6月7日のニュース<br>・W杯アジア2次予選:マレーシアはキルギスと引き分けで最終節に予選突破の可能性を僅かに残す

6月6日に2026年W杯アジア2次予選D組第5節が行われ、マレーシアはキルギスと対戦し、1−1で引き分けています。この結果、3位のマレーシアは2位のキルギスとの勝点差3を詰めることができませんでした。最終節となる6月11日の第6節でマレーシアはグループ4位の台湾と、キルギスは首位のオマーンと対戦しますが、マレーシアが台湾に大勝し、キルギスがオマーンに敗れた場合にのみ、マレーシアは3次予選進出となります。

W杯アジア2次予選-マレーシアはキルギスと引き分けで最終節に予選突破の可能性を残す

3月に行われた2試合で連敗したマレーシアは、この試合で負ければ予選敗退が決まる厳しい状況ですが、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、アリフ・アイマン、ロメル・モラレス(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC-JDT)、シャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)、ダレン・ロック(サバFC)とこれまでの代表を支えてきたFW陣がケガなどで軒並み代表を辞退、さらにこの試合直前には正GKシーハン・ハズミもケガで辞退するなど、チームは文字通り満身創痍の中、キム・パンゴン監督は前節のオマーン戦から思い切ったメンバー変更を行いました。

4-4-2のトップにアキヤ・ラシド(トレンガヌFC)とパウロ・ジョズエ(KLシティFC)、中盤はスチュアート・ウィルキン(サバFC)とエンドリック・ドス・サントス(JDT)のレギュラーコンビに、U23代表のノーア・レイン(スランゴールFC)と本来はCBのディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、そして最終ラインは左右のSBがラヴェル・コービン=オングとマシュー・デイヴィーズ(いずれもJDT)、CBはドミニク・タン(サバFC)とU23代表のサフワン・マズラン、GKはアズリ・アブドル・ガニ(KLシティFC)という11名がこの日の先発でした。なお、ノーア・レイン、サフワン・マズラン、アズリ・アブドル・ガニはいずれもW杯予選初先発です。


FIFAランキングではマレーシアの138位に対して、キルギスは100位と格上の相手ですが、昨年11月16日にブキ・ジャリル国立競技場で行われた同じカードでは、ロスタイムにファイサル・ハリムの劇的なゴールでマレーシアが4−3と勝利しており、決して圧倒される相手ではありません。

敵地キルギスの首都ビシュケクにあるドレン・オムルザコフ・スタジアムで行われたこの試合の前には、酸をかけられて療養中のファイサル・ハリムのユニフォームを持ってチームフォトを撮る場面も見られました。(写真はマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)


試合の主導権を握るためにも先制点が欲しいマレーシアでしたが、24分にキルギスはガーナ出身の帰化選手FWジョエル・コジョがマレーシアDF陣を十分に引きつけてから走り込んできたグルシジット・アリクロフにパス。このボールを落ち着いてDFをかわしたグルシジット・アリクロフがゴールを決め、キルギスが先制します

しかし38分には左サイドのペナルティエリア脇で得たPKをエンドリック・ドス・サントスがゴール前へ。これを相手DFと競ったディオン・コールズがバックヘッドのような形で合わせると、そのままゴールイン。その後、記録は最終的にはアディルジョン・アブドゥラフマノフのオウンゴールとなりましたが、前半でマレーシアが1−1と追いつきます。

前半をこのまま1−1で折り返すと、後半はギアを上げたキルギスが優勢のまま試合が進みますが、DF陣が耐え、さらにGKアズリ・アブドル・ガニの好セーブもあり、失点を許しません。キム監督は残り5分というところでサファウィ・ラシド(トレンガヌFC)、ハキミ・アジム(KLシティFC)、そして代表デビューとなったアディブ・ラオプ(ペナンFC)のFW3人を投入して勝負をかけますが、キルギスもGKを中心に必死に防戦し、逆転することはできず、試合は1−1のまま引き分けに終わっています。

この試合の結果、D組3位のマレーシアはホームのブキ・ジャリル国立競技場に同4位の台湾を迎え、2位のキルギスは1位のオマーンと敵地マスカットで対戦します。マレーシアとは勝点差3のキルギスがオマーンに敗れ、マレーシアが台湾に勝てば勝点差では並びますが、得失差はキルギスの+6に対してマレーシアは−2のため、マレーシアは台湾に7点差以上をつける大差で勝つことができれば、D組2位となりW杯3次予選進出となります。なおこの予選の第2節ではマレーシアは台湾に1−0の辛勝でした。

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第5節
2024年6月6日@ドレン・オムルザコフ・スタジアム(ビシュケク、キルギス)
キルギス 1-1 マレーシア
⚽️キルギス:グルシジット・アリクロフ(24分)
⚽️マレーシア:アディルジョン・アブドゥラフマノフ(38分OG)
🟨キルギス(1):ヴァレリー・キチン
🟨マレーシア(1):アキヤ・ラシド

またD組のもう1試合は、既に予選敗退が決まっている台湾がホームでオマーンに0−3で敗れています。この試合ではオマーンのアブドルラーマン・アル=ムシャイフリがハットトリックを達成しています。

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第5節
2024年6月6日@台北陸上競技場(台北、台湾)
台湾 0-3 オマーン
⚽️オマーン:アブドルラーマン・アル=ムシャイフリ3(31分、55分、75分)
🟨台湾(2):ウェン・チーハオ(温智豪)、チェン・ポーリャン(陳柏良)
🟨オマーン(1):ハリブ・アル=サアディ

W杯2026アジア2次予選予選D組順位表(第5節終了)

順位勝点
1オマーン5401101912
2キルギス5311126610
3マレーシア521268-27
4台湾5005114-130

6月3日のニュース<br>・インドネシアリーグ制覇の前KLシティ監督が両国の違いを語る<br>・2026W杯予選:今度は正GKがケガで代表辞退<br>・アジア大学サッカートーナメントがマレーシアで開幕

今日は国王誕生日で祝日のマレーシア。ちなみにマレーシアの国王は、マレー半島部にある9つの州のスルタンが5年の任期で持ち回りで行う仕組みになっています。現在の国王は今年1月31日に就任したジョホール州のスルタン・イブラヒム殿下。サッカーファンなら気づいたかもしれませんが、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムは殿下の名に因んでいます。スルタン・イブラヒム殿下が国王となったことで、スルタン・イブラヒム殿下の長男でJDTのオーナーでもあるジョホール州皇太子のトゥンク・イブラヒム殿下は、現在は「摂政」となっています。

インドネシアリーグ制覇の前KLシティ監督が両国の違いを語る

5月31日に行われた2023/24シーズンのインドネシア1部リーグのチャンピオンシップシリーズ決勝セカンドレグでは、レギュラーシーズン2位のプルシブが同4位のマドゥーラ・ユナイテッドを3−1で破り、通算成績6-1で今季の優勝を果たしています。インドネシアスーパーリーグで2014年に優勝を果たして以来、10年ぶり3度の優勝は、クラブ初となる外国籍監督でクロアチア出身のボヤン・ホダック監督の手腕によるものが大きですが、そのホダック監督が優勝を決めた後、インドネシアとマレーシアのサッカーの違いについて語っている記事を英字紙スターが掲載しています。

2011年にカンボジア1部のプノンペン・クラウンで監督として優勝を経験したホダック氏は、マレーシアスーパーリーグでは、クランタンFA(現クランタンFC)監督時の2012年にリーグ、マレーシアカップ、FAカップ全てで優勝し国内三冠を達成し、さらに2013年にはFAカップを連覇しています。翌2014年にジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)監督に就任すると、現在まで続くリーグ10連覇の1年目となるリーグ優勝を果たしています。さらに2018年にはマレーシアU19代表監督となり、東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権で初優勝を飾ります。

2020年にはインドネシア1部のPSMマカッサル監督に就任しますが、新型コロナの影響でこのシーズンのインドネシアリーグは中止となり、2021年にはマレーシアに戻りKLシティFC監督に就任すると、同年マレーシアカップ優勝、翌2022年はAFCカップ準優勝、そして2023年はJDTに敗れたもののFAカップ準優勝を果たしています。

そして2023年シーズン途中の7月には給料未払い問題が起こっていたKLシティ監督を辞任し、開幕ダッシュに失敗したインドネシア1部のプルシブ・バンドン監督に就任しています。ホダック氏が監督に就任した際は1勝3分1敗の16位だったプルシブ・バンドンですが、そこからは順位を上げ、レギュラーシーズンは16勝14分4敗として2位で終え、リーグ上位4チームが出場するチャンピオンシップシリーズに進出しています。

ホームアンドアウェイ方式で行われた準決勝ではレギュラーシーズン3位のバリ・ユナイテッドと対戦し、アウェイでは1−1と引き分けたものの、ホームでは3−0で勝利し、決勝進出を決めると、決勝はホーム、アウェイとも連勝して優勝を決めています。

優勝決定直後に今シーズンを振り返ったホダック監督は「(プルシブ・バンドンの)監督を引き分けたときは18チーム中16位で、あまり期待はしていなかった。しかし、チームが良い結果を出し始めると、期待は高まり、チームが目標としていたチャンピオンシップシリーズ出場を果たすことができた。チャンピオンシップシリーズでは、チームの調子も良く、優勝できた。この優勝でバンドンの街は間違いなく熱狂していることは確信できる。」と述べています。

今季の最優秀監督としても表彰され、その賞金として1億5000万ルピア(およそ145万円)を受け取ったホダック氏は、インドネシアとマレーシアのリーグ違いを尋ねられると以下のように答えています。

