、いずれもヨルダン代表のMFノー・アル=ラワブデ、DFモハマド・アブアルナディ、カーボベルデ代表のFWアルヴィン・フォルテス、昨季はローン移籍でペナンFCでプレーしたガーナ出身のDFリッチモンド・アンクラの残留が発表している他、これまでに昨季のタイリーグでは27試合で17ゴールを挙げたFWクリゴールことクリゴール・モラエス(タイ1部PTプラチュワップFCから加入)、タイ代表MFピチャ・アウトラ(タイ1部ムアントン・ユナイテッドから加入)の2選手の加入を発表しています。

7月2日のニュース<br>・マレーシアサッカー協会会長「ヘリテイジ帰化選手は全員がFIFAの承認を得ている」<br>・シンガポール代表監督候補のクチンシティ監督はクラブ残留へ<br>・本拠地が決まらないイミグレセンFCのホーム候補にプルリス州が浮上

マレーシアサッカー協会会長「ヘリテイジ帰化選手は全員がFIFAの承認を得ている」

6月10日のAFCアジア杯2027年大会3次予選のベトナム代表戦では4−0と圧勝したマレーシア代表。ベトナム代表戦の勝利は11年ぶりのことでした。そんな長年の宿敵相手に大勝した原動力となったのはマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手でした。特に2025年になって代表入りしたヘリテイジ帰化選手はスペインやオランダ、ブラジルやアルゼンチン出身で、一見するとマレーシアとは縁遠いように思える国々であることから、近隣諸国はもとより、国内でもその「ルーツ」の信憑性に疑問の声が上がっています。

そんな中、マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ジョハリ・アユブ会長が声明を発表し、ヘリテイジ帰化選手のマレーシア代表入りについては、FIFAによる厳格な審査を経ていると説明しています。

「我々(FAM)は誰彼構わずヘリテイジ帰化選手として代表に招集しているわけではない。FIFAが選手たちについて全てを審査しており、FAMはFIFAの設けた手順や指示に従っているだけに過ぎない。」

さらにジョハリFAM会長は、一部のヘリテイジ選手のルーツについての情報が開示されていないという指摘については、選手の帰化資格についての情報を隠したり、開示を遅らせる理由がないと述べています。

「もし我々が(そういったルーツに関する情報を)公にするのは簡単なことだ。しかし全てのヘリテイジ帰化選手はFIFAの審査を通っているので、今後も(これまでと同様の)正しい方法と手順に従う予定である。」と述べたジョハリFAM会長は、一部から出ている、ルーツを明らかにしていない帰化選手は正式な帰化手続きを経ずにマレーシア国籍を取得しているという疑問の声に応えています。

ベトナム代表戦直前の1週間ほどで、いずれもアルゼンチン出身のCBファクンド・ガルセス、WGイマノル・マチュカ、CFロドリゴ・オルガド、スペイン出身のCBジョン・イラザバル、ブラジル出身のCFジョアン・フィゲイレドと一気に5名のヘリテイジ帰化選手が発表されるとそのまま代表入りし、ベトナム代表戦にはこの5名全員が先発、そしてフィゲイレド、オルガドの両選手が1点目と2点目を挙げて、歴史的なベトナム代表勝利に貢献しています。


11年ぶりとなるベトナム代表戦勝利に国内サポーターが盛り上がりを見せる一方で、複数の帰化選手はそのルーツが明らかにされておらず、一部国内メディアを中心にFAMに対しては帰化選手のマレーシア国籍取得に至るルーツを明らかにするべきという声があるのも事実です。今回のマレーシアサッカー協会(FAM)会長の発言もその火消しの一環ですが、FIFAはFAMが提出した書類を審査するだけで、FIFA自体が選手のルーツそのものについて独自の調査を行うわけでなく、また英字紙スターでは、国籍付与のための審査を行うマレーシア政府内務省に問い合わせたところ、詳細はFAMに問い合わせるようにと門前払いを受けたという報道もあります。ベトナム戦勝利で一気に加速したアジア杯2027年大会出場権獲得に向けて、サポーターが一丸となって代表を応援するにはFAMが各帰化選手のルーツを公表して、この疑念を払拭する責任があるように思えます。

シンガポール代表監督候補のクチンシティ監督はクラブ残留へ

チームはアジア杯2027年予選を1勝1分と好スタートを切りながら、先月に突然辞任した小倉勉前シンガポール代表監督。その後任候補の1人として名前が上がっていたのがシンガポール出身でクチンシティFCで指揮を取るアイディル・シャリン監督でした。昨季2024/25シーズンにはマレーシアリーグ最優秀監督賞を受賞したその手腕が評価された結果、メディアが次のシンガポール代表監督候補として報じていましたが、今季2025/26シーズンは、アイディル監督のクチンシティFC残留が決まったようです。

クチンシティFCのファズルディン・アブドル・ラーマン オーナーは「アイディル監督はチームの全権を与えられており、クチンシティFCでの指導に取り組むことに満足している。」と述べて、アイディル監督がチームを離れることはないとしています。

