3月27日のニュース
マーライオンカップ2023-マレーシアU22が香港U22を破って初優勝
元U23代表監督がクランタンのテクニカルディレクター就任
2023マレーシアFAカップ1回戦結果とハイライト映像(2)-マンジュンシティFCとイミグレーションFCが16強へ進出

マーライオンカップ2023-マレーシアU22が香港U22を破って初優勝

昨日3月26日にマーラインオンカップ2023の決勝が行われ、マレーシアU22は香港U22を2-1で破り、大会初優勝を達成しています。

マレーシアU22のE・エラヴァラサン監督は、4-2で勝利した準決勝のカンボジアU22戦から、DFジクリ・カリリ、FWシャヒル・バシャーのスランゴールコンビとMFアイマン・アフィフ(クダ)に代えて、DFアズリン・アフィク(クダ)、MFアダム・ファルハン(ジョホール・ダルル・タジムII-JDT II)、そしてMFのT・サラヴァナン(KLシティ)を起用しています。

この試合のマレーシアU22の先発XI

前半を0-0で折り返した試合は、後半の74分、準決勝のカンボジアU22戦でも途中出場ながらゴールを挙げたナジムディン・アクマル(JDT II)がヘディングシュートを決めて、マレーシアが先制しました。さらに5分後の79分にはサフワン・マズラン(トレンガヌ)のゴールでリードを2点に広げたマレーシアU22は、香港U22の反撃を80分にラウ・カキウが挙げた1点に抑えて、2ー1で勝利し、マーライオンカップ初優勝を飾っています。なお、3位/4位決定戦では、シンガポールU22が本田圭佑氏が指導するカンボジアU22をやはり2-1で破って、最下位を逃れています。

マーライオンカップ2023 決勝
2023年3月26日@ジャラン・ブサルスタジアム(シンガポール)
マレーシアU22 2-1 香港U22
⚽️マレーシア:ナジムディン・アクマル(74分)、サウワン・マズラン(79分)

試合のハイライト映像はアストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより
元U23代表監督がクランタンのテクニカルディレクター就任

元マレーシアU23代表監督のフランク・ベルンハルト氏のMリーグ復帰の噂は3月21日のこのブログでも取り上げましたが、その噂が現実となりました。今季からスーパーリーグでプレーするクランタンFCは、クラブ公式Facebookでベルンハルト氏のテクニカルディレクター就任を発表しました。

ドイツ出身のベルンハルト氏は、現役時代はヴェーダーブレーメンなどでプレーした後、2007年から2012年まではエストニアサッカー協会で、また2014年から2017年まではアゼルバイジャンサッカー協会でいずれもテクニカルディレクターを務めました。その後、2015年から2017年までマレーシアU23代表監督を務め、また2020年から2021年途中まではマレーシアスーパーリーグのUITM FC(現在はリーグ脱退)で監督を務め、新型コロナの影響で1回戦総当たりとなった2020年シーズンには、1部スーパーリーグ昇格初年度ながらチームを6位に導いています。

*****

今季のクランタンは第5節を終えた現在、1勝1分3敗で得点7失点13で14チーム中10位となっています。今季から就任した元韓国代表でJリーグの大分でもプレー経験があるチェ・ムンシク監督を「支える」役割として、UEFAプロコーチライセンスを持ち、マレーシアサッカーにも明るいベルンハルト氏に白羽の矢がたった、といったところでしょう。しかし、このままチームの不振が続けば、チェ監督に代わってベルンハルト氏が指揮を取ることも十分考えられます。

2023マレーシアFAカップ1回戦結果とハイライト映像(2)-マンジュンシティFCとイミグレーションFCが16強へ進出

今季のマレーシアFAカップの1回戦の残り2試合が行われ、いずれもセミプロリーグのM3リーグのチーム同士の対戦となりましたが、ペラ州のマンジュンを本拠地とするマンジュンシティFCと、連邦直轄地のプトラジャヤを本拠地とするイミグレーションFCが1回戦を突破して、2回戦に進出しています。(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023マレーシアFAカップ1回戦
2023年3月25日@マンジュン市営スタジアム(ペラ州マンジュン)
観衆:220人
マンジュンシティFC 2-0 サインスFC
⚽️マンジュンシティ:シャミン・バハルディン(3分)、アフィーク・イクマル・ロスリ(83分)
🟨マンジュンシティ:パーヴィン・クマル、フルクアン・アズリ、アフィーク・イクマル・ロスリ
🟨サインス:ナズルル・カマルザマン
🟥マンジュンシティ:フルクアン・アズリ(🟨x2)
🟥サインス:フィルダウス・アジズル
MOM:シャミン・バハルディン(マンジュンシティFC)

ホームのマンジュン市営スタジアムに、ヌグリスンビラン州水道局を母体とするサインスFCを迎えたマンジュンシティFCは、3分にシャミン・バハルディンのゴールで先制し、途中、退場者を出したものの83分にアフィーク・イクマル・ロスリが追加点を挙げ、M3リーグでは現在10位のマンジュンシティが同2位で今季リーグ無敗のサインスFCを破っています。

2023マレーシアFAカップ1回戦
2023年3月25日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
観衆:208人
イミグレーションFC 1-0 BRMクアラカンサーFC
⚽️イミグレーション:アジム・ラヒム(10分PK)
🟨イミグレーション:ナスリク・バハロム
🟨BRM:ヌルイクマル・トゥミン、シャズワン・タジュディン、ハニス・モータル
MOM:ハフィズ・カマル(イミグレーションFC)

またKLフットボールスタジアムで行われた1回戦のもう1試合では、マレーシア内務省入国管理局を母体とする、現在リーグ4位のイミグレーションFCが、10分にアジム・ラヒムが決めたPKの1点を守り切って、リーグ開幕前にスポンサー問題によりリーグ辞退の可能性もあった、同9位のBRMクアラカンサーFCを退けています。

この2試合でFAカップの1回戦は全て終了し、この日勝利を挙げたマンジュンシティFCは、現在スーパーリーグ10位のクランタンFCと、イミグレーションFCは同11位のKLシティFCと4月14日にベスト8を賭けて対戦します。


3月25日のニュース
マーライオンカップ-マレーシアU22はカンボジアU22を破って決勝進出

マーライオンカップ-マレーシアはカンボジアを破って決勝進出

3年ぶりの開催となった今回のマーライオンカップでは、開催国シンガポール、香港、カンボジア、マレーシアの4カ国のU22代表が対戦しますが、その準決勝が昨日3月24日に行われ、マレーシアは追い縋るカンボジアを振り切って4-2で勝利し、もう1試合の準決勝でシンガポールを 1-0で破った香港と、3月26日の決勝で対戦することが決まりました。


イスラム教の断食月にもかかわらず、午後5時にキックオフというイスラム教徒が大半のマレーシアU22代表にとってはなんとも無慈悲な試合でしたが、E・エラヴァラサン監督はGKラーディアズリ・ラハリム、DFアザム・アズミ(いずれもトレンガヌ)、V・ルヴェンティラン(スランゴール)、ハキミ・アジム(KLシティ)など、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップではA代表でプレーした選手を先発に起用しています。その期待に応えるかのように13分にアイマン・アフィフのクロスをハキミ・アジムが押し込んで1-0と先制すると、30分には右サイドのアリフ・イズワンのクロスをV・ルヴェンティランが決め、スランゴールコンビの活躍でリードを2点に広げました。

この2点のリードで気が緩んだのか、38分にはGKラーディアズリ・ラハリムがゴール前での緩慢な動きからカンボジアのリム・ピソットにボールを奪われ、そのままゴールも決められてカンボジアが1−2として前半が終了しました。

さらに後半に入っても締まらないマレーシアは、50分にはGKからのパスを奪われ、そこからA代表でも主力として活躍するカンボジア代表キャプテンのシエン・チャンティアがドリブルで持ち込むとDFをかわしてゴールを決められて2-2と同点に追いつかれました。

しかし62分には右サイドをドリブルで上がったキャプテンのアザム・アズミからのパスを受けた途中出場のファーガス・ティエニィ(ジョホール・ダルル・タジムJDT II)がシュート!U22代表初招集となったスコットランド出身、20歳のMFのゴールで、マレーシアは再びリードを取り戻すと、71分には左サイドのアイマン・アフィフからのクロスをカンボジア守備陣がクリアミスし、ティエニィ選手とJDT IIでチームメートのナジムディン・アクマルがこれを押し込んでマレーシア4点目のゴールとなり、カンボジアを破ったマレーシアが明日3月26日の決勝では、シンガポールを破って決勝進出を決めている香港と大会初優勝をかけて対戦します。

決勝は午後8時30分キックオフと日没後なので断食は明けているものの、3月26日の断食明けはシンガポール時間7時15分で、そこから1時間ほどで試合開始と体調管理が難しそうですが、A代表も3月28日に香港代表との国際親善試合が控えており、U22代表にはまず明日の試合に勝利して、A代表に刺激を与えて欲しいです。

