2024/25シーズンFAカップ準決勝2ndレグの結果とハイライト映像・ファイサル・ハリムがベンチ入りしたスランゴールは逆転で決勝進出・ジョホールはクダに圧勝でFAカップ3季連続優勝に王手

8月4日と5日にマレーシアFAカップ準決勝の2ndレグ2試合が行われ、スランゴールFCとジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)がそれぞれ勝利するとともに、通算成績でも対戦相手位を上回り、決勝進出を決めています。決勝は8月24日となっています。

この両チームは今季のリーグ開幕戦で対戦予定でしたが、その数日前にスランゴールFCのファイサル・ハリムが酸をかけられる事件が起こりました。スランゴールFCはリーグを主催するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)に開幕戦の延期を求めましたが、MFLはこれを却下、その結果、スランゴールFCは出場を辞退し、JDTが不戦勝隣、勝点3を与えられる事態になっています。

ファイサル・ハリムがベンチ入りしたスランゴールは逆転で6年ぶりに決勝進出

マレーシアFAカップ2024/25 準決勝2ndレグ
2024年8月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 4−1 トレンガヌFC (通算成績6-4)
⚽️スランゴール:サフワン・バハルディン3(3分、5分、52分)、レジク・バニハニ(90+3分)
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナーデ(22分)
🟨スランゴール(2)、🟨トレンガヌ(2)

7月19日に行われたトレンガヌのホームでの1stレグでは2−3と破れていたスランゴールが、キャプテンでCBのサフワン・バハルディンのハットトリックなどで4−1と快勝し、通算成績を6−4として、FAカップ決勝に駒を進めています。

ここ数試合のスランゴールは、開始5分以内にゴールを決めて、相手の出鼻を挫く試合が続いていましたが、この試合もいきなり開始3分に、ヨハンドリ・オロスコの右コーナーキックにサフワン・バハルディンが頭で合わせて、スランゴールがあっさりと先制します。さらにその2分後には全く同じように右コーナーキックをサフワン選手が再びヘディングでゴールを決め、開始5分でスランゴールが2−0とリードを広げます。しかし、トレンガヌもサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシドらを中心にスランゴールのゴールに迫り、ついに22分にはイスマヒル・アキネードのゴールで1点を返しますが、結局、前半はスランゴール1点のリードで折り返します。

後半に入ると、52分には今度はコーナーキックからスランゴールが相手ゴール前でボールをつなぎ、最後はそのこぼれ球をまたもやサフアン選手が豪快に蹴り込んで、再びリードを広げると、90+3分にはヨルダンU23代表FWレジク・バニハニがダメ推しとなる4点目のゴールを決めて、この試合はスランゴールが4−1で勝利するとともに、1stレグとの通算成績を6−4として、FAカップ決勝進出を決めています。

この試合は、5月5日に酸をかけられ、その後は皮膚の移植手術やリハビリなどを行っていたマレーシア代表FWファイサル・ハリムが今季初めてベンチ入りするなど、スランゴールにとっては絶対に負けられない試合でしたが、32歳のベテランでキャプテンのサフワン選手率いるチームとスタンドが一体になる熱い戦いで、2018年以来6年ぶりのFAカップ決勝進出を決めています。

FAカップでは過去5度の優勝経験があるスランゴールは、2009年以来の優勝を目指してJDTと対戦します。

試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより。

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トレンガヌのサポーターには申し訳ないですが、決勝進出を決めたのがスランゴールで良かった、という印象です。と言うのも、この試合のトレンガヌの先発XIの内、ポストに当たる惜しいシュートを放つなど最後までゴールを狙い続けたFWサファウィ・ラシドとFWアキヤ・ラシド、そしてDFサフワン・マズランはいずれもジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からのローン移籍の選手で、この試合でトレンガヌが勝っていたとしていも、JDTとの決勝では「紳士協定」により出場できず、ベストの布陣でないトレンガヌがJDTに挑む図式では、公正さに欠けるのではと考えてしまいます。上記の3選手がいたからこそ準決勝まで進むことができたトレンガヌですが、明らかに戦力ダウンとなる布陣で決勝を戦うのであれば、ファイサル・ハリムがベンチ入りしたことで士気が上がっているスランゴールが、連覇を目指すJDTに挑む方か、FAカップ決勝がより盛り上がるのではないかと考えます。

ジョホールはクダに圧勝でFAカップ3季連続優勝に王手

マレーシアFAカップ2024/25 準決勝2ndレグ
2024年8月4日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 3-0 クダ・ダルル・アマンFC(通算成績5-1)
⚽️ジョホール:フェロズ・バハルディン(50分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(77分) 、フアン・ムニス(84分)
🟨ジョホール(1)、🟨クダ(1)、🟥クダ(1):ソニー・ノルデ(🟨x2)

1stレグではクダにロスタイムのゴールで2-1と辛勝していたジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、2ndレグでは3-0と圧勝して3シーズン連続の決勝進出を決めています。

前半から激しく攻めるJDTの猛攻をGKカラムラー・アル=ハフィズの好セーブや引き気味の布陣などで耐え凌いだクダでしたが、50分にこの均衡が崩れます。右サイドのショートコーナーからマシュー・デイヴィーズがゴール前へクダDFの上を越える絶妙の浮き球でボールを出したところに走り込んできたフェロズ・バハルディンがこれを押し込んで、ついにJDTが先制します。さらに76分にはフアン・ムニスのコーナーキックをベルグソン・ダ・シルヴァが頭で押し込み2-0とすると、82分にはそれまで好セーブを連発していたクダGKカラムラー・アル=ハフィズがバックパスをJDTに奪われて失点すると万事休す。通算成績5−1でジョホールが決勝進出を決めています。

試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの公式YouTubeより。

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第6節の結果とハイライト映像

マレーシアスーパーリーグ(MSL)の第6節が7月25日から27日にかけて開催されています。

なお今季のMSLは13チームで編成されており、第6節は鈴木ブルーノ選手が所属するPDRM FCの試合はありません。また次節第7節は間髪開けず、7月30日(火)から8月1日(木)に予定されています。
*試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより。

サバがヌグリスンビランを破り3位に浮上

MSL2024/25 第6節
2024年7月25日@リカス・スタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバFC 2-0 ヌグリスンビランFC
⚽️サバ:ダニエル・ティン(14分)、ジャフリ・フィルダウス・チュウ(81分PK)
🟨サバ(4)、🟨ヌグリスンビラン(1)、🟥ヌグリスンビラン(1):ノーフィクリ・アブドル・タリブ
MOM:ミゲル・シフエンテス(サバFC)

サバが最下位のヌグリスンビランに快勝しています。ダニエル・ティンのゴールで先制すると、終盤にはジャフリ・フィルダウス・チュウがPKを決めて勝利しています。

ヌグリスンビランは65分にノーフィクリ・アブドル・タリブが一発レッドで退場になると、この数的不利が最後まで響き、今季初の連勝とはなりませんでした。ヌグリスンビランの佐々木匠選手は先発してフル出場しています。

快勝したサバですが、この試合で気になったのは前インドネシア代表のAMFサディル・ラムダニがベンチ外だったことです。ケガなども報じられていない中、先週は昨季のチーム得点王ラモン・マチャド(アゼルバイジャン1部アラズ・ナシュシュヴァンPFKへ移籍)と契約を解除するなど、給料未払い問題があるとされるサバから新たに主力が流出する可能性もあります。

2021年からプレーする25歳のラムダニ選手は、サバで70試合に出場し16ゴール28アシストを記録していますが、インドネシアのサッカーメディアでは、昨季のインドネシア王者、プルシブ・バンドン移籍の噂があるとしており、今年2度目のトランスファーウィンドウが8月29日に開くのを前に退団の可能性もあります。

ジョホールが開幕5連勝、トレンガヌは今季初黒星

MSL2024/25 第6節
2024年7月26日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州クチン)
ジョホール・ダルル・タジムFC 4-0 トレンガヌFC
⚽️ジョホール:ヘベルチ・フェルナンデス(7分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ3(32分PK、64分、90+2分)
🟨ジョホール(2)、🟨トレンガヌ(3)、🟥トレンガヌ(1):ウバイドゥラー・シャムスル
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール・ダルル・タジムFC)

ジョホール・ダルル・タジム(JDT)がリーグ得点トップとなるベルグソン・ダ・シルヴァのハットトリックなどで大量得点し、開幕から無傷の6連勝を飾った一方、やはりここまで開幕から無敗だったトレンガヌには今季初黒星がついています。

