5月3日のニュース
東南アジア競技大会出場のU22代表20名が発表-初戦は今日のラオス戦
東南アジア競技大会出場のU22代表からケガでラーディアズリが落選
MFLはジョホールオーナーに対する負債があることを認める

東南アジア競技大会出場のU22代表20名が発表-初戦は今日のラオス戦

既にカンボジアで開幕している東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するマレーシアU22代表の最終メンバー20名がマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。チームの顔ぶれは、今年3月にシンガポールで開催されたマーライオンカップの優勝メンバーが大半を占める中、この大会には体調不良のため出場できなかったムカイリ・アジマル(スランゴール)が加わった20名となっています。

5月1日終了した代表候補合宿には25名が召集されていましたが、この中からシャキミ・カリム(ヌグリスンビラン)、ザルミエン・アシュラフ・イスマイル(クダ)、ファクルル・ファリーズ(スランゴール2)、ナズウィン・サレー(KLシティ)とラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が外れています。

既にカンボジア入りしているU22代表はグループステージB組に入っており、今日のラオス戦を皮切りに、5月6日にはタイ、8日にはベトナム、そして11日にはシンガポールとの対戦が続きます。またB組の上位2チームに入った場合にはノックアウトステージ進出となり、5月13日の準決勝、そして5月16日に3/4位決定戦、あるいは決勝へと進むことになります。

金メダルは2011年インドネシア大会を最後に、またメダル獲得そのものも2017年マレーシア大会を最後に遠ざかっているマレーシア。とは言え、この東南アジア競技大会でのメダル獲得に固執するのは、マレーシアサッカー協会FAMが単に思い入れが強いからだけにも思えますが、それでもここでメダルを取れないということは東南アジアのトップ3にマレーシアが入っていないことにもなるわけで、思い入れというよりはプライドをかけて、今回もメダルを取りに行くのでしょう。前回は準決勝には進出したものの、そこでベトナムに敗れ、さらに3/4位決定戦ではインドネシアに敗れたマレーシアですが、今回のメンバーには、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップでプレーしたムカイリ・アジマル、V・ルヴェンティラン(以上スランゴール)、ハキミ・アジム(KLシティ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)らもおり、メンバー的には他国に引けは取らないと思いますが、果たしてその結果はどうなるでしょう。

東南アジア競技大会2023年カンボジア大会 男子サッカー代表(U22代表)メンバー

氏名年齢所属
GKシーク・イズハン21NSE
GKアジム・アル・アミン22KLC
DF V・ルヴェンティラン22SEL
DF ハリス・ハイカル21SEL
DF ジクリ・カリリ21SEL
DFアザム・アズミ・ムラド22TRE
DFサフワン・マズラン21TRE
DFウバイドラー・シャムスル20TRE
DFアズリン・アフィク21KDA
MFシャヒール・バシャー22SEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
MFアイマン・アフィフ22KDA
MFナジムディン・アクマル19JDT II
MFダリル・シャム21JDT II
MFアダム・ファルハン19JDT II
MFムスリフディン・アティク22TRE II
MFT・サラヴァナン22KLC
FWアリフ・イズワン19SEL
FWファーガス・ティアニー20JDT II
FWハキミ・アジム20KLC
所属はSEL-スランゴール、SEL II-スランゴール2、TRE-トレンガヌ、TRE II-トレンガヌII、JDT II~ジョホールII、KLC-KLシティ、KDA-クダ、NSE-ヌグリスンビラン。
東南アジア競技大会出場のU22代表からラーディアズリが落選したのは手のケガが原因

東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するマレーシアU22代表の最終メンバー20名が発表されましたが、スーパーリーグのトレンガヌではこれまで4試合にフル出場し、今季から背番号1をつけるラーディアズリ・ラハリムが落選しました。マレーシアサッカー協会はラーディアズリ選手の落選について、手のケガによるものだと発表していますが、このケガについてはラーディアズリ選手が自身のSNSに指の形が変形しているレントゲン写真とともに、シーゲームズに出場するU22代表を応援するコメントを投稿しています。

MFLはジョホールオーナーに対する負債があることを認める

マレーシア1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に対する負債があることを認めています。MFLのアブドル・ガニ・ハサン会長は、2020年シーズンの優勝チームに贈られる賞金が不足したことから、イスマイル殿下にその賞金の支払いを待ってもらったと説明し、今年の8月と10月に分割して支払う予定があることも明らかにしています。しかし、具体的な負債の金額は明らかにしていないと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

当時はMFLのCEOだったアブドル・ガニ会長は、ジョホールのオーナーであるイスマイル殿下に対して、賞金の支払いを分割で行わせてもらうよう依頼し、これをイスマイル殿下が受け入れたと説明しています。

「コロナ禍により当時3000万リンギ(およそ9億2000万円)のスポンサー料を失っていたMFLは、優勝賞金を分割で支払うことを提案し、これまで支払いを続けてきたが年内には完済する予定になっている。」と説明したアブドル・ガニ会長は、ジョホール以外のチームに対しては負債はないと話しています。

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今回の件の発端は、リーグ戦やカップ戦数試合でジョホールのサポーターが試合後に発煙筒を焚き、これが国内リーグ規定に違反していることからマレーシアサッカー協会FAMがジョホールに対して罰金処分を課したところ、ジョホールのオーナーのイスマイル殿下が、この罰金をジョホールに対してる負債の一部と相殺したいと発言したことでした。その後、FAMのハミディン・アミン会長がFAMはジョホールに対する負債がないことを明言し、続いてMFLがその負債を抱えていることを明らかにした、という展開です。それにしてもリーグの運営母体がそのリーグに所属するチームのオーナーに対して負債を抱えるというのは、なかなか他国では聞かない話ですが、リーグとチームの間に貸し借りがあることの影響について、ブルナマの記事だけでなく、他の新聞やサッカー専門サイトも何も言及せず、ただ事実のみを伝えているだけで、何か腫れ物に触るような扱いとなっています。かく言うボラセパマレーシアJPも、調子に乗って批判的な論調になれば、王室に対する侮辱罪に問われかねないので、この辺りにしておきます。


5月2日のニュース
タイ1部リーグ第28節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシド、ジュニオール・エルドストール全員が出場
フットサル-日本代表の平田ネトアントニオマサノリ選手がマレーシアリーグ参戦
次の監督交代はトレンガヌ?-今季AFCカップ初出場チームの次監督候補にアイディル・シャリン前クダ監督の名も

タイ1部リーグ第28節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシド、ジュニオール・エルドストール全員が出場

4月29日と30日にタイ1部リーグ第28節が行われています。既に今季の優勝を決めたブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズはと、PTプラチュワップFC所属のジュニオール・エルドストールは途中出場、ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは先発出場しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第28節
2023年4月30日@サームアーオイスタジアム
PTプラチュワップFC 2-1 バンコク・ユナイテッド
 11位のPTプラチュワップFCが2位のバンコク・ユナイテッドに勝利し、引き分けを挟んで3連勝。この勝利でPTプラチュワップは降格権から勝点差3となりました。
 PTプラチュワップのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は66分から出場して、最後までプレーしています。

2023年4月30日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッド 4-2 ラーチャブリーFC
 4日前の4月26日のリーグカップ準決勝と同じカードとなったこの試合では、ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは、リーグカップ準決勝には先発してフル出場しましたが、この試合では先発したものの、46分に交代しています。またチームは順位を一つ下げて7位となっています。

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ジョホールから期限付き移籍中のサファウィ・ラシドについては、このブログでも取り上げましたが、ジョホールのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が「本人からラーチャブリーFCに『馴染めていない』と聞いている」と発言し、マレーシアリーグ復帰が取り沙汰されていますが、ラーチャブリーFCのソムチャイ・マイウィライ コーチがそれを否定しています。サファウィ選手は父親の体調が悪く、手術が必要とされていたことから、精神的に不安定になっていたものの、結局、手術が必要ないとわかり、落ち着きを取り戻していると説明し、サファウィ選手がチームに「馴染めない」と話していると、マレーシアのサッカー専門サイトヴォケットFCが伝えています。

2023年4月30日@チャン・アリーナ
ブリーラム・ユナイテッド 2-3 ポートFC
 既にリーグ2連覇を決めているブリーラム・ユナイテッドが今季2敗目。4月26日のリーグカップ準決勝のPTプラチュワップFC戦に勝利し、2年連続の国内三冠に王手をかけているブリーラム・ユナイテッドは、5月20日のリーグカップ決勝に備えてか、リーグカップ準決勝では先発してフル出場したディオン・コールズを、この試合では60分から起用しています。

タイ1部リーグ順位表(第28節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU28224270264470
2バンコクU28184652213158
3ポート281310548341449
7ラーチャブリー28101083124740
11プラチュワップ2878123947-832
フットサル-日本代表の平田ネトアントニオマサノリ選手がマレーシアリーグ参戦

国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLで、現在B組5位煮付けているスランゴールTOTユナイテッドは、フットサル日本代表の平田ネトアントニオマサノリ選手の加入をチーム公式SNSで発表しています。また平田選手自身も既にチームに合流し、練習を始めていることを自身のSNSで明らかにしています。

2022年のAFCフットサル選手権では、前回王者イランを破って優勝した日本代表のメンバーでもある平田選手は、今年3月まで所属していた名古屋オーシャンズでも、2019年AFCフットサルクラブ選手権に出場し、決勝ではイランのメス・スングンを相手にゴールを挙げ、3年ぶり4度目の優勝にも貢献しています。