マーライオンカップ2023 準決勝
2023年3月24日@ジャラン・ブサルスタジアム(シンガポール)
カンボジアU22 2-4 マレーシアU22
⚽️カンボジア:リム・ピソット(38分)、シエン・チャンティア(58分)
⚽️マレーシア:ハキミ・アジム(13分)、V・ルヴェンティラン(30分)、ファーガス・ティエニィ(62分)、ナジムディン・アクマル(71分)

試合のハイライト映像はアストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより

3月24日のニュース
国際親善試合-マレーシアは格上のトルクメニスタンに勝利
代表戦の売り上げを「マラヤの虎」保護に
U22代表は本田圭佑氏指導のカンボジアU22と本日対戦

国際親善試合-マレーシアは格上のトルクメニスタンに勝利

今年初のFIFA国際マッチカレンダーで、直近のFIFAランキング145位のマレーシア代表は同135位トルクメニスタン代表に1-0で勝利しています。 昨年6月に行われたAFCアジアカップ最終予選では、マレーシアが43年ぶりの本戦出場を決めましたが、マレーシアとトルクメニスタンはこの最終予選で同組となり、マレーシアが3-1で勝利しており、FIFAランキング上位のチームに連勝となりました。

この試合でキム監督は、前線をセンターフォワードのダレン・ロック(サバ)と両サイドにアキヤ・ラシド(ジョホール)とファイサル・ハリム(スランゴール)、中盤には今年に入ってマレーシア国籍を取得したばかりのブラジル出身コンビ、パウロ・ジョズエ(KLシティ)とエンドリック・ドス・サントス(ジョホール)を早速起用し、ブレンダン・ガン(スランゴール)を加えた3名を配置、また、最終ラインはこの試合ではキャプテンを務めたディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)とドミニク・タン(サバ)がセンターバック、そして両サイドバックがいずれもジョホールのラヴェル・コービン=オング、マシュー・ディビーズという3-3-4の布陣を選択しています。

試合は、トルクメニスタンが開始から積極的に攻め込み、最初の10分間はマレーシアサイドで試合が進みましたが、GKシーハン・ハズミ(ジョホール)が好セーブを連発してそれに耐えると、マレーシアも徐々にペースを掴み始め、今季リーグ戦でも好調のパウロ・ジョズエを中心に攻撃に転じます。そして29分には左サイドから得意のドリブルでゴールライ近くまで持ち込んだアキヤ・ラシドが角度のないところから軽くカーブをかけてシュート!トルクメニスタンGKラスル・チャリエフはこれを止めることができず、ボールはサイドネットを揺らし、マレーシアが先制しました。

後半に入ると、あまり機能していなかったエンドリックに代えて、投入したノーア・レイン(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)が代表デビュー戦で早速チャンスを作るなど好機はあったものの得点に至らず、さらにファイヤド・ズルキフリ(クダ)、フェロズ・バハルディン(ジョホール)とその後も初招集組を起用しましたが、両チームが一進一退を繰り返したまま試合は終了し、マレーシアが格上のトルクメニスタンに勝利しています。

この試合でキム監督は、国内リーグ2年連続MVP、しかも今季はすでに3ゴールを挙げている若きエース、アリフ・アイマン(ジョホール)をベンチ外としました。その一方で所属するジョホールの今季5試合中わずか2試合出場、しかも出場時間51分だったことから「ジョホールの選手は試合に出なくても代表になれるのか」とその選出が忖度だったのではとの非難もあったアキヤ・ラシドにそれを実力でねじ伏せさせただけでなく、5名の選手を代表デビューさせながら勝利させるなど、代表サポーターをまたもや熱狂させています。

また格上のトルクメニスタンに勝利したことで、4月6日に発表される最新FIFAランキングではランクアップも期待でき、いいことづくめの今シーズン初の代表戦でした。なお、マレーシア代表は3月28日に同じスルタン・イブラヒムスタジアムで、キム監督がかつて指揮を取った香港代表と対戦します。

国際親善試合
2023年3月23日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
マレーシア 1-0 トルクメニスタン
⚽️マレーシア:アキヤ・ラシド(29分)

試合のハイライト映像はマレーシアサッカー協会FAM公式YouTubeチャンネルより
代表戦の売り上げを「マラヤの虎」保護に

マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府青年スポーツ省が共同して、「マラヤの虎」ことマレートラの絶滅保護に対する活動を行うと発表しています。

マレーシア代表サッカーチームは、虎の文様を模した黄色と黒を基調としたユニフォームを着用し、「マラヤの虎」の愛称で知られていますが、本物のマレートラは1970年代にはマレー半島全域で1000頭ほど生息したと言われていますが、密猟や生息環境の破壊などにより、最新の調査ではその数は150頭以下とされています。この地域の多様な生態系のいわば頂点に立つマレートラを保護することは生息地の自然環境全体を保全することにもつながることから、今回、FAMと青年スポーツ省が協力して活動を行うことが、FAMの公式サイトで発表されています。。

具体的には代表戦のチケット1枚の売り上げに対して1リンギ(およそ30円)が寄付されるということです。FAMのハミディン・アミン会長は「代表戦をスタジアムで観戦することで、マレートラの保護に貢献できることは喜ばしい。」と述べる一方で、ハンナ・ヨー青年スポーツ相は「実際にマレートラが絶滅してしまえば、『マレーの虎』の愛称は単なる愛称でしか無くなってしまう。そのような状況に陥らないためにも、代表チームを支援するサポーターには、代表チームを応援するのと同じ熱量で、この保全活動も支援して欲しい。」と述べています。

なお、マレートラを含めたトラの現状については、WWFジャパンによるこちらが詳しいです。

U22代表は本田圭佑氏指導のカンボジアU22と本日対戦

A代表がジョホール州でトルクメニスタンに改称した翌日の今日3月24日には、ジョホール水道を挟んだ向こう側にあるシンガポールで開催される大会で、本田圭佑氏が指導するカンボジアU22と対戦します。マーライオンカップと名付けられたこの大会は、この2チームの他、シンガポールと香港のU22代表も出場し、マレーシア対カンボジア戦の勝者と、シンガポール香港戦の勝者が優勝決定戦へ、敗者が3/4位決定戦に回ります

今年5月には東南アジアのオリンピックとも呼ばれる東南アジア競技大会通称シーゲームズがカンボジアで開催されます。初の自国開催となるカンボジアはA代表、U22代表とも本田圭佑氏が指導しており、このシーゲームズが本田氏の指導の集大成となることになっています。

マレーシアも出場するこのシーゲームに出場しますが、U22代表はシーゲームズでの決勝進出を目標としていることをE・エラヴァラサン監督が明言しており、今回のマーライオンカップはその前哨戦として乗り込みます。

「シーゲームズで対戦する可能性があるカンボジアやシンガポールを分析する機会があるのは有益である。今回のU22代表は大半がトップチームの選手で構成されているが、選手たちの所属チームでの試合出場時間は決して多くは無い。なので、今大会で近隣の強豪と対戦できるのは喜ばしい。」と述べたエラヴァラサン監督ですが、キャプテンを予定していたA代表でもプレー経験があるムカイリ・アジマル(スランゴール)が体調不良によりカンボジア戦ではベンチ外となることがすでに発表されています。

ムカイリ選手に代わり、スタンゴールでチームメートのジクリ・カリリが初戦ではキャプテンを務めることを明らかにしたエラヴァラサン監督は、本田GMとコンビを組むカンボジアの廣瀬龍監督同様、初戦は厳しい試合になるだろうと予想しています。

3月22日のニュース
ジョホールが女子チーム発足へ向けて選手募集
スーパーリーグ各チームへの今季の分配金がほぼ倍増に
ブキ・ジャリル国立競技場に国内初のVAR設備導入へ

ジョホールが女子チーム発足へ向けて選手募集

スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(JDT)は、現在リーグ9連覇中で、昨季はマレーシアカップとFAカップにも優勝し国内三冠を達成した国内では敵なしの強豪ですが、そのジョホールが女子チームを発足するようだと、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。

マレーシア女子代表でプレーするステフィ・シドゥがJDTに女子チームを発足させてほしいとTwitterに投稿したことに答えるように、JDTのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は「現在はまだ計画の段階だが、JDTの女子チームでプレーしたい選手はいないか。」と投稿を行っています。

これまでにもJDTが女子チームを持つ可能性について言及したことがあるイスマイル殿下ですが、ブリタハリアンによると、十分な運営資金が得られればすぐにでもチームを発足するとも話しているということです。