「サッカーはインドネシアでは最大のスポーツであることに加えて、代表チームが好成績を収めていることもあり、各クラブもチーム強化に力を入れていることから、全体としてレベルが上がってきている。(2020年に)PSMマカッサルの監督に就任した際には、外国籍選手がより多く登録できることもあり、マレーシアリーグのクラブの方がインドネシアのクラブより強いと思っていた。しかし現在は(マレーシアリーグと同じ)6名の外国籍選手が登録でき、さらに来季はそれが8名となる。またインドネシア人選手の多くは恵まれない生活環境が背景にあり、ハングリーさはマレーシア人選手に比べると高いため、ここでは選手に練習を「やらせる」必要がない。選手自身がこちらの指示通りに練習してくれるからだ。」

「リーグの運営などは、インドネシア、マレーシア両国では大きな違いがないが、マレーシアは1チームが他を圧倒しているが、ここは多くのクラブが健全に投資を行なっている結果、競争が起こっているので、リーグ自体はこちらの方が遥かに面白い。その一方で、インドネシアは国土が広いため移動が大変であったり、代表戦などによりリーグ日程の変更が頻繁に行われるのは欠点と言える。」とも話しています。

最後にホダック監督は、この日(5月31日の決勝セカンドレグ)で契約が切れることを明らかにしましたが、既に契約更新の話し合いは行われており、おそらく来季もプルシブ・バンドンで指揮を取るだろうと話しています。

2026W杯予選:今度は正GKがケガで代表辞退

6月6日と11日に2026年W杯アジア2次予選を控えるマレーシア代表は、5月27日から代表合宿を行っています。6月2日にはこれまで合流していなかったジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)の6名が参加するはずでしたが、実際に合宿に姿を表したのは5名で、GKシーハン・ハズミがケガのため、代表合宿参加を辞退したことが明らかになりました。

マレーシア代表は、酸をかけられて治療を受け、現在療養中のFWファイサル・ハリム(スランゴールFC)に加え、FWアリフ・アイマン、FWロメル・モラレス(いずれもJDT)、FWダレン・ロック(サバFC)、FWシャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)と大量の不参加が出ており、このシーハン選手で当初のメンバーから6名が不参加となっています。

これまでのW杯予選4試合、そして1月のAFCアジアカップ全てでゴールを守った正GKのシーハン選手が代表参加を辞退した影響は大きいですが、キム・パンゴン代表監督は代替選手を招集せず、現在合宿に参加しているアズリ・ガニ(KLシティFC)、シーク・イズハン(ペナンFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(クダ・ダルル・アマンFC)を起用するとしています。

アジア大学サッカートーナメントがマレーシアで開幕

本日6月3日からアジア大学サッカートーナメントがクアラ・ルンプール郊外のマレーシア国民大学(UKM)で開催されています。昨日6月2日に行われた組み合わせ抽選でA組に入ったマレーシアは、前回大会準優勝の韓国、フィリピン、オマーンと同組に、またU20全日本大学選抜が参加する前回チャンピオンの日本は台湾、ベトナム、タイと同じB組となっています。

B組の日本は本日3日の午前9次からの試合で台湾と対戦し3−0と快勝、明日4日にはやはり本日タイを1−0で破ったベトナムと対戦します。またグループリーグ最終日の5日にタイとも対戦します。A組のマレーシアは本日3日にオマーン、明日4日はフィリピン、5日にオマーンと対戦します。なお順位決定戦は7/8位決定戦と5/6位決定戦が7日、3/4位決定戦と1/2位決定戦が8日にそれぞれ予定されています。

以下は本日の試合の各チームの先発XI です。(左上から時計回りに台湾、日本、タイ、ベトナム)


マレーシア大学チームのリズアン・アブ・シャー監督は、今回のチームにはアリフ・ナジミ・シャアイニ(PDRM FC)、ハリズ・マンソル(クチンシティFC)らマレーシアスーパーリーグの選手に加えて、クランタンFC U23、ヌグリスンビランFC U23、3部のマラッカFCからもそれぞれ選手が参加していることを明らかにしています。

リズワン氏は4強入りが目標の今大会では守備が重要と考えており、上記の大学生でない選手はDFであると説明しています。なお昨年9月に韓国で行われた前回大会で、マレーシアは6位に終わり、2019年の台湾での大会は5位に終わっています。

この大会はマレーシア高等教育機関スポーツ(Sukan IPT)のFacebookから試合の写真や映像などを見ることができます。

6月2日のニュース<br>・U19代表合宿参加メンバー発表:ジョホールとスランゴールの選手が半数以上を占める<br>・名将ホダック監督がまた一つ勲章:インドネシアリーグ優勝で3か国でリーグ制覇<br>・ペラFC本拠地の高麗芝への張り替えは前半戦終了後の11月に予定

U19代表合宿参加メンバー発表:ジョホールとスランゴールの選手が半数以上を占める

マレーシアサッカー協会(FAM)は、7月にインドネシアで開催される東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権に向けた代表候補合宿参加メンバー36名を発表しています。

この36名中、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)とセランゴールFCからはそれぞれ10名が選ばれています。その他はFAMと国家スポーツ評議会(NSC)が共同運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリ・アカデミーとトレンガヌFCから3名、ヌグリスンビランFC、ペナンFC、サバFCからそれぞれ2名、クダ・ダルル・アマンFC、クランタン・ダルル・ナイムFC、ペラFC、そしてマラッカ州サッカー協会からは各1名が選ばれています。詳しいメンバーはこちらです。

フアン・トーレス・ガリド監督率いるU19代表は、今日6月2日から8日までパハン州ガンバンのモクタル・ダハリ・アカデミーで合宿を行い、6月9日から11日まではブキ・ジャリル国立競技場に隣接するNSCの練習施設に場所を移して合宿を続けます。なお今年のAFF U19選手権は 7月17日から29日までインドネシアのスラバヤで開催される予定です。前回2022年大会では、マレーシアは決勝でラオスを破り、2018年大会に次ぐ2度目の優勝を果たしています。

*****

なお、このAFF U19選手権の組み合わせ抽選は既に行われており、マレーシアは、過去5度優勝のタイの他、シンガポール、ブルネイと同じC組に入ることが決定しています。この他、前回大会準優勝のラオスは、過去5回優勝のオーストラリア、同2回優勝のミャンマー、同1回優勝のベトナムと同じB組に、今大会ホストで過去1回優勝のインドネシアはいずれも優勝経験がないフィリピン、カンボジア、東ティモールと同じA組となっています。

U19代表以外の年代別代表については、JDT III(U21)監督やJDTアカデミー責任者を歴任したハビエル・リベラ監督が率いるU16代表が今月21日にインドネシアで開幕するAFF U16選手権に出場します。こちらも既に組み合わせ抽選が、グループステージではC組に入り6月23日には東ティモールと、6月26日にはオーストラリアと、そして6月29日にはタイと対戦します。先月5月3日に就任したばかりのリベラ監督は、このAFF U16選手権の他、10月に予定されているAFC U17アジアカップ予選でも指揮を取ることになっています。

また4月のAFC U23アジアカップ2024ではグループステージ未勝利で敗退したU23代表は、次の公式戦は9月のU23アジアカップ2026の予選と時間があることから、今回のFIFAデイズでは合宿などは行わず、U23代表のフアン・トーレス・ガリド監督は、U19代表のサポートに回っています。

名将ホダック監督がまた一つ勲章:インドネシアリーグ優勝で3か国でリーグ制覇

5月31日にインドネシア1部リガ1のチャンピオンシップシリーズ決勝セカンドレグが行われ、5月26日にホームのシ・ジャラク・ハルパット・スタジアムで行われた決勝ファーストレグを3-0で勝利していたペルシブ・バンドンは、この試合でもマドゥーラ・ユナイテッドを3−1と破り、通算成績を6−1として、2023/24シーズンの優勝を果たしています。またプルシブ・バンドンのボヤン・ホダック監督はこの優勝で、カンボジア、マレーシアに次いで東南アジア3カ国目となるリーグ優勝を果たしています。

クロチア生まれのホダック監督は、2011年にカンボジアリーグでプノンペン・クラウンクラブをリーグ優勝に導くと、翌2012年にはマレーシアスーパーリーグ(MSL)でクランタンFA(現クランタンFC)を、さらにその2年後にはジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)を率いてリーグ優勝を果たしています。2018年にはマレーシアU19代表を率いて東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権で優勝を果たすと、インドネシア1部PSMマカッサル監督を経て、2021年にマレーシアに戻りKLシティFC監督に就任しています。その2021年には決勝でJDTを破りクラブ32年ぶりとなるマレーシアカップ優勝を果たすと、2022年にはAFCカップ(現ACL2)決勝進出を果たしています。2023年シーズンもFAカップ決勝を果たしていましたが、シーズン途中の7月にKLシティFC監督を辞任し、プルシブ・バンドン監督に就任しました。

ホダック監督は、開幕ダッシュに失敗し、1勝3分1敗、得点10失点11でリーグ10位に低迷していたチームに合流すると、そこから15勝11分3敗、得点55失点27とチームを立て直し、レギュラーシリーズ2位でチャンピオンシップシリーズ進出を決めています。チャンピオンシップシリーズでは、準決勝でレギュラーシリーズ3位のバリ・ユナイテッドを通算成績4−1で破ると、前述の通り決勝は6−1と解消しています。マレーシアでプレー経験がある選手では、ホダック監督がKLシティFCから引き抜いたフィリピン代表GKケヴィン・メンドーザは、優勝の懸ったチャンピオンシップシリーズ準決勝2試合、決勝2試合の計4試合でで2失点と活躍し、またトレンガヌFCでプレー経験がある(Jリーグではツェーゲン金沢でも)ダビ・ダ・シルヴァがリーグ最多の30ゴール(34試合)を挙げ、決勝2試合でも3ゴールを決めて、プルシブ・バンドンの優勝に貢献しています。