MPFLはA、Bの2組に別れた14チームがそれぞれリーグ戦を戦い、各組の上位2チームが準決勝に進みますが、前半戦の1試合を残して、スランゴールTOTユナイテッドは現在、B組の5位で、首位のスランゴールMACとは勝点差9、2位のジョホール・ダルル・タジム(JDT)とは勝点差6となっています。

スランゴールTOTユナイテッドはここまで5試合で12ゴールを挙げていますが、首位のスランゴールMACの29ゴール、2位JDTの33ゴールには遠く及ばす、B組7チーム中でワースト3と、得点力不足に苦しんでいることから、平田選手にはゴール量産が期待されています。

なお平田選手とスランゴールTOTユナイテッドのとの契約は7月までと報じられておりその後はスペインフットサルリーグのクラブへ移籍する模様です。JDTの参入で、これまではスランゴールMACとパハンレンジャーズの2強時代に風穴が開いたMPFLですが、リーグ後半戦の開幕戦となる5月14日のKLシティ戦から出場可能となる平田選手が、スランゴールTOTユナイテッドの救世主となれるのかに注目が集まります。

次の監督交代はトレンガヌ?-今季AFCカップ初出場チームの次監督候補にアイディル・シャリン前クダ監督の名も

スーパーリーグ第10節を終えて8位と、開幕前の予想を大きく下回る成績となっているトレンガヌですが、昨季のテクニカル・ディレクターから今季は監督に就任したトミスラフ・スタインブリュックナー監督が、今季3人目となる監督更迭となるのではという噂が上がっています。

昨季は現クダ監督のナフジ・ザイン氏が監督を務め、14勝2分6敗の成績でジョホール・ダルル・タジム(JDT)に次ぐ2位となり、AFCカップ出場権を獲得したトレンガヌですが、そのナフジ監督率いるクダが6勝1分3敗の5位となる一方で、トレンガヌは4勝1分5敗と負け越しています。アディサック・クライソーン(タイ)、イヴァン・マムート(クロアチア)といった新加入の外国籍選手FW陣が期待通りの働きを見せられず、チーム総得点もリーグ8位とその成績に則した順位ではありますが、サポーターからは残留を望んでいたナフジ監督に代わって就任したスタインブリュックナー監督への批判も多く、サポーターの批判を交わすために経営陣が監督交代に踏み切る可能性もあります。

そんな中で後任監督の候補として名前が上がっているのが、シンガポール出身のアイディル・シャリン氏です。昨季までクダで4季監督を務め、2019年シーズンの6位から、2位、2位、8位という成績で、昨季はAFCカップでもチームをグループリーグ突破に導いています。マレーシアのスポーツサイトのアストロ・アリーナは既にトレンガヌがこのアイディル氏に監督就任オファーを出したと報じていますが、チームからの成績発表はまだありません。

クダ監督退任後、アイディル氏はインドネシア1部のペルシカボ1973の監督に2022/23シーズン途中で就任し、今月16日に最終節が行われた今季は、チームは14位(18チーム中)に終わっています。また今年7月に開幕する2023/2024シーズンでは、このプルシカボ1973や、今季9位のペルシタ・タンゲランからも監督就任オファーが出されているようですが、アイディル氏自身はマレーシアリーグに戻りたい希望があるようで、トレンガヌの他、アストロ・アリーナによると既にトマス・トルチェ監督を更迭したクランタン・ユナイテッドなどと交渉中だという報道もあります。

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2021年は3位、昨季は2位と好成績を収めながら、契約延長オファーをギリギリまで出さなかったトレンガヌ経営陣に嫌気がさしたナフジ氏を引き止めることなく、また「ナフジ色」一掃を図って、外国籍選手をほぼ全員入れ替える決断を下したアブドル・ジュソーCEOらトレンガヌ経営陣の責任問題に発展しないのが、マレーシアらしいと言えばそれまでですが、ナフジ監督就任前のクダ監督だったアイディル監督の招聘となれば、トレンガヌとクダの間で監督が交換されたことになります

5月1日のニュース
サッカー協会会長-協会は前会長のジョホールオーナーに借金はない
U17女子アジアカップ1次予選-マレーシアは初戦の北マリアナ諸島戦に快勝もタイに大敗で敗退
クランタンの迷走は続く-今度はサポーターにあらゆる横断幕の持ち込みを禁じ、選手が試合後にスタンドのサポーターに挨拶に行くことも禁じる
ジョホール入りが噂されるラダメル・ファルカオに母国のファンは複雑

ACL決勝の第1戦が行われ、浦和が興梠慎三選手の貴重なアウェイゴールでアル・ヒラルと引き分け、3度目のアジア王者に近づきました。マレーシア王者のジョホール・ダルル・タジムは東地区予選ではこの浦和に敗れており、このままアジア王者になってくれれば、ジョホールの溜飲も下がるので、是非とも優勝して欲しいです。
 マレーシアに目を転じると、昨日のインドネシア対フィリピン戦で幕を開けた東南アジア競技大会通称シーゲームズ、カンボジア大会にU22代表が出場するため、マレーシアスーパーリーグは5月下旬まで中断となります。2011年以来優勝から遠ざかっているマレーシアU22代表男子の初戦は5月3日のラオス戦、また2大会ぶりの参加となる女子はやはり5月3日のベトナム戦が初戦となります。

サッカー協会会長-協会は前会長のジョホールオーナーに借金はない

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、前FAM会長でスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムのオーナーでもあるジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に対してFAMは借金がないと発言したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

これは先日、イスマイル殿下がテレビ局とのインタビューで、自身がFAM会長を勤めていた2017年から2018年の間、FAMが抱える負債を完済するために、自分のポケットから1200万リンギ(およそ3億7000万円)を貸与したと発言したことに対しての反論として述べられたものです。

ハミディン会長は、FAMがイスマイル殿下に金銭貸与されたことはないと話す一方で、イスマイル殿下はMFLが各チームへの賞金提供の資金に困っていた際に貸与されたものではないかと指摘しています。FAM会長就任前には、MFL会長を務めていたハミディン会長は、賞金提供のための資金が不足していた時期があったことを認めた上で、メディアに対してアブドル・ガニ・ハサンMFL現会長に事実関係を確認するべきだと述べています。

U17女子アジアカップ1次予選-マレーシアは初戦の北マリアナ諸島戦に快勝もタイに大敗で敗退

タイで開催中のAFC U17女子アジアカップ1次予選に出場中のU17女子代表は、4月28日に初戦となる北マリアナ諸島戦に臨み、サバ出身で15歳のロシリエカ・ロレの4ゴールなどで5-1で快勝しましたが、昨日4月30日のタイ戦では0-11と破れ、1次予選での敗退が決まっています。

1次予選は、各組1位のみが2次予選に進出しますが、A組ではタイ2勝、マレーシア1勝1敗、北マリアナ諸島2敗で、タイがA組1位となり、2次予選進出を決めています。

クランタンの迷走は続く-今度はサポーターにあらゆる横断幕の持ち込みを禁じ、選手が試合後にスタンドのサポーターに挨拶に行くことも禁じる

スーパーリーグ第10節を終えて1勝1分8敗で13位に沈むクランタンは、チェ・ムンシク監督を更迭し、外国籍選手2名を含む3名の選手と契約解除するなど、現行の打開に必死ですが、新たに発表したチーム方針が波紋を呼んでいます。

チームの「保安担当」のハズリ・トゥアン・ママト氏名義で今回発表されたチーム方針6箇条の中は、「ピッチ上で相手選手に笑顔を見せない、また話をしないこと」「相手選手や審判に挑発的な態度を取らないこと」「相手チームとユニフォーム交換をしないこと」「試合後に相手チームの監督、コーチを握手をしないこと」などが挙げられていますが、最も注目を集めているのが「試合終了後にチームの許可が出るまではスタンドのサポーターに挨拶に行かないこと」で、原則として、選手は試合終了後速やかに控え室に戻ることが求められています。

またクランタンはサポーターに対しては横断幕やドラムのスタンドへの持ち込み禁止も発表しており、チームのSNSには「ホームチームのサポーターが横断幕やドラムを持ち込めないクラブなど聞いたことがない」といった批判的なコメントや、「否定的あるいは挑発的な内容の横断幕だけを持ち込み禁止とするべき」といったこの方針の再考を求めるコメントで溢れています。

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今季開幕後から不振が続き、その矛先が地震に向いたことから、一時は希望者がいればチームの株式をすべて売却する用意があると発言したオーナーのノリザム・トゥキマン氏ですが(発言はその後撤回)、実業家として選手獲得だけでなく、練習場の整備など多額の投資に見合話ないチームの成績と、国内でも特にサッカー人気が高いクランタンのサポーターからのその成績に対する厳しい批判とで判断を誤っているのかもしれませんが、サポーターとの一体感をあえて否定するチーム方針を貫き通せば、チームは空のスタジアムで試合をすることにもなりかねません。

ジョホール入りが噂されるラダメル・ファルカオに母国のファンは複雑

コロンビア出身のFWラダメル・ファルカオのジョホール・ダルル・タジム移籍が濃厚と報じられています。現在はスペイン1部ラ・リーガのラージョ・バジェカーノに所属する現役のコロンビア代表のストライカーは、UEFAヨーロッパリーグで得点王を2度獲得した他、コロンビア代表の歴代通算最多得点記録を保持しているスーパースターは、今年3月28日行われたキリンチャレンジカップ2023では日本戦にも途中出場しています。

