10月25日のニュース<br>・最新のFIFAランキング発表:マレーシアは1つ順位を下げて133位に10月25日のニュース<br>・ペナンFCのアクマル監督の去就は今日決定か

最新のFIFAランキング発表:マレーシアは1つ順位を下げて133位に

FIFAの最新ランキングが発表され、マレーシアは前回9月19日に発表された132位から順位を1つ下げて133位となっています。

前回のランキング発表以降では、132位のマレーシア代表は、今月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAデイズ)で同95位(当時)のニュージーランド代表と対戦し、0−4で敗れていました。

次回のランキング発表は11月28日となっていますが、その前にある11月10日から18日までとなっている11月のFIFデイズでは。125位のインドとのアウェイでの対戦が発表されています。

なお来年3月から始まるAFCアジアカップ2027年大会3次予選を前に、今年12月にはこの3次予選組分け抽選が行われますが、マレーシアサッカー協会(FAM)は、この3次予選での強豪との対戦を避けるため、予選参加チーム中の上位6位が入るポッド1入りを目指しています。そのためにはFiFAランキングをできるだけ上げておく必要がありますが、3次予選参加チームの中でマレーシアは、シリア(93位)、タイ(96位)、タジキスタン(105位)、レバノン(115位)、ベトナム(119位)、インド(125位)に次ぐ7場面目のチームとなっています。(ランキングはいずれも10月発表分)

10月のFIFAデイズでは2試合できるところで、ニュージーランド戦1試合しか組むことができなかったFAMに対し、FIFAランキングを上げるための努力が不十分との批判の声も出ていました。なおFAMはニュージーランド遠征の際に他のオセアニアサッカー連盟所属(OFC)のフィジーやタヒチ、ソロモン諸島などとの試合を組もうとしたようですが、この時期のOFC加盟国はW杯予選で忙しく、FAMからの申し出が断られていたことが明らかになっています。

なお11月のFIFAデイズでは、確定しているインド戦の他、アフガニスタン(同151位)、モルジブ(同163位)などがもう1試合の対戦相手候補に上がっているとされています。

ペナンFCのアクマル監督の去就は今日決定か

2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグは今週末に第14節を迎えますが、今季はここまでで既に2チームで監督が交代しています。現在13チーム中12位のヌグリスンビランFCは、アズミ・アジズ監督がテクニカル・ディレクターに転身し、コーチだったN・ナンタクマル氏が新監督に就任しています。また現在3位のトレンガヌFCはトミスラフ・シュタインブリュックナー監督が更迭され、コーチだったバイドゥル・アフザン・ラザリ氏が暫定監督になっています。

そして今季3チーム目の監督交代がペナンFCで起こりそうだと、複数のメディアが報じています。

今季開幕前にU23チームの監督からトップチームの監督に就任したアクマル・リザル監督が率いるペナンFCは、12試合を終えた時点で2勝5分5敗で現在11位となっています。特に直近の5試合では、0勝2分3敗で得点6失点14という成績です。10月20日に行われた第13節、ホームのシティ・スタジアムでのスリ・パハンFC戦では、公式発表によれば入場者数がおよそ1,100名と、今季のホーム初戦の4,500名からは観客数もチーム成績に呼応するように減ってきています。

ペナンFCは10月20日の試合後に緊急の理事会を開き、アクマル監督の去就について話し合いが行われたようですが、理事会後の公式声明では、「ペナンFCの好ましくないここまでの成績を考慮し、チームの今後のために『重要かつ抜本的な』決断を近々下す予定である」ことが発表されました。

一部報道では、現在はペナンFCのテクニカル・ディレクターを務め、ペナンFCでの現役時代は」グレート・メルツ」の愛称で親しまれていたモロッコ出身のメルザグア・アブデラザク氏が本日開催のマレーシアスーパーリーグ第14節、ホームでのサバFC戦から監督代行を務めるのでは、といったことも報じられています。

10月24日のニュース<br>・ACL2第3節:スランゴールが全勝の全北現代との首位攻防戦を制す

スランゴールFCがかつてはACL(現ACLエリート)で二度の優勝を果たしている「韓国の強豪」全北現代モーターズを破っています。ACL2のH組首位攻防戦となったこのカードの勝利は、先週末のマレーシアスーパーリーグではPDRM FCと引き分けて、嫌な雰囲気となっていたチームを活気づけ、さらに今週末のビッグマッチ、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)戦へ向けて士気が上がる勝利となっています。ホームサポーターの前でスランゴールがJDTを破るようなことがあれば、スランゴールサポーターの溜飲も下がるはずですが、JDTもACLエリートの光州FC戦に続く連敗はプライドが許さないはず。果たして両チームがどのような試合を見せてくれるのか。間違いなく今季最注目の試合は10月27日20時15分(マレーシア時間)キックオフです。

ACL2第3節:スランゴールが全勝の全北現代との首位攻防戦を制す

ACL2グループステージH組の第3節が行われ、ここまで2連勝の全北現代モーターズFCを1勝1分のスランゴールFCがホームのMBPJスタジアムへ迎えた一戦は、大方の予想を覆してスランゴールが2−1で全北限代を破り、H組首位に浮上しています。

全北現代は韓国国内リーグのKリーグではリーグ優勝回数最多を誇るだけでなく、旧ACL(現ACLエリート)では2006年、2016年と優勝を果たしているアジアトップクラスの強豪です。しかし今季は成績が低迷、しかもKリーグが採用した「スプリット方式」により、下位6チームが出場する降格プレーオフに回っています。このため、主力はこの降格プレーオフに専念し、ACL2には若手中心の言わば「リザーブチーム」が出場。4日前に行われた降格プレーオフの大田ハナシチズン戦に先発した選手は1人もおらず、ベンチ入りした選手も2名と全く別のチームです。ちなみに全北現代は2018年シーズンにマレーシアリーグのヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)でプレーしたこともあるキム・ドゥヒョン監督が率いています。

それでもACL2H組の第1節ではダイナミック・ハーブ・セブFC(フィリピン)を5−0、同第2節のムアントン・ユナイテッドFC(タイ)戦を4-1といずれも大勝しており、H組を1位通過するだけの実力を見せています。一方のスランゴールは国内リーグのマレーシアスーパーリーグでは現在2位につけるものの、4日前のリーグ戦では6位のPDRMにロスタイムのゴールで引き分けて連勝が止まっていました。またスランゴールはいずれもケガでリーグ戦を欠場中のキャプテンのCBサフワン・バハルディン、マレーシアU23代表ではキャプテンを務めるMFムカイリ・アジマルに加え、PDRM戦では負傷退場したヨルダン代表MFノー・アル=ラワブデが膝前十字靱帯を痛めて長期離脱することが発表されたほか、今季チーム2位の4ゴールを挙げているウィングのアルヴィン・フォルテスも膝の調子が思わしくないとして、この試合ではベンチ外となっています。

そんな満身創痍のチームを率いるニザム・ジャミル監督が3連勝を目論む全北現代相手に採用したのが、なんとリーグ戦でも使ったことがない5バックでした。左右サイドバックにジクリ・カリリとクエンティエン・チェン、中央にはヨルダン代表のムハマド・アブアルナディ、この試合のキャプテンとなった22歳のハリス・ハイカル、そしてウズベキスタン代表のウマル・エシュムラドフの3人を配置、中盤はノーア・レインとニコラ・ジャンボルがディフェンシブハーフ、ヨルダン代表アリ・オルワンとヨハンドリ・オロスコがサイドハーフで、ロニー・フェルナンデスがワントップという5−4−1は、守備に重きを置いた窮余の一策だったのかも知れません。