現在のリーグになってからは2014年以来3度目の優勝となったプルシブ・バンドンに外国籍監督としては初めてタイトルをもたらしたホダック監督は、自身も今季のインドネシアリーグ最優秀監督を受賞しています。

決勝セカンドレグのハイライト映像。プルシブ・バンドンの公式YouTubeチャンネルより
ペラFC本拠地の高麗芝への張り替えは前半戦終了後の11月に予定

ペラ州イポーにあるペラ・スタジアムはペラFCのホームですが、このペラ・スタジアムの芝張り替え工事を11月から始める予定であることをペラ・スタジアムを管理するイポー市のルマイジ・バハリン市長が明らかにしています

これを伝えたマレーシアの通信社ブルナマによると、ルマイジ市長は今季2024/25シーズンのマレーシアアスーパーリーグの前半戦最終節の第13節が10月18日から20日に予定されていることから、この前半戦終了を待ってからピッチの排水システムを改善した上で、現在のカウグラス(アカツメクサ)から高麗芝の一種のゼオン・ゾイシア芝に張り替え、来季2025/26シーズンの開幕に間に合わせたいとしています。

ペラ・スタジアムの芝張り替えは、マレーシア政府青年スポーツ省からの補助金を使って行われ、作業終了までには3から4ヶ月程度かかるとしています。今年1月に青年スポーツ省は、国内のスタジアムのピッチ改善のために700万リンギ(およそ2億4000万円)の支援を行うことを発表しており、今回のペラ・スタジアムの芝張り替えはこの支援を使って行われます。具体的にはピッチ下の排水システムのアップグレードに30万リンギ、芝の張り替えに20万リンギが各州に補助されます。

ルマイジ市長は、世界基準のピッチとなることで将来はペラ・スタジアムでも国際大会が開けるようになることを歓迎すると話す一方で、芝張り替え工事期間中のペラFCの公式戦については、ペラFCとリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)との間で相談の上、開催地が決定されるだろうと話しています。


6月1日のニュース<br>・AFCクラブ大会ランキングが発表:マレーシアは2025/26シーズンACLエリートとACLの本選出場枠各1を守る<br>・ジョホールがACLエリートに向けてクラブ初となる韓国出身CBを獲得へ<br>・2026W杯予選:マレーシア代表が練習試合でペラFCに辛勝

スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロは、マレーシアスーパーリーグのペラFCのU17チーム、ペラFC IVのキャプテン、ナスルディン・アフマドが、2023年度の「中等教育修了認定試験」SPM試験でオールAの成績を取得したことを報じています。

これがどのくらい凄いことかを説明するために、まずはマレーシアの教育制度を説明しましょう。マレーシアはその前身のマラヤ連邦が英国植民地だった経緯もあり、教育制度は英国に倣い、義務教育となっている小学校6年間を終えた子どもたちの大半が、5年制の中等学校へ進学します。この中等学校5年生修了が日本でいう高卒に該当しますが、マレーシアの教育制度が日本と異なるのは、17歳の5年生全員に「中等教育修了認定試験」の受験が義務付けられていることです。

中等教育修了証の名前をとってSPM試験と呼ばれるこの試験は、マレーシア語、英語、数学、歴史、イスラム学(イスラム教徒の生徒のみ)/道徳(イスラム教徒以外の生徒)、理科(文系の生徒のみ)の必須6科目と、選択科目を進路などに合わせて3科目から6科目選び、合計9科目から12科目を受験します。そして試験の結果が80%以上の成績にはAが、60%以上はB、50%以上はCがそれぞれ与えられ、C以上の成績が合格となります。

2023年度は37万人の17歳が受験したSPM試験の結果が数日前に発表されましたが、それを受けての冒頭のナスルディン選手の成績の話とつながります。なお、ナスルディン選手は9教科受験でオールAの成績でしたが、これは受験生全体の上位3%に入る成績であったことからニュースとなったわけです。

AFCクラブ大会ランキングが発表:マレーシアは2025/26シーズンACLエリートとACLの本選出場枠各1を守る

アジアサッカー連盟(AFC)は2025/26シーズンAFC主催のクラブ出場大会の各国出場枠を発表し、マレーシアは今季2024/25シーズンと変わらず、ACLからリブランドされたACLエリートと、AFCカップからリブランドされたACL2にそれぞれ1チームが本戦から出場することが確定しています。なおACL2に次ぐ大会のAFCチャレンジリーグの出場枠はありません。

AFC主催のクラブ出場大会の出場枠は、各国クラブがこれまで獲得したポイントをもとにしたAFCクラブコンペティションランキングによって決定します。東西各地区の1位は2025/26シーズンのACLエリート本選に3チーム、ACL2本選に1チームが出場、同2位はACLエリート本選に2チームと予選に1チーム、ACL2本選に1チームが出場するといった割り当てとなっています。

マレーシアは2019年から5年連続本選出場を果たしているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)や、2022年AFCカップ準優勝のKLシティFCなどが貢献し、横浜F・マリノスが今季のACLで準優勝したことなどにより、31.331ポイントで東地区の6位となっています。例年通りであれば、2025/26のACLEにはマレーシアスーパーリーグ(MSL)の1位がが、またACL2にはFAカップの優勝チームが出場します。なお今季2024/25で言えば、JDTがMSL1位、FAカップ優勝だったことから、MSL2位のスランゴールFCがACL2に出場します。

東地区ではマレーシアと3.372ポイント差の5位がオーストラリアで、7位には2.674ポイント差でベトナムとなっています。5位のオーストラリアは、マレーシアと同じACLエリート本選1チーム出場、ACL2本選1チーム出場となっている一方で、7位ベトナムはACLは本選、予選とも出場枠なし、ACL2は本選1チーム出場、予選1チーム出場となっています。以下は東地区上位12チームと各大会出場枠です。数字は左からACLエリート本選出場チーム数/同予選出場チーム数/ACL2本本選出場チーム数/同予選出場チーム数です。(なお、この記事はゲキサカさんの記事を参考にしました。)

順位国名ポイントAFC大会出場枠
1日本96.9993/0/1/0
2韓国93.6002/1/1/0
3中国57.7642/1/1/0
4タイ49.5461/1/1/0
5オーストラリア34.7031/0/1/0
6マレーシア31.3311/0/1/0
7ベトナム28.6570/0/1/1
8香港26.8880/0/1/1
9シンガポール17.3500/0/1/1
10フィリピン16.2300/0/1/1
11インドネシア14.8160/0/0/1
12北朝鮮13.9230/0/0/1
ジョホールがACLエリートに向けてクラブ初となる韓国出身CBを獲得へ

マレーシアの複数のメディアがタイの報道を引用する形で韓国出身のCBパク・ジュンホンが、国内リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に加入すると報じています。パク選手はドイツやポルトガルリーグでプレーした経験がある他、水原三星ブルーウィングス(韓国)とキッチーFC(香港)などでプレーし、2021/22シーズンからタイ1部ラーチャブリーFCでプレーしています。タイ1部リーグは今季2023/24シーズンが今月26日に終了したことから、パク選手は6月30日の契約満了後にJDTに加入する予定だということです。31歳のパク選手は身長192cmで、CBの他に守備的MFとしてもプレーするということですが、実際に加入となれば、クラブ史上初の韓国出身選手となります。

今月開幕したばかりの2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグは、今季2度目のトランスファーウインドウが8月1日から8月30日までとなっており、JDTに加入するのは8月1日以降になりそうですが、そのJDTにはマレーシアスーパーリーグの規定で認められている外国籍選手登録上限となる9名が在籍しています。

しかも現在のJDTには、CBにジョルディ・アマト(インドネシア)とシェーン・ローリー(オーストラリア)の2名の外国籍選手が君臨しているだけでなく、その他にも先日発表された2026年W杯アジア2次予選出場のマレーシア代表にそろって選出されたフェロズ・バハルディンとシャールル・サアド、さらにジュニオール・エルドストールなどマレーシア人選手も十分おり、人材的にも不足していません。

このままだと国内リーグには出場することができないパク選手との契約を、敢えてJDTが進めるとすれば、その理由はJDTが出場する2024/25シーズンのACLエリートにあると考えられます。従来のACLからリブランディングされたACLエリートのグループステージ第1節は9月16日から18日にかけて予定されていますが、アジアサッカー連盟(AFC)は今季2024/25シーズンからACLエリートを含めたACL主催大会から外国人選手枠を撤廃するのではとの噂があります。JDTが国内リーグでは起用できないパク選手を獲得する理由は、このACLエリートに向けたチーム強化だと考えられます。

実は同じようなことが過去にもマレーシアスーパーリーグでもありました。2012年当時のスーパーリーグは1チーム最大2名の外国籍選手登録が可能でしたが、この年にAFCカップに出場したスランゴールFA(当時、現スランゴールFC)とクランタンFA(同クランタンFC)は、このAFCカップ出場を理由に、特例としてさらに2名の外国籍選手登録を認められたという事例があります。

2026W杯予選:マレーシア代表が練習試合でペラFCに辛勝

今月のFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選に向けて合宿中のマレーシア代表は、昨日、ブキ・ジャリル国立競技場でマレーシアスーパーリーグのペラFCと非公開の練習試合を行い、1-0で勝利したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシア代表は6月6日にキルギス代表とアウェイで、また6月11日にはホームで台湾代表と対戦しますが、試合まであと5日しか残されていない中、練習試合自体は17分にDFダニエル・ティン(サバFC)がゴールを決めて勝ったものの、現在国内リーグ8位のペラFC相手に辛勝だったことで、改めてFW陣の問題点が明らかになった形です。