正式な発表は未だないものの、ジョホールのオーナーで、ジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、自身のインスタグラムで「会えるのを楽しみにしている」とメッセージを送り、背番号が31となることも仄めかしており、また現在のジョホールの外国籍選手枠も一つ空いていることなどから、エル・ティグレ「虎」のニックネームを持つファルカオ選手は、7月5日から8月1日までの今季2度目のトランスファーウィンドウでジョホール加入が決定的で、一部では既に2年契約を結んでいるとされています。

このようないわゆる「マーキープレイヤー」がマレーシアスーパーリーグで見られるのは、マレーシアのサッカーファンにとっては喜ばしいことですが、ファルカオ選手の母国、コロンビアでは今回のマレーシア移籍が歓迎されていないと、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

様々なボーナスも含めて年棒100万米ドル(およそ1億3700万円)とスペインのメディアが報じるなど、ジョホールには三顧の礼を持って迎えられるファルカオ選手ですが、コロンビアのファンは、マレーシアリーグへの移籍が選手としての「格を下げる」行為であり、マレーシアリーグでプレーすることは自身のプレーレベルを遥かに下回るリーグでプレーすることになるといった声も上がっているということです。

2023マレーシアスーパーリーグ
第10節結果とハイライト映像(2)

4月28日にマレーシアスーパーリーグ10節の3試合が開催されていますが、この日は前日4月27日とは逆に、すべての試合でアウェーチームが勝利しています。なお今節のもう1試合のジョホール・ダルル・タジム対クランタン・ユナイテッドは5月13日に延期されています。
 なお今節が終了するとスーパーリーグは5月19日と20日の第11節まで中断となりますが、これは、来月5月5日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズにU22代表が出場し、U22代表代表選手が所属するチームとそうでないチームとの間で公正を期するためという発表がなされています。なおU22代表は5月2日に大会が開かれるカンボジアのプノンペン入りし、5月3日のラオス戦が初戦となります。
 (試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月28日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:10,520人
トレンガヌ 1-2 スリ・パハン
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(39分)
⚽️パハン:クパー・シャーマン(30分)、アザム・アジー(68分)
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム、リリドン・クラスニキ、サルドール・クルマトフ、イヴァン・マムート
🟨パハン:ステファノ・ブルンド、ヌル・シャミー・イスズアン
MOM:イズハン・タルミジ(スリ・パハン)

 ともにマレー半島東海岸に位置するトレンガヌ州とパハン州を本拠地とするチーム同士の東海岸ダービーは、スリ・パハンが逆転勝利で今季無敗記録を更新しています。
 首位のジョホールとともに今季は未だ負けがないパハンは、30分にペナルティエリアの外で得たFKから直接ゴールを狙ったステファノ・ブルンドのシュートはトレンガヌGKスハイミ・フシンがパンチングで交わしたものの、トレンガヌDFがこれをクリアミスしたところを、昨季はトレンガヌでプレーしたクパー・シャーマンがゴールに押し込み、パハンが先制しました。しかしトレンガヌも39分にリリドン・クラスニキからパスを受けたアディサク・クライソンがゴール前へ流したボールをイヴァン・マムートがシュート。これが決まってホームのトレンガヌが同点に追いつき、前半はこのまま終了します。
 後半に入ると、トレンガヌはゴール前のイヴァン・マムートにボールを集めて攻勢に出ますが、マムート選手のシュートをこの試合のMOMにも選ばれたパハンGKイズハン・タルミジが好セーブを連発して防ぎます。逆にパハンは68分にアザム・アジーのミドルシュートが決まって逆転すると、アザム選手の2戦連発となったこのゴールが決勝点となり、無敗記録を10に伸ばすとともに、3位に浮上しています。
 一方のトレンガヌは2連敗で順位は変わらず8位のままです。
 

2023年4月28日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:2,348人
ヌグリスンビラン 1-2 クダ・ダルル・アマン
⚽️ヌグリスンビラン:ザイナル・アビディン・ジャミル(35分)
⚽️クダ:ウィリアン・リラ2(30分、72分)
🟨ヌグリスンビラン:ナスルラー・ハニフ、ザムリ・ラムリ、チェ・ラシド、アナス・ラフマド
🟨クダ:アリフ・ファルハン、ウィリアン・リラ、カラムラー・アル=ハフィズ
MOM:ウィリアン・リラ(クダ)

 昨季はJリーグの甲府でプレーしたウィリアン・リラの2ゴールで、クダが連敗を2でストップしています。
 クダは30分にマヌエル・イダルゴのCKをヌグリスンビランDFをかわしてフリーになったウィリアン・リラが頭で合わせて先制します。しかしヌグリスンビランも35分にペナルティエリアの外からトミー・マワトのミドルシュートがザイナル・アビディン・ジャミルに当たって角度が変わり、クダGKのカラムラー・アル=ハフィズが反応できず、同点に追いつき、前半は1-1のまま終了しました。
 後半に入ると地力で勝るクダがペースを掴み、72分にはリー・タックのクロスを再びリラ選手がヘディングシュートでゴールを決めて逆転すると、このままクダが逃げ切って勝利しています。

2023年4月28日@スルタン・(クアラ・ルンプール)
観衆:5,148人
クランタン 2-3 ペラ
⚽️クランタン:シヴァン・ピレイ(14分OG)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90+3分)
⚽️ペラ:ユスリ・ユハスマディ(35分OG)、ルチアーノ・ゴイコチェア(45分)、スハイリ・チェ・ハリム(69分)
🟨クランタン:ユスリ・ユハスマディ、キム・ミンギュ
🟨ペラ:ルチアーノ・ゴイコチェア、ハフィザル・モハマド
MOM:ルチアーノ・ゴイコチェア(ペラ)

 第9節を終えてともに1勝止まりと苦しいシーズンが続いているクランタンとペラは。いずれも今季スーパーリーグに昇格したチームで、トップリーグの壁に突き当たっています。そんな両チームにとって、この日のカードのような昇格組同士の対戦は勝点を挙げる貴重な機会です。試合はクランタンが優勢で進みますが、互いにオウンゴールで1−1となった後、先発メンバーで唯一の外国籍選手、ルチアーノ・ゴイコチェアの放ったミドルシュートが決まりペラがリードを奪って前半を終了します。
 後半に入ってもクランタン有利な展開は変わらないものの、得点には至らず、逆にペラが追加点を挙げてリードを2点に広げると、クランタンの攻撃を1点に抑えたペラが今季2勝目を挙げました。
 前半戦の不振から監督更迭、外国人選手との契約解除と思い切った手を打っているクランタンですが、その成果はまだ出ておらず、この日の敗戦で引き分けを挟んで6連敗となりました。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第10節終了時)

順位チーム勝点
1JDT99003713627
2SEL1071223111222
3SRP106401771022
4SAB1062224141020
5KDA106131715219
6KLC94321412215
7PEN104241616014
8TRE104151313013
9NSE92431117-610
10PDRM10316715-810
11PRK10235819-119
12KCH10118520-154
13KEL101181334-224
14KLU9027515-102
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第10節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)8341959
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)71713010
3アリフ・アイマン(JDT)515859
ステファノ・ブルンド(SRP)5209010
パク・テス(SAB)514709
スーニー・サアド(PEN)52914010
クパー・シャーマン(SRP)515729
ウィリアン・リラ(KDA)5247110
9ジョーダン・ミンター(TRE) 410617
イヴァン・マムート(TRE)4301408
ジオゴ(JDT)411626
フアン・ムニス(JDT)4181007
ダニエル・ティン(SAB)44418
サディル・ラムダニ(SAB)413929
ファイサル・ハリム(SEL)41311310
パウロ・ジョズエ(KLC)4241319
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第10節結果とハイライト映像(1)

4月27日にマレーシアスーパーリーグ10節の3試合が開催されています。ラマダン(イスラム教の断食月)明けの祝日ハリラヤ(ハリラヤ・アイディルフィトリ)を挟んで、およそ1週間ぶりのリーグ最下位となったこの日は、ホームの3チーム全てが勝利しています。
 なお今節が終了するとスーパーリーグは5月19日と20日の第11節まで中断となりますが、これは、来月5月5日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズにU22代表が出場し、U22代表代表選手が所属するチームとそうでないチームとの間で公正を期するためという発表がなされています。なおU22代表は5月2日に大会が開かれるカンボジアのプノンペン入りし、5月3日のラオス戦が初戦となります。
 (試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月27日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:14,444人
サバ 2-1 スランゴール
⚽️サバ:サディル・ラムダニ(24分PK)、バドロル・バクティアル(66分)
⚽️スランゴール:ファイサル・ハリム(52分)
🟨サバ:リザル・ガザリ
🟨スランゴール:ヤザン・アル=アラブ、ヌール・アル=ラワブデ、ファズリ・マズラン、アリフ・ハイカル
MOM:バドロル・バクティアル(サバ)

 リーグ戦4連勝中の2位スランゴールとホームでは今季ここまで4戦4勝の4位サバの対戦は、バドロル・バクティアルの2戦連発となるゴールなどでサバが勝利しています。
 試合開始から積極的に攻めるスランゴールが好機を作りながら、それを活かせない展開が続いた24分にペナルティエリア内でバドロル・バクティアルが倒され、サバがPKを得ます。サディル・ラムダニのPKは、今季初先発となったスランゴールGKサミュエル・サマヴィルが止められず、サバが先制しました。
 後半もスランゴールが優勢に試合を進め、52分にはゴール前の混戦のこぼれ球をファイサル・ハリムがペナルティエリアの外からシュート。これが決まってスランゴールが同点に追いつきました。しかし66分にペナルティエリアの外でFKを得たサバは、バドロル・バクティアルがこのFKをゴール左隅に決めて再びリードします。スランゴールは最後まで攻め続けたものの、結局、これが決勝点となり、サバがホームでの連勝記録を5に更新するとともに、スランゴールとは勝点差2の3位に浮上してます。

