6月12日のニュース
今月のFIFAカレンダー出場の代表候補27名が発表
ラダメル・ファルカオがジョホールオーナーを訪問-獲得へ一歩前進か

今月のFIFAカレンダー出場の代表候補27名が発表

6月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)で、マレーシア代表は6月14日にソロモン諸島代表、6月20日にパプアニューギニア代表とそれぞれ対戦しますが、マレーシアサッカー協会FAMは、この試合に先立って行われる代表候補合宿に参加する27名を公式サイトで発表しています。

ハリマウ・マラヤ(日本語では「マレーの虎」)の愛称で知られるマレーシア代表は、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場がホームですが、年初から始まっているピッチ張り替えを含めた改修工事が続いています。このため3月のFIFAカレンダーはジョホール・ダルル・タジムのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)で開催されましたが、今月の代表戦はいずれもトレンガヌFCのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)で開催されます。なお一昨日6月10日から始まっている代表候補合宿もトレンガヌ州のクアラ・トレンガヌで行われています。

今回の代表合宿に招集されたメンバーですが、今年3月のFIFAカレンダー前に行われた代表候補合宿参加27名中、17名が再び招集されています。今回招集されていないメンバーには、タイ1部で今季国内三冠を達成したブリーラム・ユナイテッドでプレーするDFディオン・コールズがいますが、今回は自身の結婚式を理由に合宿参加を辞退しています。

また、前回3月の合宿には招集されず、今回の合宿に招集されている10名は、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップに出場したFWサファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC退団)、MFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アジム(KLシティFC)、DFアザム・アズミ(トレンガヌFC)、MFリー・タック(クダ・ダルル・アマンFC)の5名の他、実に2018年3月以来の招集となったMFナチョ・インサ(ジョホール・ダルル・タジム)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部プラチュワップFC退団)、FWシャーレル・フィクリ(ヌグリスンビランFC)、GKアズリ・アブドル・ガニ(KLシティFC)、そして今回が初招集となるMFシャヒール・バシャー(スランゴールFC)となっています。

ポジション氏名年齢所属
GK シーハン・ハズミ27JDT
DF シャールル・サアド30JDT
DFラヴェル・コービン=オング32JDT
MFアリフ・アイマン21JDT
FWアキヤ・ラシド24JDT
DFマシュー・デイヴィーズ28JDT
DFシャーミ・サファリ25JDT
MFシャマー・クティ・アッバ26JDT
DFフェロズ・バハルディン23JDT
MFエンドリック・ドス・サントス28JDT
MFナチョ・インサ37JDT
FWサファウィ・ラシド26JDT
DFジュニオール・エルドストル32JDT
FWファイサル・ハリム25SEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
MFシャヒール・バシャー22SEL
DFドミニク・タン26SAB
MFスチュアート・ウィルキン25SAB
DFダニエル・ティン31SAB
MFパウロ・ジョズエ34KLC
FW.ハキミ・アジム20KLC
GKアズリ・アブドル・ガニ24KLC
GKシーク・イズハン21NSE
FWシャーレル・フィクリ29NSE
DFアザム・アズミ22TRE
MFリー・タック35KDA
MF. ノーア・レイン21SJK
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、SJK-セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(フィンランド2部)

ラダメル・ファルカオがジョホールオーナーを訪問-獲得へ一歩前進か

マレーシア語紙ブリタハリアンは、元コロンビア代表のラダメル・ファルカオがマレーシアスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下を訪問したと報じています。

マレーシアスーパーリーグで前半を終えて2位に勝点差11をつけて首位を独走するジョホールには、アトレティコ・マドリードやモナコなどでプレーしたファルカオ選手については、これまでもジョホール加入が噂されており、今回の訪問もイスマイル殿下自身がインスタグラムへの投稿で明らかにしています。

マレーシアスーパーリーグのトランスファーウィンドウは来月7月5日から8月1日までとなっていることから、ACLでは昨季のベスト16を上回る結果を目指すジョホールが37歳とピークは超えたとはいえ、実績抜群のストライカーを獲得することは大いに考えられます。

2023マレーシアスーパーリーグ第14節
結果とハイライト映像-ジョホールは14連勝で首位堅持、PDRMはサバを破り3連勝、前節初勝利のクランタンUはスランゴールに大敗