このブログでも何度か取り上げましたが、今回の代表チームはケガなどを理由に、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、アリフ・アイマン・ハナピ、ロメル・モラレス(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)、ダレン・ロック(サバFC)、シャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)と5名のFWが参加していません。このため、パウロ・ジョズエ(KLシティFC)、アキヤ・ラシド、サファウィ・ラシド(いずれもトレンガヌFC)に期待がかかっていますが、昨夜の試合ではこれらの選手の名がスコアシートに載ることはありませんでした。

*****

ペラFCと対戦したマレーシア代表ですが、代表合宿は今週月曜日の5月27日から始まっていますが、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)とスランゴールFCの選手が参加しておらず、サポーターの間で様々な意見が飛び交っています。

JDTからは、Gkシハン・ハズミ、DFマット・デイヴィーズ、DFフェロズ・バハルディン、DFシャール・サアド、DFラヴェル・コービン=オン、MFエンドリック・ドス・サントス、そしてスランゴールFCからはノーア・レインと、合計7名が招集されていますが、この7名全員が未だ合宿に参加していません。タイ1部のブリーラム・ユナイテッドでプレーするDFディオン・コールズも参加しておらず、前述のペラFC戦も合宿参加メンバー26名中18名で臨んだとことになります。

マレーシア語紙のブリタハリアンは、代表合宿に参加させるためにFIFA国際マッチカレンダー期間より前に、クラブに選手のリリースを強制する規定はないことから、JDT、スランゴールFCともに間違えたことはしていないと説明しています。

「FIFA国際マッチデーには 2 つのタイプがあり、一つは、月曜日の朝に始まり、翌週の水曜日の夜に終わる 10 日間の期間として設定され、もう一つは、日曜日に始まり翌週水曜日の夜に終わる4日間の期間として定義されている。今回に関して言えば6月3日(月)から6月11日(水)に終わる前者であり、FIFAの規定に照らせば、各クラブは遅くとも6月3日の朝までに代表チームに合流できるようにリリースすれば良く、代表チームは6月12日の朝までにクラブに選手を戻る必要がある。」と説明する記事は、JDTやセランゴールFCがFIFAの規則に従っているので、現時点で選手をリリースしていないのは間違いではない、と結んでいます。

5月29日のニュース<br>・代表合宿からまた1人FWが離脱-残ったストライカーはついに1人に<br>・KLシティ監督は主力が大量に代表合宿参加で悲鳴<br>・クダFCは今季のメインスポンサーを7月に発表予定

代表合宿からまた1人FWが離脱-残ったストライカーはついに1人に

昨日のこのブログでは、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、アリフ・アイマン、ロメル・モラレス(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)が5月27日から始まっている代表候補合宿には参加してない中、シャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)がケガのため、合宿参加を辞退したというニュースを取り上げました。シャフィク選手の辞退により、ストライカーは34歳のダレン・ロック(サバFC)と21歳のハキミ・アジムの2人しかおらず、しかもロック選手はハムストリングに問題を抱えていることも合わせて取り上げましたが、そのロック選手が合宿を離脱したことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

6月6日にはアウェイのキルギス戦、6月11日にはホームの台湾戦と2試合の2026W杯予選を控えるマレーシアのストライカーは、ついにハキミ選手1人となってしまいました。なおキム・バンゴン代表監督は、昨日辞退が発表されたシャフィク選手に代わりMFザフリ・ヤハヤ(KLシティFC)を、そして今回離脱したロック選手に代わってクチン・シティFCでは右ウィングのヌル・シャミー・イスズアンを招集しています。今季からクチンシティFCでプレーするヌル・シャミー選手は、クラブ史上初の代表合宿招集選手にもなっています。

今回の合宿に参加しているメンバーの中でFWはハキミ、ヌル・シャミー両選手を除くとサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(いずれもトレンガヌFC)の2名ですが、センターフォワードというよりはウィングの選手で、このままだと、キム監督はアジアカップと同様に、所属するKLシティFCでは司令塔を務めるMFパウロ・ジョズエをセンターフォワードとして起用する可能性も出てきました。

キム監督からすれば、誰か他のストライカータイプの選手を招集したいと思っても、どのチームも外国籍選手がセンターフォワードに起用されていることから、そもそもマレーシア人ストライカーがいない、という現実もあります。なお、ヌル・シャミー選手はは、2022年東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権三菱電機カップではマレー際代表としててラオス、ベトナムとのグループステージ2試合と準決勝第1戦でプレーしており、キム監督による戦術の理解への心配はなさそうです。

*****

今季2024/25シーズンが開幕してまだ第3節までしか終わっていないのに、ケガが理由だとは言え、これだけ多くの選手が代表招集を辞退しているのを見ると、果たして本当にケガなのか、と勘ぐりたくなります。昨季は昨年12月に終わっており、今月5月の開幕までの5ヶ月間、一体何をすれば(あるいはしなければ)そんな簡単にケガをしてしまうのかが不思議で仕方ありません。代表選手は1月のAFCアジアカップ2023や3月のW杯予選があったとは言え、その間、身体のケアのための時間が取れなかったのだろうかと訝しく思います。

KLシティ監督は主力が大量に代表合宿参加で悲鳴

KLシティFCのミロスラフ・クリヤナツ監督は、昨日5月28日のチーム練習に参加した選手がわずか数名しかいなかったことに唖然とした、とスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

5月27日から始まった代表候補合宿にはGKアズリ・ガニ、DFデクラン・ランバート、MFブレンダン・ガン、MFパウロ・ジョズエ、FWハキミ・アジムの5人が参加していますが、既報の通り、ケガで合宿参加を辞退したシャフィク・アフマドに代わってMFザフリ・ヤハヤも新たに追加招集されており、今回の代表候補合宿では、ジョホール・ダルル・ダジムFCと同じ6名が招集されたことになります。

なおクロアチア出身のクリヤナツ監督は、ケガのために練習に参加していない選手が6名いることを明らかにした上で、代表候補合宿に参加する6人の選手が練習に不参加だったことで、チーム練習がままならなくなっているという悲鳴をあげた上で、W杯予選後の日程にも不満を述べているようです。

今回のW杯予選の日程は6月6日にアウェイのキルギス戦、6月11日にホームのブキ・ジャリル国立競技場で台湾戦が予定されていますが、この予選後に再開するマレーシアスーパーリーグ(MSL)第4節では、KLシティFCは6月13日にクチンシティFC戦が組まれています。台湾戦との試合感覚が近すぎると考えるクリヤナツ監督は、代表戦の2日後に組まれているリーグ戦の日程は延期されるべきだとも話していますが、この延期については、KLシティFCは正式に要請するかどうかを検討中だということです。

クダFCは今季のメインスポンサーを7月に発表予定

開幕戦ではPDRM FCに勝利したものの、その後はスランゴールFC。ペラFC相手に2連敗しているケダ・ダルル・アマンFC(クダFC)。そのKDA FCは7月初旬に予定されるチームの新ユニフォーム発表会で、今季のメインスポンサーも発表する予定だと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

クダFCオーナーのモハド・ダウド・バカル氏は、複数の個人や企業がスポンサーとなり、クラブと緊密に協力することに前向きな反応と関心を示していると述べています。「私は彼ら(スポンサー)と常に連絡を取っている。さらにメインスポンサーだけでなく、第二、第三、第四のスポンサー候補者とも連絡を取り合っている。彼らは全てクダFCにとって、クラブの安定と安定を支援する上で重要だ」と話しています。

クダFCは、給料未払い問題の解決が遅れたため、今季開幕前の段階でリーグ戦の勝点3の剥奪処分を受けています。またメインスポンサーが決まっていないことから、ここまでのマレーシアスーパーリーグ第3節までは、プレシーズンのために作ったユニフォームを着用して試合に臨んでいます。

*****

また英字紙スターは、クラブは残りあと2ヶ月しか維持できず、大口のスポンサーが見つからなければ、シーズンを通して財政的に苦しむことになる、というクダFCオーナーのモハド・ダウド・バカル氏の発言を紹介していますが、上の記事のメインスポンサー次第では、シーズン途中でクダFCがリーグ撤退という可能性も残っています。

5月28日のニュース<br>・W杯アジア2次予選:シャフィク・アフマドがケガで代表辞退-残るストライカーは2人だけに<br>・W杯アジア2次予選:6月のキルギス戦を前に代表は国内クラブと練習試合<br>・スランゴールはチケット価格据え置きで満員のスタジアムを目指す

5月26日のスーパーリーグ、セランゴールFC対ヌグリスンビランFC戦後、セランゴールFCのサポーターがMBPJスタジアム周辺のゴミ拾いをする姿が報じられ、これが「日本人的メンタリティー」だとされています。カタールW杯でも試合後にゴミを集めるなどした日本代表サポーターがいたことからこのような記事になったのだろうと思います。

マクドナルドやケンタッキーなどのファーストフード店でも、食事を終えるとトレーから何からテーブルに置きっぱなしで席を立つのが一般的なマレーシアですので、このゴミ片付けはニュースバリューがそれなりにあるのだろうな、という感じです。まあこの試合は4−0と快勝してサポーターも気分が良かったであろうこともあります。同じことが大敗したときにもできるのか、さらに試合後のゴミ片付けがが当たり前になって、ニュース価値がなくなるまで続けられるかどうかですが、今季のスランゴールFCの試合で観察していこうと思います。