2023年4月27日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:1,783人
ペナン2-1 クチンシティ
⚽️ペナン:カイルル・アクマル・ロクシャム(45分)、ソーニー・サアド(51分)
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(32分)
🟨ペナン:ソーニー・サアド
🟨クチンシティ:アブ・カマラ、アリフ・ハサン、ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ、アダム・シリーン・タムビ
MOM:ソーニー・サアド(ペナン)

 今季ここまで3勝2分4敗のペナンは、その3勝が全てホームでの勝利。この日もホームに引き分けを挟んで7連敗中のクチンシティを迎え、連勝記録更新を目指しました。しかし、先制したのクチンシティでした。昨季2部プレミアリーグでは11ゴールを挙げて得点王に輝きながら、スーパーリーグに昇格した今季はここまでの9試合で2ゴールと1部リーグの壁に突き当たっていたアブ・カマラが7試合ぶりとなるゴール、チームとしても3試合ぶりのとなるゴールを決めて、クチンシティがリードしました。しかしペナンは前半終了間際にFKを得ると、ファリス・シャー・ロスリが蹴ったボールをクチンシティGKノラズラン・ラザリが痛恨の捕球ミス。カイルル・アクマル・ロクシャムが自分の足元に転がったボールをそのまま押し込んでゴールし、前半は1-1で折り返します。
 後半に入ってもクチンシティは攻め続けますが、ゴールには至らず、逆にペナンはクチンシティDF陣の隙をついて、ペナルティエリアの外からソーニー・サアドが放ったゴールで51分にリードを奪うと、GKアズファル・アリフの好セーブなどでこのリードを守って逃げ切っています。
  クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

2023年4月27日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:627人
KLシティ 3-0 PDRM
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(15分)、パウロ・ジョズエ(21分)、チェチェ・キプレ(87分)
🟨KLシティ:カイオン
🟨PDRM:アリフ・アンワル、ファディ・アワド、ジャック・フェイ
🟥KLシティ:ジャンカルロ・ガリフオコ
🟥PDRM:ジェームズ・オクウォサ
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

 開幕からの6試合を0勝4分2敗でスタートしたKLシティでしたが、4月5日の第7節で今季初勝利を挙げると、そこから3連勝して臨んだこの試合は、ロメル・モラレスのゴールで15分に幸先良く先制しました。その6分後にはパウロ・ジョズエがPDRM守備陣の足が止まった隙をついてミドルシュートを決めてリードを2点に広げます。後半は両チームが一進一退の攻防を繰り広げますが、86分にはPDRM守備陣のマークが外れてフリーとなったチェチェ・キプレがヘディングシュートを決めたKLシティが勝利し、4月を無敗で終えるとともに、順位を一つ挙げて6位としています。
 一方のPDRMはチャンスを作りながらもゴールにつながらず4連敗でとなりました。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は70分から出場して、最後までプレーしています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第10節途中)

順位チーム勝点
1JDT99003713627
2SEL1071223111222
3SAB1062224141020
4SRP9540156919
5KDA95131514116
6KLC94321412215
7PEN104241616014
8TRE94141211413
9NSE82421015-510
10PDRM10316715-810
11PRK9135517-126
12KCH10118520-154
13KEL91171031-214
14KLU9027515-102
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第10節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)8341959
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)71713010
3アリフ・アイマン(JDT)515859
ステファノ・ブルンド(SRP)518809
パク・テス(SAB)514709
スーニー・サアド(PEN)5291409
7ジョーダン・ミンター(TRE) 410616
ジオゴ(JDT)411626
フアン・ムニス(JDT)4181007
クパー・シャーマン(SRP)413529
ダニエル・ティン(SAB)44417
サディル・ラムダニ(SAB)413929
ファイサル・ハリム(SEL)41311310
パウロ・ジョズエ(KLC)4241319
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

4月27日のニュース
U17アジアカップ出場のU17代表がサウジアラビア、カザフスタンと対戦
トレンガヌがサファウィ獲得の最右翼として浮上
マレーシアフットサルリーグに日本代表選手が参戦か

U17アジアカップ出場のU17代表がサウジアラビア、カザフスタンと対戦

今年6月にタイで開催されるAFC U17アジアカップに出場するU17代表が、大会前にアジアの強豪サウジアラビア、ウズベキスタンと対戦することが発表されています。

マレーシアの通信社ブルナマによると、U17アジアカップに出場する両国は、タイ入り前の最終合宿をクアラルンプールで行うことから、この対戦が実現するということです。またマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、この両国以外にもクアラルンプールで合宿を行う国もあることから、その他のU17代表との対戦が組まれる可能性についても言及しています。

マレーシアU17代表は、4月10日から21日までカタールで合宿を行なっており、現地ではアル・アラビSC U17に4-2、ウム・サラルSC U17と5-0、アル・ガラファ U18と4-1、アル・マヒーヤSC U17と7-0、そしてアル・ドゥハイルSC U19に1-0とカタールリーグのチームには勝利した一方で、最終戦となったアスパイア・アカデミーU17との試合では0-1と敗れています。なお、このアスパイア・アカデミーは現カタール代表の7割の選手が出身の国家サッカー選手育成プロジェクトの中核となる育成機関だということです。

なお、タイのバンコクで開催されるU17アジアカップは6月15日に開幕し、7月2日に決勝が予定されています。マレーシアは開催国タイ、ラオス、イエメンと共にグループステージA組に入っており、FAMは今年末にペルー開催されるFIFA U17ワールドカップの出場権が獲得できる準決勝進出を今大会の目標に挙げています。

トレンガヌがサファウィ獲得の最右翼として浮上

スーパーリーグのジョホールから出場機会を求めて、タイ1部のラーチャブリーFCに期限付き移籍中の代表FWサファウィ・ラシドは、タイリーグでは目立った成績を残せておらず、残り3節となった今季終了後には、マレーシアに戻るのではと噂されています。そのサファウィ選手獲得に、トレンガヌが熱心であると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

今年2度目のトランスファーウィンドウは7月5日から8月1日までですが、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソCEOは8月から始まるAFCカップに備えて、このトランスファーウィンドウでサファウィ選手を所属するジョホールから期限付き移籍で獲得したいと話しています。

トレンガヌ州出身で、ジョホール移籍前はTチーム(現トレンガヌFC II)でもプレーしていたサファウィ選手には、チーム首脳陣も関心を持っていると話したアブドル・ラシドCEOは、タイリーグでのプレーに「馴染めていない」ことからマレーシアへ戻ることを望んでいると噂されているサファウィ選手の獲得に動いていることも認めています。

マレーシアフットサルリーグに日本代表選手が参戦か

国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのスランゴールTOTユナイテッドが日本人選手を獲得する予定があることを、チーム公式SNSで発表しています。

タイ代表監督として2022年には東南アジア競技大会通称シーゲームズで金メダル、また東南アジサッカー連盟AFF選手権でも優勝と実績のあるパット・スリウィジット監督が今季から就任したスランゴールTOTユナイテッドは、14チームが2つのグループに分かれて行われている今季のMPFLでB組に入り、第5節を終えて首位のスランゴールMACに勝点差6の4位に付けています。この順位の原因となっているのは得点力不足で、ここまでのゴール数はB組5位の12で、首位のスランゴールMACの23、2位ジョホール・ダルル・タジム(JDT)3位KLシティの21、さらには5位のシャーアラムシティの16にも大差をつけられています。

クラブの公式SNSには日本人選手獲得が表明されているものの、具体的な選手名は挙げられておらず、昨季のチャンピオン、スランゴールMAC戦を含め残り2試合となったリーグ前半後のトランスファーウィンドウまでは、獲得する日本人選手が誰かが明らかにされない可能性があります。なお今季のMPFLはアジア枠1を含む外国籍選手枠2となっており、スランゴールTOTユナイテッドには、ブラジル出身のエリオ・ネト、そしてアジア枠で元タイ代表のプカーン・ドンダンが加入しています。 ネト選手はチームに貢献していることから、この日本人選手がプカーン選手に代わる選手として加入することになりそうです。

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SNS上では、先月3月に日本フットサルリーグの名古屋オーシャンズを契約満了で退団したフットサル日本代表選手の平田ネトアントニオマサノリの名前も上がっており、日本代表でも主力選手の平田選手がMPFLに加入すれば、リーグの注目度もアップしそうです。

4月26日のニュース
タイ1部リーグ第27節-ディオン・コールズは途中出場もブリーラムUの2連覇に貢献、ジュニオール・エルドストールとサファウィ・ラシドの対決は実現せず
タイFAカップ決勝-ディオン・クールズはフル出場でブリーラムUの2連覇に貢献
帰化選手ブームは止まらない-2度目のトランスファーウィンドウではさらに3名の外国籍選手がマレーシア人選手として登録か
ルクマン・ハキムがアイスランドリーグ移籍後初のゴールを決める