しかしこの策はこの試合では見事にハマりました。試合の立ち上がりこそ、全北現代に押し込まれる場面があったものの、途中からは特に右サイドバックのクエンティン・チャンが攻守で機能し始めると、スランゴールが徐々に優勢に試合を進めます。何度かあった好機を活かせなかったものの31分には中央付近で得ます。ヨハンドリ・オロスコの蹴ったボールをウマル・エシュムラドフがゴール前で落とすと、そこに走り込んできたハリス・ハイカルがこのボールを蹴り込んでゴール!スランゴールが先制します。さらにその2分後には、中央をドリブルで上がったノーア・レインからのパスをアリ・オルワンが相手DFを交わしてゴールを決めて、スランゴールがリードを2点に広げます。

一方の全北現代はスランゴールDF陣が中央を固めるように守るのを見計らうようにサイド攻撃を繰り返し、40分には右サイドのチョン・ウジェに簡単にクロスを上げさせてしまうと、このボールをクォン・チャンフンが頭で押し込んで、全北現代が1点差に爪より前半を終了します。

後半は一進一退を繰り返しながらも、最後はヨハンドリ・オロスコが後ろからのタックルで2枚のイエローをもらい、10人になったスランゴールでしたが、逃げ切って勝点3を獲得、H組の首位に浮上しています。

2024/25 ACL2 H組第3節
2024年10月23日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 2-1 全北現代モーターズFC
⚽️スランゴール:ハリス・ハイカル(30分)、アリ・オリワン(32分)
⚽️全北現代:クォン・チャンフン(40分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

H組のもう1試合は、ここまで未勝利同士の対戦で、ムアントン・ユナイテッドがこの大会ではホームとしているバンコクのラジャマンガラ・スタジアムに、日本人選手3名を擁するダイナミック・ハーブ・セブFCを迎えての対戦でした。セブFCが1−0とリードして前半を終えると、後半に2ゴールを挙げたムアントン・ユナイテッドが逆転して逃げ切りを図りますが、途中出場の濱 琳太郎選手がアディショナルタイムに劇的な同点ゴールを決め、セブFCに今大会初の勝点をもたらしています。

2024/25 ACL2 H組第3節
2024年10月23日@ラジャマンガラ・スタジアム(タイ、バンコク)
ムアントン・ユナイテッドFC 2-2 ダイナミック・ハーブ・セブFC
⚽️ムアントン:フェリシオ・ブラウン・フォルベス(53分)、エミル・ロバック(79分)
⚽️セブ:ライノ・グーティエ(16分)、濱琳太郎(90+3分)
セブFCのDF小林 雅弥、MF冨樫 凌央の両選手は先発し、小林選手はフル出場しています。また富樫選手は59分に交代しています。また濱 琳太郎選手は、富樫選手と交代で59分から出場し、同点ゴールを決めるなど試合終了までプレーしています。

ACL2 H組の次節第4節は、11月7日に第3節と同じカードがホームとアウェイを入れ替える形で行われ、全北現代モーターズFC対スランゴールFCが韓国、全州市の全州ワールドカップスタジアムで、またダイナミック・ハーブ・セブFC対ムアントン・ユナイテッドFCがフィリピン、マニラのリザル・メモリアル・スタジアムで行われる予定になっています。

2024/25 ACL2 H組順位表(第3節終了)
勝点
スランゴール32104227
全北現代320111386
ムアントンU302147-32
DHセブ301229-71

10月23日のニュース<br>・ACLエリート:開始6分で2失点のジョホールが光州FCとの「首位攻防戦」に敗れる

インドネシア国内リーグを運営するリガ・インドネシア・バル社は、12月に開幕する東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」期間中にはトップリーグのリガ1を中断しないことを発表しています。FIFA国際マッチカレンダー期間外で行われるこの大会には、各クラブに代表選手招集に応じる義務が発生しないことから、マレーシアでもA代表ではなく、U23代表を参加させるのではといった憶測も出ており、これまでのような東南アジアNO.1決定戦になるのかどうかが危惧されています。

開始6分で2失点のジョホールが光州FCとの「首位攻防戦」に敗れる

ACエリート東地区の第3節が行われ、ここまで2連勝中で首位の光州FC(韓国)と1勝1分で2位のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が対戦し、ホームの光州FCがJDTを3−1で破り「首位攻防戦」を制しています。

国内リーグのマレーシアスーパーリーグ第13節は試合がなく、その前に予定されていたペラFC戦がピッチコンデション不良のため順延となったJDTにとっては、9月27日の第11節クチンシティFC戦以来の試合でした。10月14日に隣国シンガポールリーグのバレスティア・カルサFCとの練習試合も行っていましたが、よく言えば休養十分、悪く言えば試合間隔がかなり空いた状況でした。

この日の両チームの先発XIは以下の通り。JDTは前節の上海申花戦からはシェーン・ローリーに代わって、フェロズ・バハルディンがCBに入った以外は変更なしでした。光州FCのイ・ジョンヒョ監督が、この試合を前にJDTにはマレーシア生まれの選手が1人しかいないのは驚きだ、と発言したことが報じられており、まさかとは思いますが、JDTのエクトル・ビドリオ監督がこれに反応した結果、マレーシア代表でもプレーするフェロズ・バハルディン先発だったのかも知れません。なお、ローリー選手はこの試合ではベンチ外でした。


しかし試合はそのフェロズ・バハルディンがいくつものプレーに関わる形で進みます。雨の中で始まった試合は開始3分、は中央のオ・フソンからペナルティエリアに走り込んだアルバニア代表FWヤシル・アサニにボールが渡ると、対峙したフェロズ選手はいとも簡単にかわされて先制ゴールを決められてしまいます。さらにその3分後には、センターサークル付近でトラップミスをしたフェロズ選手の後ろからボールを奪ったヤシル選手が一気にJDTのペナルティエリアへドリブルで持ち込み、最後はGKアンドニ・スビアウレを交わしてゴールを決め、開始6分で光州FCがリードを2点に広げます。

今季のACLエリートの横浜Fマリノス戦ではハットトリックを、続く川崎フロンターレ戦でもPKでゴールを挙げているヤシル選手の2ゴールで光州FCは優位に立ちますが、JDTもアリフ・アイマンやナチョ・インサが積極的にゴールを狙います。しかし光州FCのGKキム・ギョンミンの好セーブもあり、得点には至りません。しかし28分、フアン・ムニスの左コーナーキックに反応したフェロズ選手が完全にフリーでヘディングシュートを決め、ついにJDTは1点差に詰め寄ります。

光州FCの1点リードで前半を終えると、後半はJDTが優勢に試合を進めますが、87分に右サイドのヤシル選手がマークについたフェロズ選手をまたも巧みに交わしてファーサイドへクロスを上げると、ホ・ユルがこれをヘディングシュート。このシュートがJDTのパク・ジュンホンに当たってオウンゴールとなり、再び点差を広げた光州FCが勝って3連勝で首位を堅持、JDTは今季のACLエリートで初黒星を喫しています。

AFCの公式サイトでは、ボール保持率が光州FCの43%に対してJDTは57%、シュート数は光州FC6本(枠内2本)に対してJDT18本(同5本)、そしてコーナーキックは光州FC2本、JDT13本と、データ的には両チームの間に差がないどころか、JDTが勝ってもおかしくない数字ですが、これが勝負ということなのでしょう。特に文字通り全てのゴールに絡んだフェロズ・バハルディンについては、この試合の経験をもとに、JDTのマレーシア人選手はアリフ・アイマンだけではないことを示すような選手になってほしいです。

2024年10月22日@龍仁弥勒スタジアム(韓国、龍仁市)
光州FC 3-1 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️光州:ヤシル・アサニ2(3分、6分)、パク・ジュンホン(87分)
⚽️ジョホール:フェロズ・バハルディン(28分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第13節の結果とハイライト映像(3)・クチンシティとヌグリスンビランの日本人対決は引き分けに終わるもヌグリスンビランは最下位脱出・スリ・パハンはアウェイ今季初勝利

