マレーシア女子代表もヘリテイジ帰化選手による強化を目指す-FAM
何かと話題のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)による強化が進むマレーシア男子代表ですが、英字紙ニューストレイトタイムズは、マレーシアサッカー協会FAMは女子代表もヘリテイジ帰化選手の参加による強化方針を打ち出していると報じています。
FAM女子委員会のスラヤ・ヤアコブ委員長は、来月8月6日から10日までクアラルンプールで行われるAFC U20女子アジア杯2026年大会予選に国外出身の3選手を代表招集する予定であることを明らかにしています。このAFC U20女子アジア杯2026年大会予選ではマレーシアはF組の開催国となり、日本、イラン、グアムと同組になっています。
スラヤ委員長は昨年の憲法改正により、マレーシア国外でマレーシア人の母親とマレーシア人以外の父親との間に生まれた子どもは、自動的にマレーシア国籍を取得できるようになったことで、国外生まれの選手の国籍取得が容易になり、より多くの選手がマレーシア女子代表候補となると期待していると述べています。(この憲法改正以前は、マレーシア人の父親とマレーシア人以外の母親の間に生まれた子どもに限り、自動的に国籍取得となっていました。)
またスラヤ委員長は「FAMは国外に住む選手を広く受け入れたい。もちろん代表入りについては審査が必要になるが、既にアメリカやオーストラリア、イギリスなどでプレーしている選手からは問い合わせも受けている。」と述べ、、男子代表がヘリテイジ帰化選手の参加により注目を集めたことで、国外でプレーするマレーシアにルーツを持つ女子選手からの関心も高まっていると説明しています。
さすが金満クラブ!ブルネイDPMMがアウェイチームの移動費用と宿泊費を全額負担
今季2025/26シーズンからマレーシアスーパーリーグ(MSL)に参戦する隣国ブルネイのクラブ、DPMM FCはホームゲームを首都のバンダル・スリ・ブガワンで開催する子を発表していますが、ブルネイのあるボルネオ島は多くのMSLクラブが本拠地を持つマレー半島から南シナ海を挟んでおよそ1500キロメートル離れています。空路での移動となるとその費用も安くはありませんが、この移動費用をDPMM FCが全額負担することをMSLを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が明らかにしています。
昨季2023年シーズンと2024/25シーズンの2シーズンはシンガポール1部プレミアリーグに参戦したDPMM FCは、その主戦場をマレーシアスーパーリーグとしますが、MFLのモハマド・シャザリCEO代行によると、この費用の負担はDPMM FCのマレーシアリーグ参入の際の重要な要件だったようです。
なおDPMM FCはマレーシアスーパーリーグでタイトルを獲得した場合でも、マレーシアを代表してアジアサッカー連盟AFC主催大会のACLエリートやACL2、また東南アジアサッカー連盟AFF主催大会のクラブ選手権ショピーカップなどへの出場権は与えられないことも明らかになっています。
また8月に開幕するマレーシアスーパーリーグ(MSL)について、今季昇格を果たしたイミグレセン(入国管理局)FCを除く12チームの本拠地の確定と、各クラブの本拠地が使用できない場合の代替開催地として今季のMSL参加を辞退したスリ・パハンFCのホーム、ダルル・マクモル・スタジアムを使用することなども発表されています。これはクランタン・ダルル・ナイムFCのホームであるクランタン州コタ・バルのスルタン・モハマド4世スタジアムが来年2026年の2月から3月にかけてのイスラム教の断食月(ラマダン)中はタラウィーと呼ばれるラマダン期間中の祈りの場として使用され、スタジアムの使用ができなくなる場合などに使われるということです。
DPMM FCは2005年から2008年まではマレーシアリーグでプレーしていたこともあり、国内のサッカー協会の問題を理由にマレーシアリーグから撤退し、翌2009年シーズンにはシンガポールリーグへ移っています。その後、ブルネイ政府によるブルネイサッカー協会(BFA)への介入を理由にFIFAはBFAの資格を停止し、これにDPMM FCはシンガポールリーグからも撤退し、最終的には2012年にシンガポールリーグに復帰しています。