8月8日に開幕が予定されている今季2025/26シーズンのスーパーリーグに向けて、クチンシティFCは95%の補強が完了していると述べたファズルディン オーナーは、2シーズンぶりにマレーシアリーグに復帰するカメルーン出身のCFロナルド・ンガは数日中にチームに合流すると述べ、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からローン移籍する昨季のU23リーグ得点王のガブリエル・ニステルロイや、同じJDTから完全移籍するGKハジク・ナズリ、FWラマダン・サイフラーなどに加えて、昨季のチームからはマレーシアでのプレーが5年目を迎えるCB谷川由来選手や谷川選手とコンビを組むCBジェイムズ・オクウォサらの残留も発表しており、昨季の4位に続いて今季もリーグトップ5入りを目指すとしています。

本拠地が決まらないイミグレセンFCのホーム候補にプルリス州が浮上

昨季2024/25シーズンの3部A1セミプロリーグで2位となり、今季は1部スーパーリーグに昇格するイミグレセン(入国管理局)FCは、昨季本拠地としていた最大収容人数2000名のUKMスタジアムに代わる新たな本拠地を探しています。マレーシア語紙ブリタハリアンは、新たなホームの候補地としてマレーシア最北端のプルリス州が浮上していると報じています。

マレーシアの行政首都プトラジャで発足したイミグレセンFCは、隣接するスランゴール州のバンギにあるUKMスタジアムを昨季はホームとして使用していました。しかしここは、マレーシア国民大学UKM内にある運動場で、収容人員が少ない上、スタンドのついた運動場という体で、1部スーパーリーグの公式戦を行うには心許ない設備です。このためイミグレセンFCは1部参入決定後から、新たな本拠地探しを続けてきました。

マレーシアにある13州の内、1部スーパーリーグに所属するクラブが本拠地としていないので、ペラ、クダ、プルリスの3州ですが、イミグレセンFCが当初、本拠地を移そうとしたのがクダ州でした。財政面の問題から昨季はスーパーリーグに所属していたクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)が今季はクラブライセンスを交付されずに撤退したため、KDA FCが使用していたダルル・アマン・スタジアムを新たな本拠地としようとしましたが、クダ州サッカー協会会長も兼ねるクダ州のムハマド・サヌシ州首相(日本で言えば知事に当たります)がイミグレセンFCがクダ州でホームゲームを開催することを拒否しました。

これによりイミグレセンFCは新たな本拠地を探すことになったのですが、今回はプルリス州の名前が挙がりました。プルリス州のトゥンク・サイド・プトラ・スタジアムを管理するプルリス州スポーツ評議会のモハマド・アズライ・ザイン・トゥシミン議長がマレーシア語紙ブリタハリアンの取材に応え、イミグレセンFCの関係者がトゥンク・サイド・プトラ・スタジアムの視察に訪れたことを明らかにしています。

アズライ議長は、プルリス州はペナン州、連邦直轄地クアラルンプール、スランゴール州同様にイミグレセンFCのホーム候補地の一つであると話し、実際にホームとなった場合でも(3部の)A1セミプロリーグでプルリスGSA FCや(4部の)A2リーグでプレーするビントンFCといったプルリス州のクラブによる使用が優先されるとも述べています。

7月1日のニュース<br>・女子アジア杯予選開幕-マレーシアはパレスチナに辛勝も白星スタート<br>・「外部からの干渉」を主張するクラモフスキー監督の真意は本人に直接聞くべき-FAM会長<br>・スランゴールはタイリーグからブラジル出身ストライカーを獲得

女子アジア杯予選開幕-マレーシアはパレスチナに辛勝も白星スタート

AFC女子アジアカップ2026年大会の予選H組の試合が6月29日にタジキスタンのドゥシャンベで行われ、マレーシアが白星発進しています。

ドゥシャンベにある共和国中央スタジアムで行われた試合でマレーシアはパレスチナに1-0で勝利しています。

今年5月に就任したブラジル出身のジョエル・コルネリ監督率いるマレーシア女子代表とパレスチナ女子代表の試合は終盤まで0−0で進み、86分に、ヌール・アドリアンナのパスを受けた途中出場のファラヒヤ・リズアンが決勝点となるゴールを決めています。

またマレーシアはGKヌルル・アズリン・マズランが、前半にはパレスチナのディマ・アルムヒのPKを止め、後半にもヌール・ユセフとの1対1となった場面でのシュートを阻止するなど、クリーンシートの活躍を見せています。

H組のもう1試合は北朝鮮が開催国タジキスタンをキム・ギョンヨンのハットトリックを含む10ゴールで圧倒しています。

マレーシアは7月3日(マレーシア時間)にタジキスタンと、そして7月5日には北朝鮮と対戦します。

「外部からの干渉」を主張するクラモフスキー監督の真意は本人に直接聞くべき-FAM会長

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ジョハリ・モハマド・アヨブ会長は、マレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督が政治的な要素も含めた組織内部闘争によって、代表チームの活動が「外部からの干渉」を受けていると発言したことに対し、その「外部からの看守」についてはクラモフスキー監督に直接、尋ねるべきと回答しています。

マレーシアの通信社ブルナマは、6月30日に行われたFAMの臨時総会後にメディアに対応したモハマド・ジョハリ会長は、不必要な憶測が広がることを避けるために、メディアがクラモフスキー監督の真意を直接本人に問うべきと述べています。

「我々(FAM)は、ピーターが何を言わんとしているのかがわからない。彼に直接、その質問をぶつけるの最善だと考える。発言というものは時として、それが伝わる過程で曲解されることもある。」と述べたモハマド・ジョハリ会長は、6月10日のAFCアジア杯2027年大会3次予選のベトナム戦に4−0で勝利した後のメディアとの対応で、クラモフスキー監督が述べた「外部からの干渉」について、FAMは全力でクラモフスキー監督と代表チームを支援していると強調したと報じています。