タイ1部リーグ第27節-ディオン・コールズは途中出場もブリーラムUの2連覇に貢献、ジュニオール・エルドストールとサファウィ・ラシドの対決は実現せず

4月22日と23日にタイ1部リーグ第27節が行われています。ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは75分から途中出場となりましたが、チームは勝利、昨季に続くリーグに連覇を達成しています。また今節はサファウィ・ラシドが所属するラーチャブリーFCとジュニオール・エルドストールが所属するPTプラチュワプFCが対戦しましたが、サファウィ選手はベンチ入りせず、またエルドストール選手はベンチ入りしたものの出場がなく、マレーシア人選手対決は実現しませんでした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第27節
2023年4月22日@レオ・チェンライスタジアム
レオ・チェンライ・ユナイテッド 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
 この試合で引き分け以上なら優勝が決まるブリーラム・ユナイテッドが、チェンライ・ユナイテッドの反撃を1点に押さえて勝利し、3節を残しながらリーグ2連覇を果たすとともに、4月19日のFAカップ優勝に続く国内2冠を達成しています。
 ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは、3日前のFAカップ決勝に先発してフル出場したこともあってか、この試合は75分からの出場でした。

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 タイ1部優勝チームでプレーしたのは2020/2021シーズンにBGパトゥム・ユナイテッドでプレーしたノーシャルル・イドラン・タラハ以来2人目ですが、ノーシャルル選手は最後は出場機会もなくなり、ベンチ外となることもあり、優勝に貢献したのか、と言われると微妙ですが、コールズ選手は今年初めにチェコ1部のFKヤブロネツから移籍すると、12試合に出場しています。マレーシアのサラワク州クチン生まれながら、年代別代表でもプレーしたベルギーやデンマーク、チェコとヨーロッパのリーグでプレーし続けたコールズ選手にとっては、タイリーグでのプレーは自身初めてとなるアジアでのプレーでしたが、石井正忠監督の期待に十分応えたのではないでしょうか。
 また今日4月26日は国内三冠がかかるタイリーグカップの準決勝、PTプラチュワップ戦があり、この試合に勝てば、2期連続の国内三冠の偉業に王手がかかります。

2023年4月22日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 1-1 PTプラチュワップFC
 いずれもマレーシア人選手が所属するクラブの対戦になったこのカードですが、引き分けに終わっています。
 ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドはベンチ入りせず、PTプラチュワップFCのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は、3試合連続でベンチ入りしましたが、出場がありませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第27節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU27224168234570
2バンコクU27184551193258
3ムアントンU27138651331847
6ラーチャブリー27101072920940
11プラチュワップ2778123746-929
タイFAカップ決勝-ディオン・クールズはフル出場でブリーラムUの2連覇に貢献

4月19日にタイFAカップ決勝が行われ、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドがポートFCを2-0で下して優勝し、昨季に続く2連覇を達成しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイFAカップ決勝
2023年4月19日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 ポートFC
 2019年以来3期ぶりの優勝を狙うポートFCと大会2連覇を目指すブリーラム・ユナイテッドの対戦は、今季終了後に英国1部プレミアリーグ移籍が噂される20歳のスパナット・ムエアンタのゴールで先制したブリーラムが、その後も相手のオウンゴールでリードを2点に広げ、そのまま逃げ切って大会2連覇をはたしています。
 ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは、先発してフル出場しています。

帰化選手ブームは止まらない-2度目のトランスファーウィンドウではさらに3名の外国籍選手がマレーシア人選手として登録か

いずれもブラジル出身のパウロ・ジョズエ(KLシティ)とエンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジム-JDT)は、今年に入ってからマレーシア国籍を取得し、今季のスーパーリーグではマレーシア人選手として登録されています。また両選手ともマレーシア国内で既に5年以上プレーしていることから、FIFAの規定によりマレーシア代表でもプレーすることが可能で、3月のFIFA国際マッチカレンダーに行われたトルクメニスタン戦では、早速、代表戦デビューも果たしています。

マレーシア人の両親を持たない外国籍選手がマレーシア国籍を取得してマレーシア人戦勝としてプレーするケースは過去5年間で急速にその数が増えており、この両選手を合わせると既に7名の帰化選手がマレーシア国内でプレーしています。残る5名は、2018年にマレーシア国籍を取得し、国内サッカー史上初の帰化代表選手となったFWモハマドゥ・スマレ(JDT、ガンビア出身)、MFリリドン・クラスニキ(トレンガヌ、コソボ出身)、MFリー・タック(クダ、英国出身)、MFエセキエル・アグエロ(スリ・パハン、アルゼンチン出身)そして今季は3部のM3リーグでプレーするFWギリェルメ・デ・パウラ(マラッカ、ブラジル出身)ですが、いずれも既にマレーシア代表でのプレー経験もある選手たちです。

わずか5年間で7名が誕生したこの「帰化選手ブーム」ですが、英字紙スターによると、今季2度目のトランスファーウィンドウでもさらにそのブームは続くようです。帰化選手を取り上げた記事では、少なくとも3名の外国籍選手がマレーシア国籍取得の申請を行なっており、いずれも現在は審査中だということです。

その1人でモンテネグロ出身でトレンガヌでプレーするDFアルグジム・レゾヴィッチがスターの取材に応えています。最近、自身の国籍取得申請の審査状況についてマレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長と話をしたばかりというレゾヴィッチ選手は、(審査を行う)マレーシア政府内務省次第としながらも、7月5日から8月1日までとなっている今年2度目のトランスファーウィンドウで、マレーシア人選手として登録されることを望んでいると話しています。31歳のレゾヴィッチ選手は、マレーシア生まれの選手にはなかなかいない190cmの長身センターバックで2018年にPDRMでプレーした後、2019年からはトレンガヌでプレーしています。

またレゾヴィッチ選手はブラジル出身のFWカサグランデ(ヌグリスンビラン)とコロンビア出身のMFロメル・モラレス(KLシティ)の両選手も同様に国籍取得申請の審査を受けていると話し、3人揃ってトランスファーウィンドウ後にはマレーシア人選手としてプレーできることを願っていると話しています。

*****

今季のスーパーリーグは1チームあたり外国籍選手9名(アジア枠1名、東南アジア枠1名を含む)の登録が可能になっています。試合で同時にピッチ場にいることができるのは最大5名(うちアジア枠1名、東南アジア枠1名)で、今季のトレンガヌの外国籍選手は、アジア枠、東南アジア枠以外の選手では新加入のMFドマゴイ・プシッチとFWイヴァン・マムートに加え、MFソニー・ノルデ、FWジョーダン・ミンターがおり、DFのレゾヴィッチ選手には開幕から出場機会がありませんでした。しかしセンターバックとして開幕からの6試合全てにフル出場していたウズベキスタン出身のサルドール・クルマトフがハムストリングを痛めて以降は、その穴を埋める形でレゾヴィッチ選手が第7節から3試合連続で先発してフル出場しています。クルマトフ選手の復帰時期や、復帰後もトミスラフ・スタインブリュックナー監督がレゾヴィッチ選手を起用し続けるかは定かではないですが、マレーシア国籍が取得できればこういった心配もなくなります。

ルクマン・ハキムがアイスランドリーグ移籍後初のゴールを決める

東京ヴェルディへ移籍したプラタマ・アラハン(インドネシア)や、英国1部レスターシティへの移籍が決定的なスパナット・ムエアンタ(タイ)ら近隣諸国の同年代の選手たちが国外での活躍を目指す中、2019年にベルギー1部のKVコルトレイクと5年契約を結んだ当時18歳のルクマン・ハキムは、KVコルトレイクでは出場機会を得られず、今年2月にアイスランド1部のUMFニャズルヴィークへ期限付き移籍を果たしました。

リーグ戦では未だ出場機会はないものの、このブログでも以前紹介した通り、4月8日に国内カップ戦のアイスランドカップ2回戦では、アイスランドリーグ移籍後初となる公式戦出場を先発出場で果たしています。そして4月20日開催されたアイスランドカップ3回戦では途中出場ながら、ついに移籍後初となるゴールを挙げ、チームの勝利に貢献したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

アイスランド3部のクナッツペトヌフィエラフ・オストフィヨルダ(KFA)とのアイスランドカップ3回戦に75分から出場したルクマン選手は90+3分にチーム4点目、自身にとっては移籍後初となるゴールを挙げ、チームのベスト16進出に貢献しています。

4月25日のニュース
東南アジア競技大会出場のU22代表候補25名が発表
6月の代表戦はトレンガヌ州で開催
不振のクランタンが外国籍選手2名を含む3選手と契約解除
タイリーグで結果が出ないサファウィ・ラシドはマレーシアに復帰か

ラマダン(イスラム教の断食月)が明けるのが4月21日なのか22日なのかが決まらず、急遽、マレーシアのアンワール首相は4月21日を国民の祝日とすることを発表しました。太陰暦を採用するイスラム教は新月が月の始まりで、断食月を終えるためには、翌月の始まりである新月が「目視」できることが条件になります。結局、断食月が明けるのは4月22日となることが正式に発表され、22日の針ラヤと翌23日が国民の祝日となり、24日も振替の祝日で結局、昨日まで4連休となりました。この断食月明けのお祝い「ハリラヤ(ハリラヤ・アイディルフィトリ)」はイスラム教徒にとっては重要なお祝いのため、先週末はスーパーリーグも試合がなく、次節第10節は4月26日から28日にかけて開催されます。
 このブログも前回の更新は4月20日でしたので、この4日間に溜まったニュースを一気に紹介します。

東南アジア競技大会出場のU22代表候補25名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで、来月5月に開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーに出場するU22代表候補25名を発表しています。U22代表は、先月3月にシンガポールで開催されたマーライオンカップでカンボジア代表と香港代表を破って優勝していますが、U22代表のE・エラヴァラサン監督は、その優勝メンバーの大半を今回の合宿に招集しています。