*****

JDTは今季からフットサルのチームを創設し、マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLに参戦しています。昨季王者のスランゴールMACや2位のパハンレンジャーズFCから代表クラスの選手を大量に引き抜いて作られたチームは、今季はここまでの4試合で3勝1敗と首位のスランゴールMACに次ぐ2位につけるなど、今季参入とは思えない戦いぶりを見せています。JDTが女子チームを持てば、女子サッカーへの注目も集まることは間違い無いでしょうし、男子サッカーやフットサルなどのようにマレーシア人有力選手が集まり、マレーシアサッカー協会FAMの反応が鈍い女子代表の強化にもつながりそうです。

スーパーリーグ各チームへの今季の分配金がほぼ倍増に

スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、各チームへのMFLからの分配金が昨季比で90%増となることを明らかにしています。マレーシア語紙ハリアンメトロによると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはその金額は明らかにしなかったものの、既に各チームのCEOにはこの増額が伝えられているということです。なお分配金の詳細については(リーグが中断する)FIFA国際マッチデーカレンダー期間に記者会見を開いて正式に発表されるということです。

2022年シーズンの分配金は各クラブの成績に合わせて、1部スーパーリーグのチームは50万から150万リンギ(およそ1500万円から4400万円)が、2部プレミアリーグのチームは25万から50万リンギが支払われたということです。またこの他にもスーパーリーグのクラブは300万マレーシアリンギが、プレミアリーグのチームには100万マレーシアリンギが補助金としてMFLから支払われていました。

このハリアンメトロの記事によると、2019年には放映権料としてスーパーリーグとプレミアリーグのチームのそれぞれ150万リンギと50万リンギが支払われ、よく2020年にはそれが100万リンギと50万リンギとなりました。2021年もMFLからは各チームに放映権料は支払われたようですが、その金額は公開されていないということです。

ブキ・ジャリル国立競技場に国内初のVAR設備導入へ

ブキ・ジャリル国立競技場を管理運営するマレーシア・スタジアム社は、マレーシア代表のホームであるブキ・ジャリル競技場にVAR設備を導入する計画があることを発表していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

同社のファイズ・サヌシCEOは、VAR設備は最低でも8台のカメラの設置が必要ではあるものの、代表戦だけでなくマレーシアカップやFAカップの決勝などでも使用されるブキ・ジャリル国立競技場を国際基準に沿ったスタジアムにするためにVAR設備の導入を検討していると述べています。

マレーシアサッカー協会FAMも今季開幕前にはスーパーリーグやマレーシアカップ、FAカップの一部の試合にVARを導入したい意向を明らかにしており、さらにFAMのハミディン・ハディン会長は先週、ルワンダで開催されたFIFAの総会でFIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ委員長から8台以上のカメラが必要なフルVARでなくとも、8台未満のカメラを使うライトVARの導入を勧められたことを明らかにしており、今季のVAR導入の可能性が高まっています。

*****

ただしこの記事でマレーシア・スタジアム社のファイズ・サヌシCEOは、「50万リンギ(およそ1500万円)以上かかる導入費用に対する十分な支援があれば」VAR設備の導入を予定しているとしている他、「(国内のスポーツを統括する)マレーシア政府の青年スポーツ省とマレーシア・スタジアム社の役員会が導入費用について話し合う予定である」とも述べており、同社が自力でザフアン・アブドル・設備を導入するということではなさそうです。

3月21日のニュース
タイ1部リーグ第24節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは待望のリーグ初ゴールと今節ベストXI選出
3部リーグがMBSB銀行チャンピオンシップに名称変更
元マレーシアU23代表監督がMリーグ復帰か

タイ1部リーグ第24節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは待望のリーグ初ゴールと今節ベストXI選出

3月18日と19日にタイ1部リーグ第24節が行われ、先日発表されたマレーシア代表に選出されたDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)は先発してフル出場しています。また予備の交代要員に選ばれたFWサファウィ・ラシドは先発して、タイリーグ移籍後初のゴールを挙げただけでなく、第24節のベストXIにも選ばれています。またマレーシア代表に選出されたDFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)は今節もベンチ外でした。なお、このエルドストール選手はインドネシア1部のプルシス・ソロへの移籍の噂も出ています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第24節
2023年3月18日@サーム・アーオスタジアム
PTプラチュワップ 0-1 ムアントン・ユナイテッド
 この試合の敗戦で過去5試合が2分3敗としたPTプラチュワップFCは、ついてに14位と降格圏内に後退しています。
PTプラチュワップFCのジュニオール・エルドストールは、この試合でもベンチ外で、タイ移籍以来ベンチがが続いています。

2023年3月18日@チャンアリーナ
ブリーラム・ユナイテッド 4-1 コーンケン・ユナイテッド
 首位を快走するブリーラム・ユナイテッドが5連勝しています。
ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは先発してフル出場しています。

2023年3月19日@チョンブリーUTAスタジアム
チョンブリーFC 1-2 ラーチャブリーFC
 2試合連続引き分けを含み過去5試合白星がなかった6位のラーチャブリーFCは、勝点差2の3位のチョンブリーFCとの対戦でした。1-0とリードしていたラーチャブリーFCは、前半終了間際の45+4分にサファウィ・ラシドがタイリーグ初ゴールを決め2-0とし、後半に1点を返されたものの結局、サファウイ選手のゴールが決勝点となって5試合ぶりの勝利を挙げるとともに、順位を一つ上げて5位に浮上しています
チョンブリーFCのサファウイ・ラシドは先発して、66分に交代しています。

タイ1部リーグ順位表(第24節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU24204060184264
2バンコクU23164442132952
3ポート24109540291139
5ラーチャブリー24108627171038
14プラチュワップ2457122844-1622
3部リーグがMBSB銀行チャンピオンシップに名称変更

Mリーグ3部に当たるM3リーグは今月3月4日に今季が開幕し、既に第3節を終えていますが、このM3リーグの冠スポンサーにMBSB銀行が付き、M3リーグは今後、MBSB銀行チャンピオンシップと名称変更されると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

純資産およそ64億マレーシアリンギ(およそ1900億円)で国内第15位のMBSB銀行はシャリア(イスラム法)準拠した運営を行っている国内銀行ですが、このMBSB銀行とMリーグ3部以下を運営するアマチュアフットボールリーグAFLは、昨日3月20日にスポンサー契約に関する調印式を行なっています。なおMBSB銀行は、AFLが運営する4部リーグのM4リーグと5部リーグのM5リーグの冠スポンサーになることも同時に発表されています。

*****

2020年には国内第2位のCIMB銀行を中核とする金融グループのCIMBグループが当時のMリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーとなりましたが、コロナ禍の真っ只中だったこのシーズンは無観客試合が続き、結局、CIMBグループは1年間でスポンサーを降りています。セミプロリーグのM3リーグに冠スポンサーが付くこと自体が驚きですが、CIMBのように1年でスポンサーを降りることがないようにお願いしたいです。

元マレーシアU23代表監督がMリーグ復帰か

2015年から2017年にかけてはマレーシアU23代表監督を務め、さらに2020年にはUITM FC(現在はリーグ脱退)の監督としてスーパーリーグ6位の実績を持つフランク・ベルンハルト氏がMリーグに復帰するという噂が出ています。

この噂を詳しく報じているスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロによると、ドイツ出身のベルンハルト氏は、第5節までを終了したスーパーリーグのチームの中で、開幕前の目標が達成されていないチームの新監督に就任するということです。しかもそのチームは今季初めてスーパーリーグでプレーするチームだということです。

スタジアム・アストロの取材に対し、既にマレーシアに滞在しているベルンハルト氏は、その噂について何も答えられないと話す一方で、自身を雇おうと考えているチームの話を聞く用意はできているとも話しています。現在はどのチームとも契約していないベルンハルト氏は、マレーシアに戻って来たいと話しながらも、他国からのオファーを受けていることも明らかにしています。

*****

この記事にある「開幕前の目標が達成されていないチーム」で「今季初めてスーパーリーグでプレーするチーム」は、クチンシティFCかクランタン・ユナイテッドのいずれかの可能性が高いです。今季2部プレミアリーグから1部スーパーリーグに昇格した5チームの内、初めてスーパーリーグでプレーするのはクチンシティFCとクランタン・ユナイテッドの2チームです。クチンシティは第5節終了時で1勝o分4敗の12位、クランタン・ユナイテッドに至っては0勝1分4敗で現在最下位の14位となっていますが、果たして噂通りにどちらかのチームの監督は交代するのでしょうか。

3月20日のニュース
FAMが「疑惑のPK 」を与えた審判を停職処分に
マーライオンカップ出場のU23代表候補発表
「条件が合えば」自チームの選手はいつでも招集に応じる-JDTオーナー
政府の芝張り替え支援を利用しないチームは素人集団が運営している-JDTオーナー

FAMが「疑惑のPK 」を与えた審判を停職処分に

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで、スーパーリーグ第5節のサバFC対ペナンFC戦で主審を担当したズルカルナイン・ザカリア氏に対して停職処分を課したことを発表しています。