マレーシアスーパーリーグは6月7日から9日に今季第14節が開催されています。今季は14チームでスタートしたスーパーリーグは今節より後半戦に突入しますが、開幕からの13試合で得点51失点1という驚異的な成績で前半戦を13連勝で終えたジョホール・ダルル・タジムの強さは際立っており、2位スランゴールとの勝点差は既に11と開き、今季の興味は優勝争いからAFCカップ出場権のかかる2位争いへと移っています。なお、今節予定されていたクチンシティ対クランタンの試合は、7月21日に変更になっています。
 また今月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)でソロモン諸島、パプアニューギニアの両代表と対戦するマレーシア代表候補27名も発表されており、今節はこの27名のプレーの様子なども併せて書いていきます。
 なおこのFIFAカレンダーにより、スーパーリーグはおよそ2週間中断し、6月23日の第15節から再開します。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月7日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,242人
クランタン・ユナイテッド 1-7 スランゴール
⚽️クランタン:デヴィッド・シルヴァ(75分PK)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(4分)、エイロン・デル・ヴァイエ3(10分、45分、79分)、ファイサル・ハリム(29分)、ヨハンドリ・オロスコ(51分)、アリフ・イズワン(78分)
🟨クランタン:インドラ・プトラ、S・シャーヴィン、
🟨スランゴール:なし
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 前半戦最後となった前節第13節で待望の今季初勝利を挙げたクランタン・ユナイテッドがホームにスランゴールを迎えた試合は、やはり前節にPDRMにまさかの敗戦を喫したスランゴールがその鬱憤を晴らすかのように、今季リーグ最多タイとなる7ゴールを挙げて圧勝しています。
 今月のFIFAカレンダーを前に10日から始まるマレーシア代表候補合宿にも招集されているU23代表のキャプテン、ムカイリ・アジマルが開始4分でスランゴールの先制ゴールを決めると、10分には1点目をアシストしたエイロン・デル・ヴァイエがペナルティエリアの外から放ったシュートが決まり、スランゴールはリードを広げます。さらに28分にはやはり代表合宿に招集されているファイサル・ハリムのゴール、そして45分には再びエイロン・デル・ヴァイエがロングシュートを決め、前半はスランゴールが4-0として折り返しました。
 後半もスランゴールは手を抜かず、チームに欠かせない存在になりつつあるヨハンドリ・オロスコが51分にゴールを挙げて5-0としますが、クランタン・ユナイテッドは78分に得たPKを決めてその差を4点とします。ちなみにペナルティエリア内でクランタン・ユナイテッドのヤン・ヴィクトルを倒してこのPKを与えたのは、これまた代表候補のシャヒール・バシャーでした。しかしその後もスランゴールはU19代表のアリフ・イズワンが今季初ゴール、そしてその1分後にはエイロン・デル・ヴァイエがハットトリック達成となるこの試合3点目を決め、終わってみればスランゴールが7-1と圧勝しています。

2023年6月7日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:7,320人
クダ・ダルル・アマン 3-0 ペラ
⚽️クダ:アミルベク・ジュラバエフ2(26分、54分)、ウィリアン・リラ(67分)
🟨クダ:アミルル・アフィク、リー・タック、アリフ・ファルハン
🟨ペラ:サンディ・アフォラビ
MOM:アミルベク・ジュラバエフ(クダ・ダルル・アマン)

 クダは唯一の代表候補に選ばれたリー・タックからのクロスをウィリアン・リラがゴール前に落とすと、それをアミルベク・ジェルバエフが押しこんで25分に先制すると、後半の54分には再びタック選手からのクロスをこの度はアミルベク選手が頭で合わせてゴール!さらに67分には、タック選手のコーナーキックをリラ選手がヘディングシュート。これも決まってクダが3-0で快勝しています。

2023年6月8日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:人
ペナン 1-1 KLシティ
⚽️ペナン:ジオバネ・ゴメス(45+1分)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(7分)
🟨ペナン:ザーリル・アズリ、アディブ・ラオプ、ラフマット・マカスフ
🟨KLシティ:ケニー・パッラジ、ザフリ・ヤハヤ、セバスチャン・アヴァンジーニ、ライアン・ランバート
🟥ペナン:ラフマット・マカスフ(🟨x2)
🟥KLシティ:ジャンカルロ・ガリフオコ
MOM:アディブ・ラオプ(ペナン)

 3連敗中のペナンが2連勝中のKLシティをホームに迎えた試合は、最後は共に10人となった両チームが引き分けています。
 途中1部と2部に分かれるなど対戦がなかった時期があるものの、KLシティが最後にペナンのホームで勝利したのは1987年と36年前のことでした。しかしこの試合は、代表候補に選ばれたパウロ・ジョズエからのパスを受けたチェチェ・キプレがペナンDF2人を振り切って、自身のMリーグ通算100得点目となるゴールを決め、開始7分でKLシティが先制しました。一方のペナンはソニー・サアドを中心にKLゴールを狙いますが、代表候補のGKアズリ・アブドル・ガニに代わってこの試合に先発したU23代表GKアジム・アル=アミンが好守を見せて得点には至りません。しかし前半終了間際のロスタイムにアディブ・ラオプのシュートがKLシティDFに当たって跳ね返ったボールをジオバネ・ゴメスが押し込み、ペナンが同点に追いつきます。
 後半に入ると74分にはKLシティのジャンカルロ・ガリフオコがプロフェッショナルファウルで1発退場となり、ペナンが数的有利になったもののそれを活かせず、後半ロスタイムにはKLシティのライアン・ランバートと揉めたラフマット・マカサフが2枚目のイエローで退場となってしまいます。このプレーでペナンはフリーキックを得ますが、ゴメス選手のシュートは枠内に飛んだもののGKアジム選手が反応よくこれを防ぎ、試合は1-1で終了しています。なおKLシティで代表候補に選ばれたもう1人のザフリ・ヤハヤは前半で後退しています。