この試合前まで2勝2分1敗のトレンガヌは、ここまでの全試合に先発しそれぞれ2ゴールと1ゴールを挙げているFWサファウィ・ラシドとFWアキヤ・ラシド、そしてここまで3試合に出場しているDFサフワン・マズランの3選手がいずれもJDTからのローン移籍中のため、この試合はベンチ外でした。この主力3名を欠くトレンガヌは、さらに昨年のチーム得点王イヴァン・マムートもプレシーズンでのケガの回復が遅れており、JDTと対戦するには厳しいメンバーでした。このため守備的な布陣で臨んこの試合でしたが、U23代表でプレーする20歳のCBウバイドラー・シャムスルが「疑惑の判定」で31分と早い時間帯に一発レッドで退場となり、数的にも不利になったトレンガヌにとっては厳しい試合でした。

この疑惑の判定は、31分にウバイドラー選手がJDTのベルグソン選手を自陣ペナルティーエリア内で倒した判定され、フィトリ・マスコン主審がVARによるチェックの後でウバイドラー選手にはレッドカードを出したものです。しかし実際のプレーは触れたか触れていないかがわからないほどの接触だったことから、トレンガヌサポーターだけでなく、JDTのサポーターもは、この判定に疑問の声を挙げました。さらにマレーシアサッカー協会(FAM)の審判委員会元委員長でFIFA国際審判でもあったスブヒディン・モハマド・サレー氏が、ウバイドラー選手がベルグソン選手を押したと言う明らかな証拠が見られない上、選手ではなくボールに対する通常のプレーであり、レッドカードには値せず、せいぜいイエローカードとPKなのではとコメントするなど、この判定に対しては否定的な意見があちらこちらから出ています。とは言え一度出された判定が変わることはなく、主力を欠くトレンガヌにとっては、数的不利にもなって万事休すでした。

開幕から6連勝と快調なJDTですが、代表でもプレーする左SBのラヴェル・コービン=オングの出場機会が激減しています。今季のJDTは左SBにオスカル・アリバスが主に起用されており、リーグ戦とカップ戦を合わせてここまで6試合に先発しています。それ以外では今季加入したムリロ・エンリケが5試合に起用されており、コービン=オング選手は今季はリーグ戦2試合出場、カップ戦出場なしと言う状況です。次の代表戦は9月のムルデカ大会までありませんが、それでもコービン=オング選手の出場機会が少ないままだと、ゲームフィットネス不足など、代表でのパフォーマンスにも影響が出そうです。

ロスタイムにPKを与えたクダはクチンシティと引き分ける

MSL2024/25 第6節
2024年7月26日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-1 クチンシティFC
⚽️クダ:ハスブラー・アブ・バカル(61分)
⚽️クチンシティ:ジョーダン・ミンター(90+2分)
🟨クダ(2)、🟨クチンシティ(2)
MOM:ソニー・ノルデ(クダ・ダルル・アマンFC)

DFリザル・ガザリとMFシュクロフ・ヌルラエフの両主力をいずれもケガで欠きながらも、終始試合を支配したクダでしたが、ロスタイムのPKによりクチンシティと引き分け、連勝が2でストップ。一方のクチシティは3試合連続負けなしとなっています。

前半を0-0で終えた試合は、後半の60分にハビブ・ハルンからのパスをクチンシティDFに競り勝ったハスブラー・アブ・バカルが頭で合わせて先制ゴールを決め、クダがリードを奪います。

しかしリードを奪われたクチンシティは後半にペースを上げ、クダのゴールをねらいます。そしてロスタイムに入るとクチンシティはチェチェ・キプレがクダDFイルファン・ザカリアにペナルティエリア内で倒されます。ザムザイディ・カティミン出身はノーファウルとしますが、VARのチェックにより、クチンシティにPKが与えられます。これをジョーダン・ミンターが決めて同点とし、クチンシティはアウェイで貴重な勝点1を挙げています。クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

ペラはクランタンを破り今季2勝目

MSL2024/25 第6節
2024年7月26日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン・ダルル・ナイムFC 1-3 ペラFC
⚽️クランタン:シャヒール・アブドル・ラシド(87分)
⚽️ペラ:フィルダウス・サイヤディ(44分)、ルチアーノ・グアイコチェア2(57分PK、79分)
🟨クランタン(1)、🟨ペラ(1)、🟥ペラ(1):ルチアーノ・グアイコチェア(🟨x2)
MOM:ラマダン・ハミド(ペラFC)

スランゴールがペナンを破りホーム無敗を守る

MSL2024/25 第6節
2024年7月27日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
スランゴールFC 4-1 ペナンFC
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(3分)、ヨハンドリ・オロスコ(70分PK)、アルヴィン・フォルテス(89分)、クエンティン・チェン(90+9分)
⚽️ペナン:ラファエル・ヴィトール(64分PK)
🟨スランゴール(1)、🟨ペナン(2)
MOM:アルヴィン・フォルテス(スランゴールFC)

前節ではKLシティとの「クラン渓谷ダービー」でまさかの敗戦を喫したスランゴールでしたが、今節はペナンに快勝して今季のホーム連勝記録を4に伸ばしています。

開始3分で簡単に先制したスランゴールでしたが、その後は好機は作るもののゴールには至らず、前半はこのまま1−0で終了します。

首位を独走するジョホールを追撃するためには、1敗もできないスランゴールは焦りからなのか、その後も追加点を奪えず、後半の64分には逆にペナンにPKを決められて1-1と追いつかれ、嫌な雰囲気が漂いはじめます。それでも69分にヨハンドリ・オロスコがゴールを決めて2-1と再びリードを奪うと、試合終了間際に2点を追加し、終わってみれば3点差の勝利となりました。この試合はスタンドから観戦しましたが、点差ほどの圧勝には感じられず、また、この試合の中盤のようなこう着状態を打開する選手が現在のスランゴールにはおらず、今後、上位チームとの対戦には不安が残る試合という印象でした。

KLシティはスリ・パハンと分ける-パウロ・ジョズエはクラブ最多得点記録更新ならず

MSL2024/25 第6節
2024年7月27日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティFC 0-0 スリ・パハンFC
🟨KLシティ(0)、🟨スリ・パハン(3)
MOM:アズファル・アリー(スリ・パハンFC)

2017年からKLシティでプレーするパウロ・ジョズエはこの試合の前までで通算66ゴールを挙げており、クラブ最多ゴール記録タイとなる67ゴールまであと1ゴールとせまっています。そしてその最多ゴール記録を持つのが、この試合の相手スリ・パハンFCの監督で、シンガポールサッカーのレジェンド、ファンディ・アフマドです。ファンディ氏は1986年から1990年までの5シーズンをKLシティの前身であるKLFAでプレーし、この67ゴールを挙げています。(ちなみのこの5年間にKLFAはマレーシアカップ優勝3度、リーグ優勝2度という成績を残しています。)

このファンデイ氏の前でジョズエ選手によるタイ記録、そして新記録達成が期待されましたが、試合は0-0に終わっています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。)

2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第6節終了)

順位チーム勝点
1JDT61860021318
2SEL6124021165
3SAB59311862
4TRE58221761
5KLC58221660
6KCH67141871
7*KDA66312642
8PRK66204911-2
9PEN6613246-2
10SRP5512237-4
11PDRM5411347-3
12KDN63104410-6
13NSE53104312-9
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは開幕前に勝点3剥奪処分を受けています。

7月31日のニュース・リーグ最高価値を持つエリアスは退団か・ACLエリート出場のジョホールはトランスファーウィンドウ前に積極的な補強を早くも開始

日本では現在、渡航中止勧告が出されているロシアを訪れたことでニュースになっていますが、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は7月28日、そのロシア新興国の連合体BRICSへの加盟を正式に申請したことを自身のSNSで明らかにしています。また同じ7月28日にはマレーシアを訪問中のBRICS議長国、ロシアのラブロフ外相はアンワル首相と会談し、その席上でマレーシアのBRICS加盟を積極的に支持することを確約したということです。ウクライナ信仰により日本や欧米諸国との関係が悪化しているロシアですが、政治を度外視したサッカーファン的視点で言えば、ロシアとの関係強化により、以前このブログでも取り上げた10月のFIFAデイズでのマレーシア代表とロシア代表の対戦が実現するのではと期待してしまいます。

リーグ最高価値を持つジャリル・エリアスは退団か

今季1月にアルゼンチンのCAサン・ロレンソから鳴り物入りでジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)移籍してきたDMFジャリル・エリアスは、チーム合流前にシリア代表として1月のAFCアジアカップに出場したこともあり、チーム合流に遅れるなどの事情がありましたが、合流後もこれまで出場はわずか1試合にとどまっています。