3月18日にFAMの審判評価委員会が開かれ、3月17日に行われたサバFC対ペナンFC戦の審判評価者からの報告と映像を確認した上で協議を行った結果、ズルカルナイン主審が41分と90+9分に与えたPKは「判断を誤った」結果与えられたものであると決定を下しています。

FAMのノー・アズマン事務局長名で発表されたこの決定により、FAMはズルカルナイン氏に対して今季のスーパーリーグの試合について審判業務の停職処分を課しています。また審判評価委員会は同時に全ての審判員に対して「サッカー全般を理解した上で」最善を尽くすよう警告しています。さらに今後のスーパーリーグにおいてFAMが設けた基準に達しない判定を行なった審判に対しては、厳格な処分も辞さないとしています。

*****

この試合で4回のPKを与えたズルカルナイン主審ですが、指摘されているPKはいずれも誤審に見えます。しかしそれとは別にプロ審判育成もコロナを理由に延期、VARの導入にも消極的なFAMが、国内審判のレベルアップにしてきたことは何なのでしょう。クラブの民営化を図る一方で、試合はアマチュアの審判に任せながら、その質が上がらないことを審判だけの責任とするような発表内容が気になりました。FAM自身が個人の資質だけに頼っている現在の審判育成方法を見直し、まずはプロ化とVAR導入を進め、さらに外部から指導者を招く、あるいは他国リーグへ研修に出すなど、より積極的な(=金を掛けた)取り組みをFAMには求めたいです。

誤審とされる判定があった試合のハイライト映像。問題の場面は2分43秒からと7分10秒あたりです。
マーライオンカップ出場のU23代表候補発表

2019年以来4年ぶりの開催となるマーライオンカップに出場するマレーシアU22代表のメンバー26名がマレーシアサッカー協会の公式サイトで発表されています。この大会は3月24日から26日まで、開催国シンガポール、マレーシア、香港、カンボジアの4カ国のU22代表が対戦する大会で、マレーシアはカンボジアと、シンガポールは香港と3月24日に対戦し、その勝者が3月26日の決勝へ進み、敗者は同日に行われる3位4位決定戦に回ります。

氏名年齢所属
MFナジムディン・アクマル 19JDT II
MFファーガス・ティアニー20JDT II
MFダリル・シャム21JDT II
MFアダム・ファルハン19JDT II
MFハイカル・ハキーミ・ハイリ20SEL
MFシャヒル・バシャー22SEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
FWアリフ・イズワン・ユスラン19SEL
MF R・ルヴェンティラン22SEL
DF.ファクルル・ファリーズ・アイディ20SEL
DFハリス・ハイカル21SEL
DFジクリ・カリリ21SEL
GKシャーミ・アディブ・ハイカル20SEL
FWハキミ・アジム・ロスリ20KLC
FWスハイミ・アブ22KLC
MF T・サラヴァナン22KLC
DFナズウィン・サレー22KLC
GKアズミン・アリ・アミン・カマルディン22KLC
MFムスリフディン・アティク・マット・ザイド22TRE
DFアザム・アズミ22TRE
DFサウワン・マズラン21TRE
MFウバイドラー・シャムスル20TRE
GKラーディアズリ・ラハリム22TRE
FWアイマン・アフィフ22KDA
MFアフマド・アズラフ22KDA
DFアズリン・アフィク21KDA
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC

以下はケガ人などが出た際の交代要員として予備登録される可能性がある12名です。

氏名年齢所属
MFイズリン・イブラヒム19SEL
DFファイズ・アメル20SEL
MFファリス・イズディハム22PRK
MFイクワン・ハフィゾ21PRK
MFファーミ・ダニエル22PRK
DFハスヌル・ザイム・ザフリ21PRK
FWニック・ウマル・ニック・アジジ22PRK
MFシャキミ・カリム22NSE
GKフィルダウス・イルマン22NSE
MFチア・ルオ・ハン22JDT II
DFウマル・ハキーム21JDT II
FWザルミエン・アシュラフ・イスマイル21KDA
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PRK-ペラFC

*****

ムカイリ・アジマル(スランゴール)、ハキミ・アジム・ロスリ(KLシティ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)などA代表でもプレー経験がある選手を含め、複数のチームがトップチームでプレーする選手が選ばれており、今年5月に開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズの前哨戦としては楽しみなメンバーになっています。今回のシーゲームズ開催国であるカンボジアで指導する本田圭佑氏が、現地での指導の集大成と位置付けているU22代表との対戦は特に楽しみです。

「条件が合えば」自チームの選手はいつでも招集に応じる-JDTオーナー

昨年末から今年初めにかけて開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022は、東南アジアNo. 1を決める大会ながらFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)外で開催されましたが、これによって所属選手の代表招集に応じる義務がなかったことから、スーパーリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)からは大量11名が代表招集を辞退しています。

今週は2023年第1回のFIFAカレンダーで、マレーシア代表はトルクメニスタン、香港と2試合の国際親善試合を行いますが、代表が公式戦で使用するクアラルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場が現在改修工事中のため、この2試合はJDTのホームであるジョホール州のスルタン・イブラヒムスタジアムで開催され、これに先立つ代表合宿もJDTの練習施設を使用して行われています。

今回の代表戦と合宿に施設を提供したJDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアの通信社ブルナマの取材に応じ、「選手の雇用主としての観点から言えば、FIFAカレンダー外の試合は何の利点もなく、時間の無駄でしかない。」と話しています。さらにJDTが持つ施設や専門知識などはマレーシア代表に提供する用意があり、JDTの選手は代表招集に喜んで応じさせると述べる一方で、これらは全て代表戦がFIFAカレンダーで開催されることが大前提であるとも話しています。

*****

前述の三菱電機カップでJDTの選手が大量に代表招集を辞退したことから、イスマイル殿下が代表にJDTの選手を送り出すことに乗り気でないなのではという意見がSNSなどでも広く見られていましたが、殿下の今回の発言はこれを否定する意図があるようです。とは言え、特に三菱電機カップや東南アジア競技大会通称シーゲームズなど、東南アジアの大会はこのFIFAカレンダー外となることが多く、U22代表のE・エラヴァラサン監督は5月のシーゲームズではアリフ・アイマンを招集したいといった発言をしていますが、この大会はFIFAカレンダー外であることからJDTの選手がプレーすることはなさそうです。

マレーシア政府の芝張り替え支援を利用しないチームは素人集団が運営している-JDTオーナー

このブログでも以前取り上げたマレーシア政府の青年スポーツ省による各州のスタジアムの芝張り替え支援策ですが、この支援を受けないことを決定した州サッカー協会に対して、ジョホール・ダルル・タジムタジム(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が激しく批判しています。

ブキ・ジャリル国立競技場のピッチをゼオン・ゾイシア芝に張り替える改修工事開始式典に出席した後の記者会見で報道陣の質問に答えたイスマイル殿下は、年間の維持管理費用が高いことを理由に州の主要なスタジアムでのゼオン・ゾイシア芝への張り替えを拒否している一部の州のサッカー協会の考えが理解できないと述べ、年間およそ30万マレーシアリンギ(およそ880万円)かかるとされる維持管理費用が捻出できないはずがないと指摘しています。

「スーパーリーグを運営するMFLからは、各チームに対して最低でも800万マレーシアリンギ(およそ2億4000万円)の分配金が出ていることを考えると、30万マレーシアリンギが捻出できないという説明は到底理解できない。中には1000万マレーシアリンギを超える資金援助を州政府から得ているチームもある中で、維持管理費用が払えないはずが捻出できないはずがない。」と述べたイスマイル殿下はさらに「そういったチームはおそらくサッカーのことも知らず、興味もなく、(芝を張り替えることによる)中長期的な計画を理解しない人物によって運営されているのだろう。」「サッカーが発展している国はどこでもピッチを良い状況に保つことに関心を持っており、クラブレベルでも良いピッチを持っているチームこそが良いチームと考えている。マレーシアもこのような考え方に変わっていくべきにもかかわらず、そういった考えを全てのチームが持つまでにあとどのくらいかかるのか。」と嘆いてもいます。

ハンナ・ヨー青年スポーツ相は先日、青年スポーツ省がサッカー環境改善のため、ゼオン・ゾイシア芝に張り替える費用を全額負担する用意があることを明らかにしています。これに伴い芝の張り替えを希望する州サッカー協会に対しては、州内からスタジアムを一つ選ぶことを求めていました。ただし芝張り替え後の年間維持管理費用については各州サッカー協会が負担するとしたことから、全ての州が芝の張り替えを望んでいないことが明らかになっていました。