マレーシアスーパーリーグ(MSL)の第13節の残り2試合が行われています。今節第13節を終えたMSLは、11試合消化のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が勝点31で首位を独走し、12試合消化のスランゴールFCが勝点26の2位となっています。その一方で3位以下は大混戦で、3位のトレンガヌから9位のスリ・パハンまでの7チームが勝点差3の中でひしめき、さらに11位のペナンFCまでは勝点差6となっています。

また今週はACLエリートとACL2が開催され、ACLエリート出場のJDTは明日10月22日に東地区首位の光州FC(韓国)とのアウェイで首位攻防戦を、ACL2東地区グループステージH組2位のスランゴールFCはH組首位の全北現代モーターズFCと明後日10月23日にホームでやはり首位攻防戦が控えています。なおMSLの次節第14節は10月25日から27日にかけて予定されています。

クチンシティとヌグリスンビランの日本人対決は引き分けに終わるもヌグリスンビランは最下位脱出

昨季は14チーム中13位と低迷したクチンシティは、昨季途中に就任したアイディル・シャリン監督が行うチーム改革が功を奏し、今季は上位を狙えるクラブとなっています。前節のJDT戦、前々節スランゴールFC戦と上位対決には敗れたものの、それまでは3勝6分1敗と、既に昨季の勝点12を上回っています。そんなクチンシティにとって重要なのは下位チーム相手に取りこぼしをしないこと。この試合前までは最下位のヌグリスンビラン相手には勝点3を上げることが求められます。

一方のヌグリスンビランは、2021年に就任し当時2部にいたチームを1部に昇格させ、2022年には4位、昨季は9位という成績を残したK・ディヴァン監督(現3部マラッカFC監督)が辞任し、今季は前PDRM FC監督のアズミ・アジズ監督が就任しましたが、成績不振のため、アズミ氏をテクニカルディレクター、そしてコーチだったK・ナンタクマル氏を監督に変える配置転換を行っています。ナンタクマル監督就任以降は、0勝2分2敗となっていますが、敗れた試合はいずれも1点差の試合で、チーム状態は改善しているように見えます。

クチンシティにはマレーシアリーグ4シーズン目を迎える谷川由来選手が、ヌグリスンビランには今季から加入した佐々木匠選手がおり、日本人選手対決ということもあり、この試合は個人的にも注目のカードでした。

蓋を開けてみると、この試合は何か既視感のある試合でした。それはちょうど10月19日に行われたPDRM FC対スランゴールFCと同じような展開でした。雨が降り頻る中、ホームのクチンシティがヌグリスンビランを圧倒しながらも、なかなかゴールを割ることができない試合は、スランゴールがPDRMの守備をこじ開けられずに次々に好機を無駄にする展開とほぼ同じでした。それでもスランゴールは開始15分で先制を挙げましたが、この試合はクチンシティがボール保持率7割という圧倒的な優勢を見せながら、前半どころか、後半の90分を過ぎてもゴールが奪えないという展開でした。

アディショナルタイムが6分と発表され、このまま0−0で終了するかと思われた試合は、そこから急展開を見せました。90+5分に途中出場のハズワン・バクリがゴール前の混戦からこぼれ球を押し込んで、ついにクチンシティが先制します。ヌグリスンビランはその前のプレーでハンドがあったと猛抗議しますが、VARの介入を経てこのゴールが認められると、攻撃は最大の防御なり、とばかりにクチンシティはさらにダメ押しを狙って猛攻を続けます。

途中でプレーが何度も止まったこともあり、アディショナルタイムの6分をすでに大きく上回った90+15分(!)に自陣ゴール前からボールが出ると、佐々木匠選手が相手DFに倒されながらもオフサイドを避ける絶妙のタイミングでパスを出すと、右サイドを抜け出したヌグリスンビランの選手をペナルティエリの外で谷川由来選手がたまらずファウルで止めてイエローカードとなります。このプレーで得たフリーキックを蹴った佐々木選手のボールはファーサイドにいたキャプテンのアナス・ラフマットへ。そしてこれをアナス選手がゴールポスト右隅へ絶妙にヘディングシュートを決めて、なんとヌグリスンビランが同点追いつきます。ちなみにこのラストワンプレーで同点に追いついた場面は、これまた先日のPDRM戦と酷似していました。まさにデジャブ。

クチンシティにとっては勝点2を失った気分でしょうし、ヌグリスンビランにとっては最後まで諦めない執念のプレーでもぎ取った1点でした。クチンシティはこの引き分けで5位浮上を逃し、ヌグリスンビランはクランタン・ダルル・ナイムと勝点で並んだものの、得失差で上回り最下位を脱出しています。

MSL2024/25 第13節
2024年10月20日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 1-1 ヌグリスンビランFC
⚽️クチンシティ:ハズワン・バクリ(90+5分)
⚽️ヌグリスンビラン:アナス・ラフマット(90+15分)
MOM:アナス・ラフマット(ヌグリスンビランFC)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。
スリ・パハンはアウェイ今季初勝利

シンガポールサッカーのレジェンド、ファンディ・アフマド監督が指揮するスリ・パハンFCは、2勝5分4敗の10位で前半戦を終えて、昨季の5位を大きく下回っています。特に今季はアウェイでの成績が0勝4分1敗と勝星がないこともこの成績の原因の一つですが、そのスリ・パハンがペナンFCのホームで今季アウェイで初勝利を挙げています。

ペナンを相手に1-0の僅差の勝利を挙げたスリ・パハンですが、前半ロスタイムにこの試合唯一のゴールを挙げたのが今季加入のミコラ・アハポフでした。ウクライナ出身のストライカーのアハポフ選手は、、昨季はカザフスタン2部のFCアクジャイクでプレーし、リーグ戦では28試合に出場し、24ゴール9アシストという成績を収めており、昨季は終盤に失速したスリ・パハンの得点力アップにつながると期待されていましたが、今季ここまでは0ゴール1アシストと期待外れに終わっていました。

この試合のゴールも左サイドからのエゼキエル・アグエロのシュートをペナンのGKシーク・イズハンがファンブルしたボールを押し込んだいわゆる「ごっつあんゴール」でしたが、それでも今季初ゴールを記録したことで、ここからの爆発に期待したいところです。

敗れたペナンは、この試合の敗戦で直近5試合で0勝2分3敗となり、またこの間は6得点14失点と精彩を欠いており、今季から就任したアクマル・リザル監督の去就も話題になり始めています。

MSL2024/25 第13節
2024年10月20日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナンFC 0-1 スリ・パハンFC
⚽️スリ・パハン:ミコラ・アハポフ(45+1分)
MOM:ザリフ・イルファン(スリ・パハンFC)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節終了)
順位チーム勝点
1JDT1131101041635
2SEL122682222913
3TRE121745315132
4SAB111752417170
5PDRM12164441317-4
6PRK111550617170
7KCH12153631517-2
8#KLC121462422148
9SRP12143541518-3
10*KDA11124341119-8
11PEN12112551320-7
12NSE1261381326-13
13KDN1262010930-21
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第13節終了)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT14
2パウロ・ジョズエKLC9
3ロニー・フェルナンデスSEL8
4ルシアーノ・ゴイコチェアPRK6
5ジョーダン・ミンターKCH5
イフェダヨ・オルセグンPDRM5
クパー・シャーマンSRP5
ジャック・フェイNSE5
9ヘベルチ・フェルナンデスJDT4
ステファノ・ブルンドSRP4
ロドリゴ・ディアスPEN4
ジョヴァン・モティカKLC4
アルヴィン・フォルテスSEL4
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第13節の結果とハイライト映像(2)・PDRMがジャイキリ-スランゴールがビッグマッチを前に痛恨の引き分け・監督交代も効果なし- トレンガヌが給料未払い問題渦中のクダに敗れる