27歳のエリアス選手は、Transfermrktではマレーシアスーパーリーグに所属する全ての選手の中で最も価値が高い300万ユーロ(およそ5億円)とされていますが、トップチームでの出場機会がなく、来月開くトランスファーウィンドウで放出されるのではといわれていました。

そんな中、JDTは7月28日にフランス出身27歳ののFWエンゾ・ロンバルドがスペイン2部のSDウェスカから加入することを発表しています。スペイン1部のRCDマジョルカやラシン・サンタンデールでもプレーしたロンバルド選手ですが、その背番号が7となることが発表されています。なお背番号7は今季、エリアス選手が付けていたものであることから、JDTから公式発表はないものの、エリアス選手が退団することが濃厚となりました。

ACLエリート出場のジョホールはトランスファーウィンドウ前に積極的な補強を早くも開始

マレーシアリーグの今年2度目のトランスファーウィンドウが開くのは来月ですが、リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、前述のFWエンゾ・ロンバルに加え、さらに2名の外国籍選手の獲得を発表しています。タイ1部ラーチャブリーFCからは韓国出身のCBパク・ジュンホンを、スペイン2部のエルチェCF U19からスペイン出身のGKクリスチャン・アバド・アマトがそれぞれ加入することを発表しています。

31歳のパク選手は、ポルトガル2部や3部でプレーした他、水原三星ブルーウィングス(韓国)、キッチーSC(香港)などでもプレーしています。2022/23シーズンからプレーするラーチャブリーFCでは通算64試合に出場しています。

パク選手の背番号は13と発表されていますが、Transfermarktによると契約は来月8月26日からとなっています。

またGKのアマト選手は18歳で、JDTには珍しく即戦力ではなく育成目的での獲得のようです。アマト選手はスペイン生まれながら、マレーシア人の血を引いているということで、将来的にはマレーシア国籍を取得することが考えられます。なお背番号は13となることが発表されています。

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1ヶ月ほど前にJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、8月26日に開く今年2度目のトランスファーウィンドウで新たに6名の選手を獲得する予定があると明らかにしていましたが、これでそのうちの3名が発表されたことになります。

マレーシアスーパーリーグは、各クラブが最大9名の外国籍選手を登録可能で、試合では同時に6名(無条件4名、アジア枠1名、アセアン東南アジア枠1名)がプレー可能で、この他に1名がベンチ入り可能です。またACLエリートやACL2に出場するクラブについては、最大で10名が登録可能です。

今季のACLエリートへの出場が決まっているJDTの外国籍選手は、FWベルグソン・ダ・シルヴァ(ブラジル)、FWフェルナンド・フォレスティエリ(アルゼンチン)、MFヘベルチ・フェルナンデス(ブラジル)、MFムリロ・エンリケ(ブラジル)、MFフアン・ムニス(スペイン)、MFフランシスコ・ジェラルディス(ポルトガル)、DFジョルディ・アマト(インドネシア)、DFオスカル・アリバス(フィリピン)、DFシェーン・ローリー(オーストラリア)、DFジャリル・エリアス(シリア)の10名ですが、この中で前述のエリアス選手の他、34歳のフォレスティエリ選手には中東の複数のクラブが関心を示していると噂があり、退団の可能性が高いとされています。

7月30日のニュース・アセアンU19選手権:マレーシアはオーストラリアとのPK戦に敗れ4位に終わる・トレンガヌ州はスタジアムに女性専用席を導入

アセアンU19選手権:マレーシアはオーストラリアとのPK戦に敗れ4位に終わる

インドネシアのスラバヤで開催されていた東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権は7月29日に決勝と3位決定戦が行われ、3位決定戦に回っていたマレーシアU19代表はオーストラリアU19代表と1-1で引き分けた後、PK戦で敗れて今大会を4位で終えています。

7月27日の準決勝でインドネシアU19代表に0-1と惜敗していたマレーシアは、同じ準決勝でタイU19代表にやはり0-1で敗れたオーストラリアU19代表との3位決定戦に臨みました。試合は前半29分にマルクス・ユニス(オーストラリア1部ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC)のゴールでオーストラリアが先制しますが、後半の73分にジェイク・ナイドフスキー(オーストラリア1部ウェスタン・ユナイテッドFC)のオウンゴールでマレーシアが同点に追いつきます。

その後は両チームとも得点ができず、レギュレーションタイムを終えて1-1となった試合はPK戦に突入します。オーストラリアは5名全員がPKを決めたものの、マレーシアは1人目のアビド・サファラズ・ロザイディ(JDT IV)、2人目のG・パヴィトラン(JDT II)、4人目のアイマン・ハキミ・オスマン(スランゴールFC II)がPKを決めた一方で、3人目のキッカー、ザカリ・ザヒダディル(トレンガヌFC III)が失敗し、この結果、PK戦は5-3となり、オーストラリアが3位、マレーシアが4位となっています。

なお決勝は、インドネシアがタイを1-0で破り、2013年大会以来となる2度目の優勝を果たしています。

トレンガヌ州はスタジアムに女性専用席を導入

マレーシア語紙コスモは、トレンガヌFCの本拠地であるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムに女性専用席が導入されると報じています。なおこの女性専用席はマレーシアスーパーリーグの今節第7節のトレンガヌFC対ヌグリスンビランFC戦から導入されると言うことです。

トレンガヌ州サッカー協会副会長でトレンガヌ州議会委員のヒシャムディン・アブドル・カリム氏は、7月19日にスルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムで行われたマレーシアFAカップ準決勝のトレンガヌFC対スランゴールFC戦が行われた際、男女の座席が分かれていなかったことにより発生した問題に対応するための措置であると説明しています。

「スタジアムに女性の入場を禁じることはなく、男女関わらず入場可能で、どこに座るのも個人の自由である。新たに設ける女性専用席はイスラム教とシャリア法(人間が行う行為に関わるイスラム教の決まり)に従った措置であり、これによりサッカーの試合中に男女が接触する機会を減らすことができることを望んでいる。」と話したヒシャムディン氏は、トレンガヌFCとスタジアム運営会社がどこに女性専用席を設けるか決定するとしています。

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ついにここまで来たか、と言う感じですが、イスラム原理主義政党の汎マレーシア・イスラム党(PAS)が州議会の与党となっているトレンガヌ州は、スーパーマーケットのレジの列や映画館の座席などが既に男女別になっています。イスラム法に反するアルコールや宝くじの販売を禁止したり、イスラム教の重要な礼拝日が金曜日であることから、トレンガヌ州の週末は木曜日と金曜日になっているなど、クアラ・ルンプールなどと比べるとイスラム色が非常に強い地域です

7月29日のニュース・アセアンU19選手権:マレーシアは準決勝でインドネシアに敗れ連覇ならず・U23代表のエースがタイ2部チョンブリーFCへ移籍・キム前代表監督は噂通り蔚山現代FC監督就任・キム前代表監督「代表よりクラブを優先する選手がいたことは残念だった」

アセアンU19選手権:マレーシアは準決勝でインドネシアに敗れ連覇ならず

インドネシアのスラバヤで開催中の東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権は、7月27日に準決勝2試合が行われ、前回2022年大会に続く連覇を狙うマレーシアU19代表はインドネシアU19代表に0-1で敗れ、2018年、2022年大会に続く3度目の決勝進出はなりませんでした。

グループステージC組最終節でタイU19代表と引き分け、勝点で並びながらも得失差で1位突破したマレーシアU19代表のフアン・トーレス・ガリド監督は、タイU19代表戦からはJ3のFC大阪への期限付き移籍が発表されているDFムハマド・カリル(スランゴールFC)、DFリズワン・ロスリ、そしてグループステージの3試合全てでゴールを決めているFWのG・パヴィトラン(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC II)の3名以外を全て入れ替えた先発XIを起用しています。(下は両チームの先発XI。左がマレーシア、右がインドネシア)


インドネシアが優勢に試合を進め、それをマレーシアが耐える展開ながらも前半は0−0で終了します。後半に入ってもインドネシアの攻撃の手は緩まず、78分にはついに均衡が破られます。ゴール前の混戦では、マレーシアGKハジック・アイマン(JDT II)がインドネシアのシュートを2度セーブするも、最後はアルファレジ・ブフォン(インドネシア1部ボルネオFC)がマレーシアDFがクリアしきれなかったボールを押し込んで、インドネシアが先制し、結局これが決勝点となり、インドネシアが決勝進出を決め、もう1試合の準決勝でオーストラリアU19代表を1-0で破ったタイと本日7月29日に決勝で対戦、マレーシアはオーストラリアU19代表と、決勝の前に行われる3位決定戦に回ることになりました。