W杯アジア2次予選:シャフィク・アフマドがケガで代表辞退-残るストライカーは2人だけに

昨日5月27日から始まった代表候補合宿からFWシャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)がケガで離脱したことが明らかになっています。飼い殺し状態だったジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から期限付き移籍した今季開幕戦では、開始1分でゴールを挙げたシャフィク選手は第1節、第2節と先発してフル出場していましたが、5月24日の第3節ペラFC戦では後半開始直後に交代していました。久しぶりの代表復帰で活躍が期待されていただけに、今回ハムストリングのケガでの代表を辞退は残念としか言いようがありません。

酸をかけられ、4回手術を受けた後に退院し、現在は自宅療養中のファイサル・ハリム(スランゴールFC)、脳震盪の影響とされて今季はまだリーグ戦出場がないアリフ・アイマン、足首を痛めてやはり今季まだ出場がないロメル・モラレス(いずれもJDT)と、いずれもこれまでのW杯予選やアジアカップに出場したFW陣が不在のマレーシア代表ですが、今回のシャフィク選手離脱で、いわゆるストライカーは34歳のダレン・ロック(サバFC)と21歳のハキミ・アジム(KLシティFC)の2人だけになってしまいました。なおロック選手もハムストリングに問題を抱えており、残るハキミ選手も昨季リーグ戦では16試合で1ゴール1アシストと、代表FWと呼ぶにはやや心許ない経験しかありません。

なおキム・パンゴン代表監督は、離脱したシャフィク選手の代わりにMFザフリ・ヤハヤ(KLシティFC)を代替選手に指名しています。

マレーシアは、2026W杯アジア2次予選ではここまで2勝2敗、グループ1位のキルギス、同2位オマーンとは勝点差3の3位となっています。第5節の6月6日にキルギスのビシュケクにあるドレン・オムルザコフ・スタジアムでキルギス代表と対戦し、その5日後の6月11日にはブキ・ジャリル国立競技場でグループDの最終第6節の台湾戦に臨みます。

W杯アジア2次予選:6月のキルギス戦を前に代表は国内クラブと練習試合

6月6日にはキルギスと、また6月11日は台湾とのW杯予選が控えるマレーシアですが、昨日から代表候補合宿が始まってはいるものの、他国代表との試合が難しくなっていることから、マレーシアスーパーリーグのクラブとの対戦案が浮上していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

今回のFIFA国際マッチデーカレンダーは6月3日から11日までとなっており、この期間練他国代表と実戦の機会を設けようとすれば、試合日程が過密になってしまうとして、マレーシアサッカー協会(FAM)のヌール・アズマン・ラーマン事務総長は、マレーシア代表はキルギスと台湾と対戦するための準備として国内で親善試合を開催することになったと述べています。

*****

「スパーリングパートナー」には、無駄な試合を嫌うオーナーが同意すれば国内最強のジョホール・ダルル・タジムFCなどが候補に上がりそうですが、以前、タイ代表が国内リーグでプレーする外国籍選手を集めた「外国籍選手オールスター」と対戦したことがあったような気がするので、FAMはそんなことを考えてみても良いのではないかと思います。

スランゴールはチケット価格据え置きで満員のスタジアムを目指す

今季のACL2に出場することが決まっているスランゴールFCは、開幕前に本拠地のMBPJスタジアムを「アジア仕様」に模様替えしています。これによりMBPJスタジアムの収容人数は減少しましたが、スランゴールFCはスーパーリーグ戦のチケット価格を据え置きにすることを発表しています。

スランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOによると、スランゴールFCの経営陣が今季の全試合でサポーターを引き付け、全試合を「満員」で開催したいことがその理由だと説明しています。なおMBPJスタジアムは、昨年12月からの改修工事の結果、収容人数は25,000席から半数以下の10,661席に減少しています。

「スタジアムの収容人数は減少しているが、チケット価格を昨季から据え置きにし、全試合でスタジアムに満員の観客を集めるように努めたい」と述べたジョハンCEOは、 昨年の1試合当たりの平均観客動員は7,000人から8,000人だった一方で、今季の目標は、30パーセント増の10,000人から11,000人とすることだ」と、5月26日にMBPJスタジアムで行われたヌグリスンビランFCとの試合後に語っています。

スランゴール FC は、対戦チームによってチケットの価格帯を2段階にしており、ジョホール・ダルル・タジムFC、クダ・ダルル・アマンFC、トレンガヌFC、サバFC、スリ・パハンFCを対象したティア 1 のチケット料金は子どもが5リンギ(1リンギはおよそ33円) 、バックスタンドが25リンギ、メインスタンドが30リンギとなっている一方で、他の7チームを対象としたティア 2 のチケット価格は子ども5リンギ、バックスタンド25リンギ、メンスタンド25リンギとなっています。

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第3節の結果とハイライト映像<br>・東海岸ダービーはトレンガヌに、ボルネオダービーはサバに軍配<br>・ペラが今季初勝利で今季未勝利は残り3チームに<br>・ジョホールは開幕から3連勝で首位を固める

 5月24日から26日にかけて、今季2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグ(MSL)第3節が開催されています。今節はペラFCが今季初勝利を挙げ、今季未勝利のチームは谷川由来選手所属のクチンシティFCや佐々木匠選手所属のヌグリスンビランFCなど5チームとなりました。なお今季のMSLは13チームで編成されており、第3節はスリ・パハンFCの試合はありません。 
 また6月に入ると2026FIFAW杯アジア2次予選兼2027AFCアジアカップ予選やマレーシアFAカップ1回戦が予定されており、MSLは1ヶ月ほどの中断期間に入り、第4節は6月21日(金)から23日(日)に予定されています。

MSL2024/25第3節
2024年5月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 3-0 クランタン・ダルル・ナイムFC
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナデ(36分PK)、ヌリーロ・トゥクタシノフ(45分)、マヌエル・オット(48分)
🟨トレンガヌ(0)、🟨クランタン(0)
MOM:ヌリーロ・トゥクタシノフ(トレンガヌFC)

 いずれもマレー半島東海岸に面したトレンガヌ州とクランタン州に本拠地を持つ両チームの「東海岸ダービー」は、トレンガヌFCが快勝しています。
 13,000人を超えるホームサポーターの声援を背に、トレンガヌFCは試合開始から積極的に攻め、36分にサファウィ・ラシドがペナルティエリア内で倒され、VARが入りPKを獲得。昨季はクランタン・ダルル・ナイムFC(KDN FC)の前身、クランタン・ユナイテッドFCでプレーしたイスマヒル・アキナデがこれを決めてトレンガヌFCが先制します。
 一方のKDN FCもバルデマール・アウグストを中心に攻め、好機を作るものの得点には至らず、逆にトレンガヌは45分にイスマヒル・アキナデのクロスをマヌエル・オットが合わせ、これをKDN FCのGKカトゥル・アヌアルが弾くと、そのこぼれ球をヌリーロ・トゥクタシノフが押し込んでリードを2点に広げます。
  試合前には正GKスハイミ・フシンが父親の訃報でベンチ外となったトレンガヌは後半開始早々にも、GKカトゥル・アヌアルの中途半端なパンチからのボールを拾ったマヌエル・オットがペナルティエリアの外からダイレクトで蹴り込み、3−0とするとKDN FCの反撃を抑えて、トレンガヌFCはホーム2連勝、一方のKDN FCは開幕から3連敗となっています。

この試合のハイライト映像。Astro Areanの公式YouTubeより

MSL2024/25第3節
2024年5月24日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 0-2 ペラFC
⚽️ペラ:イ・テミン2(17分、76分)
🟨クダ(2)、🟨ペラ(4)
MOM:イ・テミン(ペラFC)

 開幕から2連敗中のペラFCがイ・テミンが2ゴールで今季初勝利を挙げています。 
 ペラFCは17分にルチアーノ・グアイコチェアが自陣から蹴ったロングゴールがクダFCの最終ラインの裏側へ。これにイ・テミンが反応し、クダ・ダルル・アマンFC(クダFC)のGKカラムラー・アル=ハフィズを交わしてゴール。VARが入ったものの、判定は変わらずペラFCが先制します。
 それまでも押し気味に試合を進めていたクダFCはギアを上げて、ソニー・ノルデ、シュクロブ・ヌルロエフ、そして久しぶりの代表合宿参加となったシャフィク・アフマドらが次々とシュート放つも、ゴールに足らず、前半はビジターのペラFCが1−0とリードして終了します。
 前半途中から足を気にしている素振りを見せていシャフィク・アフマドが後半開始早々に負傷したクダFCでしたが、攻撃の手は緩まず、さらには70分にFWエベネゼル・アシフア、MFファイズ・ナシル、MFファズルル・ダネルを一気に投入し同点を狙いますが、逆にペラFCはこの試合のMOMイ・テミンがカウンターからの2点目のゴールを挙げて、クダFCを突き放しています。
 ホームのクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)はペラFCのシュート数の3倍以上の26本(枠内19本)と圧倒しながら、ゴールを奪えず敗れています。

この試合のハイライト映像。Astro Areanの公式YouTubeより

MSL2024/25第3節
2024年5月25日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティFC 1-5 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(45+8分)
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ2、(43分、61分)、フアン・ムニス2(45+5分、71分)、シャーミ・サファリ(88分)
🟨KLシティ(3)、🟨ジョホール(4)
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(ジョホール・ダルル・タジムFC)