2023年6月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:986人
PDRM 1-0 サバ
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(26分)
🟨PDRM:アミルル・サイフル、アリフ・ナジミ・シャアイニ
🟨サバ:ダニエル・ティン、ガリー・スティーヴン・ラバト、ラウイルソン・バトゥイル
MOM:アリフ・ナジミ・シャアイニ(PDRM)

 PDRMがホームでサバも撃破し今季初の3連勝。一方のサバは2連敗となっています。
 前節は2位のスランゴールを破ったPDRMは、現在3位のクダにも勝利していますが、この試合でも上位チームキラーぶりを発揮しています。
 試合はサバが優勢にするめるものの、前節は総得点リーグ2位のスランゴールを完封した守備陣がこの試合でも選手たちが身体を張ってボールを止め、バドロル・バクティアルやパク・テスらにシュートを打たれながらも失点を許しません。そして試合が動いたのが25分でした。PDRMはカウンターからサフィー・アフマドがサバDFの裏へ出したパスにナビル・ラトピが反応し、サバDFに競り勝って蹴り込みゴール!PDRMに先制を許したサバは、相手ゴールを目指しますが、PDRMの守備陣が最後まで守り切って3連勝を果たしています。一方のサバは代表候補のドミニク・タン、ダニエル・ティン、スチュアート・ウィルキンの3選手がいずれも目立った活躍ができず、この日の敗戦で今季のアウェイ通算成績が1勝2分4敗となっています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は60分から交代出場し、最後までプレーしています。

2023年6月9日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:2,877人
スリ・パハン 4-3 ヌグリスンビラン
⚽️パハン:ステファノ・ブルンド2(24分PK、90分)、デヴィッド・ローリー(80分)、クパー・シャーマン(90+4分)
⚽️ヌグリスンビラン:エラルド・グロン(8分)、シャーレル・フィクリ(15分)、カサグランデ(24分)
🟨パハン:ズハイル・アイザット
🟨ヌグリスンビラン:シーク・イズハン、ハリズ・カマルディン、ナスルラー・ハニフ、カサグランデ、ハスブラー・アブ・バカル
MOM:ステファノ・ブルンド(スリ・パハン)

 両チーム合わせて7ゴールの試合はパハンが2点差を逆転して連敗を2で止めています。
 第11節までは今季無敗だったパハンは、第12節でジョホールに敗れると、第13節ではKLシティににも敗れて2連敗。一方のヌグリスンビランは直近の4試合を2勝2分と調子を上げています。この試合は序盤は両チームの勢いの差が現れ、原因不明の体調不良による欠場から5試合ぶりに復帰したエラルド・グロンのヘディングシュートでアウェイのヌグリスンビランが8分に先制しました。さらに15分にはこのグロン選手のパスをゴール前でカサグランデが落としたところを代表候補のシャーレル・フィクリが蹴り込んで、ヌグリスンビランがリードを広げます。パハンもステファノ・ブルンドのPKで1点を返しますが、ヌグリはすぐさまカサグランデのゴールで再びリードを広げて前半を終えます。
 後半もパハンは好機を作りながらゴールを破れず、このままヌグリスンビランが逃げ切るかとお話割れましたが、攻守でチームを支えていたエラルド・グロンが69分にケガで退場すると、状況は一変しました。80分にデヴィッド・ローリーのゴールで1点差に迫ったパハンは、90分にブルーノ選手がペナルティエリアの外からフリーキックを決めて同点に追いつくと、ロスタイムにはゴール前へのロングスローにクパー・シャーマンが頭で合わせて逆転ゴールを決めています。代表候補のシーク・イズハンは試合終了前の10分で3ゴールを許し、ヌグリスンビランは手中にしていた勝利を逃しています。

2023年6月9日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:10,819人
トレンガヌ 1-3 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️トレンガヌ:ソニー・ノルデ(28分)
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ(21分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(45+2分)、エンドリック・ドス・サントス(90+4分)
🟨トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ
🟨ジョホール:アフィク・ファザイル
🟥トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ(🟨x2)、イヴァン・マムート
MOM:ハビブ・ハルーン(トレンガヌ)