U23代表のエースがタイ2部のチョンブリーFCへ移籍

マレーシアU23代表のFWファーガス・ティアニーがタイ2部リーグのチョンブリーFCに移籍したことが明らかになっています。ティエニー選手はチョンブリーFCが行った新ユニフォーム発表と新規獲得選手紹介イベントでサポーターにその加入が発表され、背番号は9となることも明らかになっています。なおTransfermarktによると今回の移籍はローンではなくフリートランスファーとなっている点も興味深いところです。

2021年シーズンには代表DFジュニオール・エルドストール(現JDT)もプレーしたチョンブリーFCは、昨季2023/24シーズンはタイ1部リーグで7勝9分14敗で16チーム中14位となり、来月8月に開幕する今季2024/25シーズンはタイ2部リーグでプレーします。なおチョンブリーFCは元カナダ代表FWマーカス・ハバー(カンボジア1部スヴァイ・リエンFCから加入)、英国出身DFチャーリー・クラフ(タイ1部ポートFCからローン)、元カマタマーレ讃岐の韓国出身MFチョン・サネ(韓国3部全州市民FCから加入)も加入しています。

スコットランド生まれ、マレーシアのペナン育ちのティアニー選手は21歳で、父親はかつてマレーシアリーグのPDRM FA(当時、現PDRM FC)やシンガポールリーグでプレーしたスコットランド出身の元プロサッカー選手のマーティン・ティアニーで、母親も同じスコットランド出身です。19歳でジョホール・ダルル・タジムFCのU21チーム、JDT IIIに加入し、昨季からはU23チームのJDT IIでプレーし、今季は開幕からの5試合中4試合に出場(うち先発2試合)しています。

また昨年3月にシンガポールで行われたマーライオンカップで初めてU23代表に招集されると、5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズからは主力となり、今年4月に行われたU23アジアカップにも出場しています。この大会ではマレーシアU23代表はグループステージで敗退しましたが、ティアニー選手はグループステージの3試合全てに先発し、186cmの身長と身体の強さを持ちながらボールコントロールも柔らかく、これまでU23代表では12試合に出場し、3ゴールを挙げています。

タイ1部リーグには、リーグ3連覇中のブリーラム・ユナイテッドFCにマレーシア代表でプレーするDFディオン・コールズがおり、ティエニー選手は2024/25シーズンにタイでプレーする二人目のマレーシア人選手となります。

キム前代表監督は噂通り蔚山現代FC監督就任

韓国1部Kリーグ1の2023年シーズンの覇者、蔚山現代FCは新監督に前マレーシア代表監督のキム・パンゴン(金判坤)氏の就任を公式SNSで発表しています。キム氏は7月16日に突然、2年4ヶ月務めたマレーシア代表監督を「個人的な理由」で辞任することを発表していました。

マレーシア代表の他、香港代表の監督経験もあるキム氏ですが、Kリーグ1のクラブで監督に就任するのは今回が初めてです。なお蔚山現代FC前監督のホン・ミョンボ(洪明甫)氏が韓国代表に就任した後に、キム氏がマレーシア代表を辞任したことから、ホン氏の後任がキム氏になるのではと言う噂も出ていましたが、その通りになった格好です。

今季2024/25シーズンのACLエリート(ACLE)に出場する蔚山現代FCは、やはりマレーシアからACLEに出場するジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)と同じ組になれば、キム監督率いる蔚山現代FC対かつて指導した代表選手が主力のJDTというカードも考えられます。

キム前代表監督「代表よりクラブを優先する選手がいたことは残念だった」

そのキム・パンゴン前マレーシア代表監督は、マレーシア人選手の中に代表よりクラブを優先する者がいたことは残念だったと、メディアの取材で述べていたことが明らかになりました。

スポーツ専門サイトのアストロ・アリーナとのインタビューでは、キム前監督はマレーシア代表の選手に対して「愛国心」を植え付けることができなかったことが心残りだと話しています。(ここでの「愛国心」とはクラブより代表チームを優先することを指しています。)

「代表選手たちの持つ『愛国心』は薄っぺらで、本来、最優先すべき代表チームを優先しない選手たちがいた。そう言った選手たちに「愛国心」を教え込もうとしたが、残念ながら成功しなかった。」

「国のために戦うと言う精神の重要性を選手たちは知るべきだが、自分にはそれを選手たちに理解させることができなかった。選手たちはプロなので、あまり言いたくはないが、それでも、選手からはもう少し「愛国心」を見せてもらいたいと思う場面は何度もあった。」とキム前監督は話しています。

マレーシア代表監督時には、FIFA国際マッチカレンダー外に開催された東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権に出場した代表チームに所収された選手をジョホール・ダルル・タジムFCが拒否したり、また今年のW杯アジア2次予選では、やはりFIFA国際マッチカレンダー前に代表合宿を開催するも初日に集まったのはわずか数名だったりと、を自分が招集したい選手を招集できませんでした。クラブからすれば何ら規定違反はしていませんが、キム前監督は繰り返し協力と理解を求める発言を何度も繰り返すなど、選手たちの熱い気持ちと姿勢を見たかった、と言うことだったのかも知れません。

7月27日のニュース・アセアンU19選手権:タイと引き分けたマレーシアはグループ1位突破-今日インドネシアとの準決勝・マレーシアは10月のFIFAデイズでロシアと対戦も

アセアンU19選手権:タイと引き分けたマレーシアはグループ1位突破で準決勝ではインドネシアと本日対戦

インドネシアのスラバヤで開催中の東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権はグループステージ最終節となる第3節が行われ、予選C組ではいずれも2勝のマレーシアU19代表とタイU19代表が対決し、試合は1−1で引き分けたものの、得失差でマレーシアがC組を一位で突破し、本日7月27日に行われる準決勝では、ホストのインドネシアU19代表と対戦することが決まりました。

スラバヤのゲロラ・ブン・トモ・スタジアムで行われた試合では、英国3部ポート・ヴェイルFCから今月移籍したばかりの190cmの大型ストライカー、ケーラン・タナドン・ライアン(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)が開始4分にゴールを決めて、いきなりタイがリードを奪います。

しかし、マレーシアもここまで2試合でいずれもゴールを決めているG・パヴィトラン(ジョホール・ダルル・タジムFC II)が48分にPKを決めて同点に追いつくと、その後は両チームとも得点がなく引き分けています。この結果、両チームが勝点7で並んだものの、ブルネイU19代表相手に11ゴールを挙げていたマレーシアU19代表が得失差でC組1位となり、タイが2位にとなっています。

この試合でグループステージが終了し、準決勝のカードはタイU19対オーストラリアU19、マレーシアU19対インドネシアU19に決まり、本日7月27日に行われます。

マレーシアは10月のFIFAデイズでロシアと対戦も

国内複数のサッカー専門サイトは、今年10月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAデイズ)でロシアを招いて国際親善試合を行う予定があると伝えてます。

今月7月16日にキム・パンゴン監督が辞任したマレーシアは、9月にはムルデカ大会が、11月には東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」が控えています。さらに来年3月にはAFCアジアカップ2027年大会予選もあります。

そんな中、マレーシアを始め複数の東南アジア諸国のサッカー協会が、ロシアサッカー協会と連絡を取り合っており、マレーシアは10月のFIFAデイズでロシアを招待して試合を行いたいという意思し表示を行なったと、東南アジアのサッカー事情を取り上げる有名サイトの「アセアンフットボール」が伝えています。

このアセアンフットボールのXへの投稿では、同様の検討を行なっているベトナムやタイに先んじて、マレーシアは試合開催オファーを送っているということです。ただしマレーシアサッカー協会(FAM)からは何も発表されていません。

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ウクライナとの戦争により、先日終了したユーロ2024では予選出場さえ許されないなど、欧州では対戦できるチームに限りがあるロシアにとっては、マレーシアは決して強豪ではないとはいえ、実戦の機会を得ることができるのは貴重なはず。2023年のロシア代表の試合はわずか8試合、2024年もここまで2試合で、しかも公式戦はひとつもなく、全て国際親善試合という状況ですが、マレーシア的な視点で言えば、道義的な点を差し置くとして、直近のFIFAランキングで33位のチームとの対戦は是非とも実現して欲しいところです。