マレーシア代表については、元FAMの会長でもあり、国内最強クラブのジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が主導する形で改革を進めており、大量の帰化選手加入もその一つです。さらにマレーシア代表チームは独自のSNSアカウント、マレーシア代表(Malaysia NT)を立ち上げ、先日のベトナム戦でも試合前の様子や先発XIの発表、試合経過など全ての投稿を行っています。その一方でこのMalaysia NTアカウントができて以来、FAMの公式SNSでは代表戦についての投稿は試合結果のみとなっており、今月7月に開催される東南アジアサッカー連盟U23選手権前の合宿参加メンバーもMalaysia NTのみが発表しています。

スランゴールはタイリーグからブラジル出身ストライカーを獲得

昨季2024/25シーズンはリーグ2位のスランゴールFCが昨季のタイ1部リーグで17ゴール3アシストを記録したブラジル出身のCFクリゴールことクリゴール・モラエスの完全移籍での加入を発表しています。また背番号は91となることも発表されています。

昨季のタイ1部ではリーグ覇者のブリーラム・ユナイテッドとPTプラチュワップFCの2クラブでプレーした24歳のクリゴール選手は、シーズン前半を過ごしたブリーラムでは14試合に出場して7ゴール1アシストを、そしてブリーラムからローン移籍してシーズン後半を過ごしたPTプラチュワップFCでは13試合に出場して10ゴール2アシストを記録しています。なお昨季のリーグ通算17ゴールは、リーグ得点王のギリェルメ・ビッソリ(ブリーラム・ユナイテッド)の25ゴールに次ぐ最多ゴール2位でもあります。

ブリーラム・ユナイテッド在籍時にはACLエリートやアセアンクラブ選手権ショッピーカップにも出場しているクリゴール選手は、先日、やはりタイ1部のムアントン・ユナイテッドから加入したタイ代表MFピチャ・アウトラに続くタイリーグからの移籍選手です。

6月30日のニュース<br>・マレーシア戦にまさかの敗戦でベトナムも帰化選手による強化策採用か<br>・ジョホールのベルグソンにブラジルクラブ移籍の噂<br>・急転!東ティモール代表FWはKLシティではなくクチンシティと契約

マレーシア戦にまさかの敗戦でベトナムも帰化選手による強化策採用か

マレーシア代表は6月10日に行われたアジア杯2027年大会3次予選でベトナム代表に4-0と大勝しましたが、この勝利はいずれもマレーシア国外で生まれ育ち、マレーシアにルーツを持つ「ヘリテイジ帰化選手」の活躍によるものでした。2025年だけでもマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手7名がマレーシア代表に初召集されており、彼らを中心に構成された「新」マレーシア代表が東南アジアの雄、ベトナム代表に11年ぶりとなる勝利をあげています。

昨今話題となる帰化選手による代表強化ですが、東南アジアの国で唯一、2026W杯アジア3次予選に残ったインドネシア代表は、かつての宗主国オランダ出身者を中心としたヘリテイジ帰化選手によって強化されたことはよく知られているかと思いますが、この地域ではフィリピンも伝統的に帰化選手による代表強化を行っています。昨年末開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」に出場したフィリピン代表はヘリテイジ帰化選手14名が含まれており、この大会がFIFA国際マッチカレンダー外で行われたことから「海外組」を招集できなかったインドネシア代表をグループリーグで破り、8年ぶりの準決勝進出を果たしています。

話を戻しましょう。6月10日のアジア杯予選でマレーシア代表と対戦したベトナム代表では、スロバキア出身のヘGKフィリップ・グエンと、元フランスU18でのプレー経験もあるフランス出身のジェイソン・ペンダントの2名のヘリテイジ帰化選手が先発(ペンダント選手はこの試合がベトナム代表デビュー)しましたが、一方のマレーシア代表はWGアリフ・アイマン、GKシーハン・ハズミ(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)を除く先発11名中9名がヘリテイジ帰化選手でした。そして4-0の試合の4ゴール全てを異なる4名のヘリテイジ帰化選手が決めており、まさにヘリテイジ帰化選手の力を見せつけた試合になりました。

かつての宗主国オランダ出身のヘリテイジ帰化選手が主力のインドネシアに対して、マレーシアのヘリテイジ帰化選手の出身はブラジルやアルゼンチン、オランダ、スペインと多彩であり、しかも彼らはアルゼンチンやコロンビア、スペイン、トルコなどのリーグでプレーしており、こういったヘリテイジ帰化選手が増えれば、短期間での強化も十分可能です。

そんな中でYahooニュースが興味深い記事を掲載しています。韓国メディアによる報道からの引用記事によると、ベトナムの国内法が改正され、二重国籍の許容とベトナム国籍取得条件の緩和によりベトナムリーグでプレーしている全ての外国籍選手がベトナム国籍を取得できるようになるということです。ベトナム代表は韓国出身のキム・サンシク監督がおり、この記事ではこの法改正により東南アジア内でのパワーバランス赤割るだけでなく、今後はベトナム代表が日本代表や韓国代表の脅威になる可能性を挙げています。10月のアジア予選最終戦はベトナム代表ホームでの対戦となるマレーシア代表は、帰化選手で溢れるベトナム代表との対戦となるかもしれません。