その一方で2018年に再びマレーシアリーグ復帰を画策したDPMM FCでしたが、当時リーグを運営していたフットボールマレーシアLLP(現MFL)が、ホームゲームをマレーシア国内で行うこと、ブルネイ人は外国籍選手登録となることなどを条件としたために、マレーシアリーグ参戦を断念、今度はインドネシアリーグ参入を試みるものの、インドネシアサッカー協会PSSIからは断られ、結局はシンガポールリーグに残留しました。
今回のマレーシアリーグ参入にあたりDPMM FCは自国でのホームゲーム開催が認められたことに加え、ブルネイ国籍の選手をマレーシア国籍の選手と同様に登録することも認められており、前回参入を試みた時よりも環境は整っています。またマレーシアスーパーリーグにとっても今季はクダ・ダルル・アマンFC、ペラFC、スリ・パハンFCと昨季から一気に3クラブが撤退する中でのDPMM FC参入認可は、クラブ数減少という苦境をを打破する苦肉の策の結果とも言えそうです。
ジョホールはキャンプ地スペインでプレシーズンマッチ2連勝
リーグ12連覇に向けて7月2日よりスペインの南東部バレンシア州アリカンテでプレシーズンキャンプを行っているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、現地時間7月7日に2試合目のプレシーズンマッチを行い。スペイン5部相当のバレンシア地域リーグに所属するコスタ・クラブと対戦し、ベルグソン・ダ・シルヴァが68分に決めた1点を守り切って勝利しています。
JDTは7月6日にはスペイン3部のレアル・ムルシアCFのBチームでやはりスペイン5部相当のレアル・ムルシア・インペリアルと対戦して4-0で勝利しています。こちらの試合ではベルグソン選手(5分)の他、新加入のハイロことハイロ・ダ・シルヴァが20分に、そしてコロンビア出身の帰化選手ロメル・モラエスが56分と64分にそれぞれゴールを決めて快勝しています。
シスコ・ムニョス新監督が就任したJDTの次戦は7月9日(現地時間)に行われる英国3部リーグ所属で、マレーシア人実業家のヴィンセント・タン氏が所有するカーディフ・シティFC戦です。さらにJDTは7月12日にはスペイン2部のレバンテUD、その2日後にはバレンシアCFのリザーブチーム、同4部のバレンシア・メスタージャとの対戦が発表されている他、カタールリーグで昨季5位のアル・ラーヤンSCと7月16日に、同9位のアル・アラビSCと7月19日に対戦します。また7月21日にはサウジアラビア1部リーグで昨季11位のアル・リヤドSCと対戦した後、22日間に及ぶスペインキャンプを終えてマレーシアに帰国します。
スランゴールで構想外のキャプテンはライオンシティセイラーズにローン移籍
喜熨斗勝史監督の構想外であることが明らかになったスランゴールFCのキャプテンでシンガポール代表のCBサフワン・バハルディンが、自国リーグの王者、ライオンシティ・セイラーズFCへローン移籍することを、スランゴールFCが公式SNSで明らかにしています。
契約期間が来年6月末までと1年残っているサフワン選手は、現在、タイでプレシーズンキャンプ中のチームを離れて、スランゴールFC U23チームの練習に参加していることが報じられると、その去就に注目が集まっていました。
2015年にメルボルンシティFCと契約し、シンガポール人選手として初めてオーストラリア1部リーグでプレーしたサフワン選手は、2016年シーズンからはPDRM、パハン、スランゴール、ヌグリ・スンビランと複数のクラブでプレーした後、2023年シーズンからはスランゴールFCでキャプテンとしてプレーしていました。
移籍するライオンシティ・セイラーズは昨季のACL2では決勝に進出し、アラブ首長国連邦UAE1部のシャルージャFCに1-2と惜敗しています。10年ぶりのシンガポールリーグ復帰となるサフワン選手ですが、チームにはシンガポール代表のチームメートも多く在籍し、サフワン選手自身もシンガポールサッカーのレベルアップに貢献できることは何でもする覚悟であると述べています。