7月25日のニュース・AFCがクラブライセンス不正交付の疑いでサッカー協会とリーグを調査・サッカー協会は各クラブに義務付けた育成チーム保持規定を緩和か・前タジキスタン代表監督が空席のマレーシア代表監督に関心・トレンガヌはケガの治療が長引く昨季のチーム得点王マムートを放出も

AFCがクラブライセンス不正交付の疑いでサッカー協会とリーグを調査

アジアサッカー連盟(AFC)はクラブライセンス交付に関する規定違反の疑いでマレーシアサッカー協会(FAM)と、国内リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の調査を開始したと、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

AFCは先週、多発する未払い給料問題を理由にFAMとMFLが国内クラブライセンスを交付する資格を失う可能性があると発表していました。

このブログでも頻繁に取り上げているKLシティFCの給料未払い問題についても、給料未払いに加え、2023年2月からマレーシアの年金制度に該当する従業員積立基金(EPF)を滞納しているにもかかわらず、今季のスーパーリーグに参加するために必要な国内クラブライセンスが交付されていることが問題視されています。なお、FAMから委託を受けているMFLの第一審期間(FIB)は、今季開幕前にはEPFの滞納を理由にプルリス・ユナイテッドFCやクランタンFCへクラブライセンス不交付の決定を下した前例があります。

AFCがクラブライセンス交付に関する規定違反があると判断した場合、FAMとMFLは国内クラブライセンスを交付する権限を失うだけでなく、マレーシアリーグのクラブはACLエリートやACL2などAFC主催の大会への出場資格を失う可能性もあります。

AFCのウインザー・ジョン事務局長は、その条件を満たしていないにもかかわらずマレーシアリーグの複数のクラブがクラブライセンスを交付されているという疑いから、AFCのクラブライセンス部門が調査を開始したと話しています。

「AFCのクラブライセンス部門による調査は、FAM、MFLによるクラブライセンス交付の手順を慎重に捜査し、監視することから始まる。そして十分な情報が集まった後で、理事会が最終的な判断を下す。最も厳しい処分は、FAMとMFLからのクラブライセンス交付権限剥奪となる。」

2022年にはAFCのクラブライセンス部門がイランサッカー協会(イランFA)に対して処分を科し、AFCが納得するようなクラブライセンス交付の仕組みをイランFAが構築するまでこの処分は解除されませんでした。この結果、2020年シーズンのACL覇者ペルセポリス、過去2度のアジアタイトルを獲得しているエステグラールFC、そしてゴル・ゴハール・シールジャーンFCの3チームは2022年ACLへの出場資格を失っています。

またFAMのユソフ・マハディ副会長は、「我々のリーグがスムーズに運営できるようになるためにも、AFCによる調査を歓迎する。もし我々のリーグに欠点や弱点がある場合には、それを修正する必要があるため、FAMは喜んで調査を受ける」とFAMとMFLはAFCの調査に全面的に協力すると述べています。

サッカー協会は各クラブに義務付けた育成チーム保持規定を緩和か

給料未払い問題がトップチームだけでなく、U21やU19などの下部組織まで広がっている事態を重くみたマレーシアサッカー協会は、マレーシアスーパーリーグに参加する全てクラブに保有を義務付けているU21やU19チームについて、各州サッカー協会に運営させる方針の検討に入ったと、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

かつてU21チームのリーグ戦であるプレジデントカップやU19チームのリーグ戦ユースカップに出場するチームは、国内リーグに参加するトップチームと同様に各州のサッカー協会が運営していましたが、しかしFIFAの指導により、FAMとリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が国内クラブの民営化方針を2018年に打ち出しました。この民営化では国内1部リーグの全クラブは、州サッカー協会が直接、運営する方式から、クラブ運営会社を設立して行う方式へと移行することが求められ、同時に各クラブにU23、U21、U19の各年代チームの保持が義務付けられたことから、その運営も州サッカー協会から各クラブへ移っていました。

それまでは州政府から州サッカー協会に運営資金が提供されていましたが、運営元がクラブ運営会社となったことから、州政府からの資金提供が途絶えただけでなく、新たに保持することになった下部組織の運営費用も膨らみました。また民営化直後に新型コロナ禍となり、多くの州政府がコロナ対策で臨時の出費が必要となったこともあり、サッカークラブ運営資金もコロナ対策に流用されるなどの事態も起こりました。さらにこの間はリーグ戦は開催されたもののほぼ1シーズンを通して無観客試合で行われたことにより入場料収入も得られず、マレーシアではこの時期から多くのクラブで給料未払い問題が表面化するようになっていました。

FAMのユソフ・マハディ副会長は、複数のクラブで下部組織のチームでも給料未払い問題が起こっていることは承知していると話し、問題解決のために複数の案を検討中だとしています。そしてその検討中の案の一つが、U21チームとU19チームを各州サッカー協会の運営に戻すことだとしています。

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クラブ民営化を進める際にFAMは、草の根レベルでの育成や州内のコミュニティーリーグなどサッカー人気を維持するための役割は各州サッカー協会が担い、プロクラブは民営化し、プロ選手を育成する下部組織も運営するという棲み分けをしたはずでしたが、今回明らかになったのは、給料未払い問題の根本原因究明に取り組むのではなく、とりあえず各クラブの経済的負担を軽減する(そして州サッカー協会の負担を増やす)というなんとも近視眼的な対応です。前述のクラブライセンス交付の規定違反も含め、国のサッカーのトップであるFAMへの信用はかなり揺らいでいるいるように感じます。

前タジキスタン代表監督のペタル・セグルトが空席のマレーシア代表監督に関心

7月16日にキム・パンゴン前監督が突如辞任を表明したマレーシア代表は、当面はコーチのポー・マルティ・ヴィンセント監督代行が指揮を取ることが決まっていますが、新たな監督の座に前タジキスタン代表監督のペタル・セグルト氏が関心を示していると、サッカー専門サイトのマカンボラが伝えています。

代表チームの今後の予定は、9月に予定されているムルデカ大会、そして11月に開幕する東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権と続いており、ムルデカ大会はヴィンセント監督が代表の指揮を取ることは決まっています。

クロアチア出身のセグルト氏は57歳で、2022年3月から今年1月のアジアカップまでタジキスタン代表監督を務め、タジキスタン代表をアジアカップ初出場に導くと、そのままベスト8に進出させています。またこの結果により、タジキスタン代表はFIFAランキング99位と最高位を記録しています。

キム氏辞任のニュースは驚きだったと話したセグルト氏は、キム前代表監督とはピッチ内外で話をするような関係だったと述べ、FIFAランキングを154位から130位まで引き上げるなどキム前監督のマレーシア代表監督としての実績を高く評価しているとも述べています。さらにマレーシアのファンはとても友好的な印象があると述べ、機会があれば代表監督をしてみたいと話しています。

タジキスタン代表監督を契約満了で退任したセグルト氏は、ヨーロッパの複数のクラブから監督就任オファーを受けているが、自身の希望は代表チームの監督だとして、クラブ監督のオファーは受ける予定はないとも話しています。

マレーシアサッカー協会(FAM)からは連絡はないと話すセグルト氏は、FAMは自分の連絡先を意知っているはずだとして、もしオファーを受ければ積極的に検討したいとも述べています。

セグルト氏はタジキスタン代表の他、モルディブ代表でも監督を務めて経験があり、クラブレベルではPSMマカッサル(インドネシア)、SVリート、ヴィナーSC(いずれもオーストリア)などで監督経験があります。

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なお、セグルト氏はタジキスタン代表監督として、キム前代表監督率いるマレーシアと2度対戦し、いずれも勝利しています。1度目は2022年にタイで開催されたキングズカップで、このときはホストのタイをPK戦で破ったマレーシアと、トリニダード・トバゴを破ったタジキスタンが決勝で対戦し、レギュレーションタイムを0-0で終え、最後はPK戦3-0でタジキスタンが勝利しています。2度目は2023年のムルデカ大会で、再び決勝で相見えた両チームでしたが、この試合でもタジキスタンがホストのマレーシアを2-0で破り優勝しています。

トレンガヌはケガの治療が長引く昨季のチーム得点王マムートを放出

トレンガヌFCに在籍するクロアチア出身のFWイヴァン・マムートは、昨季はリーグ戦とカップ戦合わせてチームトップの17ゴールを挙げる活躍を見せましたが、今季はプレシーズンマッチで左アキレス腱を痛めると、治療のため母国に帰国していました。開幕から欠場が続いていたマムート選手がチームに再合流したのは先月6月3日でしたが、マレーシアへ戻って以降も試合出場がありません。