カンボジアで開催される今回のシーゲームズでマレーシアは、大会2連覇中のベトナム、通算16回優勝のタイが揃った「死の組」B組に入っており、シンガポール、ラオスとともにグループステージを戦い、まずは上位2位以内に入って準決勝進出を目指します。なお男子サッカーは、5月5日に開幕するシーゲームに先立ち、4月29日から競技が始まるため、マレーシアは5月2日にカンボジアのプノンペンに入り、ラオス戦(5月3日)、タイ戦(5月6日)、ベトナム戦(5月8日)、シンガポール戦(5月11日)という順で各チームと対戦します。

2011年のインドネシア大会以来の金メダル獲得を目指すマレーシアですが、今回の代表にはA代表でもプレー経験があるムカイリ・アジマルがキャプテンとして加わることも発表されています。マーライオンカップには体調不良のため参加できなかったムカイリ選手が加わることで、12年ぶりの金メダルへの期待は高まっています。

氏名年齢所属
FWシャヒール・バシャー22SEL
MFアリフ・イズワン・ユスラン19SEL
DF V・ルヴェンティラン22SEL
DF ハリス・ハイカル21SEL
DF ジクリ・カリリ21SEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
DFファクルル・ファリーズ・アイディ20SEL II
DRアザム・アズミ22TRE
DF サフワン・マズラン21TRE
DFウバイドラー・シャムスル・ファジリ20TRE
GK ラーディアズリ・ラハリム22TRE
FW ムスリフディン・アティク・マット・ザイド22TRE II
MFナジムディン・アクマル19JDT II
MF ファーガス・ティアニー20JDT II
FWダリル・シャム21JDT II
MFアダム・ファルハン19JDT II
FW. ハキミ・アジム・ロスリ20KLC
FWT・サラヴァナン22KLC
DFナズウィン・モハマド・サレー22KLC
GKアジム・アル・アミン・カマルディン22KLC
FW. アイマン・アフィフ22KDA
DF アズリン・アフィク21KDA
FW ザルミエン・アシュラフ21KDA
GKシーク・イズハン・ナズレル21NSE
MFシャキミ・カリム22NSE
所属はSEL-スランゴール、SEL II-スランゴール2、TRE-トレンガヌ、TRE II-トレンガヌII、JDT II~ジョホールII、KLC-KLシティ、KDA-クダ、NSE-ヌグリスンビラン。
6月の代表戦はトレンガヌ州で開催

マレーシアサッカー協会FAMは、6月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)に行われる国際親善試合2試合を、トレンガヌFCのホームであるトレンガヌ州のスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで開催することを発表しています。直近のFIFAランキング138位のマレーシアが今回の対戦するはソロモン諸島(FIFAランキング134位)とイエメン(同157位)の2チームです。なおソロモン諸島戦は6月15日または16日、イエメン戦は6月20日に予定され、チケットは大人が30リンギ(およそ910円)となることも発表されています。

マレーシア代表はクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場をホームとして試合を行うのが常ですが、現在は芝の張り替えを含めた改修工事中で使用できず、3月のFIFAカレンダーではジョホールのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで香港、トルクメニスタンと対戦し、いずれも勝利しています。なおマレー半島東海岸に面するトレンガヌ州ですが、東海岸での開催はスリ・パハンのホームでパハン州のダルル・マクモルスタジアムで2013年3月26日に行われた国際親善試合パレスチナ戦以来、10年ぶりとなります。

不振のクランタンが外国籍選手2名を含む3選手と契約解除

第9節を終えて1勝1分7敗と13位に低迷するクランタンは、外国籍選手2名を含む3選手との契約を解除したことを公式Facebookで発表しています。契約解除となったのは、昨季はジョホールでプレーし、今季からクランタンでプレーする元フィリピン代表DFカルリ・デ・ムルガ、昨季はペナンでプレーし、今季からクランタンでプレーするDFクリスティアン・ロンティーニ、そしてやはり今季からクランタンでプレーするFWシャフィク・シャハルディンの3選手です。

今季の記録は、デ・ムルガ選手は6試合出場(先発6試合)、ロンティーニ選手は5試合出場(先発5試合)、シャフィク選手は1試合出場(先発1試合)となっています。なお、マレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウは7月5日から8月1日までで、それまでは新たな選手の登録はできません。

タイリーグで結果が出ないサファウィ・ラシドはマレーシアに復帰か

所属するジョホールでは試合出場機会が減少したことから、出場機会を求めて今年1月にタイ1部リーグのラーチャブリーFCへ期限付き移籍した代表FWサファウィ・ラシドですが、今季はここまで11試合出場も出場時間は575分、さらに1ゴール0アシストと、目立った成績を残せていません。ほぼ同時期にチェコ1部のFKヤブロネツからブリーラム・ユナイテッドへ移籍した代表DFディオン・コールズが12試合出場、出場時間993分と主力として活躍しているのと比べても、その差は明らかです。

そんなサファウィ選手について、今年5月31日となっている期限付き移籍期間終了後には、マレーシアへ戻ってプレーするのではないかという噂が広がっていますが、所属するジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下から飛び出した発言が、その噂の信憑性を高めていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシアスポーツ記者協会(SAM)のメンバーと懇談したイスマイル殿下は、サファウィ選手と直接話したことを明らかにし、その上でサファウィ選手は明言した訳ではないとしながらも、サファウィ選手がラーチャブリーFCでのプレーに「馴染めていない」ように感じられると述べています。またその一方で、期限付き移籍はサファウィ選手自身が望んだことだとして、現在はその動向を注意深く見守っているところだと説明しています。

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2018年、2019年と2年連続でリーグMVPを獲得したサファウィ選手は、2020年10月にJDTのリーグ7連覇(当時)に貢献した後、ポルトガル1部のポルティモネンセSCに期限付き移籍しました。しかしベンチ入りする機会はあったもののトップチームでの出場はなく、U23リーグでもわずか1試合出場と振るわず、わずか2ヶ月後の12月に、1年間の予定だった期限付き移籍期間を切り上げてマレーシアに戻り、この移籍は大失敗だったと考えられています。さらにコロナ禍の中で行われた2020年シーズンからトップチームに昇格したアリフ・アイマンとのポジション争いに敗れると、2021年、2022年と2年連続でリーグMVPを獲得したアイマン選手に対して、サファウィ選手は2021年は16試合出場(出場時間581分)、2022年は13試合出場(出場時間240分)と出場機会が激減していました。

2023マレーシアスーパーリーグ
第9節結果とハイライト映像-ジョホールは開幕9連勝、スランゴールが連勝チーム対決を制してジョホールを猛追、クランタンUは未だ勝利なし

4月18日にマレーシアスーパーリーグ9節の4試合が開催されています。今季は1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの統合によるリーグ改編によりチーム数が14に増えたため、春秋性のスーパーリーグは今節で、今季の三分の一の日程を終えたことになります。
 また今節はラマダン(イスラム教の断食月)期間中に開催される最後の節です。4月21日とされている断食月の明け(太陰暦で翌月の始まりとなる新月を目視できることで断食月終了となるため、目視できなければ翌日4月22日になることもあり、このような表現にしてあります。)を祝うイスラム教徒にとっては最大の祝日ハリラヤ・アディルフィトリを控え、ここまでFAカップも含めると20日間弱で5試合をこなした過密日程も、ここで1週間ほどの休みに入ります。
 その一方で今日4月19日からは5月にカンボジアで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表の合宿が始まることもあり、次節第10節は4月27日と28日に開催が予定されています。(試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月18日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:275人
クチンシティ0-1 スリ・パハン
⚽️パハン:アザム・アジー(57分)
🟨クチンシティ:なし
🟨パハン:ステファノ・ブルンド、マリク・アリフ
MOM:アザム・アジー(スリ・パハン)

 代表MFアザム・アジーの今季初ゴールで、パハンがリーグ戦の今季無敗記録を9まで伸ばしています。4月15日のFAカップ2回戦のスランゴール戦に0-4で敗れたパハンは今季無敗記録は破られたものの、リーグ戦はこの試合の勝利で5勝4分と無敗記録を守りました。
 クチンシティは、ペナンに大敗したFAカップ2回戦に続き、またリーグ戦では第4節のペラ戦以来初めてGKジュリアン・シュワルツァーを外し、外国籍選手5人全員がフィールドプレーヤーという布陣で臨み、その効果もあってか善戦しましたが、開幕戦以来の勝利とはなりませんでした。
 クチンシティの谷川由来選手はこの試合も先発してフル出場しています。

2023年4月18日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:2,590人
クダ 2-3 KLシティ
⚽️クダ:ジョナタン・バロテッリ(25分)、ボヤン・シガー(30分)
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(11分)、ロメル・モラレス(48分)、カイオン(75分)
🟨クダ:なし
🟨KLシティ:ライアン・ランバート
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

 第6節まで未勝利だったKLシティが3連勝で8位から7位に浮上しています。
 KLシティのロメル・モラレスは4月14日のFAカップ2回戦で今季初ゴールを決めると、この試合では同点ゴールとなる今季リーグ戦初ゴールを決めるなど復調の兆しを見せています。また71分に導入されたカイオンが75分に決勝ゴールを決めるなど、ボヤン・ホダック監督の選手起用も見事でした。
 一方のクダは、勝点差2で臨んだ第8節でのジョホール戦で喫した0-6の大敗以来の2連敗となっただけでなく、今季はFAカップのペナン戦を含めると、早くもホームで3敗目となり、ジョホールとは勝点差8、3位との勝点差も3と広がっています。