2023マレーシアスーパーリーグ
第5節結果とハイライト映像-ヌグリスンビランは今季初白星、ジョホールはライバル粉砕、サバはそのジョホールを追走

 3月16日から19日にかけてスーパーリーグ第5節が行われました。今節を終えて、全勝はジョホール・ダルル・タジムの1チームのみとなり、早くも独走の雰囲気が漂っています。その一方でKLシティ、ペナン、クランタン・ユナイテッドの3チームは未だ未勝利のままで、上位チームと下位チームの差がつき始めています。
 来週はFIFA国際マッチカレンダー期間となることから、スーパーリーグは一時中断となり、次節第6節は3月31日と4月1日に開催されます。

2023年3月16日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:3,203人
ヌグリスンビランFC 2-1 トレンガヌFC
⚽️ヌグリスンビラン:レヴィ・マディンダ(28分)、カサグランデ(67分)
⚽️トレンガヌ:アディサック・クライソーン(45+2分)
🟨ヌグリスンビラン:アルーン・クマル
🟨トレンガヌ:ハビブ・ハルーン
MOM:シーク・イズハン・ナズレル(ヌグリスンビランFC)

 ヌグリスンビランが待望の今季初勝利
 前節今季初勝利を挙げたトレンガヌが今季未勝利のヌグリスンビランと対戦。ジョホール・ダルル・タジムから期限付き移籍中のレヴィ・マディンダのゴールでホームのヌグリスンビランが先制しましたが、前半終了間際にアディサック・クライソーンが待望のマレーシア初ゴールを決め、トレンガヌが追いつきました。
 しかし後半の67分には自陣ゴール前でのトレンガヌDFアザム・アズミのクリアミスをトミー・マワトが折り返し、これをカサグランデが押し込みゴール!これが決勝点となり、ヌグリスンビランが今季初勝利を挙げています。
 トレンガヌは、前節から復帰したハビブ・ハルーンがこの試合でもリズムを作り、アディサック選手が今季初ゴールを挙げるなど、改善点は見られたものの、サポーターからチーム不振の元凶とされている帰化選手のリリドン・クラスニキがこの試合でも機能せず、連勝とはなりませんでした。また今季は開幕前には期待が高かっただけ、今季から指揮を取るトミスラフ・スタインブリュックナー監督への風当たりもさらに強くなりそうです。

2023年3月16日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:5,855人
ペラFC 0-3 スリ・パハンFC
⚽️パハン:クパー・シャーマン(13分)、ステファノ・ブルンド(37分)、ズハイル・アイザット(74分)
🟨ペラ:なし
🟨パハン:エゼキエル・アグエロ、ケヴィン・イングレッソ
🟥ペラ:ナスロル・アムリ
MOM:ステファノ・ブルンド(スリ・パハンFC)

 パハンが地味に今季無敗記録を更新。
 3月8日のFAカップ1回戦で対戦している両チーム。この時はパハンがペラを2-1で下しています。この試合では先制を許しながら、逆転勝ちしたパハンですが、この日の試合は早々と13分にエースのFWクパー・シャーマンのゴールで先制しました。さらに36分にはこのシャーマン選手がアシストし、ステファノ・ブルンドがゴールを決めたパハンリードを2点に広げました。
 ペラにとって痛かったのは39分にパハンのエゼキエル・アグエロに後ろからタックルしたナスロル・アムリが、今季5試合でチーム4枚目となるレッドカードで退場となったことでした。劣勢に回る場面が多い試合で数的に不利になってしまってはなすすべもなく、後半の74分にさらに失点を重ねたペラはパハンに完敗しています。一方のパンは開幕からの無敗記録を2019 年シーズン以来となる5試合に伸ばしています。

2023年3月17日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:11,711人
サバFC 5-2 ペナンFC
⚽️サバ:パク・テス2(3分、59分)、ダレン・ロック(45分PK)、ダニエル・ティン(55分)、リザル・ガザリ(45+12分PK)
⚽️ペナン:スーニー・サアド(8分)、アドリアーノ(90+1分PK)
🟨サバ:ダニエル・ティン、サディル・ラムダニ、ジャイルトン・ダ・シルヴァ、スチュアート・ウィルキン
🟨ペナン:カトゥル・アヌアル、ウスマン・ファネ、ゾー・ミン・トゥン
MOM:パク・テス(サバFC)

 ジョホールに追走
 リーグ2位のサバがペナンに勝利し、首位ジョホールを勝点2差で追走しています。前節第4節のパハン戦で退場処分を受けたオン・キムスイ監督が不在ながら、この試合でも2ゴールを決めたパク・テスがチームトップとなる4ゴール、さらに来週の代表戦に初招集されたダニエル・ティンが2試合連続ゴールを決めるなど、5試合で15点とリーグ2位の攻撃力でペナンを圧倒しています。
 今季未勝利のペナンは、この試合5失点のうち2本のPKはいずれも疑わしい判定に基づいて与えられた不運なものでしたが、それでもサバとの力の差は歴然としており、今後も苦しいシーズンが続きそうです。

2023年3月17日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:6,678人
クランタンFC 2-2 KLシティFC
⚽️クランタン:ケニー・パッラジ(41分OG)、ファズルル・アミル(45+2分)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(11分)、デクラン・ランバート(34分)
🟨クランタン:アフザル・アクバル、ニック・アミン、マリオ・アルケス、アリプ・アミルディン
🟨KLシティ:セバスチャン・アヴァンジーニ
MOM:ミゲル・シフエンテス(クランタンFC)

 KLシティは今季4試合で3試合が引き分け
 今季ここまで1勝のクランタンと未勝利のKLシティの対戦は引き分けに終わっています。新加入のチェチェ・キプレの今季初ゴールで11分に先制したKLシティは、デクラン・ランバートも今季初ゴールを決めて2-0と、試合のペースを掴んだように見えました。しかしオウンゴールで1点差とされた後、DF陣が隙を突かれて同点とされ、前半は2-2で終了しました。
 後半は両チームともチャンスは作るものの、ともにフィニッシュの精度が低く、結局2-2のまま試合は終了しています。KLシティは今季4試合でこれが3度目の引き分けとなり、リードを守りきれない展開が続く今季を象徴するような試合で初勝利を逃しています。クランタンはこの試合を含めた5試合でリーグ最多の13失点を喫しており、リーグ中断期間には守備陣の立て直しが課題となりそうです。

2023年3月17日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:14,462人
スランゴールFC 0-4 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:フアン・ムニス(55分)、ジオゴ(66分)、フェルナンド・フォレスティエリ2(77分、82分)
🟨スランゴール:アフマド・ジクリ、シャルル・ナジーム
🟨ジョホール:アリフ・アイマン、マシュー・デイヴィーズ
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(ジョホール・ダルル・タジム)

 ジョホールがスランゴールを粉砕し早くも独走の予感
 開幕から前節第4節までリーグ最多の17得点を挙げているジョホールが、同じく前節4節までリーグ最小2位の2失点のスランゴールと対戦した試合は、開始直後こそ互角で始まったものの、その後は徐々にジョホールのペースで進みました。自陣に押し込まれる場面が多くなったスランゴールは、それでもカウンターで応戦しチャンスを作るものの、ラストパスの精度が低く得点には至ラズ、前半は0-0で終了しました。
 勝負の名案を分けたのは攻守の切り替えのスピードの差でした。55分にスランゴールボールを奪って反攻に転じたジョホールはファン・ムニスのゴールで先制すると、そこからは怒涛のゴールラッシュ。終わってみれば4-0の圧勝でした。また外国籍選手の存在感の違いも大きく。スランゴールのFWエイロン・デル・ヴァイエ、MFノール・アル=ラワブデ、そして途中出場のMFヨハンドリ・オロスコらは得点シーンに絡むことも少なかった一方で、ジョホールの4ゴールはいずれも外国籍選手、しかも昨季の得点王ベルグソン・ダ・シルヴァを欠きながらでこの結果でした。
 最後は代表に選出されながら、今季未だ出場のなかったDFシャーミ・サファリを起用する余裕まで見せたジョホールが今季負けなしだったスランゴールを一蹴した試合でした。

2023年3月17日@ダルル・アマンタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:7,662人
クダ・ダルル・アマンFC 3-0 クチンシティFC
⚽️クダ:アクマル・ザヒル2(28分、49分)、マヌエル・イダルゴ(58分)
🟨クダ:ワン・アミルル・アフィク、リー・タック
🟨クチンシティ:アリフ・ハサン、ザフルル・ニズワン、ジミー・レイモンド、ジョセフ・カラン・ティー、アブ・カマラ、アダム・シリーン・タムビ
🟥クダ:ワン・アミルル・アフィク(🟨x2)
MOM:アクマル・ザヒル(クダ・ダルル・アマンFC)

 クダが連勝で3位浮上、開幕戦勝利のクチンシティは4連敗
 クダが伏兵のアクマル・ザヒルがリーグ3年ぶりのゴールを含めた2ゴールを挙げ、チームも2試合連続となる3ゴールを挙げて快勝し、順位を3位に上げています。
 クチンシティは開幕戦に勝利した後から4連敗とスーパーリーグの壁にぶつかっています。この連敗中は1得点12失点と攻守とも精彩がなく、昨季2部プレミアリーグ得点王のアブ・カマラもこの間でわずか1ゴールと苦しんでいます。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して86分に交代しています。