この状況についてトレンガヌFCのトミスラフ・シュタインブリュックナー監督は、これ以上マムート選手の回復を待てないとして、来月8月に開くトランスファーウィンドウで新たなFWの獲得に動く可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。

「イヴァンは軽いトレーニングを始めてはいるが、まだ痛みがあるようで、トレーニングの強度を上げることに躊躇している。いつになったらプレーできるのかがわからない現状では、来月開くトランスファーウィンドウ期間中にセンターフォワードなど前線の選手を探さなければならないだろう。」と話したシュタインブリュックナー監督は、リーグ戦や国内カップ戦に加えて、東南アジアクラブ選手権「ショッピーカップ」にも出場することから、マムート選手に代わる新戦力獲得について既に経営陣とも話し合いを行ったことも明らかにしています。

2024/25シーズンFAカップ準決勝1stレグの結果とハイライト映像・連覇を狙うジョホールがロスタイムのゴールで辛勝勝・トレンガヌがホームで快勝

7月19日にマレーシアFAカップ準決勝の1stレグ2試合が行われ、ジョホール・ダルル・タジムFCとトレンガヌFCが勝利しています。ホームアンドアウェイ方式で行われるFAカップ準決勝2ndレグは、8月3日と4日に予定されています。なお決勝は8月24日となっています。
*試合のハイライト映像は、マレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより。

連覇を狙うジョホールがロスタイムのゴールで辛勝

マレーシアFAカップ2024/25 準決勝1stレグ
2024年7月19日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-2 ジョホール・ダルル・アマンFC
⚽️ジョホール:オスカル・アリバス(22分)、ロメル・モラレス2(90+9分)
⚽️クダ:ハビブ・ハルーン(87分)
🟨クダ(0)🟨ジョホール(3)
MOM:アリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジムFC)

連覇を狙うジョホールが、9分と長く取られたロスタイムに決勝点を挙げて先勝しています。

先発メンバーの中では最年少のアリフ・アイマンがキャプテンマークをつけたこの試合は、開始直後からジョホールがクダゴールに迫りますが、GKカラムラー・アル=ハフィズやクダDF陣の頑張りや、ジョホールのシュートミスなどもあり無得点のまま試合が進みます。しかし22分にヘベルチ・フェルナンデスからのパスを左サイドを抜け出したオスカル・アリバスに渡ると、飛び出したGKカラムラー・アル=ハフィズをかわしたアリバス選手がゴールを決めて、ジョホールが先制します。

この試合前まで今季8試合全勝、しかも34得点3失点のジョホールに対し、クダもソニー・ノルデを中心に反撃を試みますがゴールには至らず、前半はジョホールの1点リードで折り返します。

後半に入ると、さらにギアを上げたジョホールは追加点を狙いますが、クダが必死に防戦する中、87分に右サイドでフリーキックを得たクダは、ソニー・ノルデがファーサイドのエベネゼル・アシフアーへ。これをアシファー選手が頭で合わせますが、このシュートはジョホールGKシーハン・ハズミがパンチングで防ぎます。しかしそのこぼれ球に詰めていたハビブ・ハルーンが押し込んで、ついにクダは同点に追いつきます。

しかしこの試合はこれで終わりませんでした。90+9分に右コーナーキックから、ムリロ・エンリケが頭で合わせてファーサイドに流すと、走り込んできたロメル・モラレスがこれを押し込んでゴール!93分から出場の代表FWロメル・モラレスのゴールがこの試合の決勝点となり、ジョホールが決勝進出に一歩近づいています。

トレンガヌがホームで先勝

マレーシアFAカップ2024/25 準決勝1stレグ
2024年7月19日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 3-2 スランゴールFC
⚽️トレンガヌ:サファウイ・ラシド(30分)、ヌリロ・トゥクタシノフ(35分)、イスマヒル・アキナデ(70分)
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス(39分)、ノー・アル=ラワブデ(48分)
🟨トレンガヌ(0)、🟨スランゴール(3)
MOM:ヌリロ・トゥクタシノフ(トレンガヌFC)

昨年に続きベスト4へ進出した両チームですが、昨年の準決勝では、トレンガヌはKLシティ相手に0-0で引き分けた後にPK戦で敗れ、スランゴールはJDTに0−4と敗れています。(昨年はホームアンドアウェイ方式ではなく、決勝まで全ての試合が一発勝負のトーナメントでした。)トレンガヌにとっては2022年以来2年ぶり、スランゴールにとっては2018年以来6年ぶりの決勝進出を目指します。

先制したのはホームのトレンガヌでした。右サイドのペナルティエリア外側でフリーキックを得たトレンガヌは、得意な位置からサファウィ・ラシドが左足を一閃するとボールはそのままゴールインします。これぞサファウイ・ラシド!というゴールは、スランゴールGKサミュエル・サマヴィルも全く反応できない完璧なシュートでした。

トレンガヌはさらにその5分後にはペナルティエリアの外からヌリロ・トゥクタシノフがシュートを放つと、これがスランゴールDFに当たって角度が変わり、GKサマヴィルがこれまた反応できず、リードを広げます。しかしスランゴールも39分、右サイドを切れ込んだムカイリ・アジマルからのクロスをアルヴィン・フォルテスが押し込んで1点を返して前半を終了します。

後半に入ると直ちにスランゴールが追いつきます。48分にゴール前の混戦からのクリアボールを走り込んできたノー・アル=ラワブデが豪快に蹴り込んでゴール!試合は振り出しに戻ります。しかし70分にはこの試合のMOMとなったヌリロ・トゥクタシノフがゴール前のイスマヒル・アキナデへ絶妙な浮き球のクロスを上げると、スランゴールDFに競り勝ったヘディングシュートがゴールへ。このクロスに飛び出しかけたGKが戻れず、ボールはそのままゴールへ吸い込まれ、これが決勝点となりトレンガヌが先勝しています。

7月23日のニュース・アセアンU19選手権-マレーシアはシンガポールに勝利しC組首位をキープ・給料未払い問題はU21やU19チームにまで広がる-少なくとも5チームで給料未払いが明らかに・韓国人代理人が同じ韓国出身の「代理人」による詐欺をMリーグクラブに警告・地元紙がジョホールのSNSをフォローするマレーシアにルーツのある選手を特集-今後の代表入りも期待できる?・

アセアンU19選手権-マレーシアはシンガポールに勝利しC組首位をキープ

インドネシアのスラバヤで開催中の東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権は、グループステージ第2節が行われ、前回2022年大会優勝のマレーシアU19代表はシンガポールU19代表を5−0で破り、連勝しています。

フアン・トーレス・ガリド監督率いるマレーシアU19代表は、初戦のブルネイU19代表戦では11−0と圧勝しており、この日、そのブルネイU19代表を6-0で破ったタイU19代表とは勝点で並んだものの、得失差でC組の首位を守っています。

第2節を終えてA組はインドネシアが勝点6で首位、2位は東ティモールで勝点3ですが、両チームの得失差が9であることから、このA組はインドネシアが勝ち抜けることがほぼ確定しています。また、B組は首位のオーストラリアが勝点6、2位のミャンマーが勝点2となっており、オーストラリアが準決勝進出を決めています。C組は最終節でマレーシアとタイが対戦しますが、この試合に負けても、よほどの大敗を喫しない限りは各組2位チーム中の最高成績となりそうなので、準決勝に進出することになりそうです。

2018年のこの大会でもボヤン・ホダック監督(現インドネシア1部プルシブ・バンドン監督)のもとで初優勝をはたしているマレーシアU19代表は、7月25日にはグループステージ最終節第3節で首位突破を賭けてタイU19代表と対戦します。

給料未払い問題はU21やU19チームにまで広がる-少なくとも5チームで給料未払い

このブログでも連日取り上げているKLシティFCをめぐる給料未払い問題ですが、トップチーム以外でも給料未払い問題が発生していると、マレーシア語紙ハリアン・メトロが報じています。

マレーシアサッカー協会(FAM)のモハマド・フィルダウス副会長は、マレーシアリーグに所属するクラブのU21チームが出場するプレジデントカップやU19チームが出場するユースカップでも、給料未払いとなっているチームがあり、そういったチームからの訴えがFAMに届いていることを明らかにしています。

フィルダウス副会長はハリアン・メトロの取材に対して、複数のクラブがU21やU19チームの運営を外部の人間に任せていることが、給料未払い問題を引き起こしていると述べ、その外部の人間が運営から手を引いた結果、未払いとなっている給料を本来のオーナーが支払う義務が生じていると説明しています。