 2021年のスーパーリーグ昇格以来、過去3シーズンは、ホームでのJDT戦を1分2敗、得点1失点7と相性が悪い全てKLシティFCですが、この試合でも大敗しています。
 JDTから期限付き移籍中のランバート兄弟が先発メンバーに名を連ねたKLシティFCは開始からJDTの猛攻を受けるもなんとか耐え凌ぎます。33分にはクアラルンプール市内を襲った激しい雷雨で一時中断した試合は、JDTが42分に先制しました。フアン・ムニスからのクロスを頭で押し込んだフェルナンド・フォレスティエリのゴールはVARのチェックを経て認められると、その3分後には今度はフアン・ムニスがゴール正面からフリーキックを決めて、JDTがリードを広げます。
 しかしKLシティFCも前半ロスタイムにハキミ・アジムがJDTのオスカル・アリバスに倒されて得たPKをキャプテンのパウロ・ジョズエが決めて1点差に詰め寄って前半を終了します。
 後半は完全にJDTペースとなった試合は、61分にフォレスティエリ選手ががヘディングで2点目を決め、 ムニス選手もこの試合2点目のゴールを71分に決めると。 そして終了2分前にシャーミ・サファリがダメ押しの5点目を決めています。JDTはこれで国内63試合無敗、アウェイマッチでも62試合無敗となりました。

この試合のハイライト映像。Astro Areanの公式YouTubeより

MSL2024/25第3節
2024年5月25日@リカス・スタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバFC 2-1 クチンシティFC
⚽️サバ:ダレン・ロック(75分PK)、ジャフリ・フィルダウス・チュウ(85分)
⚽️クチンシティ:ペドロ・エンリケ(64分)
🟨サバ(2)、🟨クチンシティ(4)
MOM:ダレン・ロック(サバFC)

 いずれも東マレーシアのボルネオ島に本拠地を持つチームの対戦となった「ボルネオダービー」は、自力に勝るサバFCが逆転勝利を収めています。
 先制したのはクチンシティFCでした。0-0で折り返した試合は63分にペドロ・エンリケがサバFCのGKカイルル・ファーミをかわしてゴールを決めています。
 しかしサバFCは75分にコ・グァンミンが倒されていたPKをダレン・ロックが決めて胴に追いつくと、そのダレン・ロックに代わって投入されたジャフリ・フィルダウス・チュウが左サイドで粘ったサディル・ラムダニから出たボールを経験でゴール。これが決勝点となり、サバFCは開幕からの無敗記録を3に伸ばしました。
 一方のクチンシティFCは今季初勝利とはなりませんでした。
 クチンシティFCの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

この試合のハイライト映像。Astro Areanの公式YouTubeより

MSL2024/25第3節
2024年5月25日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM FC 1~1 ペナンFC
⚽️PDRM:イフェダヨ・オモスイ(32分)
⚽️ペナン:ロドリゴ・ディアス(52分)
🟨PDRM(3)、🟨ペナン(2)
MOM:イフェダヨ・オモスイ(PDRM FC)

 ここまで1勝1敗のPDRM FCが2試合連続スコアレスドローで今季未勝利のペナンFCをホームに迎えた試合は、1−1の引き分けに終わっています。
 イフェダヨ・オモスイがリーグトップとなる今季3ゴール目を決めてPDRM FCが前半にリードすると、後半にはペナンFCのロドリゴ・ディアスが今季チーム初ゴールを決めて追いつきます。ペナンFCは代表初招集となったウィングのアディブ・ラオプの活躍などもありましたが、追加点奪えず、開幕から3試合連続引き分けとなりました。
 PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発して85分に交代しています。

この試合のハイライト映像。Astro Areanの公式YouTubeより

MSL2024/25第3節
2024年5月26日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 4-0 ヌグリスンビランFC
⚽️スランゴール:ロニー・フェルナンデス(57分)、ノー・アル=ラワブデ(67分)、ヨハンドリ・オロスコ(76分)、レジク・バニ・ハニ(90+1分)
🟨スランゴール(1)、🟨ヌグリスンビラン(1)
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴールFC)

 スランゴールFCがホーム2連勝で順位を8位から4位に上げています。
 本来はヌグリスンビランFCのホーム、トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアムで予定されていたこの試合は、ピッチの排水システム改善のための工事が終わっていないため、スランゴールFCのホームゲームとなっています。
 試合は開始からほぼ一方的なスランゴールFCのペースで進みますが、FW陣のフィニッシュの精度の低さと、ヌグリスンビランFCのGKアキル・アブドル・ラザクとDF陣の頑張りで、前半はヌグリスンビランFCがスランゴールFCの猛攻に耐えて0-0で折り返します。
 前節のジョホール・ダルル・タジムFC戦でゴールを決めたミャンマー代表ハイン・テット・アウンがスランゴールFCからのレンタルということで、この試合はベンチ外、さらにこの試合先発したミカことミゲル・アンヘル・フンコ・マルティネスと佐々木匠の前線が孤立する場面も多かったヌグリスンビランFCに対して、得点は時間の問題と思われたスランゴールFCは57分にロニー・フェルナンデスが今季初ゴールを決めると、そこから怒涛の攻撃が始まります。このゴールを含めて4ゴールを挙げたスランゴールFCはシュート数29本(枠内11本)とヌグリスンビランFCの6本(同3本)を圧倒して快勝しています。
インドネシアで開催される 代表戦などで試合がない期間が1ヶ月続くマレーシアスーパーリーグですが、スランゴールFCとサバFCは今月末からインドネシアのジャカルタで開催される国際招待大会に出場し、インドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタ、PSISスマランと対戦します。
 スランゴールFCがホーム2連勝で順位を8位から4位に上げています。
 本来はヌグリスンビランFCのホーム、トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアムで予定されていたこの試合は、ピッチの排水システム改善のための工事が終わっていないため、スランゴールFCのホームゲームとなっています。
 試合は開始からほぼ一方的なスランゴールFCのペースで進みますが、FW陣のフィニッシュの精度の低さと、ヌグリスンビランFCのGKアキル・アブドル・ラザクとDF陣の頑張りで、前半はヌグリスンビランFCがスランゴールFCの猛攻に耐えて0-0で折り返します。
 前節のジョホール・ダルル・タジムFC戦でゴールを決めたミャンマー代表ハイン・テット・アウンがスランゴールFCからのレンタルということで、この試合はベンチ外、さらにこの試合先発したミカことミゲル・アンヘル・フンコ・マルティネスと佐々木匠の前線が孤立する場面も多かったヌグリスンビランFCに対して、得点は時間の問題と思われたスランゴールFCは57分にロニー・フェルナンデスが今季初ゴールを決めると、そこから怒涛の攻撃が始まります。このゴールを含めて4ゴールを挙げたスランゴールFCはシュート数29本(枠内11本)とヌグリスンビランFCの6本(同3本)を圧倒して快勝しています。
 ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は先発してフル出場しています。

 代表戦などで試合がない期間が1ヶ月続くマレーシアスーパーリーグですが、スランゴールFCとサバFCは今月末からインドネシアのジャカルタで開催される国際招待大会に出場し、インドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタ、PSISスマランと対戦します。

この試合のハイライト映像。Astro Areanの公式YouTubeより

2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第3節終了)

順位チーム勝点
1JDT393001129
2TRE37210615
3SAB37210532
4SEL36201532
5SRP24110321
6PDRM34111440
7PEN33030110
8PRK3310256-1
9KCH3202145-1
10KLC2101126-4
11KDA*3010213-2
12KDN3000327-5
13NSE2000217-6
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは開幕前に勝点3剥奪処分を受けています。

5月24日のニュース<br>・6月のW杯予選に向けた代表候補合宿参加メンバー発表:アリフ・アイマンやファイサル・ハリムはメンバー外<br>・今度はスランゴールDFが押し込み強盗被害に

6月のW杯予選に向けた代表候補合宿参加メンバー発表

マレーシアサッカー協会(FAM)は、2026年FIFAワールドカップアジア予選兼2027年アジアカップ予選D組の第5節と第6節の試合に向けて、5月27日から始まる代表候補合宿参加メンバー26名を発表しています。マレーシア代表は残るアジア2次予選の第5節では6月6日にキルギス代表とキルギスのビシュケクで、第6節では6月11日に台湾代表とブキ・ジャリル国立競技場で対戦します。

今回の代表候補合宿に参加する26名中、第3節(3月21日)と第4節(3月26日)に行われたオマーン代表との連戦に招集されたメンバー24名中、酸をかけられて入院中のファイサル・ハリム(スランゴールFC)の他、ケガのため今季開幕2節までで出場がないアリフ・アイマン、ロメル・モラレス(いずれものジョホール・ダルル・タジムFC)、アザム・アズミ(トレンガヌFC)らが外れる一方で、16名が再び招集されています。

また今回が初の代表合宿参加となるのは、DFアディブ・ラオプ(ペナンFC)、DFフェロズ・バハルディン(ジョホール・ダルル・タジムFC-JDT)、DFデクラン・ランバート(KLシティFC)、FW、エンク・シャキル(トレンガヌFC)の4名で、GKカラムラ・アル=ハフィズ、FWシャフィク・アハマド(いずれもケダ・ダルル・アマンFC)は久しぶりの代表合宿参加となります。

今回のメンバーでボラセパマレーシアJPが個人的に注目したいのは、フェロズ・バハルディンと久しぶりの招集となったシャフィク・アフマドです。強豪JDTで昨季は21試合に先発するなど24歳ながら主力としてセンターバックに定着しているフェロズ選手はチームメートのシャールル・サアド、さらにはドミニク・タン、ディオン・コールズとのポジション争いに挑みます。またシャフィク選手は期限付き移籍したクダ・ダルル・アマンFCでは開幕戦でゴールを決めるなど、かつての輝きを取り戻しつつあります。代表戦36試合で10ゴール5アシストながら、近年は所属するJDTで出場機会を得られず、代表からも遠ざかっていましたが、今回はファイサル・ハリムやロメル・モラレスらライバル不在ということもあり、自慢の運動力でゴールを挙げてほしいところです。あとはJDTのホン・ワンも見てみたい選手でしたが、今回はサブメンバーにとどまっています。