ジョホールのベルグソンにブラジルクラブ移籍の噂

2021年シーズン途中にジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に加入して以来、141試合に出場し150ゴール31アシストと驚異的な記録を残してきたFWベルグソン・ダ・シウヴァにブラジルクラブ移籍の噂が報じられてます。

マレーシア語紙ブリタハリアンは、ベルグソン選手に対してブラジルの有力クラブであるスポルチ・レシフェがその獲得に興味を示しているというブラジルのメディアによる報道を紹介しています。

34歳のベルグソン選手に関心を示しているとされるスポルチ・レシフェは現在ブラジル1部セリエAに所属しているクラブで、1987年にブラジル・セリエA、また2008年にコパ・ド・ブラジルで優勝してクラブだということです。

また、この噂に拍車をかけているのがJDTのクラブ公式SNSで、そこではブラジル生まれのベルグソン選手とJDTサポーターとの映像を投稿し、ベルグソン選手がJDTを去る可能性を示唆しているようにも見えることです。

この投稿はベルグソン選手がリーグ通算100ゴールを決めた際のアーカイブ映像で「ベルグソンは記念の100ゴール目を決めた後、(JDTのサポーターグループ)『ボーイズオブストレイツ』と時間を過ごし、皆が大好きな決めポーズで締めくくった!」というコメントが付けられています。

国内リーグでの圧倒的な得点力で、昨年までは将来のマレーシア代表入りが大いに期待されていたベルグソン選手ですが、国外で生まれ育ちマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手が次々と代表入りし、前述のベトナム代表戦で11年ぶり勝利を挙げるなど結果が出始めている中で、FIFAの規定を満たしてマレーシア代表入りするまでには1年かかるベルグソン選手を今さら待つ必要もなく、さらに年齢を考えれば今が売り時という判断をクラブがしようとしているのかも知れません。なおJDTからは現時点で何のコメントも出されていません。

急転!東ティモール代表FWはKLシティではなくクチンシティと契約

昨季リーグ4位のクチンシティFCは、東ティモール代表FWジョアン・ペドロの加入をクラブ公式SNSを通じて発表しています。

このブログでは、6月16日のニュースでペドロ選手がクアラルンプールシティFC(KLシティ)入りと伝えましたが、KLシティFCを運営するクアラルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジドKLFA会長自身が加入を認めていたにも関わらず、なぜかクチンシティFCが移籍先となったようです。主に左WGでプレーするペドロ選手は昨季はカンボジア1部のアンコール・タイガーでプレーし、26試合で7ゴール6アシストを記録を残している他、、PSMマカッサル(インドネシア)、ベンフィカ・デ・マカオ(マカオ)、ウボン・ユナイテッド(タイ)などでプレー経験もあり、5月に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズ戦には東ティモール代表として出場しています。

27歳のペドロ選手はマレーシアリーグでは2020年シーズンに当時1部のUITM FC(現UITMユナイテッドFC)でプレーしており、およそ5年ぶりのマレーシアリーグ復帰となります。

またクチンシティFCへは、ペドロ選手に加えてノルウェイ出身のフィリピン代表SBスコット・ウッズがカンボジア1部ボーウング・ケットFCから、また元クダ・ダルル・アマンFCでカメルーン出身のCFワンジャ・ロナルド・ンガがイラク1部のアル=カーラバーSCから加入しています。190センチの大型ストライカーのンガ選手は2022年シーズンにクダ・ダルル・アマンFCで28試合に出場して15ゴールを挙げています。

さらにクチンシティFCは、昨季のU23リーグにあたるMFLカップで24ゴールを挙げて得点王と最優秀選手賞を受賞したガブリエル・ニステルローイがジョホール・ダルル・タジムFC (JDT)U23チームのJDT IIからローン移籍することも発表しています。クチンシティFCの本拠地があるサラワク州のミリ出身の25歳は、昨季は同じくJDTからクチンシティFCへローン移籍し、今季は完全移籍となったFWラマダン・サイフラーや、昨季はやはりJDTからペラFCへローン移籍し、こちらも完全移籍でクチンシティに加入するGKハジク・ナズリ、そしてスランゴールFCでは伸び悩んでいた元U23代表FWダニアル・アスリとともに、昨季の4位からトップ3入りを狙うクラブの強力な新戦力となりそうです。

6月28日のニュース<br>・アセアンU23選手権出場のU23代表監督「帰化選手は起用しない」<br>・今季リーグ不出場のスリ・パハンがその理由を正式に発表<br>・今季3部加入のクランタン・レッド・ウォリアーズFCが始動<br>・フットサルアジア杯2026予選:マレーシアがG組の開催国となりアジア最強イランと同組に

アセアンU23選手権出場のU23代表監督「帰化選手は起用しない」

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権2025年大会は7月15日からインドネシアで開催されますが、この大会に先立ち、マレーシアU23代表合宿参加メンバーが発表されています。このメンバー発表の席で、U23代表のナフジ・ザイン監督は招集リストには国外でプレーする帰化選手は入っていないこと明らかにしています。

ナフジU23代表監督は、このアセアンU23選手権を含めて今後出場する3つの重要な大会で国内でプレーするマレーシア人選手たちが実力を発揮する機会を与えるつもりであると話しています。