現時点で5つのU 21およびU19チームから給料未払いの報告を受けていると述べたフィルダウス副会長は、この問題がマレーシアサッカーにとって深刻であると説明しています。

「給料未払いとなっているのは守られるべき若い選手たちであり、この国のサッカーの将来を担う支援が必要な次世代の選手たちである。このことから、給料未払いを続けるクラブに対しては、躊躇せず厳しい処分を課すことになるだろう。また外部の者にU 21やU19チームの運営を任せているクラブには、それが間違っていることを指摘したい。第一審機関が国内クラブライセンスを交付する際の条件には、U21やU19のチームを持つことが義務付けられている。それを怠り、外部に運営を任せていることが給料未払い問題の根源にある。」

またプレジデントカップやユースカップの試合中に頻繁に小競り合い・乱闘が起こっている問題についても、フィルダウスFAM副会長は、給料が未払いとなっていることによる日々の生活でのストレスが原因であると述べています。

「(プレジデントカップやユースカップでプレーする)大半の選手は*B40出身であることを忘れてはならない。給料が払われなければ、ピッチ上で正しい判断ができなくなることもあるのは当然だ。(給料未払いは)選手の日々の生活に直接関わるからこそ、この問題は深刻なのだ。」
*B40とは、Botom 40、つまり国内全体の下位40%にあたる低所得世帯で、マレーシア政府統計局の発表では2022年時点でこのB40の平均月収は3,401リンギ(およそ11万4000円)。

韓国人代理人が同じ韓国出身の「代理人」による詐欺をMリーグクラブに警告

マレーシア語メディアのマジョリティは、マレーシアスーパーリーグのクラブを相手に選手獲得に関する詐欺を働こうとしている韓国人代理人がいると、同じ韓国人代理人が注意を呼びかれていると伝えています。

韓国人レオ・チョン(Leo Jeong)氏は、昨季ペラFCでプレーしたソ・ソンウン(現韓国3部FC木浦)や今季ペラFCでプレーするイ・テミン、クランタン・ダルル・ナイムFCでプレーするキム・リグァン、ぺ・キョンファンなどの代理人を務めていますが、そのレオ氏が韓国人代理人がマレーシア国内で悪質な行為を行なっていると述べています。

「私はマレーシアのサッカーファンに伝えなければならないことがある。現在、複数の『韓国人代理人』がマレーシアで不正行為を行なっている。実際には彼らは代理人の資格を持たず、。韓国人コーチや韓国人選手が巨額を騙し取られている。マレーシアのサッカー関係者にはパク(Park)とチョン(Jung)という名の人物には気をつけてもらいたい。」

既に多くの被害者から相談を受けていると話すレオ氏は、このような状況が続けば、韓国人選手はマレーシアスーパーリーグでプレーすることに躊躇する可能性があると話しています。

地元紙がジョホールのSNSをフォローするマレーシアにルーツのある選手を特集

昨日のこのブログでは、レアル・マドリード下部組織出身のGKディエゴ・アルトゥーべは、母方にマレーシア人がいることからマレーシアパスポートを取得済みで、8月に開く今年2度目のトランスファーウィンドウ期間にジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に加入する可能性があるという記事を取り上げました。

この続報として、マレーシア語メディアのマジョリティは、JDTのSNSをフォローし、かつマレーシアにルーツを持つ、国外でプレーする選手を3名紹介しています。今季のACLエリート出場が決まっているJDTは、国内リーグでは10連覇中ですが、ACLでは一昨年のベスト16進出が最高位であることから、その先を目指してこれらの選手の獲得に動く可能性があります。さらにこれらの選手はマレーシア人ということで代表入りも期待できることから、代表の教科にも繋がりそうです。

  1. ワン・クザイン・ワン・カマル

今季はメジャーリーグサッカー(MLS)のセントルイス・シティSCのリザーブチーム、セントルイス・シティSC2でプレーするDMFワン・クザイン・ワン・カマルは、アメリカ合衆国イリノイ州生まれで、米国U17代表合宿参加経験がある一方で、両親がマレーシア人であることから、マレーシアU19代表やU23代表合宿にも招集経験があります。(ただしいずれも試合出場なし)

25際のワン・クザイン選手は、トップチームのセントルイス・シティSCに昇格できなかった際には、スランゴールFCなど一時はマレーシアのクラブとの契約が噂されていたこともありましたが、今季は米国3部リーグに該当するMLSネクストプロリーグで、14試合に出場し、3ゴールを挙げています。

ワン・クザイン選手は、JDTの複数の選手やオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下のSNSもフォローしているということで、マジョリティーはJDT加入が濃厚であるとしています。

なお4歳年下の弟のワン・クズリ・ワン・カマルもアメリカのセミプロリーグでプレーしている一方で、12歳年上の兄、ワン・ファイサル・ワン・カマルはマレーシアの現職下院議員です。

  1. サミュエル・ボーン

アイルランド1部のシェルボーンFCでプレーするセンターバックのボーン選手はサラワク州クチン生まれの26歳です。身長187cmのボーン選手は2017年には当時在籍していたシャムロック・ローヴァーズFCで、UEFAヨーロッパリーグで4試合に出場しています。

父親は1997年から1998年にかけてマレーシアリーグのサラワクFA(当時)でプレーした英国出身の外国籍選手ビリー・ボーンで、1997年シーズンには、サラワクFAはマレーシアリーグで優勝を飾っています。その後はシンガポールでプレーを続け、2001年にはゲイラン・ユナイテッドFC(現ゲイラン・インターナショナルFC)、2003年にはホーム・ユナイテッドFC(現ライオン・シティ・セイラーズFC)で、それぞれシンガポールリーグ優勝を果たしています。

このボーン選手もJDTのインスタグラムをフォローしているということですが、ボーン選手はサラワク州クチンで生まれたものの、両親ともマレーシア人ではありません。しかし、マレーシアは出生した国の国籍が付与される「出生地主義」を採用しており、マレーシアで生まれた子供は、両親いずれもマレーシア人でなくとも、マレーシア国籍を有することになります。英国の国籍を持つボーン選手ですが、英国は二重国籍を認めている点も有利に働き、その気になればマレーシアのパスポートの取得は容易かもしれません。

  1. ダニッシュ・ハアディ・ペサンティ

既にJDTのU21チーム、JDT IIIでプレーしているMFダニシュ・ハアディ・ペサンティは、既にU21チームのリーグ戦であるプレジデントカップにも出場しています。 イタリア人の父とマレーシア人の母を持つダニシュ選手はイタリアのジェノヴァ生まれの19歳で、地元であるセリエAのサンプドリアの下部組織で12歳までの4年間を過ごした後、セリエDのFCヴァードに移籍し、そこから6部のアレンツァーノに期限付き移籍していました。先月6月からはJDT IIIでプレーしており、トップチームのJDTでの練習に参加する様子も目撃されています。

7月22日のニュース・アセアンU19選手権-マレーシアはブルネイに大勝で好発進・連邦直轄地相-KL市役所にはKLシティFCへ運営資金提供の義務なし・サッカー協会事務局長-政府からの1億7000万円の割り当ては代表チーム強化が目的・第一審機関がKLシティFCのクラブライセンス再検討に着手-シーズン途中での剥奪の可能性も・ジョホールがACLエリート’に向けてRマドリー出身のスペイン系帰化選手獲得か

アセアンU19選手権-マレーシアはブルネイに大勝で好発進

東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権がインドネシアのスラバヤで開幕し、前回2022年大会優勝のマレーシアU19代表は初戦でブルネイU19代表を11−0で破り、連覇へ好スタートを切っています。

フアン・トーレス・ガリド監督率いるマレーシアU19代表は、開始2分でG・パヴィトラン(ジョホール・ダルル・タジムFC II、JDT II)のゴールで先制すると、 その後は17歳のアビド・サファラズ・ロザイディ(JDT IV)の2ゴールやダニシュ・ハキミ・サハルディン(JDT II)、ハイカル・ダニシュ・ハイゾン(スランゴールFC II)などのゴールで前半を6−0で折り返すと、後半にもイザット・ムハマド・シャヒルやザミルル・ハキム(いずれもスランゴールFC III)やアミル・ファルハン(スランゴールFC II)名護のゴールで11点を挙げて大勝しています。

2018年のこの大会でもボヤン・ホダック監督(現インドネシア1部プルシブ・バンドン監督)のもとで初優勝をはたしているマレーシアU19代表は、本日7月22日に所属するC組第2節で、初戦でタイU19代表に1−2で敗れているシンガポールU19代表と対戦し、7月25日にはグループステージ最終節第3節でタイU19代表と対戦します。