2024年5月代表候補合宿参加
*は代表初招集、#はU23アジアカップ出場メンバー

ポジション氏名年齢所属
GKシーハン・ハズミ28JDT
GKアズリ・アブドル・ガニ25KLC
GK#シーク・イズハン22PEN
GKカラムラー・アル=ハフィズ29KDA
DFマシュー・デイヴィーズ29JDT
DF*フェロズ・バハルディン24JDT
DFシャールル・サアド31JDT
DFラヴェル・コービン=オング33JDT
DF*デクラン・ランバート26KLC
DFドミニク・タン27SAB
DFダニエル・ティン32SAB
DF#サフワン・マズラン22TRE
DF*アディブ・ラオプ25PEN
DFディオン・コールズ28BUR
MFエンドリック・ドス・サントス29JDT
MFブレンダン・ガン36KLC
MFパウロ・ジョズエ35KLC
MFスチュアート・ウィルキン26SAB
MFシャミル・クティ27PEN
MF*ノーア・レイン22SEL
FW#ハキミ・アジム21KLC
FWダレン・ロック34SAB
FWサファウィ・ラシド27TRE
FWアキヤ・ラシド25TRE
FWエンク・シャキル26TRE
FWシャフィク・アフマド29KDA
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PEN-ペナンFC
KDA-クダ・ダルル・アマンFC、BUR-タイ1部ブリーラム・ユナイテッド

また、上記の26名に何かあった場合のサブメンバー 22 人は以下の通りです。
#はU23アジアカップ出場メンバー

ポジション氏名AGE
GKサミュエル・サマヴィル30SEL
GKスハイミ・フシン30TRE
GKザリフ・イルファン29SRP
DFシャーミ・サファリ26JDT
DFジュニオール・エルドストール33JDT
DFシャルル・ナジーム25SEL
DFファズリー・マズラン31SEL
DFシャールル・ニザム26TRE
DF#ウバイドラー・シャムスル21TRE
DFアズワン・アリピン28SRP
MFアフィク・ファザイル30JDT
MFホン・ワン24JDT
MFモハマドゥ・スマレ30JDT
MF アリフ・ハイカル24SEL
MF.#ムカイリ・アジマル23SEL
MF.ノー・ハキム・ハサン33TRE
MF.アザム・アジー29SRP
MF.エゼキエル・アグエロ30SRP
MF.ダニエル・アミル27KCH
MFザフリ・ヤハヤ30KLC
FW.ヌル・シャミル・イスズアン29KCH
FW.#ルクマン・ハキム22YSCC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC、KLC-KLシティFC
KDA-クダ・ダルル・アマンFC、KCH-クチンシティFC、YSCCー横浜Y.S.C.C
今度はスランゴールDFが空き巣被害に

セランゴールFCのセンターバック、クザイミ・ピーの自宅が空き巣の被害にあったことを英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

5月22日の夕方にクザイミ選手のスランゴール州シャー・アラムにある自宅が空き巣被害に遭い、パスポートなどが盗まれた他、自宅に停めてあったバイクなども盗まれたということです。空き巣が起こったと考えられている時間には、クザイミ選手はクラブの練習施設で練習中でした。

「午後2時頃、練習に行くために自宅を出た。夜9時に帰宅すると家のドアが開いていることに気づいた。「確認したところ、パスポートやブランドバッグなどいくつかの持ち物がなくなっていた。またヤマハのバイクも盗まれた。」と警察に報告したということです。

マラッカ州出身のクザイミ選手は、スランゴールでは一人暮らしをしていおり、妻子など家族はマラッカに住んでおり、盗まれたパスポートからマラッカにある自宅の住所が明らかになることで、家族への危害が及ぶことも心配しているということです。

セランゴールFCは、酸をかけられて現在も入院中のファイサル・ハリムや、その後,ジョハン・ハミドンCEOへの脅迫などがあったことから選手のためにボディガードを雇ったとことを発表していた最中の事件でした。

5月22日のニュース<br>・東南アジア選手権三菱電機カップ:マレーシアは前回優勝のタイと同組に<br>・東南アジア選手権三菱電機カップ:ACLとの日程丸かぶりでマレーシアは「B代表」で参戦濃厚<br>・シーズン開幕直後にCEOらが辞任もクランタン・ダルル・ナイムFC会長は問題なしと明言<br>・帰化審査が長引くアルグジム・レゾヴィッチ:いつまで待たされるのか?

 11季振りにUEFAチャンピオンズリーグ決勝進出を決めているボルシア・ドルトムントがクラブ公式Facebookでファイサル・ハリムの支援と暴力撲滅のメッセージを投稿しています。
 この投稿はファイサル選手の略歴、そして襲われた事件とその後の経過を紹介し、”STOP the volence. We stand with Faisal Halim”というメッセージで締め括られています。サッカー界の連帯の強さを感じさせるメッセージです。


東南アジア選手権三菱電機カップ:マレーシアは前回優勝のタイと同組に

東南アジアサッカー連盟(AFF)が主催する東南アジア選手権、三菱電機カップのグループステージの組み合わせ抽選が5月21日にベトナムのハノイで行われ、マレーシアは前回覇者のタイと同じA組に入ることが決まりました。

マレーシアが入ったA組は過去7回優勝のタイの他、過去4回優勝のシンガポール、カンボジア、そしてブルネイと東ティモールによるプレーオフの勝者の5チームとなっています。一方のB組は東南アジアのFIFAランク1位で前回大会準優勝のベトナム、最近の躍進が目覚ましいインドネシア、フィリピン、ミャンマー、ラオスの5チームとなっています。

組み合わせ抽選が決定後、マレーシアサッカー協会(FAM)はマレーシア代表のキム・パンゴン監督のビデオメッセージを公開し、その中でキム監督は「前回チャンピオンのタイと同じ組になったことを興味深い。隣国シンガポールも侮れない。この三菱電機カップで戦うためのベストメンバーを揃えられるようにしたい。」と話しています。

東南アジアサッカー選手権三菱電機カップは、11月23日に開幕し、決勝は12月21日に予定されています。

東南アジア選手権三菱電機カップ:ACLとの日程丸かぶりでマレーシアは「B代表」で参戦濃厚

組み合わせが決まった三菱電機カップですが、この時期にはACLエリートやACL2といったAFC主催の大会も開催されます。マレーシアからはACLエリートには昨季のリーグ覇者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、ACL2には昨季2位のスランゴールFCがそれぞれ出場します。現時点ではACLエリートの第5節が11月25日から27日、第6節が12月2日から4日、ACL2は第5節が11月26日から28日、第6節が12月3日から5日に予定されていることから、JDTとスランゴールFCの選手をこの三菱電機カップに出場するマレーシア代表に招集することは難しそうです。

直近の代表戦だった3月21日と26日の2026W杯アジア2次予選、オマーン戦のメンバーを例にすると、3月21日の試合では先発XIの内、JDTからはFWロメル・モラレス、MFアリフ・アイマン、DFラベル・コービン=オング、DFシャルル・サアド、GKシーハン・ハズミの5名、スランゴールFCからはFWファイサル・ハリムと合計で6名おり、3月26日の試合でもJDT5名、スランゴールFC1名が先発しています。また、その前に行われた代表候補合宿でも33名のメンバー中、JDTとスランゴールFCで半数以上の17名を占めており、この両チームから選手を招集できないとなると、A代表と呼ぶには心許ないメンバーでのチーム編成となます。またマレーシア代表DFディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッド(タイ)もACLエリートに出場することから、コールズ選手の招集もおそらく無理で、そうなると準決勝進出どころか、グループステージ突破すら怪しくなります。

前回2022年大会でマレーシアは、グループステージをベトナムに次ぐ2位で突破し、ホームアンドアウェイ方式の準決勝ではタイと対戦しました。ホームのブキ・ジャリル国立競技場での試合は1−0と勝利したものの、舞台をタイに移したアウェイ戦では0−3と返り討ちに合い、通算成績を1−3としたマレーシアは決勝進出を逃しています。なおこの2022年大会は国内リーグのマレーシアスーパーリーグが終了していましたが、JDTはこの大会がFIFA国際マッチカレンダーではないことを理由に選手の招集を拒否しています。

シーズン開幕直後にCEOらが辞任もクランタン・ダルル・ナイムFC会長は問題なしと明言

今季2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグ(MSL)は第2節まで終えていますが、ここまで2連敗で13チーム中11位のクランタン・ダルル・ナイムFC(KDN FC)は、ワン・モハマド・ズル・イクマンCEOとザムリ・イスマイル副会長の辞任を発表しています。

KDN FCは3部リーグのM3リーグ時代から1部スーパーリーグ昇格までの6年間に渡り、クラブ運営に貢献してきた両氏に感謝の意を表すメッセージもクラブSNSに投稿していますが、これが開幕間もない時期の辞任であることから、SNS上では様々な憶測が飛び交っています

これについてマレーシアの通信社ブルナマは、KDN FCのロジ・ムハマド会長が、両氏の辞任は選手への未払い給料や開幕から2連敗した責任といった理由での辞任であるという噂や憶測を否定していると報じています。

ロジ会長は、両氏が自身の都合でクラブに関わる時間が取れなくなっているとして、数ヶ月前から辞職を求めていた一方で、昨年までのクランタン・ユナイテッドFCからクランタン・ダルル・ナイムFCへのリブランディングを進める際に両氏の協力が必要なことからロジ会長自身が辞任を引き止めていたと説明しています。

その上で、選手や監督、コーチへの給料未払いや遅配といった問題は全くなく、開幕2連敗も長いシーズンで見れば、それだけが辞任の理由にはなり得ないとした上で、両氏の貢献を考えると、いつまでの引き止めておくわけにはいかず辞任を了承したということです。またロジ会長は両氏の辞任はKDN FCの今後には大きく影響することはないだろうと話しているということです。

帰化審査が長引くアルグジム・レゾヴィッチーいったいいつまで待たされるのか?