シーズン前半で早くも今季リーグの灯が消えた…。FIFA国際マッチカレンダーで中断していたマレーシアスーパーリーグが再開し、10月19日に第13節の3試合が行われています。首位ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)を勝点差5で追っていた2位スランゴールがPDRMと痛恨の引き分け。今節は試合がないJDTとは次節第14節での直接対決を前に少しでも勝点を詰めておきたかったスランゴールにとっては痛い引き分けです。そしてそのスランゴールを勝点差8で追っていた3位のトレンガヌは、給料未払いで揺れるクダに敗れています。前節前に監督交代の切り札を切ったトレンガヌですが、その効果はまだ出ていません。今季ここまで11勝1分のJDTは、1試合多く消化している2位スランゴールとは勝点差5、3位のトレンガヌとは勝点差14となり、前半戦終了前にJDTのリーグ11連覇が濃厚となりました。なお今季のマレーシアスーパーリーグは13チーム編成のため、今節はJDTの試合はありません。

今季最多の4失点でペラの連勝は3でストップ

ペラFCのホーム、ペラ・スタジアムが排水施設改修と芝の張り替えのため使えないことから、今季の残り試合はペラ・スタジアムがあるイポーから90キロほど離れたマンジュンにあるMPMスタジアムで行われますが、この試合はそのMPMスタジアムでの初戦でした。

直近の3試合ではヌグリスンビランに1−0、KLシティにも1-0、そしてスリ・パハンには3−0と下位チームを相手に3連勝中のペラは、現在8位ながらも、昨季3位のサバと対戦しています。FWダレン・ロック、MFスチュアート・ウィルキン、DFドミニク・タン、ダニエル・ティンと各ポジションにマレーシア代表を擁するサバに対し、ペラはルチアーノ・ゴイコチェアのPKで先制しますが、サバはコ・グァンミンが39分にペナルティーエリアの外から強烈なミドルシュートを放って同点に追いつくと、その5分後にはペラがクリアしきれなかったボールをスチュアート・ウィルキンが蹴り込み、サバが逆転して前半を終了します。

後半開始直後には左コーナーキックからクレイトン・ダ・シルヴァがDFをかわしてヘディングシュートを決め、ペラは一度は同点に追いつきますが、試合終盤に2失点し、連勝は3で止まっています。

MSL2024/25 第13節
2024年10月19日@MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラFC 2-4サバFC
⚽️ペラ:ルチアーノ・ゴイコチェア(30分PK)、クレイトン・ダ・シルヴァ(49分)
⚽️サバ:コ・グァンミン(39分)、スチュアート・ウイルキン(44分)、ジョアン・ペドロ・ボエイラ・ドアルテ(83分)、ミゲル・シフエンテス(88分)
MOM:スチュアート・ウィルキン(サバFC)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。
PDRMがジャイキリースランゴールはビッグマッチを前に痛恨の引き分け

大事な試合を前にこの引き分けは痛すぎる…。

首位のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)を勝点差5で追う2位のスランゴール(勝点25)は5位のPDRM(同15)との「裏クランバリー・ダービー」で対戦しています。この試合はスタジアムで観戦しましたが、試合会場となったスラヤンのMPSスタジアムはスランゴール州内ということもあり、いつものPDRMの試合よりもはるかに多くの観衆が集まり、その多くが赤と黄色のユニフォームを纏ったスランゴールサポーターでした。

先週のFIFA国際マッチカレンダーでは、GKアジム・アル=アミン、MFノーア・レイン、DFハリス・ハイカルがマレーシア代表に、そしてFWアリ・オルワン、MFノー・アル=ラワブデ、DFモハマド・アブアルナディはヨルダン代表で、DFウマル・エシュムラドフはウズベキスタン代表で、それぞれ2026W杯アジア最終予選に出場しており、疲労が溜まっている選手がいたかも知れないスランゴールですが、ここから3週間の日程はさらに多忙を極めます。

スランゴールは、来週10月23日にはACL2の全北現代モーターズ戦、同27日にはJDTとの首位攻防戦がいずれもホームのMBPJスタジアムで、そして11月2日はクダ戦、同7日には全北現代とのいずれもアウェイマッチが続く厳しい日程が待ち構えており、このPDRM戦に勝って弾みをつけたいところです。しかしこの日の相手のPDRMは簡単な相手ではありません。今季のPDRMはここまで4勝3分4敗ながら、サバやKLシティを破り、トレンガヌそしてJDTとも引き分けるなどいわゆる「ジャイキリ」を繰り返すダークホースとも言える存在です。

そんな両チームの対戦は、開始からスランゴールが優勢に試合を進め、開始16分にはこの日は左サイドに入ったアルヴィン・フォルテスが相手DFのクリアミスを頭で押し込んで、スランゴールがあっさりと先制します。この後もスランゴールは何度も好機を得ますが、PDRMはGKブライアン・シーを中心にシュートの機会を与えず、前半は1−0とスランゴールリードのまま終了します。

後半に入っても同じような展開が続きます。受け身に回ったPDRMはボールを得ても、エースのイフェダヨ・オルセグンにまでボールがつながらず、また左サイドでは鈴木ブルーノ選手が何度かペナルティエリアまでボールを持ち込むものの、そこからのサポートがなく、決定機を作ることができません。

ゴール付近まではボールを持ち込むものの、横パスを繰り返してばかりでシュートを打たないスランゴールFW陣に対しては、PDRMサポーターをはるかに上回るスランゴールサポーターにもフラストレーションが募り、しまいには怒号まで飛び交い始めます。そしてアディショナルタイム6分が告げられます。試合はこう着状態となり、イフェダヨ・オルセングン、鈴木ブルーノ両選手がすでに交代していたPDRMに対し、クダからの移籍後初先発となったGKカラムラー・アル=ハフィズも安定したプレーを見せていたスランゴールがこのまま逃げ切るかと思われた90+2分、左サイドをシャーレル・フィクリが抜け出すとゴール前へクロスを上げます。これをスランゴールDFがクリアするも、このボールが途中交代した元J2岡山のハディ・ファイヤッドへ。そしてハディ選手が走り込んできたアレム・ティモシーへこのボールを流すと、ティモシー選手が落ち着いてゴールに蹴り込み、土壇場でPDRMが追いつきます。スランゴールは再逆転を狙いますが、試合はそのまま1−1で終了しています。

この引き分けで、リーグ前半戦を終えて1位のJDTと2位のスランゴール、3位のトレンガヌのいずれとも引き分けたPDRMはこの3チームから勝ち点を上げたリーグ唯一のチームとなり、また4位サバ、さらに勝点剥奪処分を受けていなければ3位のはずのKLシティも破るなど、前半戦でリーグ上位相手に結果を残したPDRMは後半戦でも大風の目になりそうです。

一方のスランゴールにとっては、引き分けを挟んで続いていた連勝記録が5で止まっただけでなく、来週に控えるACL2の全北現代戦、そしてJDTとの首位攻防戦とビッグマッチの前に痛すぎる引き分けとなりました。試合後にはサポーターが大挙して選手出口に集まるなど、フラストレーションが残る結果となっています。

MSL2024/25 第13節
2024年10月19日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM FC 1-1 スランゴールFC
⚽️PDRM:アレム・ティモシー(90+2分)
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス(16分)
MOM:ブライアン・シー(PDRM FC)
PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して、73分に交代しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。
監督交代も効果なし- トレンガヌが給料未払い問題渦中のクダに敗れる