連邦直轄地相-クアラ・ルンプール市役所にはKLシティFCへ運営資金提供の義務なし

クアラ・ルンプール市役所(DBKL)は、クアラ・ルンプールサッカー協会(KLFA)及びKLシティFCに対して、運営資金を提供する義務を負うものではないと、連邦直轄地省のザリハ・ムスタファ大臣が明言しています。

クアラ・ルンプールは他の州とは異なり、プトラ・ジャヤ、ラブアンとともにマレーシアの連邦直轄地で、政府の連邦直轄地省の管轄となっています。クアラ・ルンプール市役所もこの連邦直轄地省傘下に入っており、市長は選挙ではなく政府が任命します。(なお、マレーシアではクアラ・ルンプール以外でも首長選挙は行われず、州議会や市議会の最大会派から選ばれます。)

DBKLを管轄する連邦直轄地省のザリハ大臣は、KLFA、KLシティFCともにどちらも独立した組織であり、DBKLと公式な繋がりは一切ないという声明を発表しています。

「DBKLの収入の大半は固定資産税と住民税であり、その収入を正しく使うことはDBKLが負う責任であり、社会保障や医療、教育といったものや、クアラ・ルンプール市民の生活の質や幸福度を高めるために使われるべきである。」

自身も元連邦直轄地大臣でもあり、今年3月までKLFAの会長を務めたカリド・サマド氏はDBKLの年間収入26.8億リンギ(およそ901億円)の0.5%をKLFAとKLシティFCの運営に当てて欲しいと述べていましたが、ザリハ連邦直轄地相はこのカリド氏の要望に応える形で発表されたものです。

ザリハ連邦直轄地相は、DBKLはこれまでKLFAとKLシティFCが行ってきたクアラ・ルンプールのサッカーの発展への寄与について感謝するとともに、KLシティFCが残してきた素晴らしい結果から、クラブが今後さらに発展していく可能性があるだろうとも述べています。

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マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)がFIFAの指導を受けて進めてきたクラブの民営化は、それまでは上記のクアラ・ルンプール市役所(DBKL)や各州政府からの公金による資金提供を受けて運営されてきた国内プロクラブを、民間企業のスポンサーからの資金によって運営しようという大改革でしたが、ここまでは、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身の財産を注ぎ込んで運営しているジョホール・ダルル・タジムFC以外は民営化できているとは言い難い状況です。給料未払いが起こっていないクラブも、州政府からの公金投入はなくとも、州政府が運営する会社をスポンサーにつけるなど、全く独立しているとは言い難い状況です。KLシティFCも、DBKLからの直接的な支援はなくとも、今季の胸スポンサーは、2024年にDBKLが進めている「低炭素排出共同体プログラム」のロゴをつけていることから数百万リンギ(1リンギはおよそ33円)がDBKLからKLシティFCにスポンサー料として支払われているのは明らかです。

サッカー協会事務局長-政府からの1億7000万円の割り当ては代表チーム強化が目的

今年1月にアンワル・イブラヒム首相が政府予算からマレーシアサッカー協会(FAM)に割り当てると述べた500万リンギ(およそ1億6500万円)について、この割り当ては代表チームを対象とした割り当てであり、他の目的には使用しないと、FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長が述べています。

ノー・アズマンFAM事務局長の発言は、今年3月までクアラ・ルンプールサッカー協会(KLFA)の会長を務めた、カリド・サマド氏が給料未払い問題に苦しむKLシティFCに対して、この500万リンギの一部を割り当てて欲しいという要求に対しての回答として述べられたものです。

カリド氏は、今年1月にカタールのドーハで行われたアジアカップに出場したマレーシア代表に6名の選手が選出されたKLシティFCの窮状に対して、FAMの支援がないことに失望すると発言し、政府割り当て金の一部を使って支援を求めています。

ノー・アズマンFAM事務局長は、FAMとマレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、KLシティFC以外に複数のクラブでも発生している給料未払い問題の解決するための支援方法を検討中だとした上で、給料未払い問題は、まずは当事者のクラブ自身が解決のために行動を起こす必要があると述べています。

第一審機関がKLシティのクラブライセンス再検討に着手-シーズン途中での剥奪の可能性も

7ヶ月に及ぶ給料未払いが起こっているKLシティFCに、新たな問題が見つかっています。英字紙スターによると、KLシティFCは昨年2023年2月以降、従業員積立基金(EPF)の納付を行なっていなかったことが明らかになりました。このEPFは、従業員側が給料の11%を、雇用者側が同12%または13%を納付し、55歳以降には積立額プラス運用益を引き出すことができる積み立て年金制度です。

マレーシア国民にはEPF納付の義務がある(外国人労働者は納付義務はないが納付を選択することも可能)ことから、昨年2月からEPFが納付されていないことは労働法に違反しているにもかかわらず、国内クラブライセンスを交付する第一審機関(FIB)は2024年シーズンの国内クラブライセンスがKLシティFCに交付しています。

クアラ・ルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジド副会長は、給料未払いに加え、EPF未納付という事実があるにもかかわらず、マレーシアサッカー協会から委託されてクラブライセンス審査を行なっているマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の第一審機関(FIB)が、どのようにしてKLシティFCに今季のスーパーリーグに出場が可能となる国内クラブライセンスを交付したのかについての回答を求めています。

「未払い給料問題を抱え、不安定なクラブが、審査をどのようにパスし、国内クラブライセンスを交付されたのかの説明をFIBに求めたい。EPFは昨年2月から未納付で、総額が71万9000リンギ(およそ2420万円)という巨額が未納付となっていることを知って驚いた。」

KLシティFCを運営するKLユナイテッドFC社の理事でもあるサイド・ヤジドKLFA副会長は、FIBがどの書類を審査し、国内クラブライセンス交付に至ったのかの説明を求めるとしています。さらにEPFの未納付については、選手の誰一人として不満も述べず、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)に訴え出ることもしていないことから、選手の姿勢にも疑問を持っていると話しています。

昨年シーズンオフにはEPF未納付を理由にクランタンFCが今季のクラブライセンスが交付されず、また今季開幕前にはそのクランタンFCに代わりスーパーリーグ昇格の候補となっていたプルリス・ユナイテッドも同様の理由でクラブライセンスを交付されませんでした。

一方、FIBは声明を発表し、KLシティFCへの国内クラブライセンス交付は、提出された書類を審査した結果であると説明しています。FIBのシーク・モハマド・ナシル議長は、EPFの未納付がないことを証明する文書もKLシティFCから受け取っており、EPFからも未納付がないことを示す文書を受け取っているとし、FIBは正規の手続きに則り、厳格な審査を行った結果、KLシティFCにクラブライセンスを交付したと説明しています。 その上で、FIBはクラブライセンス交付に関わる重要な問題だとして、直ちに再調査に取り掛かるとしています。

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これまでメディアに登場していなかったKLFAのサイド・ヤジド副会長は、今月初旬にKLシティFCの給料未払い問題が7ヶ月に及ぶことは知らなかったと発言しています。KLシティFCの運営会社、KLユナイテッドFC社にはかつては理事が3名いましたが、現在はこのサイド・ヤジド氏ひとりですが、スタンリー・バーナードCEOからは未払い給料が7ヶ月にも及ぶ話は聞いたことがなく、KLFAの理事会でもそんな説明は受けていなと話しており、逆にサイド・ヤジド氏は、KLユナイテッドFC社やKLFAで何をしていたのかが気になります。

ジョホールがACLEに向けてRマドリー出身のスペイン系帰化選手獲得か

レアル・マドリードの下部組織出身のGKディエゴ・アルトゥーべが、現在マレーシアスーパーリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)へ加入する噂があると、複数のサッカー専門サイトが伝えています。

24歳のアルトゥーべ選手はスペイン2部のアルバセテ・バロンピエとの契約が終了しており、移籍への障害はないということです。

188cmのアルトゥーべ選手はマドリード出身で、レアル・マドリードの下部組織を経て2020/21シーズンはレアル・マドリード・カスティージャでプレーすると、2021/22シーズンはCFフエンラブラダに期限付き移籍し、22/23シーズンからはアルバセテ・バロンピエでプレーしていました。

Transfermarktでは現在無所属となっているアルトゥーべ選手は、母方にマレーシア人がいることから既にマレーシアのパスポートを入手済みということで、8月26日から9月22日まで開く今年2度目のトランスファーウィンドウでJDTに加入すれば、外国籍選手枠とは無関係にプレーできるだけでなく、そのまま代表入りも考えられます。