「今回のU23代表合宿参加者には海外在住のマレーシア人選手はおらず、国内の選手だけを招集している。スーパーリーグには多くの才能ある選手が存在しており、我々は、自分たちのプレースタイルに合っていると感じた選手のポテンシャルを引き出すことを重視している。」

ナフジU23代表監督は、6月10日のAFCアジア杯予選ベトナム代表戦前のA代表合宿にも参加したFWハキミ・アジム(クアラルンプールシティFC)やDFウバイドラー・シャムスル(トレンガヌFC)など8選手を招集しています。

AFF U23選手権2025年大会では、マレーシアは開催国インドネシア、フィリピン、ブルネイと同じA組に入っています。B組にはベトナム、ラオス、カンボジア、C組にはタイ、ミャンマー、東ティモールが振り分けられており、各組の1位とA〜C組の2位チームの内、最も成績が良かったチームの4チームが準決勝へ進出します。

AFF U23選手権2025年大会の目標についてナフジU23代表監督は、A組では全ての国に準決勝進出のチャンスがあるとして、初戦となる7月15日のフィリピン戦から1試合ごとに集中していきたいと話しています。

ジョホール・ダルル・タジムFC II (JDT II) とスランゴールFCの選手が大半を占める、U23代表合宿参加者 30 選手は以下のとおりです。*は6月のA代表合宿参加者

P氏名年齢所属
GKハジク・アイマン20JDT III
ハジク・ムクリズ22PEN
シャーミ・アディブ22NSE
ズルヒルミ・シャラニ22JDT II
DF*アイマン・ハキミ22SEL
アイマン・ユスフ19AMD
アリフ・イルハム21KLCE
ファクルル・ハイカル21JDT II
ファリス・ダニシュ18JDT III
*シャフィザン・アルシャド19JDT III
S・タアナシュ20BUN
*ウバイドラー・シャムスル22TRE
MFアイマン・ダニシュ21JDT II
*アリフ・アフマド22JDT II
アイサル・ハディ21JDT II
ダニエル・ハキミ21PRK
ダニシュ・ハキミ20JDT III
ダニシュ・シャマー20JDT II
ハジク・クティ20PEN
*ムハマド・アブ・カリル20SEL
*ハイカル・ダニシュ20SEL II
G・パヴィトラン20JDT III
ロヒシャム・ハイカル19SEL II
ジアド・エル=バシール21JDT II
FWアリフ・イズワン21SEL
*ファーガス・ティアニー22SAB
アフィク・ヒルマン22KLCE
ラーマン・ダウド20SEL
ナビル・カユム21SEL
*ハキミ・アジム22KLC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、JDT II-JDT U23, JDT III-JDT U19、SEL-スランゴールFC
SAB-サバFC, TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、KLCE~KLシティU23, PEN-ペナンFC、PRK-ペラFC、NSE-ヌグリスンビランFC、AMD-モクター・ダハリ・アカデミー、BUN-A1セミプロリーグブンガラヤFC

今季リーグ不出場のスリ・パハンがその理由を正式に発表

今季2025/26シーズン出場のためのクラブライセンスを申請し、それが交付された後に今季リーグ戦不出場を発表したスリ・パハンFCが、不出場表明から1週間経った6月27日にその理由を正式に発表しています。

クラブ公式SNSを通じてスリ・パハンFCは今季のリーグ不出場の理由は、クラブの内部組織を改善し、さらに強化するためであると説明しています。

「スリ・パハンFCは将来、(本拠地がある)パハン州のサッカーの発展に寄与する機会が与えられることを期待している。」「スリ・パハンFCはリーグ主催者やスポンサー、そしてスリ・パハンのファンに感謝するとともに、来季に再び会えることを願っている。」という声明を発表しています。


この声明を読む限りでは、財務状況が不十分としてクラブライセンスが交付されず、3部のセミプロリーグから再スタートを切るペラFCやクダ・ダルル・アマンFCとは明らかに異なる理由でのリーグ不参加のようです。今シーズンを犠牲にしてでも持続可能なプロクラブとして生まれ変わり、来季のリーグに是非、戻ってきて欲しいです。

今季3部加入のクランタン・レッド・ウォリアーズFCが始動

熱狂的なサッカーファンが多いことで知られるマレー半島北部のクランタン州に本拠地を持つクラブには1部スーパーリーグ所属のクランタン・ダルル・ナイムFCがあります。このクランタン州から今季2025/26シーズンからは新たに2つのクラブが*実質2部に当たる3部のA1セミプロリーグに参入しますが、そのうちの一つのクランタン・レッド・ウォリアーズFC(KRW FC)が、2名の外国籍選手が加入することを発表しています。KRW FCのニック・ハフィズ・ナイム・ニック・ハッサン会長は、チームを強化するためレバノンとスウェーデン出身のセンターバックとストライカーの2選手が加入することを明らかにしています。(*2部プレミアリーグは現在休止中)

ニック・ハフィズ・ナイム会長は、地元コタ・バルでのトレンガヌFC戦を皮切りに行われる数試合のプレシーズンマッチを行うことも発表しています。

「(7月25日の)開幕に向けての準備は95%完了している。あと2人の外国籍選手と2~3人のマレーシア人選手が加われば、チームは完成する。外国籍選手はメディカルチェックが済み次第登録される予定だ。」