現在3位ながら、不安定なパフォーマンスを見せるチーム状況をを改善しようとトミスラフ・シュタインブリュックナー前監督を事実上更迭したトレンガヌFCは、監督交代後の前節ではPDRMに追いつかれて引き分けていますが、続くこの試合では0−1で敗れて、5試合連続で勝ち星なしとなっています。

3位と11位の対戦ながら、11位のクダは給料未払い問題未解決のために勝点3剥奪処分を受けている上、いまだに給料未払いが続いているということで、主力選手が練習をボイコットするなどチーム状態は最悪です。さらに先月行われたアウェイマッチのKLシティ線では、主力が遠征に帯同せず、U21とU23の選手のみで臨んだ試合では0−5 と大敗しています。

それでもホームでは2勝3分1敗の成績を残しているクダは、この試合でもアグレッシブに攻め、トレンガヌもこれに応じる形で接戦となります。いずれもJDTからローン移籍しているクダのシャフィク・アフマド、トレンガヌのアキヤ・ラシドがともに積極的に仕掛けますが、ゴールには至りません。その後はトレンガヌがペースを上げ、ネルソン・ボニーラ、イスマヒル・アキナデらが次々をシュートを打ちますが、クダはDFクレイトンを中心に失点を許しません。

クダも36分に元トレンガヌのソニー・ノルデのシュートがゴールを割りますが、これはVARが入り、得点とはなりません。一方のトレンガヌもアキヤ・ラシドがペナルティエリア内で倒されますが、やはりVARが入り、PKとはなりません。しかしその直後の45+6分にクダがクレイトンのヘディングシュートでついに先制します。結局この1点を守り切ったクダが勝利を挙げ、順位を2つ上げています。

皮肉なことに勝ったクダ・ダルル・アマンFCのナフジ・ザイン監督は、2019年途中から2022年までトレンガヌFCの監督を務め、2020年からの3シーズンでは4位、2位、3位という成績を収めながら、経営陣から「この監督では優勝できない」と契約を更新されなかった人物です。2023年のトレンガヌは6位、また今季はここまで3位ながら首位のJDTとは勝点差14ですが、ナフジ監督が監督を続けていたら違った結果になっていたのではないかと思ってしまいます。

MSL2024/25 第13節
2024年10月19日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-0 トレンガヌFC
⚽️クダ:クレイトン(45+6分)
MOM:ソニー・ノルデ(クダ・ダルル・アマンFC)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節途中)
順位チーム勝点
1JDT1131101041635
2SEL122682222913
3TRE121745315132
4SAB111752417170
5PDRM12164441317-4
6PRK111550617170
7#KLC121462422148
8KCH11143531416-2
9*KDA11124341119-8
10SRP11112541418-4
11PEN11112541319-6
12KDN1262010930-21
13NSE1151281225-13
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第13節途中)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT14
2パウロ・ジョズエKLC9
3ロニー・フェルナンデスSEL8
4ルシアーノ・ゴイコチェアPRK6
5ジョーダン・ミンターKCH5
イフェダヨ・オルセグンPDRM5
クパー・シャーマンSRP5
ジャック・フェイNSE5
9ヘベルチ・フェルナンデスJDT4
ステファノ・ブルンドSRP4
ロドリゴ・ディアスPEN4
ジョヴァン・モティカKLC4
アルヴィン・フォルテスSEL4
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第13節の結果とハイライト映像(1)・これぞキャプテン-パウロ・ジョズエの2発などでKLシティが連勝

FIFA国際マッチカレンダーで中断していたマレーシアスーパーリーグが再開し、10月18日に第13節の1試合が行われています。

これぞキャプテン-パウロ・ジョズエの2発でKLシティが連勝

KLシティFCを運営するクアラルンプールサッカー協会(KLFA)の会長選が終わり、新たに就任したサイド・ヤジド新会長は、数ヶ月に及ぶ未払い給料問題を抱える選手や監督、コーチに対してまずは1ヶ月分の未払い給料を支払うことを発表しています。その発表直後となったこの試合は、クランタン・ダルル・ナイムFCのホーム、スルタン・ムハマド4世スタジアムが改修工事中のため、この試合はクランタンのホームゲームながら、KLシティFCのホーム、KLフットボールスタジアムで行われています。

試合はKLシティが押し気味に試合を進めながらも、キャプテンのパウロ・ジョズエやハキミ・アジム、ジョヴァン・モティカらが好機をものにできず前半は0−0で終わります。後半に入り、先制したのはクランタンでした。先月のトランスファーウィンドウを経てトレンガヌFCからローン移籍したハキミ・アブドラのフリーキックに、こちらも新加入(というか3年半ぶりにMリーグに復帰)したワシントン・ブランダンが頭で合わせて加入後初ゴールを決め、「ホーム」のクランタンが先手を取ります。

しかしのその7分後、KLシティが追いつきます。右コーナーからのパウロ・ジョズエのキックがール前へ上がると、クランタンのGKフィクリ・チェ・ソーはこれをパンチングミス。そのボールをニコラス・スウィラッドが押し込んで自身の今季初ゴールとし、KLシティが1−1とします。さらに80分には、ライアン・ランバートの右からのクロスをパウロ・ジョズエが頭で合わせて逆転すると、パウロ・ジョズエは、今度は左からのジョヴァン・モティカのクロスを絶妙にコースを変えると、それがそのままゴールインして3点目となります。自身の持つKLシティFCの通算最多ゴール記録を更新する82ゴールとした35歳のキャプテンの活躍で、KLシティFCは2連勝で順位を2つ上げて、暫定ながら6位としています。

MSL2024/25 第13節
2024年10月18日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
クランタン・ダルル・ナイムFC 1-3 KLシティFC
⚽️クランタン:ワシントン・ブランダン(57分)
⚽️KLシティ:ニコラス・スウィラッド(65分)、パウロ・ジョズエ2(80分、90+3分)
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティFC)

この試合のハイライト映像。アストロアリーナのYouTubeより。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節途中)
順位チーム勝点
1JDT1131101041635
2SEL112581221813
3TRE111745215123
4PRK101550515132
5PDRM11154341216-4
6#KLC121462422148
7KCH11143531416-2
8SAB10144241315-2
9SRP11112541418-4
10PEN11112541319-6
10*KDA1093341019-9
12KDN1262010930-21
13NSE1151281225-13
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第13節途中)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT14
2パウロ・ジョズエKLC9
2ロニー・フェルナンデスSEL8
4ジョーダン・ミンターKCH5
イフェダヨ・オルセグンPDRM5
クパー・シャーマンSRP5
ジャック・フェイNSE5
ルシアーノ・ゴイコチェアPRK5
5ヘベルチ・フェルナンデスJDT4
ステファノ・ブルンドSRP4
ロドリゴ・ディアスPEN4
6チェチェ・キプレ他12名KCH3
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハン、PEN-

10月17日のニュース・12月開幕のアセアン選手権の日程が発表・KLFAの新会長がKLシティの選手と首脳陣に未払い給料の内1ヶ月分の支払いを約束・既に解散したクラブのオーナーが5000万円近い給料未払いを理由に逮捕

12月開幕のアセアン選手権の日程が発表

年末に開催される東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」のプレーオフ第2戦が行われ、10月8日の第1戦で1-0で勝利していた東ティモールが、ブルネイと引き分けて、通算成績を1−0として本戦出場を決めています。この結果、12月8日に開幕する大会のグループステージA組は前回優勝のタイ、マレーシア、シンガポール、カンボジア、そして東ティモールに決まり、B組はベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ラオスとなっています。