2023年3月17日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・じゃや)
観衆:202人
PDRM FC 2-0 クランタン・ユナイテッドFC
⚽️PDRM:ズルファーミ・アブドル・ハディ(10分)、ウチェ・アグバ(31分PK)
🟨PDRM:ジェームズ・オクオサ、チョー・ミン・ウー
🟨クランタン:アシャラフ・オマル、ファンディ・オスマン、アキル・ヒルマン

 PDRMが2勝目を挙げまさかの6位浮上
 試合開始時には激しい雨が降っていたMBPJスタジアム。この雨と午後5時30分キックオフという入れの時間だったこともあり、前日のスランゴール対ジョホール戦では1万4000人以上が押しかけたMBPJスタジアムでしたが、この日は公式発表で観客は202名でした。
 試合はウチェ・アグバのシュートをクランタンGKアシャラフ・オマルが弾いたところにをボールに詰めていたズルファーミ・アブドル・ハディが蹴り込んでホームのPDRMが先制しました。その後も激しさを増す雨により水が浮くピッチではボールも止まり、サッカーというよりはボールの蹴り合いとなりましたが、そんな中でペナルティエリアまでドリブルで持ち込んだウチェ・アグバがGKアシャラフ・オマルに倒され、PDRMはPKを得ます。これをウチェ選手が自身今季初ゴールとなるシュートを決めて2-0としたPDRMが、そのまま逃げ切り、今季2勝目を挙げています。
 開幕からの5試合で勝点1のクランタンUの初勝利はおあずけとなりました。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は68分から交代出場しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第5節終了時)

順位チーム勝点
1JDT55002112015
2SAB54101551013
3KDA5401114712
4SEL531196310
5SRP523010469
6PDRM521235-27
7PRK512237-45
8NSE412139-65
9TRE511325-34
10KEL5113713-64
11KLC403147-33
12KCH5104313-103
13PEN5023511-62
14KLU501439-61
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第5節終了時)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)5181135
2パク・テス(SAB)410605
3アリフ・アイマン(JDT)38525
ジオゴ(JDT)38513
エンドリック・ドス・サントス(JDT)35504
フアン・ムニス(JDT)315905
サディル・ラムダニ(SAB)37625
ノー・アル=ラワブデ(SEL)33305
ステファン・ブルーノ(SRP)10405
クパー・シャーマン(SRP)39425

3月17日のニュース 今月のトルクメニスタン戦と香港戦に向けた代表合宿メンバー27名発表

今日3月17日はスーパーリーグ序盤の注目カード、スランゴールFC対ジョホール・ダルル・タジムが開催されます。この試合にジョホールが勝ち、次節のサバFCでも勝利するようなことがあれば、今季もジョホールの独走の可能性が高まり、今季のスーパーリーグの関心は早くも2位争いとなり兼ねません。4試合でリーグ1位となる17得点を挙げているジョホールの攻撃陣を、同じく4試合でリーグ2位の2失点のスランゴールの守備陣がどう抑えるかがカギになりそうです。

今月のトルクメニスタン戦と香港戦に向けた代表合宿メンバー27名発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで、3月20日から28日までのFIFA国際マッチカレンダー期間中に開催する国際親善試合に向けたマレーシア代表合宿参加メンバー27名を発表しています。 

代表合宿は通常、スランゴール州にあるFAM本部敷地内の施設で行われ、代表戦はクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われますが、現在ブキ・ジャリル国立競技場はピッチ張り替えなどを含めた改修工事中のため、今回の代表合宿は3月18日からJDTの施設を使って行い、3月23日のトルクメニスタン代表、また3月28日の香港代表はいずれもJDTのホームであるスルタン・イブラヒムスタジアムで開催されます。

キム・パンゴン監督は、開幕から4連勝中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)から11名、2位のサバFCから5名、3位のスランゴールFCから4名を選ぶなど、上位チームの選手がおよそ4分の3を占めています。

昨年末から今年年始にかけて行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022に出場したマレーシア代表は、準決勝でタイ代表に通算成績1-3で敗れていますが、このときのメンバー23名からは、今回は9名が招集されています。なお、この三菱電機カップ2022は、FIFA国際マッチカレンダー期間外であったことから、JDTの選手11名を含む13名が代表選出を辞退してることも付け加えておきます。

今回代表初招集となったのは、今年に入ってマレーシア国籍を取得したばかりの帰化選手2名を含む8名です。いずれもブラジル出身のエンドリック・ドス・サントス(JDT)とパウロ・ジョズエ(KLシティFC)はいずれもリーグ屈指のMFで、代表にとっては大きな戦力アップになりそうです。このほかの初招集組では、GKシーク・イズハン・ナズレル(ヌグリスンビラン-スランゴールから期限付き移籍中)、DFフェロズ・バハルディン(JDT)、MFノーラ・レイン(アイスランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)はいずれもU23代表候補ながら、飛び級でのA代表招集となっています。

また今回選ばれた27名中、マレーシア国外で生まれ育った選手が12名と過去最高となっていることにも注目です。前述のエンドリック・ドス・サントスとパウロ・ジョズエの両帰化選手に加え、父母、あるいは祖父母がマレーシア人であるものの、マレーシア国外で生まれ育った選手が、後にマレーシア国籍を取得したいわゆる「ハイブリッドマレーシア人選手」が10名います。

それでは今回のメンバーをポジションごとに顔ぶれを見ながら、ボラセパマレーシア的視点でコメントしていきます。ポジションはFAMーCMSに登録されているポジションに沿っています。また*は代表初招集、#はAFF選手権三菱電機カップ2022出場選手です。

ゴールキーパー(4名)
  氏名年齢所属今季出場時間/試合数
#シーハン・ハズミ27JDT360分/4試合
*ダミエン・リム26SAB180分/2試合
#カラムラー・アル=ハフィズ28KDA360分/4試合
* シーク・イズハン・ナズレル21NSE223分/3試合
JDT-ジョホール・ダルル・タジム、SAB-サバFC
KDA-クダ・ダルル・アマンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

 今季、ここまでJDTでは4試合にフル出場しているシーハン・ハズミは、チームメートでもあるファリザル・マーリアスから代表正GKの座も奪いつつあります。三菱電機カップに続き代表に選出されたカラムラー・アル=ハフィズとともにこの2人がアジアカップまで代表のゴールを守ることになりそうです。
 初選出コンビのダミエン・リムとシーク・イズハン・ナズレルについては、あくまでも代表チームを経験するといった目的での招集だと思われ、3月の代表戦には出番はないでしょう。

ディフェンダー(10名)
氏名年齢所属今季出場時間/試合数
DF シャールル・サアド30JDT32分/2試合
DF ラヴェル・コービン=オング32JDT157分/4試合
DF マシュー・デイヴィーズ28JDT343分/4試合
DF シャーミ・サファリ25JDT0分/0試合
DF*フェロズ・バハルディン23JDT255分/3試合
DF#ドミニク・タン26SAB360分/4試合
DF*ダニエル・ティン31SAB323分/4試合
DF#クェンティン・チェン24SEL38分/2試合
DF#クザイミ・ピー30SEL90分/1試合
DFディオン・コールズ27BRU708分/8試合
SEL-スランゴールFC、BRU-ブリーラム・ユナイテッド(タイ)

 JDTの選手が代表に加わらなかった三菱電機カップは参考にならないので、JDTの選手も加わっていた昨年6月のAFC選手権アジアカップ最終予選、そして9月にタイで開催されたキングズカップのメンバーから考えると、両サイドバックのラヴェル・コービン=オングとマシュー・デイヴィーズ、センターバックで昨季のリーグ最優秀DF受賞のシャールル・サアドのJDTトリオは順当な選出です。またタイ1部リーグで首位を快走するブリーラム・ユナイテッドでレギュラーのディオン・コールズはキム・パンゴン監督の信頼も厚く、こちらも当然の選出です。
 三菱電機カップで代表選出を辞退したこの4選手に代わって出場した選手の内、ドミニク・タン、クザイミ・ピー、クエンティン・チェンは今回再び招集されていますが、クザイミ、チェンの両選手は所属するスランゴールでは今季は他の選手にポジションを奪われており、出場時間が激減しています。一方、シャルル・ナジームとファズリ・マズランは所属チームでは試合に出ているものの、予備の交代要員に回っています。
 そんな中、今回のDF陣で注目なのは昨季終盤からJDTでレギュラーとなったフェロズ・バハルディンとダニエル・ティンです。フェロズ選手は昨季後半、オーストラリア出身でアジア枠外国籍選手のシェーン・ローリーが肘の骨折で長期間離脱となった中、リーグ戦終盤からマレーシアカップでは主力として先発し、今季もここまで4試合中3試合に先発しています。今回の初招集でいきなり先発として起用されるのかどうかが注目です。またJDTからサバへ期限付き移籍しているティン選手も、これまであまりポジションが脅かされることがなかったラヴェル・コービン=オングのライバルになりうる選手です。
 この他、今季まだ1試合も出場していないシャーミ・サファリが選出されたことがSNSでは話題になっていますが、キム監督の真意は不明です。