2023年4月18日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:5,207人
スランゴール 5-1 トレンガヌ
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ(17分、70分)、ファイサル・ハリム(21分)、ハリス・ハイカル(40分)、アリフ・ハイカル(84分)
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(61分)
🟨スランゴール:V・ルヴェンティラン
🟨トレンガヌ:ドマゴイ・プシッチ
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 ともにFAカップも含めていずれも4連勝中だった両チームの対戦は、激しいぶつかり合いが期待されましたが、蓋を開けてみれば、予想外の一方的な試合でスランゴールがトレンガヌに圧勝しています。
 ケガのため4月15日のFAカップ2回戦では出場のなかったアレクサンダー・アギャルクワとノー・アル=ラワブデが先発に戻ったスランゴールは、この試合で今季初めてV・ルヴェンティランも先発に起用しました。試合はトレンガヌが試合開始から積極的に攻め、11分にはジョーダン・ミンターのフリーキックがゴールポストに阻まれましたが、これを合図としたかのように、ここからスランゴールの猛攻が始まりました。エイロン・デル・ヴァイエのロングシュートで先制すると、そこから前半だけで3-0とリードし、後半にはトレンガヌに1点を返されるものの、エイロン選手がトレンガヌ守備陣の裏に抜けてこの試合2点目を決め、最後は第2キーパーのサミュエル・サマーヴィルにまで今季初出場の機会を与える余裕を見せるなど、一方的な試合展開でスランゴールが連勝を4に伸ばしています。

2023年4月18日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:1,630人
ペナン 2-0 クランタン・ユナイテッド
⚽️ペナン:ニック・アキフ(48分)、ラファエル・ヴィトール(58分)
🟨ペナン:カイルル・アクマル・ロキシャム 、アズミール・アリス
🟨クランタン:アリフ・アル=サイード、ファンディ・オスマン
MOM:ラファエル・ヴィトール(ペナン)

 前節第8節まで2勝2分4敗のペナンは、その2勝をいずれもホームで記録していますが、この日も直近の4試合中でホーム3試合目となったこの試合でも、今季未勝利のクランタン・ユナイテッドに勝利し、3勝全てがホームでの勝利となりました。一方のクランタン・ユナイテッドは3月13日の第4節以降は、FAカップも入れると6試合連続でアウェイマッチが続くなど、かなり不公平とも言える日程にも苦しめられ、またケガ人が続出していることから、この日はベンチ入りが18名と規定より2名少ないなど試合前から不利な状況でした。
 さらにクランタン・ユナイテッドにとって痛かったのは、ここまでチームの全試合に先発していた守備的MFモルガロ・ゴミスが開始わずか8分でケガで交代退場となったことでした。そうでなくとも選手層が薄いクランタン・ユナイテッドにとってはこの交代が大きなダメージ、一方のペナンにとっては大きなチャンスとなりました。前半は両チームが互角に渡り合ったものの、後半にペナンが48分に先制すると徐々にペナンが試合を優勢に進め、その後も1点を加えたペナンが逃げ切っています。
 第7節を終えて未勝利だったクランタン・ユナイテッドはトマス・トルチャ監督を「休養」させ、ナズルラーワン・マクモル コーチが監督代行として指揮を取っていますが、その結果は3試合連続0封の3連敗と状況は改善していません。

2023年4月19日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:5,210人
サバ 6-1 クランタン
⚽️サバ:ダニエル・ティン2(4分、11分)、ダレン・ロック(48分)、バドロル・バクティアル(61分)、スチュアート・ウィルキン(75分)、テルモ・カスタニェラ(90+1分)
⚽️クランタン:ミゲル・シフエンテス(46分)
🟨サバ:リザル・ガザリ、テルモ・カスタニェラ
🟨クランタン:ヌハ・マロング、マリオ・アルケス、アリプ・アミルディン
MOM:ダニエル・ティン(サバ)

 サバが4試合ぶりの勝利で4位に浮上。
 直近の3試合では1分2敗、得点1失点7と苦しんでいたサバが、その鬱憤を晴らすかのようにクランタンを一蹴し、4試合ぶりの勝利を挙げるとともに、ホームでは4連勝を記録しています。開始4分でダニエル・ティンのゴールで先制したサバは、その7分後にもティン選手が2点目を挙げると試合の主導権を一度も渡さず、完勝しています。
 オーナーがクラブの売却を示唆するなど、ピッチ内だけでなくピッチ外でも問題を抱えるクランタンは、この試合でも大量失点で敗れ、開幕からの9試合で失点が31とリーグ最多となりました。

2023年4月19日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:1,147人
ペラ 1-1 ヌグリスンビラン
⚽️ペラ:アリフ・ジクリ(5分)
⚽️ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ(70分)
🟨ペラ:なし
🟨ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ、ハスブラー・アブ・バカル
MOM:レヴィ・マディンダ(ヌグリスンビラン)

 ペラが5試合ぶりの勝点、ヌグリスンビランは相変わらずの得点力不足に泣く。
 4連敗中のペラはアリフ・ジクリのゴールで先制すると、その後も好機を作りますが、追加点をあげられないまま試合は後半へ。後半に入るとヌグリスンビランが試合のペースを掴み、70分に同点には追いつきますが、若手主体のペラ相手に追加点を挙げることができずに引き分けています。

2023年4月19日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:1,705人
PDRM 0-1 ジョホール
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ(61分)
🟨PDRM:ファクルル・アジム・ズルファター、マーカス・マコーレー、チョン・ミン・ウー
🟨ジョホール:なし
🟥PDRM:チョン・ミン・ウー(🟨x2)
MOM:ノー・ハキム・ハミドン(PDRM)

 PDRMのGKの攻守と超守備的戦術に苦しみながらもジョホールが辛勝で開幕9連勝。
 この両チームは5日前にはFAカップ2回戦で対戦し、その際には3-0でホームのジョホールが勝利しています。しかもリーグ戦では今季ここまでの8試合で36得点とその攻撃力に絶対の自信を持つジョホールをホームに迎えたPDRMが取ったのは、警察が母体のチームということもあってか(笑)徹底した「バリケード」でした。その結果、ボールの保持率はジョホールが78%でPDRMが22%、シュート数はジョホールの13に対してPDRMは0、コーナーキックはジョホールの11に対してPDRMは0と、徹底期に守り切ったPDRMがジョホールを今季最小得点の1点に抑えて、大敗を逃れています。
 ちなみにこの試合ではジョホールが勝利したものの、MOMはPDRMのGKノー・ハキム・ハミドンが獲得しています。21歳のノー・ハキム選手はこの試合が今季初出場の初先発ながら、ベルグソン・ダ・シルヴァのPKを止めただけでなく、ファイインセーブを連発して失点を防いでいます。元ジョホールのノー・ハキム選手に加え、4月19日はサバのダニエル・ティン、ヌグリスンビランのレヴィ・マレンダといったジョホールから期限付き移籍中の選手がいずれもMOMを獲得しており、ジョホールの影響力が感じられる日になりました。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して、80分に交代しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第9節終了時)

順位チーム勝点
1JDT99003713627
2SEL97112291322
3SRP9540156919
4SAB95222213917
5KDA95131514116
6TRE94141211413
7KLC83321112-112
8PEN93241415-111
9NSE82421015-510
10PDRM9315712-510
11PRK9135517-126
12KCH9117418-144
13KEL91171031-214
14KLU9027515-102
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第9節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)8341959
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)7171309
3アリフ・アイマン(JDT)515859
ステファノ・ブルンド(SRP)518809
パク・テス(SAB)514707
6スーニー・サアド(PEN)4211008
ジョーダン・ミンター(TRE)410616
ジオゴ(JDT)411626
フアン・ムニス(JDT)4181007
クパー・シャーマン(SRP)413529
ダニエル・ティン(SAB)44417
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアFAカップ
2回戦結果とハイライト映像-M3リーグのチームは姿を消し、ベスト8は全てスーパーリーグのチームが占める

4月14日と15日に2023マレーシアFAカップの2回戦が行われています。FAカップは日本の天皇杯に当たる、1部スーパーリーグ以外のチームも参加する大会です。コロナ以前は4部や5部に当たるM4リーグやM5リーグのチームも出場していましたが、コロナ以降は規模が大幅に縮小され、今季はスーパーリーグの14チームと3部に当たるM3リーグ14チームから選ばれた6チームの計20チームのみが出場しています。(2部プレミアリーグは今季は中止)なおこの2回戦ではM3リーグの全チームが敗退し、ベスト8は全てスーパーリーグのチームが占めています。
 また5月27日と28日に予定されている準々決勝のカードはジョホール対ペナン、ヌグリスンビラン対スランゴール、トレンガヌ対クランタン、そしてサバ対KLシティに決定しています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月14日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:9,429人
ジョホール・ダルル・タジム 3-0 PDRM
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(3分、12分PK)、レンドロ・ヴァレスケス(27分)
🟨ジョホール:フェロズ・バハルディン、レアンドロ・ヴァレスケス
🟨PDRM:イザク・イズハン、アミル・サイフル・バデリ、マーカス・マコーレー、ウチェ・アグバ
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール)