また参加する全チームが決定したことに伴い、グループステージの日程が発表になっています。マレーシアは12月8日に行われる初戦はカンボジアとアウェイで、続く2戦目は12月11日には東ティモールとホームで対戦します。その3日後の12月14日にはタイトアウェイで、そして最終戦となる12月20日にはシンガポールとホームで対戦します。

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12月8日から2025年1月8日まで行われるこの大会は東南アジア王者’を決める大会ですが、FIFA国際マッチカレンダー外のため、マレーシアスーパーリーグの各チームが代表招集に応じる義務がないことから、ベストメンバーが揃うのかどうかが疑問視されています。実際、前回大会ではジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が選手の招集を拒否する事態も起こっており、同様のケースも考えられます。また各国の対応もさまざまで、この大会期間中はリーグを中断する国がある一方で、大会と並行して国内リーグを行う国もあります。

KLFAの新会長が給料未払いが続くKLシティの選手と首脳陣にまずは1ヶ月分の給料支払いを約束

クアラルンプールサッカー協会(KLFA)の会長選が行われ、前副会長のサイド・ヤジド氏が新会長に選出されています。会長就任後には給料未払いが続いているKLシティFCの窮状改善を最優先することを明言していたサイド氏は、就任後の最初の仕事として、KLシティFCの選手にまず1ヶ月分の給料を支払うことを約束しています。

サイドKLFA会長は、今月中にKLFAがKLシティFCに対して100万リンギ(およそ3500万円)を割り当てることを明言し、給料未払い分の一部支払いと、未納となっていた日本の国民年金にあたるEPF(従業員積み立て基金)や、社会保険にあたるSOCSO(従業員社会保障)の支払いにも使われるということです。

1ヶ月分の給料支払いでは、未払いとなっている給料の総額に比べるとわずかでしかないことは理解していると話したサイド氏は、長期間にわたる未払い給料問題をKLFA理事会と共に責任を持って解決したいと話しています。なお未払いとなっている給料の総額は明らかになっていません。

既に解散したクラブのオーナーが5000万円近い給料未払いで逮捕される

かつてマレーシアリーグに所属し、現在は既に解散したクラブの元オーナーが140万リンギ(およそ4,900万円)の給料未払いを理由に逮捕されたことが報じられています。

指名が公表されていないこの元オーナーは当時3部のマルセラ・ユナイテッドFCを所有し、そして2018年には2部のクラブ、クアンタンFAを吸収合併する形でマルセラ・クランタンFAとして2部昇格を果たしましたが、同年のシーズン開幕から4ヶ月経過した時点で、給料未払いが続いたことにより、リーグから除名処分を受け、その後チームは解散していました。

その際に未払いとなっていた給料は140万リンギ(現在のレートでおよそ4900万円)が現在も未払いとなっており、今年2月には裁判所から即時支払命令が出されていました。今回の報道によると、50歳の元オーナーは、46名の選手と12名の監督、コーチを含む関係者への給料未払いについて裁判所からの支払命令を無視したとして逮捕されています。

このブログではこれまでも現在も複数のクラブで起こっている給料未払い問題を取り上げてきましたが、既に解散したプロサッカーチームの元オーナーに対してマレーシアの裁判所が逮捕令状を発したこと、そして元オーナーが手錠をかけられ、収監されたことがマレーシアサッカー界を震撼させるニュースとなっています。

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プロ選手会:この逮捕は現在、給料未払い問題を抱えるクラブへの警告である

マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)は、今回の逮捕に合わせて声明を発表し、給料未払い問題を抱えるクラブや州サッカー協会に対して、給料を含めた選手の権利を守ることに関心持つことを求めています。

PFAMによると、マルセラ・ユナイテッドFCの選手と監督・コーチら関係者はチーム解散時点で総額200万リンギ、実際の複数年契約分なども含めると600万リンギが未払いとなっており、後に合併したクランタンFAの選手には300万リンギ、関係者には120万リンギの未払いがあるとしています。

2018年から給料未払い問題を訴え続けてきた元クアンタンFAの選手だったアブドル・ガニ氏は取材に対して、「(元オーナーが逮捕された)今日は未払い問題に苦しむ選手にとってだけでなく、マレーシアのサッカー界にとっても重要な日となった。国内のプロサッカーチームは選手の権利を守ることに真摯に向き合い、今回のようなオーナーの逮捕はこれが最後となって欲しい。」と話しています。

10月16日のニュース・国際親善試合:マレーシアはニュージーランドに完敗・7人制サッカーのアジア大会で日本代表が2連覇達成

国際親善試合:マレーシアはニュージーランドに完敗

ニュージーランド遠征中のマレーシア代表は、10月14日にニュージーランド代表と対戦して0-4で敗れています。なおマレーシア代表は、この3日前には前Jリーグ浦和の酒井宏樹選手が所属するオークランドFC(オーストラリア1部)と無観客で練習試合を行い、1-1で引き分けていました。

この試合の両チームの先発XIは以下の通り。キャプテンのディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)が「家庭の事情」で今回はこの遠征に参加しておらず、GKはシーハン・ハズミ(ジョホール・ダルル・タジムFC、JDT)、DFはドミニク・タン(サバFC)と、この試合が代表デビューとなった22歳のハリス・ハイカル(スランゴールFC)がCB、そして左右のSBにはラヴェル・コービン=オングとこの試合でキャプテンを務めるマシュー・ディヴィーズのJDTコンビが入りました。中盤はシャマー・クティ(ペナンFC)とノーア・レイン(スランゴールFC)のダブルボランチ、トップ下にはエンドリック(ベトナム1部ホーチミンシティFC)、左右のウィングにはダレン・ロック(サバFC)とアリフ・アイマン(JDT)、そして1トップにロメル・モラレス(JDT)という布陣です。酸攻撃を受けて代表復帰には時間がかかりそうなファイサル・ハリム(スランゴールFC)のポジションには、典型的なセンターフォワードのダレン・ロックが左サイドで起用されるの初めて見ました。

一方のニュージーランドは3日前にW杯予選のタヒチ戦を戦ったばかりということもあってか、先発11名中、36歳のCBマイケル・ボクスオール(米国1部ミネソタ・ユナイテッド)、31歳のRBストーム・ルー(オーストラリア1部セントラル・コースト・マリナーズ)、DFアレックス・ルーファー(オーストラリア1部ウェリントン・フェニックス)以外の8名は、2000年以降に生まれた選手たちと若い布陣でした。


この試合ではFIFAランキング95位のニュージーランドが同132位のマレーシアを試合開始から圧倒するだろうということは予想できていたはず。このため試合の入りも引き気味でしたが、その強度は予想以上でした。開始15分でベン・ウェイン(英国4部マンスフィールドタウンFC)、イライジャー・ジャスト(オーストリア2部SKNザンクト・ペルテン)、ベン・オルド(フランス1部ASサンテティエンヌ)らが次々とシュートを放つなど、前半だけで15本以上のシュートを打たれてニュージーランドに圧倒されますが、全員が文字通り、身体を張って守り、GKシーハン・ハズミの好セーブとニュージーランドのシュートミスのおかげもあり、何とが前半を持ち堪え、試合は0-0で折り返します。

後半の立ち上がりはマレーシアも積極的なプレーを見せますが、さらにペースを上げたニュージーランドに対し、前半だけでかなり消耗した様子のマレーシアの守備が徐々に崩壊します。53分には左サイドからの速いクロスを、ゴール前でフリーとなっていたイライジャー・ジャストがダイレクトで押し込んで先制します。さらに61分には、1点目をアシストした左サイドのリベラト・カカーチェ(イタリア1部エンポリ)から、中央でまたもフリーとなっていたマシュー・ガベット(オランダ1部NACブレダ)へボールが出ると、これをガベット選手がダイレクトで蹴り込み、ニュージーランドがリードを2点に広げます。