「7月4日にトレンガヌFCと対戦した後、マラッカFC、ヌグリスンビランFC、ペナンFCとプレシーズンマッチを行う予定だ。我々はイルファン・バクティ監督を信じており、来季2028/27シーズンにスーパーリーグ昇格という目標を達成できる。」とスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロとのインタビューで自信を見せています。

フットサルアジア杯2026予選:マレーシアがG組の開催国となりアジア最強イランと同組に

6月26日にクアラルンプールのAFCハウスで、AFCフットサルアジア杯2026年大会予選の組み合わせ抽選が行われ、予選開催国の一つとなっているFIFAフットサルランキング76位のマレーシアは同5位のイラン、同97位のアラブ首長国連邦、バングラデシュ(ランキングなし)と同じG組に入っています。

組み合わせ抽選に出席したフットサルマレーシア代表監督のラクポル・サイネンガム監督は、2026年にインドネシアで開催されるアジア杯への出場権獲得に向けて、「もちろん、この道のりは簡単ではない。アジアNo.1のイラン以外にも、アラブ主張国連邦も近年大きな潜在力と大きな進歩を見せており、バングラデシュを過小評価することもできない。」と述べています。

「国内で国際的なフットサル大会が開催されるのは8年ぶり(東南アジア競技大会通称シーゲームズ2017年クアラルンプール大会以来)なので、マレーシアのファンが大勢集まって応援してくれることを本当に願っている」と国内開催の有利さを活用して、2018年以来となるアジア杯出場を目指したいとしています。

AFCフットサルアジア杯2026年大会予選G組の試合は、9月20日から24日まで、パハン州クアンタンのSUKPAインドアスタジアムで開催されます。

6月26日のニュース<br>・アルゼンチン出身のマレーシア代表選手アグエロがタイ1部クラブへ移籍<br>・辞任した小倉シンガポール代表監督の後任候補にクチンシティFCのアイディル監督の名が浮上<br>・マレーシア代表の中央アジア遠征に合わせて国内リーグの今季日程が変更に<br>・深まる謎-退団表明のスランゴールFCキャプテンがU23チームと練習

アルゼンチン出身の帰化選手アグエロがタイ1部クラブへ移籍

昨季2024/25シーズンにはスリ・パハンFCでキャプテンを務めたアルゼンチン出身の帰化選手MFセルヒオ・アグエロが、今季2025/26シーズンにタイ1部へ昇格したカンチャナブリー・パワーFCに移籍することが明らかになっています。

カンチャナブリ・パワーFCのプラワット・キタマクニット社長が自身のSNSに「セルヒオ・アグエロは7月2日にやって来る」と投稿し、コメント欄ではファンからの質問に答える形で「基本的な要件については全てが完了している。まだ細かい点が残っているが、(タイに来る)時期は決まっている」と述べています。

カンチャナブリー・パワーFCは、昨季はタイ2部で4位となり、同3位から6位までが出場する1部昇格プレーオフに駒を進め、準決勝では同5位のマハーサーラカーム SBT FCを2試合通算7-4で破り、さらに決勝では清水龍秀選手が所属する同3位プレー・ユナイテッドをこちらは2試合通算5-4で破って、2017年のクラブ創設以来初めて1部昇格を果たしたクラブです。

このカンチャナブリー・パワーFCに移籍するアグエロ選手は、あのセルヒオ・アグエロ選手と同じアルゼンチン出身です。(このブログでは混乱を避けるためにエゼキエル・アグエロと表記してきました。-筆者中)じゃない方のアグエロ選手は、リーベルプレートやオールボーイズでユース時代を過ごした後、2015年にハンガリー2部FCタタバーニャと初めてプロ契約を結ぶと、2016年にはスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFC(既に解散)へ移籍します。その後はサラワク・ユナイテッド(既に解散)、ペナンFA(現ペナンFC)、下部リーグのKLローヴァーズFCなどでプレーし、2021年にスリ・パハンFCに移籍します。一時はペラFC(既に解散)へローン移籍をしたものの、その間にマレーシアでのプレー期間が5年を超えたことから、2022年にマレーシア国籍を取得すると同年9月にはマレーシア代表デビューを果たしています。

マレーシア代表では17試合に出場して3ゴールを挙げています。また記憶に新しいところでは、先月5月28日に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズではマレーシアを代表して出場し、キャプテンも務めました。

所属していたスリ・パハンFCは、昨季のマレーシアカップ決勝に進出し王者ジョホール・ダルル・タジムFCをあと一歩まで追い詰めるなど健闘したものの、今季2025/26シーズンの参加を辞退したため、スリ・パハンFCの他の選手同様、その移籍先については噂レベルも含め様々な話が出ていました。今月初旬には今季からスーパーリーグに参入するブルネイのDPMM FCがクラブ公式サイトでアグエロ選手と契約したことを発表しており、このブログでもそのニュースを取り上げましたが、公式サイトでは現在はその発表を見ることはできません。

辞任した小倉シンガポール代表監督の後任候補にクチンシティFCのアイディル監督の名が浮上

シンガポール・サッカー協会(FAS)は24日、日本代表コーチやJ1横浜Mの強化責任者などを歴任したシンガポール代表の小倉勉監督(58)が「個人的な理由」のため辞任すると発表しました。