リーグ1位のジョホールと7位のPDRMの対戦は、順当にジョホールが勝利し、ベスト8進出を決めています。ジョホールの先制点は3分でした。右サイドを上ったアリフ・アイマンとワンツーを決めたベルグソン・ダ・シルヴァがファーポストへ走ったところへ、そのアリフ選手が絶妙のクロスを上げます。これをドンピシャのタイミングでベルグソン選手が頭で合わせとゴールが決まりました。2点目と3点目は、今季先発となったアキヤ・ラシドがいずれもゴール前で倒されてPKを獲得したものでした。ベルグソン選手とレアドロ・ヴァレスケスがそれぞれPKを決め、ジョホールが27分で3-0とPDRMを引き離しました 。
 それでも後半は徐々にペースを掴み始めたPDRMがそれ以上の失点を許さなかったものの、ジョホールゴールを破ることもできず、試合はこのまま3-0で終了しています。
 ジョホールはアキヤ選手やここまでリーグ戦では全く出番のなかったGKファリサル・マーリアスを今季初先発となった起用する一方で 、リーグ戦全試合の8試合に先発しているジョルディ・アマトを前半で交代させるなど、相変わらず選手層の厚さを見せつけました。なおこの両チームは、4月19日にスーパーリーグ第9節で再び対戦します。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して65分に交代しています。

2023年4月14日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンムスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5,150人
トレンガヌ 4-0 マラッカ
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(6分)、ハキミ・アブドラー(71分)、ジョーダン・ミンター2(82分、90+3分)
🟨トレンガヌ:アザム・アズミ、ドマゴイ・プシッチ
🟨マラッカ:ユワラサン・マニオム、リズワン・ラザリ
MOM:ジョーダン・ミンター(トレンガヌ)

リーグ6位のトレンガヌとM3リーグ7位(14チーム中)のマラッカの対戦は、リーグ戦でも好調のジョーダン・ミンターの2ゴールなどでトレンガヌが圧勝しています。格下のマラッカ相手ということで、この日は若手を積極的に起用したトレンガヌのトミスラフ・スタインブリュックナー監督の期待に応え、昨日発表になった東南アジア競技大会通称シーゲーム出場のU22代表候補に選ばれたGKラーディアズリ・ラハリム、DFアザム・アズミ、DFサフワン・マズランに加え、MFシャフィク・イスマイル、DFハイリー・ハキム、FWエンク・ヌル・シャキルらも勝利に貢献して活躍しています。
 給料未払い問題により、昨季はスーパーリーグ10位に終わりながら、今季のクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドに代わり、新設チームとして今季から3部に当たるM3リーグに参加しているマラッカ。3部ながらポルトガル出身のペドロ・イポリト監督を招聘するなど積極的ですが、創設4ヶ月のチームにはトップリーグでの経験がある選手がほとんどおらず、スーパーリーグの壁はまだまだ厚かったようです。

2023年4月14日@MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
観衆:567人
マンジュンシティ 0-3 クランタン
⚽️クランタン:マリオ・アルケス(33分)、ヌハ・マロング2(59分、90分)
🟨マンジュンシティ:ファリス・アリフィン、ワン・モハマド・イザト・ワン・ザイディ
🟨クランタン:ヌハ・マロング、アリプ・アミルディン、アズファル・アクバル、ハン・ウイチャン、ガファル・アブドル・ラーマン
MOM:ヌハ・マロング(クランタン)

スーパーリーグ11位のクランタン対M3リーグ10位で今季未勝利のマンジュンシティの対戦は、全然の予想では、ピッチ外での問題に揺れるクランタン相手にマンジュンシティがジャイキリのチャンスもあるのではと言われていたものの、蓋を開けてみればクランタンの勝利に終わっています。それでもシュート数はクランタンの11本に対してマンジュンシティは12本、枠内シュートもクランタンの5本に対しマンジュンシティは3本と、両チームの差はスコアほどの大差ではありませんでした。
 なおクランタンはこの試合の後で、昨季はジョホールでプレーしたDFカルリ・デ・ムルガら外国籍選手2名を含む3名との契約解除を発表するなど、チェ・ムンシク監督解任、フランク・バーンハート監督就任に続くチーム状況の打開策を打ち出しています。

2023年4月14日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:402人
KLシティ 2-0 イミグレセン
⚽️KLシティ:T・サラヴァナン(45+2分)、ロメル・モラレス(83分)
🟨KLシティ:フィルダウス・サユディ、ハキミ・アジム
🟨イミグレセン:ハフィズ・カマル、ハズミ・ザイド、ナスリク・バハロム
MOM:ケニー・パッラジ(KLシティ)

スーパーリーグ8位のKLシティとM3リーグ4位のイミグレセンFCは、セミプロチームで母体がマレーシア入国管理局のイミグレセンFC相手にKLシティが前半ロスタイムまで得点を奪えない試合となりました。前半ロスタイムに相手DFのマークが緩くなった隙をついてT・サラヴァナンのゴールで先制すると、後半には今季リーグ戦では未だゴールのなかったロメル・モラレスが、相手のパスをカットして今季初ゴールを決めるなど、少ないチャンスをものしたKLシティが勝利しています。
 イミグレセンFCはいずれもミスがらみで失点したものの、外国籍選手がいないハンディを感じさせない善戦を見せましたが、スーパーリーグの壁は破れませんでした 

2023年4月15日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:315人
クチンシティ 0-4 ペナン
⚽️ペナン:ソーニー・サアド(10分)、ラファエル・ヴィトール(48分)、ハディン・アズマン(65分)、ジオヴァニ・ゴメス(90+5分)
🟨クチンシティ:ラフィイザン・ラザリ、アダム・シリーン・タムビ
🟨ペナン:アスナン・アフマド
MOM:ソーニー・サード(ペナン)

スーパーリーグ12位のクチンシティと同10位のペナンの対戦となったこのカードは、アウェイのペナンが快勝しています。リーグ戦ではクチンシティ1勝、ペナン2勝とほぼ成績が変わらない両チームですが、クチンシティは開幕戦で勝利して以降は引き分けを挟んで6連敗中、一方のペナンは直近の3試合で2勝1敗とチームの勢いの差が違いました。ペナンが開始10分で先制すると、そのまま試合のペースを掴み、効果的に追加点を挙げてクリンシティを振り切っています。
 数字的には枠内シュート数も含め両チームに差はなかったですが、リーグ戦では1試合平均1.5点を挙げているペナンと、同じく1試合平均では0.5点のクチンシティの差が出た試合でした。なお、この試合の後、クチンシティのイルファン・バクティ監督はチームに対して辞任を申し出たものの、慰留されたという報道もありました。
 クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

2023年4月15日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:4,500人
サバ 2-0 クランタン・ユナイテッド
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(13分)、スチュアート・ウィルキン(59分)
🟨サバ:なし
🟨クランタン:なし
MOM:リザル・ガザリ(サバ)

スーパーリーグ5位のサバと同14位で最下位のクランタン・ユナイテッドの対戦は、直近の3試合で勝星がないなど調子を落としていたサバが、リーグでは唯一に未勝利チームであるクランタン・ユナイテッドを破っています。
 この試合のヒーローは、今季2度目の先発となったベテランMFバドロル・バクティアルでした。本来の司令塔の役割を果たしながら、ゴール前にも出没するなど35歳とは思えないほど積極的にプレーして、ジョホール戦での大敗から調子を崩していたチームの勝利に貢献しています。、

2023年4月15日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:497人
ヌグリスンビラン 2-0 PIBシャーアラム
⚽️ヌグリスンビラン:カサグランデ(52分)、シャーレル・フィクリ(81分)
🟨ヌグリスンビラン:ハスブラー・アブ・バカル、アナス・ラーマット
🟨PIB:アリフ・ハイカル
MOM:カサグランデ(ヌグリスンビラン)

スーパーリーグ9位のヌグリスンビラン対M3リーグ12位のPIBシャーアラムの対戦は、ヌグリスンビランが貫禄を見せ、M3リーグ最後のチームとなったPIBシャーアラムを破って準々決勝進出を決めています。
 チーム合流が遅れたものの徐々に調子を上げてきたカサグランデ、そしてケガからの回復が順調な元リーグ得点王のシャーレル・フィクリと、チームが期待する2人が挙げた2ゴールを守ったヌグリスンビランは、リーグ戦ではここまでの7試合で9ゴールと得点力不足に苦しんでおり、この両FWの復調は今後に向けての好材料と言えそうです。

2023年4月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:5,106人
スランゴール 4-0 スリ・パハン
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル2(41分、59分)、ファイサル・ハリム(67分)、ブレンダン・ガン(72分)
🟨スランゴール:クエンティン・チェン、ムカイリ・アジマル
🟨パハン:バキウディン・シャムスディン、アズワン・アリピン
MOM:ムカイリ・アジマル(スランゴール)

スーパーリーグ2位と3位の対戦となったこの試合は、2位のスランゴールが3位のパハンに結果だけでなく内容でも圧倒して勝利しています。リーグ戦では首位のジョホールとともに今季未だ負けていないパハンに対して、MFノー・アル=ラワブデ、MFアレックス・アギャルカワ、DFシャルル・ナジームの主力を欠くスランゴールのタン・チェンホー監督は時間をかけてボームを回し、パハンが攻め上がってきたところにカウンターを仕掛ける戦術を選択しますが、これが功を奏しました。前半終了間際にムカイリ・アジマルが放ったミドルシュートをパハンGKのイズハム・タルミジが捕球ミスしてスランゴールが先制すると、後半にはムカイリ選手が今度はクエンティン・チャンとの右サイドのワンツーから2点目のゴールを決めてリードを広げると、その後も得点を重ねたスランゴールがパハンを圧倒しました。