ニュージーランドがリードを広げたところで、ダレン・ベズリー監督は、クリス・ウッド(英国1部ノッティンガム・フォレスト)を投入します。そして72分には右サイドでラヴェル・コービン=オングを振り切ったコスタ・バルバルセス(オーストラリア1部シドニーFC)がループシュートで直接ゴールを狙います。GKシーハン・ハズミはそのシュートに手を伸ばしてコースを変えますが、そこに詰めていたウッド選手が頭で押し込み、EPLで現在得点ランキング5位のニュージーランドのエースがチームに3点目をもたらします。この3点目で完全に息の根が止まったマレーシアは、これ以上の失点を防ごうと躍起になるも、90分にはペナルティエリアの外でフリーとなったローガン・ロジャーソンがミドルシュートで4点目を挙げて、「オール・ホワイツ」が「ハリマウ・マラヤ(マラヤの虎)」に完勝しています。

2024年10月14日@ノース・ハーバー・スタジアム(ニュージーランド、オークランド)ニュージーランド 4-0 マレーシア
⚽️ニュージーランド:イライジャー・ジャスト(53分)、マシュー・ガベット(61分)、クリス・ウッド(72分)、ローガン・ロジャーソン(90分)

この試合のハイライト映像。ニュージーランドサッカー協会のYouTubeより。
7人制サッカーのアジア大会で日本代表が2連覇達成

スランゴール州シャー・アラムで開催されていた7人制サッカー(ソサイチ)のアジア大会「アジア7人制選手権」第2回大会は10月13日に決勝が行われ、前回大会優勝の日本代表がフィリピン代表を2−1で破って大会2連覇を果たしています。

準決勝でマレーシアを3-1で破って決勝進出を果たした日本は、準決勝までの5試合で8ゴールを挙げていた加部未蘭選手が開始5分にヘディングシュートを決めて先制します。しかしフィリピンもキャプテンのステファン・シュロックが35分に同点ゴールを決めて追いつきます。

前後半を終えて1−1となったこの試合は、今大会で採用されている「カムバック・ピリオド」へと進みます。このカムバック・ピリオドとは、前後半終了時点でリードしているチームの得点プラス1が「ターゲット・スコア」となり、先にそのスコアに到達したチームが最終的に勝利するという特殊なルールです。この試合は両チームが1−1であることからターゲット・スコアは2となり、先に2点目となるゴールを挙げたチームが勝利します。

そしてそのカムバック・ピリオドでは、この試合先制点を挙げていた加部選手が自身2点目となるゴールを決め、日本が優勝を果たしています。日本代表のコスタ・ケラー監督は、11人制サッカー経験者を含むフィリピンに対して万全の準備で臨めたと話し、この勝利で日本でも人気が高まりつつある7人制サッカーの魅力を示すことができたと思うと話しています。さらに11人制のサッカー選手ほど収入は多くない現状について、今大会のように国際大会で結果を出し続けていくことができれば、7人制の認知度も上がり、日本国内でもさらに発展していくと確信しているとも述べています。

また敗れたフィリピンのシュロック選手は、サッカーの国際大会では優勝経験のないフィリピンがその栄誉まであと一歩まで迫りながらの敗戦は受け入れるのが難しいと話す一方で、日本は優勝に値するプレーをしたことを認めています。なお今回のフィリピンのメンバーには、この試合でゴールを挙げたシュロック選手の他、マレーシアリーグのサラワク・ユナイテッドやPJシティFC(いずれも廃部)でプレー経験もあるマーク・ハートマン、ペラFCでプレー経験があるミサ・ベハドランなどいずれも11人制の元フィリピン代表経験者も含まれていました。

写真は日本ソサイチ連盟のXより。

第2回7人制サッカーアジア大会
優勝:日本
準優勝:フィリピン
3位:マレーシア・香港
決勝戦MOM:加部 未蘭
大会MVP:阿部 正紀
最優秀GK:中本 真彰

ユース部門
U16優勝:スター・クーガーズ(マレーシア)
U14優勝:グアムズFC(マレーシア)
U12優勝:サイム・ダービーFC(マレーシア)
U10優勝:ジュニア・アズカルズ(フィリピン)
U8優勝:サイム・ダービーFC(マレーシア)

10月10日のニュース・女子ACL:日本人4名がプレーするサバFAは最終戦で引き分けて勝点1獲得もグループステージ敗退・スランゴールFCのコーチが退団しカンボジアのクラブ監督に就任・給料未払い問題が続くクダの外国籍選手が告白ープロ生活13年目で初めての経験

女子ACL:日本人4名がプレーするサバFAは最終戦で引き分けて勝点1獲得もグループステージ敗退

女子AFCチャンピオンズリーグ(AWCL)のA組第3節が行われ、マレーシアから出場しているサバFAは、最終戦でアブダビ・カントリー・クラブと2−2で引き分け、待望の勝ち点を獲得して全日程を終了しています。

中国の湖北省武漢市で開催されているA組に入っているサバFAは、第1節では仁川現代製鉄レッドエンジェルズFC(韓国)に0−3、第2節では武漢江漢大学(中国)に0-7と敗れていました。そして第3節はここまで1勝1分のアブダビ・カントリー・クラブ(アブダビCC、アラブ首長国連邦)との対戦となりました。以下はこの試合のサバFAの先発XI

既にグループステージ敗退が決まっているサバFAに対して、この試合で引き分け以上ならノックアウトステージ進出が決まるアブダビCCでしたが、先制したのはサバFAでした。開始10分、左サイドからの上野紗稀選手のクロスを成田恵理選手がヘディングでゴールを決め、チームにとってもグループステージ初ゴールとなるこの得点でサバFAがリードします。しかし25分にはサバFAのGKヌルル・アズリン・マズランがペナルティエリアの外で相手選手を倒してしまい退場となり、残り時間を10人で戦うことになります。そしてヌルル選手退場によるレッドカードから得たフリーキックでアブダビCCは同点に追いつきます。さらにアブダビCCは前半終了間際にもゴールを決めて、前半を1点リードで折り返します。

後半に入るとサバFAは数的不利な中でアブダビCCと真っ向から渡り合い、終盤にはついに同点に追いつきます。77分に右サイドでコーナーキックを得ると、上野紗稀選手の蹴ったボールをマレーシア代表FWインタン・サラーがノートラップでシュートを放つと、これが決まってサバFAは2−2とします。試合はこのまま終了し、マレーシアから初めて出場したサバFAは今大会初となる勝点1を獲得しましたが、A組の4位が確定し、グループステージ敗退が決まっています。

サバFAは予選ラウンドから参加していた成田恵理、中山未咲の両選手に加え、このAWCLグループステージからは木崎あおい選手、そして予選ラウンドではヤングエレファンツ(ラオス)でプレーしていた上野紗稀選手も加わり、日本人選手が4名となっていましたが、ノックアウトステージには進むことができませんでした。

また最終節のもう1試合は仁川現代製鉄レッドエンジェルズFCが武漢江漢大学を2−0で破って、このA組の1位となり、2位のアブダビCCとともにノックアウトステージ進出を決めています。

スランゴールFCのコーチが退団しカンボジアのクラブ監督に就任

スランゴールFCでニザム・ジャミル監督を支えるコーチ陣の1人が退団し、カンボジアリーグのクラブに就任したと、マレーシア語紙のマジョリティが伝えています。

今季からスランゴールFCのコーチに就任したアイルランド出身のコナー・ネスター氏について、マジョリティはネスター氏が既にスランゴールFCを離れ、カンボジアリーグのボーウング・ケットFCの監督に就任したと報じています。なおボーウング・ケットFCの公式YouTubeでは、ネスター氏の監督就任第1日というタイトルの映像も上がっています。