トレンガヌFCに所属する長身DFアルグジム・レゾヴィッチはモンテネグロ出身で、2018年にPDRM FCに加入以降はマレーシア国内リーグでプレーを続けています。マレーシア人女性と結婚しているレゾヴィッチ選手は、国内で5年以上プレーを続けていることから、帰化することができれば外国籍選手枠を気にせず、マレーシア人選手としてプレーできますが、その帰化審査に手間取っているようです。

マレーシア語紙ブリタハリアンは、2020年からレゾヴィッチ選手が在籍しているトレンガヌFCのサポーターが「(帰化審査に)いったいいつまで待たされるのか?」という疑問を持っていると報じています。

このブログでもレゾヴィッチ選手の帰化申請のニュースは何度か取り上げおり、昨年12月にマレーシア国籍を取得したFWロメル・モラレス(ジョホール・ダルル・タジムFC)とほぼ同じ時期に帰化申請の書類を提出したとされています。しかしモラレス選手は既にマレーシア代表入りしてAFCアジアカップ2023や2026W杯アジア予選に出場している一方で、レゾヴィッチ選手は外国籍選手枠の都合から、今季2024/25シーズンはトップチームでの出場は未だありません。

この状況についてトレンガヌFCのモハマド・サブリ・アバスCEOは、関係省庁からの連絡を待っている状態であると説明し、審査状況についても何も伝えられていないと話しています。「情報が全くないので、レゾヴィッチ選手の審査がどこまで進んでいるのかについて私が話すことはできない」と述べたサブリCEOは、すでに6年以上マレーシアでプレーしているレゾヴィッチ選手がマレーシア国籍を取得できることを強く願っている。」とも話しています。

5月21日のニュース<br>・酸をかけられたファイサル・ハリムは今週中にも退院<br>・代表選手襲撃捜査は警察に任せるべき-FAM<br>・常設のU22代表チーム、ハリマウ・ムダ復活をFAMが検討

 今季2024/25シーズンからマレーシアスーパーリーグ(MSL)にもVARが導入されていますが、第1節では5試合中2試合で「機材トラブル」を理由にVARが使えませんでした。そして先週末に行われた第2節でも、ペナンFC対トレンガヌFCの試合でVARが機能しませんでした。英字紙ニューストレイツタイムズによると、この試合が行われたペナンFCのホーム、シティ・スタジアムの設備に問題があったことがその理由のようです。
 なお、この試合でVARが使用できないことがトレンガヌFCのトミスラフ・シュタインブルックナー監督に伝えられたのは、キックオフから20分以上経ってからでした。これについてシュタインブルックナー監督は、試合前にVARが使えないことが伝えられなかったことに不満をあらわにしています。特にこの日は38分にマヌエル・オットのゴールがオフサイド判定されるなどVARが入れば判定が異なった可能性がある場面もあっただけに、悔やんでも悔やみきれないと言ったところでしょうか。

酸をかけられたファイサル・ハリムは今週中にも退院

5月5日に酸をかけられ第4度の火傷を負って入院治療中の代表FWファイサル・ハリムは今週中にも退院する可能性があると、英字紙スターが報じています。この記事の中でスランゴールFCのチームドクター、ハズワン・カイル医師は、ファイサル選手は昨日5月20日(月)の朝に入院後4回目となる手術を受け、数日間医師の観察を受けた後、退院する予定だと話しています。

ハズワン医師はさらに、ファイサル選手が今回受けた「分割皮膚移植」の手術がおそらく最後の手術になるだろうと話す一方で、術後の経過を見るために48時間から72時間待たなければならないと説明し、その経過によって退院の時期が決まるだろうと述べています。また退院後には「筋骨格リハビリテーション」というリハビリを受ける予定だとも説明し、退院後もメンタル面も含めてファイサル選手の具合をを継続的に監視するとしています。

上は5月18日にセランゴールFCのホーム、MBPJスタジアムで行われたセランゴールFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合中に、スランゴールFCのウルトラスが掲げたティフォ。モチーフはファイサル選手がゴールを挙げた際に行うパフォーマンス「シウ」のポーズです。(英字紙スターより)

代表選手襲撃捜査は警察に任せるべき-FAM

 5月3日にはトレンガヌFCのアキヤ・ラシドが強盗傷害事件で、5月5日にはスランゴールFCのファイサル・ハリムが突然、酸をかけられ、5月7日にはジョホール・ダルル・タジムFCのサフィク・ラヒムが車のリアウィンドウをハンマーで粉砕される、と言った代表選手が被害者となる事件が連続して発生しています。これらの事件については、2週間近く経った現在も犯人逮捕のニュースが流れず、国内サッカーファンからは警察に対する不満がSNS上でも見られますが、マレーシアサッカー協会(MFL)のノー・アズマン事務局長は、3人の元現代表選手が襲われた事件について、事件の捜査するための猶予を警察に与えるべきと述べています。

FAMのノー・アズマン事務局長は、警察の捜査に影響を及ぼすような発言を控え、捜査を静観すべきだと述べています。「警察が捜査を進めている中、例えばスランゴールFCの関係者が次々と脅迫を受けたことを明らかにしたり、ファイサル選手へ酸をかけた行為が選手生命を奪う目的だった、といった声明を発表して、サポーターや一般市民を惑わせるべきではない。」と述べたノー・アズマン事務局長は、こう言った声明は警察の捜査を妨げたり、誤解を招きかねないという懸念を示しています。

警察からは定期的に捜査の状況に関して情報提供を受けていることも明らかにしたノー・アズマン事務局長は、いずれの事件も公共の場で起こったこともあり、FAM、そしてリーグを運営するマレーシアン・フットボール・リーグ(MFL)とも独自の捜査を行うことはできないことを説明した上で、警察が捜査を進める妨げになるような行動や発言は控えることを求めています。

常設のU22代表チーム、ハリマウ・ムダ復活をFAMが検討

ハリマウ・ムダ(ハリマウは「虎」、ムダは「若い」の意味のマレーシア語)は、マレーシアサッカー協会(FAM)が2007年から2015年まで運営していた常設のU23代表チームの愛称ですが、FAMは若手育成プログラムの一環として、このハリマウ・ムダを再び編成することを検討していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシア代表の愛称がハリマウ・マラヤ(意味は「マラヤの虎」)であることからU23以下の各年代代表の総称として付けられた愛称がハリマウ・ムダですが、FAMのハミディン・アミン会長は、このハリマウ・ムダを復活させた場合の運営費用などについてマレーシア政府の青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣と話し合いを持つ予定があると述べています。

「ハリマウ・ムダに参加する選手、監督およびコーチの給料はFAMから出るため、FAMはヨー青年スポーツ相とハリマウ・ムダの運営費用について話し合いを行う必要がある。もしハリマウ・ムダが復活すれば、以前と同じように海外への遠征なども行う予定だ。なおハリマウ・ムダに参加する選手は、所属するクラブから期限付き移籍という形で集めることになるだろう。」

ハリマウ・ムダ復活は結果的には代表チーム強化にもつながると考えており、その資金については青年スポーツ省からの支援が必要だと述べたハミディンFAM会長は、2028年オリンピックを筆頭に、FIFA U17W杯やU20W杯、2026年アジア競技大会、2027年東南アジア競技大会などを念頭に置きながら、FAMはユース年代からの育成に注力したいと話しています

*****

2007年に創設されたハリマウ・ムダは、当初はU21チームとしてプロクラブに所属しない選手を集めて、国内2部リーグのプレミアリーグに参戦しました。参加初年度2007/08シーズンは7勝5分12敗で14チーム中8位という成績でしたが、翌年2009シーズンは、現在はサバFC監督のオン・キムスイ氏が監督を務め、20勝2分2敗でリーグ優勝を果たしました。

このチームはそのまま2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでは、大会がU23代表の対戦となった2001年大会以降では初優勝を果たすと、さらに2011年のシーゲームズでも優勝して2連覇を果たしています。また2009年のシーゲームズ中小チームのメンバーが加わったA代表は、2010年の東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権スズキカップ(現三菱電機カップ)でも初優勝を果たしています。

これに気を良くしたFAMはハリマウ・ムダをU22のハリマウ・ムダAとU20のハリマウ・ムダBに分け、さらにその後はU17のハリマウ・ムダCまで創設しています。この後、ハリマウ・ムダAは2011年シーズンは国内1部リーグのスーパーリーグに参戦して12勝7分7敗で14チーム中5位の成績を残すと、翌2012年には国外のチームに門戸を開いていたシンガポール1部リーグに参戦し、13勝3分8敗で13チーム中4位となりました。

2013年には、シーゲームズ3連覇を目指して8ヶ月に及ぶスロバキアでの海外合宿を行ったものの、2013年末のシーゲームズでは3位決定戦にも敗れて4位に終わりました。さらに2014年にはFAMはオーストラリアのクイーンズランド州サッカー協会と提携して、ハリマウ・ムダAは同州リーグに参戦し、9勝6分9敗で13チーム中9位でシーズンを終えた翌2015年には前FAM副会長でもあったカイリー・ジャマルディン青年スポーツ相(当時)がユース年代育成はFAM主導ではなく、各州サッカー協会が行うべきとして、FAMにハリマウ・ムダを解散を命じたという経緯があります。

なお、ハリマウ・ムダBとCについても、機会があればこのブログで取り上げようと思います。