2019年〜2021年の吉田達磨氏(現韓国1部太田ハナシチズン コーチ)、そして2022年〜2024年1月の西ヶ谷隆之氏(現タイU23代表監督)に続く、3人目の日本人監督として2024年2月にFASと2年契約を結んでシンガポール監督に就任した小倉氏は、FASに対して日本で火急の要件があることを理由に数週間前に辞意を表明していたとシンガポールの英字紙ストレイツタイムズが報じています。

とここまではマレーシアとは関係ない話なのですが、マレーシアのスポーツ専門サイト、スタジアム・アストロは、この小倉氏の後任候補の1人がシンガポール出身で、現在はクチンシティFCのアイディル・シャリン監督であると伝えています。

クチンシティFCを前年2023年シーズンの13位(2勝6分18敗)から昨季は4位(10勝9分5敗)まで押し上げた手腕で、昨季2024/25シーズンにリーグ最優秀監督賞を受賞したアイディル氏は、47歳で現役時代はシンガポール代表として87試合に出場した後、2012年にはホーム・ユナイテッド(現ライオンシティ・セイラーズFC)でコーチ、2016年には監督に就任しています。2018年にはクダ・ダルル・アマンFCの監督に就任し、2019年にはマレーシアFAカップ優勝、2020年、2021年にはいずれもジョホール・ダルル・タジムFCに次ぐ2位とすると、2023年シーズンの途中まではシンドネシア1部のプルシカボ1973で監督を務めた後、2023年シーズン途中にクチンシティFCの監督に就任しています。

代表の中央アジア遠征に合わせてリーグが今季日程を変更

マレーシア国内リーグ1部のスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、中央アジアで開催される中央アジアサッカー連盟CAFAネイションズカップ2025年大会に参加を決めたマレーシア代表を全面的に支援するために、この大会が行われる8月26日から9月9日までの期間はリーグ戦を開催しないことを発表しています。

MFLのモハメド・シャズリー・シャイクCEO代理は、「MFLは、10月に行われるアジア杯2027年大会予選に向けて、マレーシア代表チームが準備を進める上で、この大会が最も重要なものの一つだと考えている」と説明し、マレーシア代表チームから要請を受けたことが今回の措置を講じる理由となったことを説明しています。

MFLは今季2025/26シーズンが8月8日のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)対スランゴールFCで開幕することを既に発表していましたが、CAFAネイションズカップがFIFA国際マッチカレンダー外であることから、リーグ戦の開催がどうなるのかについてはSNSなどでも様々な意見が飛び交っていました。

深まる謎-退団表明のスランゴールFCキャプテンがU23チームと練習

2020年シーズンからスランゴールFCでプレーし、キャプテンを務めてきたシンガポール代表のCBサフワン・バハルディンは、自身が監督の構想外であることが明らかになったとして、契約期間があと1シーズン残っているものの2024/25シーズン終了後にクラブを離れることを表明していました。

しかしサフワン選手が自身のSNSに投稿した内容がスランゴールFCサポーターを困惑させています。33歳のサフワン選手は、「新しいチーム、スランゴールU23とのプレシーズントレーニングの2日目!」と投稿して、現在はスランゴールFCのU23チーム、スランゴールFC IIの練習に参加していることを明らかにしています。

2019年オフにスランゴールFCに加入したサフワン選手は、2023年にはネグリ・スンビランFCに移籍しましたが、前半戦が終了して2度目のトランスファーウィンドウが開くと、スランゴールFCに復帰し、そのあとはスランゴールFCのキャプテンを務めるとともに、チームの精神的支柱も務めてきた選手です。母国の強豪、ライオンシティ・セイラーズ加入なども噂れた現役のシンガポール代表選手が、今季から実質2部に当たるA1セミプロリーグに参加するスランゴールFC IIでプレーするとは思えませんが、今後の動向は見守りたいところです。

6月24日のニュース<br>・ジョホールはスペイン出身帰化選手とオランダ出身帰化の加入を発表<br>・ジョホールは帰化選手ティアニーをサバへ放出<br>・マレーシア代表の中央アジア遠征が決定-イランやウズベキスタン相手に腕試しも

ジョホールはスペイン出身帰化選手とオランダ出身帰化選手の加入を発表

こうなるのは予想してたけど、なんかモヤモヤする。

マレーシア1部スーパーリーグ11連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、クラブ公式SNSでスペイン出身のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)で191センチのCBジョン・イラザバルの加入を発表しています。背番号は17となることも併せて発表されています。

アゼルバイジャン1部のサバFKを6月30日に契約満了で退団していた29歳のイラザバル選手は、今月6月10日に行われたAFCアジア杯2027年大会3次予選ベトナム代表戦で代表デビューを果たすと、11年ぶりとなるマレーシア代表のベトナム代表戦勝利に貢献していました。

母親がボルネオ島のサバ州出身というイラザバル選手は、今年に入ってマレーシア代表でデビューしたヘリテイジ帰化選手7名の内の1人です。

またJDTはイラザバル選手加入の発表後には、今年3月のネパール代表戦でひと足先に代表デビューしていたオランダ出身のヘリテイジ帰化選手でAMFエクトル・へヴェルの加入も発表しています。へヴェル選手もポルトガル2部ポルティモネンセを6月30日に契約満了で退団しており、本人もJDT入りを認めていましたが、これまで発表はありませんでした。

祖父がマレーシアのマラッカ州出身というへヴェル選手は、オランダU16やU20など年代別代表でのプレー経験があり、ヘリテイジ帰化選手としてマレーシア代表に加わると、アジア杯予選の初戦となった3月のネパール代表戦と今月のベトナム代表戦のいずれにも先発してフル出場し、やはりマレーシアの勝利に貢献しています。