ミッドフィルダー(10名) 
氏名年齢所属今季出場時間/試合数
アリフ・アイマン21JDT360分/4試合
 アキヤ・ラシド24JDT51分/2試合
シャフィク・アフマド28JDT10分/1試合
シャマー・クティ・アッバ26JDT38分/2試合
*エンドリック・ドス・サントス28JDT192分/3試合
#スチュアート・ウィルキン25SAB146分/4試合
#ブレンダン・ガン35SEL338分/4試合
アザム・アジー28SRP311分/4試合
*パウロ・ジョズエ34KLC270分/3試合
*ノーア・レイン21SJK
SRPースリ・パハンFC、KLC-KLシティFC、SJK-セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(アイスランド)

マレーシア国籍を取得した帰化選手では、三菱電機カップで英国出身のリー・タックとアルゼンチン出身のエゼキエル・アグエロが揃ってデビューし、ゴールも決めていますが、今回、この両選手は予備の交代要員となり、代わって招集されたのいずれもブラジル出身のパウロ・ジョズエとエンドリック・ドス・サントスです。今季からマレーシア人選手として登録されている両選手は開幕から絶好調で、エンドリック選手はここまで3試合出場で3ゴールを、ジョズエ選手も3試合出場で今季チームの全得点に当たる2ゴールを挙げており、初招集発先発となる可能性も大です。
 また三菱電機カップでは本来の攻撃的なポジションからボランチ的に起用され、それに見事に対応して新たな可能性を見せたブレンダン・ガン、そして同じ三菱電機カップで代表初招集ながら2ゴールを決めるなど一皮剥けた感のあるスチュアート・ウィルキン、さらにはシーズン後半を棒に振った膝前十字靱帯断裂の大ケガから先日8ヶ月ぶりに復帰したキム監督の秘蔵っ子シャマー・クティ・アッバ、そしてスリ・パハンの司令塔アザム・アジーと、セントラルミッドフィルダーも先発争いが熾烈です。
 となると立場が微妙なのがシャフィク・アフマドとアキヤ・ラシドの2人です。所属するJDTの選手層の厚さから、シャフィク選手はここまで1試合(出場10分)、アキヤ選手は2試合(出場51分)と試合感に不安が残り、そもそもなぜこの2人が選ばれているのかに疑問が残ります。それでも代表には少ない、ドリブルでの突破力が自慢のアキヤ選手はスーパーサブ的な起用法も考えられますが、シャフィク選手に関しては、DFのシャーミ・サファリ同様、キム監督がどのように起用するかが不明です。

フォワード(3名)
氏名年齢所属今季出場時間/試合数
#ダレン・ロック33SAB319分/4試合
#ファイサル・ハリム25SEL285分/4試合
*ファイヤド・ズルキフリ25KDA236分/4
KDA-クダ・ダルル・アマン

 東南アジアの他のリーグ同様、フォワードに外国籍選手を起用することが多いマレーシアリーグは、このポジションでは人材難で苦しんでいます。マレーシア人選手として昨季最多の10ゴールを挙げたダレン・ロックでもリーグ全体では6位、ロック選手に次ぐ6ゴールを挙げたファイサル・ハリムはリーグ全体では12位タイとなっています。
 キム監督就任以来、ロック選手はこれまでもセンターフォワードで起用されており、ここは確定していそうですが、その左右にファイサル選手と、MFアリフ・アイマンがウイングとして入るアジアカップ予選のような形になるのか、ファイサル選手がトップ下、エンドリックあるいはパウロ・ジョズエと、アリフ・アイマンがその左右にサイドハーフ的に入る三菱電機カップのような形になるのか。キム監督がどのような前線のフォーメーションを選ぶのかが気になります。

 また上記の27名からケガ人等が出た際の交代要員として、以下の13名も選ばれています。
 選手層が厚いJDTの中で、昨季のリーグ最優秀MF賞を受賞したアフィク・ファザイルが出場時間を減らす中、今季から就任したエステバン・ソラリ監督が起用し続けているのがホンワンの愛称で呼ばれているナサニエル・シオです。英国生まれのシオ選手は英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズU21の出身で、JDT移籍前にはリザーブリーグに当たるプレミアリーグ2で20試合に出場するなど将来が嘱望されていましたが、母親がマレーシア人であることからJDTに移籍し、マレーシア国籍を取得しています。2022年のキム監督就任直後の行われたシンガポールでの3カ国対抗では代表候補合宿には呼ばれたものの、最終メンバーには残れませんでした。今回も交代要員なっていますが、代表で見てみたい選手の1人です。
 その一方で、タイに新天地を求めたサファウィ・ラシドとジュニオール・エルドストール(エルドストール選手は正確にはタイリーグ「復帰」ですが)は、交代要員止まりとなっています。同じ大リーグでプレーするディオン・コールズが王者ブリーラム・ユナイテッドで主力として活躍している一方で、サファウィ選手は試合には出て入るものの、レギュラー定着とは言い難く、エルドストール選手に至っては今季はまだベンチ入りすらしていません。
 

氏名年齢所属出場時間/試合数
MF ナサニエル・シオ・ホンワン23JDT332分/4試合
MFナズミ・ファイズ29JDT33分/1試合
MFアフィク・ファザイル29JDT119分/3試合
MFモハマドゥ・スマレ29JDT0分/0試合
DF#シャルル・ナジーム24SEL270分/3試合
DF#ファズリ・マズラン30SEL360分/4試合
MF#エゼキエル・アグエロ29SRP193分/3試合
MF バキウディン・シャムスディン29SRP272分/4試合
FW#サファウィ・ラシド26RAT
DFジュニオール・エルドストル32PRA0分/0試合
MFリー・タック35KDA360分/4試合
MFシャフィク・イスマイル23TRE173分/3試合
MF A・セルヴァン23NSE14分/1試合
TREートレンガヌFC、RAT-ラーチャブリーFC(タイ)、PRA-PTプラチュワップFC(タイ)

2023マレーシアスーパーリーグ
第4節結果とハイライト映像(2)-スランゴールとサバは勝点差2でジョホールを追撃、ペラは今季初勝利、クランタンUには遠い初白星

2023年3月11日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:4,919人
ペナンFC 1-2 スランゴールFC
⚽️ペナン:ラファエル・ヴィトール(87分)
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ(27分)、ノール・アル=ラワブデ(89分)
🟨ペナン:なし
🟨スランゴール:ジクリ・カリリ、ノール・アル=ラワブデ
MOM:ラファエル・ヴィトール(ペナンFC)

 ジョホールとの直接対決までは負けられない。
 スランゴールが試合終了間際のゴールでペナンを振り切り、開幕から引き分けを挟んで3連勝しています。27分にファイサル・ハリムからのクロスをエイロン・デル・ヴァイエが難なく決めてスランゴールが先制した試合は、このままスランゴールがリードして前半を折り返しました。
 後半に入るとギアが上がったペナンは87分にラファエル・ヴィトールのヘディングシュートが決まり、1-1の同点追いつきましたが、その数分後に先制ゴールを決めたエイロン・デル・ヴァイエに代わって入ったアリフ・ハイカルがゴール脇からマイナスのパス。これをノール・アル=ラワブデがダイレクトで蹴り込んでゴール!これが決勝点となり、スランゴールは貴重な勝点3を獲得しています。この決勝ゴールで4試合で3ゴールとなったヨルダン代表アル=ラワブデ、マレーシア代表ブレンダン・ガン、そしてガーナ出身のアレックス・アギャルクワで構成される中盤は好調で、次節第5節で対戦するリーグ9連覇中の王者ジョホール・ダルル・タジムとの直接対決に弾みをつけました。
 一方のペナンは試合展開は悪くなかったものの攻撃陣の不振が響き、これで開幕から4戦で未だ勝利を挙げられていません。

2023年3月11日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:10,027人
スリ・パハンFC 1-1 サバFC
⚽️パハン:クパー・シャーマン(26分)
⚽️サバ:ダニエル・ティン(14分)
🟨パハン:ステファノ・ブルンド
🟨サバ:イルファン・ザカリア
MOM:ファドリ・シャス(スリ・パハンFC)