44歳のネスター氏は取材に対して「ここ(カンボジア)にいることは名誉なことである。(2019年シーズン後に)カンボジアを離れた日から、この国のサッカー界に戻りたいとずっと思っていたので、今回の監督就任オファーは断ることが難しかった。」と説明しています。

このコメントからも分かるように、ネスター氏はかつてカンボジアリーグで指揮を取ることが初めてではありません。2019年から2023年までスヴァイリエンFC(現プリヤ・カーン・リーチ・スヴァイリエンFC) で監督を務めたことがあり、2019年シーズンにはチームをリーグ優勝に導いた実績もあります。ネスター氏は、その後はインドスーパーリーグのハイデラバードFCで半年ほど監督を務めた後、今季開幕前にスランゴールFCのコーチに就任していました。

給料未払い問題が続くクダの外国籍選手が告白ープロ生活13年目で初めての経験

給料未払いが続き、一時は主力選手が練習参加をボイコットするなどの事態が起こっているクダ・ダルル・アマンFCに所属するブラジル出身のDFホセ・クレイトンが、現在の選手側の状況を明らかにしています。

クレイトン選手によると、クダの選手たちは個々ではなく、総意による決定に基づいて行動し、互いに励まし合いながら、給料未払い問題ができるだけ早く解決することを望んでいるということです。

バーレーンやアラブ首長国連邦のリーグなどで計13年間のプロ生活でこのような経験は今までなかった、と話すクレイトン選手は、現在のような苦しい状況下でも選手全員が自分たちがすべきことを一生懸命行おうとしていると話し、現在はポジティブに練習に向き合おうとしていると述べています。

「練習をボイコットして家で時間を過ごせば、未払い問題について考え続けることになり、結果としてよりストレスを抱えるようになる。そうならないためにも練習を行い、身体を動かすことを選手全員が選んだ。」とボイコットから練習に復帰した理由を説明しています。

給料未払いが続いているクダでは、先月、主力選手が練習をボイコットしたことがあり、その直後の9月14日のアウェイゲームにも主力選手は帯同しなかったため、リザーブチームのU23チームの選手を起用しましたが、KLシティに0-5と一蹴されています。またホームで行われた9月21日の試合では、スリ・パハンFCを相手に明らかに士気が上がっていないプレーで2−2と引き分けています。

10月9日のニュース・今回のニュージーランド戦はキャプテンのクールズが不在・ニュージーランド以外のオセアニア各国代表との対戦が実現しなかったマレーシア代表は現地クラブと対戦・国内スタジアムは即時改善が必要-ジョホールオーナー

今回のニュージーランド戦はキャプテンのクールズが不在

マレーシア代表は10月14日のニュージーランド戦に向けて、既にオークランド入りし代表合宿を行っていますが、パウ・マルティ監督代行は、キャプテンのDFディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)が家庭の事情で今回のニュージーランド遠征に帯同しないことを発表しています。

マレーシアのFIFAランキング132位に対して、同95位と格上のニュージーランドとの対戦では、当初はコールズの名前も代表メンバー招集リストに記載されていました。なおニュージーランド戦では、代わりにDFマシュー・デイヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジムFC)がキャプテンバンドをつける予定だということです。

今回のニュージーランド戦は今年に入って5試合目となる国際親善試合ですが、国外で格上の相手との対戦となると、アジアカップ直前にカタールで行われ2-2で引き分けたシリア戦以来となります。

ニュージーランド代表には、英国1部プレミアリーグの10月6日に行われたチェルシー対ノッティンガム・フォレスト戦で先制ゴールを決めたFWクリス・ウッドがいます。今季は7試合で既に4ゴールを決めており、マレーシア代表DFがウッド選手をどのように止めるのかが注目です。またこの他にもFWイライジャー・ジャスト(オーストリア2部SKNSKNザンクト・ペルテン)、MFマシュー・ガーベット(オランダ1部NACブレダ)らの攻撃陣を擁するニュージーランド代表は、直近の6試合では4勝1分1敗で、先月9月のFIFAデイズでメキシコに0−3で敗れ、米国に1−1で引き分けています。

ニュージーランド以外のオセアニア各国代表との対戦が実現しなかったマレーシア代表は現地クラブと対戦

現在、ニュージーランド戦を前に合宿中のマレーシア代表ですが、今回のFIFA国際マッチカレンダーでは、国際親善試合はニュージーランド代表戦の1試合しか組まれていません。遠路はるばるニュージーランドまで遠征しながら、わずか1試合というのは対比用効果が悪いようにも思えますが、その理由が明らかになりました。

パウ・マルティ監督代行によると、マレーシアサッカー協会(FAM)はオセアニアサッカー連盟(OFC)所属のソロモン諸島、フィジー、タヒチ、ニューカレドニア、ヴァヌアツ、パプアニューギニアなどの代表チームとの対戦を画策したようですが、OFCでは、10月10日から12日にかけて2026W杯オセアニア地区予選が開催されていることから、いずれの国からも国際親善試合については断られていたようです。なお、10月14日にマレーシア代表と対戦するニュージーランド代表も、その前の10月11日にはタヒチ代表とW杯予選で対戦することになっています。

代表戦が1試合となったものの、格上のニュージーランド戦は貴重な実戦機会だと強調したマルティ監督代行は、1週間にわたる代表合宿の有効性を述べ、さらにニュージーラーン度国内リーグの強豪クラブとの対戦を予定していることも明らかにしています。

国内スタジアムは即時改善が必要-ジョホールオーナー

10月5日に開催予定だったマレーシアスーパーリーグ第9節のペラFC対ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、試合前の豪雨とそれ以降も降り続いた雨により試合会場のペラ・スタジアムのピッチに水が浮く状態になったことから、キックオフを遅らせるなどで対処しようとしたものの、結局、順延になっています。この試合はもとは8月15日に予定されていた試合でしたが、その際も豪雨による劣悪なピッチコンディションを理由に試合が延期されており、新たな日程として10月5日開催となっていました。

この状況についてJDTのオーナーで、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が自身のSNSにペラ・スタジアムのピッチの水溜りの写真を添えて投稿し、過去10年間に渡ってスタジアムのピッチの維持管理の重要性を説いたきたにもかかわらず、各チームはそれを無視した結果、現在も国内スタジアムの9割がいまだに改善されていないと述べています。

さらにイスマイル殿下は、「東南アジア各国で多くのクラブが芝の張り替えなどインフラ改善に努めているのに対し、マレーシアスーパーリーグのクラブは何もしていない。マレーシア政府の青年スポーツ省は、ピッチ張り替えの資金援助を行っているにもかかわらず、大半のクラブがその援助を拒否している。なぜならば、現在、多くの国内スタジアムで使われているカウグラス(アカツメクサ)を、高麗芝の一種であるゼオン・ゾイシア芝に張り替えることにより、年間20万リンギ(およそ700万円)の維持管理費用が新たに発生するからである。マレーシアスーパーリーグの多くのクラブが現在、給料未払い問題を抱えており、そういったクラブにはこの20万リンギを支払う余裕もない。」と現状を嘆いています。

さらにイスマイル殿下はクラブの運営資金不足に加え、経営陣がこの劣悪なピッチの状況を対処すべき重要な問題と考えていないとも指摘しています。自身がオーナーのJDTでは、ピッチを良い状態に保つことを経営陣の重要な役割と考えている一方で、チーム強化のために大金を叩いて新戦力を獲得することは考えていても、国内サッカーインフラの改善を考えているクラブは少ないとし、その考え方自体を変える時期に来ていると強調しています。そして東南アジアの他国リーグと争えるレベルに達しているのは、トレンガヌFCのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムとスランゴールFCのホーム、MBPJスタジアムのみだとしています。