ジョホールは帰化選手ティアニーをサバへ放出

マレーシア1部スーパーリーグで昨季2024/25シーズンを3位で終えたサバFCは、22歳のマレーシア代表CFファーガス・ティアニーをジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から完全移籍で獲得したことを、クラブ公式SNSで発表しています。

2023/24シーズンはJDTのU23チーム、JDT IIからタイ2部のチョンブリーFCへローン移籍すると、開幕戦でいきなり初ゴールを決めましたが、結局、12試合出場(出場時間524分)で、1ゴール1アシストという成績でリーグ前半戦を終えると、ローン期間の終了に合わせて今度はタイ1部のナコーンパトム・ユナイテッドへやはりローン移籍しました。セランゴールFCから同じくローン移籍していたムハマド・カリルとともにプレーしたティアニー選手は11試合に出場し3ゴールを挙げましたが、チームは16位中15位となり、2部へ降格を止めることはできませんでした。

スコットランドのグラスゴー生まれのティアニー選手は、父親のマーティン・ティアニー氏が1990年代前半にマレーシアリーグのPDRM FA(当時、現PDRM FC)やペナンFA(現ペナンFC)などでプレーしたプロサッカー選手で、父親と共にマレーシアへやってきたティアニー選手は、この地で育ったことからマレーシア国籍を会得し、マレーシアU23代表では12試合に出場しています。

A代表デビューは2024年11月のインド代表戦で、途中出場ながら14分プレーしています。また同年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」では、この大会がFIFA国際マッチカレンダー期間外の開催であることからJDTが自チームの選手のマレーシア代表招集を拒否したこともあって、主力を欠く代表チームでは4試合に出場し代表初ゴールをカンボジア代表戦で決めるなど、1ゴール1アシストの成績を残しています。

ティアニー選手が移籍するサバFCは、7年間在籍した韓国出身のキャプテンでCBパク・テスを放出するなど、大規模なメンバー交代の最中で大型ストライカーのティアニー選手は出場機会が大いにありそうです。このブログでも既報の通りサバFCは、ニュージーランド代表SBデイン・インガム(オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツFC)、オーストラリア出身MFディーン・ペレカノス(オーストラリア1部ウェスタンシドニーワンダラーズFC)、ボスニア出身のCFアジュディン・ムジャギッチ(クロアチア2部NK BSKビイェロ・ブルド)ら外国籍選手の加入を発表しています。

またサバFCは、国外移籍が噂されていたMFスチュアート・ウィルキンやCBドミニク・タン、SBダニエル・ティン、FWダレン・ロックといったマレーシア代表選手やベテランGKカイルル・ファーミが残留した他、スペイン出身のMFシフことミゲル・シフエンテスも今季残留が発表されています。


このティエニー選手や、同じボルネオ島に本拠地を持つクチンシティFCへのFWラマダン・サイフラーの放出は、前述のヘリテイジ帰化選手のイラザバル選手とへヴェル選手が加入するJDTの方針を示しているかも知れません。国内の有力選手はとりあえず押さえておいて、トップチームで出場機会がなさそうなら他のクラブへローンして出場機会を積ませる。それと同時に外国育ちのヘリテイジ帰化選手を揃え、競争で負ければ放出するといった方針は、JDTがアジアで伸し上がるためには必要な手段なのかも知れませんが、国内リーグで活躍してJDTと契約しながら、契約後は一度もJDTのユニフォームを着ていない選手が複数のクラブにローンされ続けている状況は、国内リーグがJDTというクラブの選手育成の場になっているようにも見えます。

マレーシア代表の中央アジア遠征が決定-イランやウズベキスタン相手に腕試しも

中央アジアサッカー連盟CAFAが主催するCAFAネイションズカップにマレーシア代表が出場することを、マレーシア代表専用SNSアカウントのマレーシアNTが発表しています。

このブログでも6月19日のニュースで取り上げましたが、この時点では大会参加についてはマレーシアサッカー協会FAMは「検討中」という記事が各メディアに出ていましたが、マレーシアNTでは「(マレーシア代表の愛称)ハリマウ・マラヤは、イランやウズベキスタンを含む8つの有名チームが集まる大会CAFAネーションズカップ2025に参加し、新たな挑戦をする」、「今回の参加は名誉なことであるだけでなく、国際舞台でより大きな夢を実現する機会を開くものでもある。」などと投稿しています。

またピーター・クラモフスキー代表監督のコメントも併せて投稿しています。「2025年のCAFAネイションズカップに参加できることを誇りに思う。アウェイで強豪チームと厳しい環境で戦うこの経験は、フィールド内外でのさまざまな面で我々の力を試すものであり、代表チームの継続的な発展にとって非常に重要である。」「またこの大会はハリマウ・マラヤにとって国家に栄光をもたらし、サポーターの精神を活気づけ、マレーシアサッカーが夢見る団結を築き続けるためのもう一つの重要な機会でもある。」

2023年の第1回大会に続き、今回が第2回大会となるCAFAネーションズカップは、8月26日から9月9日までキルギスタンとウズベキスタンで開催され、CAFAの加盟国であるアフガニスタン、イラン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンと、マレーシア、そして同じく招待チームであるオマーンの合計8カ国が出場します。