 こちらもジョホールとの直接対決までは負けられない。
 今季は開幕から3連勝と好調のサバ。開幕前の予想では打倒ジョホールの一番手と目されていましたが、第6節にはそのジョホールとの対戦が控えています。前述のスランゴール同様、直接対決前までは連勝中の王者に離されないためにも取りこぼしは禁物ですが、この日の相手はここまで1勝2分のパハンでした。
 前節のクチンシティ戦でいずれもゴールを挙げているMFテルモ・カスタニェイラはその試合でのケガのためベンチ外、そしてここまでの3試合で3ゴールと好調のサディル・ラムダニをベンチスタートさせたサバのオン・キムスイ監督でしたが、クチンシティ戦に続き、この試合もジャイルトンがパハンDFを翻弄し、サバの先制点にも絡み、ダニエル・ティンのゴールで鯖が先制しました。
 しかしパハンもクパー・シャーマンのゴールで追いつき、前半は1-1で終わりました。
 後半に入った68分、主審に執拗に抗議したサバのオン・キムスイ監督が退場となりましたが、その前には、ダレン・ロックがパハンのペナルティエリア内でパハンDFに倒されたにもかかわらずPKが与えられないなど「疑惑の判定」もありました。しかしその後も両チームは得点に足らず、引き分けに終わっています。

2023年3月11日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:3,817人
ペラFC 2-0 クチンシティFC
⚽️ペラ:ソ・ソンウン2(41分、58分)
🟨ペラ:シヴァン・ピレイ
🟨クチンシティ:アリフ・ハサン
MOM:ソ・ソンウン(ペラFC)

 ソ・ソンウンの2ゴールでペラが今季初勝利
 今季開幕戦では4失点で敗れ、続く2試合は同じ昇格組のPDRM、クランタン・ユナイテッド相手にいずれもスコアレスドローと苦しい試合が続いたペラでしたが、3試合で1得点のチームがこの試合では、新加入のソ・ソンウンが2ゴールを挙げ、ペラが今季初勝利を挙げています。
 一方のクチンシティは開幕戦で同じ昇格組のクランタンを破って、クラブ史上初となるスーパーリーグ初勝利を記録しましたが、その後は3連敗、しかも連敗中は1得点となっています。
 クチンシティの谷川由来選手は前節に続き、先発してフル出場しています。

2023年3月12日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,954人
クランタン・ユナイテッドFC 2-3 クダ・ダルル・アマンFC
⚽️クランタン:ダヴィッド(21分)、ヤン・ヴィクトル(89分)
⚽️クダ:ウィリアン・リラ(34分)、マヌエル・イダルゴ(44分PK)、アル=ハフィズ・ハルン(79分)
🟨クランタン:インドラ・プトラ、アスラフ・アリフディン
🟨クダ:ワン・アミルル・アフィク
MOM:アミルベク・ジュラバエフ(クダ・ダルル・アマンFC)

 監督不在のクダは今季未勝利のクランタンUに苦戦
 前節第3節のPDRM戦でレッドカードが出されたナフジ・ザイン監督不在のクダが、今季未勝利のクランタン・ユナイテッドを相手に苦しみながらも勝点3を挙げています。PDRM戦ではキャプテンのマヌエル・オットもナフジ監督同様、レッドカードによりこの試合は出場停止となっていますが、このオット選手の不在も響き、クダはホームのクランタン・ユナイテッドに何度も押し込まれる場面がありました。
 しかしスコア以上に攻撃力の差は歴然としており、クランタン・ユナイテッドはGKアシャラフ・オマルが連発した好セーブがなければ、さらに大差となった可能性がある試合でした。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第4節終了時)

順位チーム勝点
1JDT44001711612
2SAB4310103710
3SEL431092710
4KDA43018449
5SRP41307436
6PRK412134-15
7TRE411213-24
8PDRM411215-44
9KEL4103511-63
10KCH4103310-73
11PEN402236-32
12KLC302125-32
13NSE302118-72
14KLU401337-41
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

3月13日のニュース
AFC U20女子アジアカップ予選-マレーシアは2連敗で1回戦敗退
タイ1部リーグ第23節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは先発も途中交代が続く
帰化選手のデ・パウラが3部リーグで今季初ゴール

AFC U20女子アジアカップ予選-マレーシアはミャンマーにも敗れて2連敗で1回戦敗退

2024年にウズベキスタンで開催予定のAFC U20女子アジアカップ。、その1次予選G組にチーム平均年齢17歳という若いチームで臨んだU20女子マレーシア代表は、3月10日に最終戦となるミャンマー戦に臨み、1-3で敗れ、G組最下位に終わり、1回戦敗退が決定しました。。

AFC U20女子アジアカップ予選G組第3節
2023年3月12日@RSNスタジアム(プノンペン、カンボジア)
ミャンマー 3-1 マレーシア
⚽️ミャンマー:Wai Hin Phyo2 (18分、86分)、Yin Loon Eain(80分)
⚽️マレーシア:ヌルファリシャ・ハニム(58分)

 サッカー専門サイトのハリマウマラヤによると、この試合後の会見でU20女子代表のキャメロン・ン監督は、ミャンマー代表がマレーシア代表よりも優っていたことを認めた上で、マレーシア代表選手たちは100%のパフォーマンスを見せたことには満足していると話しています。

「試合前に、私は選手たちに、この試合の結果を重視しないが、その代わりに、プレーの質の向上を見たいと伝えた。」と話したン監督は、大会前の合宿がわずか2週間しかなかったことを考えると、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮してくれたことを喜んでいるとも述べています。

AFC U20女子アジアカップ 1次予選G組最終順位表

順位チーム勝点
1ミャンマー22005146
2カンボジア210112-13
3マレーシア200214-30
タイ1部リーグ第23節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは先発も途中交代が続く

3月11日と12日にタイ1部リーグ第21節が行われ、マレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも先発しています。また、DFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)は今節もベンチ外で、移籍後まだベンチ入りが一度もありません。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第23節
2023年3月11日@レオ・チェンライスタジアム
チェンライ・ユナイテッド 0-0 ラーチャブリーFC
2試合連続引き分けとなったラーチャブリーFCは、ムアントン・ユナイテッドと勝点で並んだものの、得失点差で6位に順位を一つ下げています。
サファウイ・ラシドは先発して、64分に交代しています。

2023年3月11日@700周年記念スタジアム
ラムプーン・ウォリアーズ 0-0 PTプラチュワップFC
こちらも2試合連続で引き分けとなったPTプラチュワップFCは13位と変わらなかったものの、降格圏となる14位との勝点差が1となっています。
PTプラチュワップFCのジュニオール・エルドストールはベンチ外でした。

2023年3月12日@ピッチャヤスタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 0-1 ブリーラム・ユナイテッド
首位を快走するブリーラム・ユナイテッドが2連勝中だったノーンブワ・ピッチャヤFCを破り、4連勝を飾っています。
ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは先発してフル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第23節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU23194057174061
2バンコクU23154441132849
3チョンブリー23114638261237
5ラーチャブリー239862516935
13プラチュワップ2357112843-1522
帰化選手のデ・パウラが3部リーグで今季初ゴール

今年に入ってエンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジム)、パウロ・ジョズエ(KLシティFC)と相次いでブラジル出身選手がマレーシア国籍を取得して帰化選手として登録されていますが、その先駆者とも言えるのが今季は3部リーグに当たるM3リーグでプレーするFWギリェルメ・デ・パウラです。

KLやペラなどMリーグで5シーズン以上連続してプレーしたことから、マレーシアサッカー協会FAMが代表強化のために始めた帰化選手支援プログラムによりマレーシア国籍を取得したものの、招集された代表チームでは期待されたプレーが見せられず、ファンの怒りと失望を買い、批判が集中したFAMが帰化選手支援プログラムの無期停止を発表する事態になり、その後移籍したジョホール・ダルル・タジム(JDT)でもトップチームどころか、セカンドチームでも出場機会が得られず、このまま消えていってしまうのか、という声も上がっていました。。

そのデ・パウラ選手は、今季からM3リーグに参入したマラッカFCに期限付き移籍し、開幕戦では先発してフル出場しながら無得点に終わったものの、第2節のハリニFCとの試合では2ゴールを決めています。このハリニFTは、昨季は元代表GKのハフィズル・ハキムや、いずれもDFのK・カナンやK・プラバカランなど昨季は1部スーパーリーグでプレーした選手を獲得、さらに昨季はスーパーリーグのPJシティFCの監督を務めたP・マニアム氏が監督に就任し、来季のスーパーリーグ昇格を目指すチームです。

この試合ではデ・パウラ選手の2ゴールで一旦は逆転したマラッカFCでしたが、ハリニFTは昨季はスーパーリーグでプレーしたナシル・バシャルディンが試合終了間際に同点ゴールを決め、無敗記録を2に伸ばしています。一方のマラッカFCは開幕戦で敗れており、今季はまだ勝利がありません。

大規模なスーパーリーグ改編により今季は2部プレミアリーグが休止となっていることから、このM3リーグが実質2部リーグとなっており、デ・パウラ選手がこのリーグで活躍し、自身への評価を覆すことができるのかどうかが今後は注目です。