 先日発表された代表候補13名(!)を擁するジョホールが一度は追い付かれながらも、審判の力を借りて開幕からの連勝を14に伸ばしています。
 ジョホールはGKシーハン・ハズミを筆頭に、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズの左右サイドバック、センターバックのフェロズ・バハルディン、右ウィングのアリフ・アイマンの5名の代表候補が先発、一方のトレンガヌもU23代表と兼任の右サイドバック、アザム・アズミが先発しています。
 試合は21分にリーグ得点王のフェルナンド・フォレスティエリがペナルティエリアの外から見事なバイシクルキックでゴールを決め、ジョホールが先制しますが、トレンガヌも28分にソニー・ノルデのフリーキックが決まり、すぐさま同点に追いつきます。しかしこのまま前半終了かと思われたロスタイムに自陣ペナルティエリア内でノルデ選手がアリフ・アイマンを後ろから引っ掛けてPKを与えると、これをベルグソン・ダ・シルヴァが決めて、ジョホールが2-1とリードして折り返します。
 後半に入るとジョホールは、ナチョ・インサとシャマー・クティ・アッバの両代表候補を投入、トレンガヌを突き放しにかかります。一方のトレンガヌは52分に長身センターバックのアルグジム・レゾヴィッチが2枚目のイエローで退場となりますが、パハンのファンディ・アフマド監督は、逆に攻撃的な選手交代を次々と行なって勝負をかけます。しかし審判の判定が全てを台無しにしてしまいました。68分に投入されたFWイヴァン・マムートがマークについたジョホールDFフェロズ・バハルディンを振り払う際に暴力行為があったとして、75分に1発レッドで退場となります。この試合はテレビで見ていましたが、1発レッドは明らかに厳しすぎる判定で、マムート選手にイエロー、あるいは両選手にイエローあたりが妥当なプレーに見えました。この退場劇で9人となったトレンガヌは流石に防戦一方となり、ロスタイムには、途中出場で代表候補のエンドリックにもゴールを決められて万事休す。審判の判定により後味の悪い試合となりましたが、ジョホールは開幕から14連勝、トレンガヌの連勝は2で止まっています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第14節途中)

順位チーム勝点
1JDT1414005425242
2SEL14101337152231
3KDA1491429181128
4SRP148422314928
5SAB1473430201024
6KLC146532218423
7TRE146262018220
8PDRM146171418-419
9NSE144642227-518
10PEN1443717210-415
11PRK142311932-229
12KLU1413101435-216
13KCH13139726-196
14KEL1311111551-364
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第14節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)155628714
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)133224314
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)94218110
4ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ステファノ・ブルンド(SRP)82713013
6ファイサル・ハリム(SEL)72217614
クパー・シャーマン(SRP)72213314
8パク・テス(SAB)6188013
パウロ・ジョズエ(KLC)63318314
チェチェ・キプレ(KLC)6167113
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第13節結果とハイライト映像(2)-首位ジョホールが開幕から13連勝で独走体制に、PDRMは鈴木ブルーノのゴールで2位スランゴールを撃破、3位パハンもKLシティに敗れる

 今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦最後となる第13節の5試合が6月3日と4日に行われています。首位のジョホール・ダルル・タジムは前半戦を全勝の首位で折り返す一方で、2位のスランゴールは10位のPDRMに0-1で、さらに3位のスリ・パハンも7位のKLシティに1-2といずれも敗れ、首位ジョホールと2位スランゴールとの勝点差が今季最大の11まで開き、ジョホールのリーグ10連覇が早くもちらついています。
 なおマレーシアスーパーリーグは次節第14節を終えると、FIFA国際マッチカレンダーとなるため、2週間の中断期間に入ります。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月3日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:1,917人
ペラ 0-3 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:アディサック・クライソーン(6分)、ソニー・ノルデ(16分)、ジョーダン・ミンター(74分)
🟨ペラ:スハイミ・チェ・ハリム
🟨トレンガヌ:リリドン・クラスニキ
MOM:ソニー・ノルデ(トレンガヌ)

 複数年かけての若手育成を理由に、昨季終盤に元マレーシアU16代表監督で、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンではユースコーチを長年務めたリム・ティオンキム氏を監督に据えたペラは、2勝3分9敗となったところで、突然その方針を変更してリム監督を解任、昨季監督を務めながら結果を出せなかったユスリ・チェ・ラーU21監督を昇格させる愚行を改革を行ったペラ。入れ替え戦のない今季こそ、目の前の結果に拘らず育成をする良い機会を自ら手放しています。そんなペラが相手では、今季は安定した戦いができていないトレンガヌですが、背中を痛めて欠場が続いていたアディサック・クライソーンが復帰初戦でゴールを決めるなど、難なく勝利しています。
 ペラのホームで行われたこの試合の観衆は1,917人と今季のホーム7試合中でイスラム教の断食月ラマダン中に開催されたヌグリスンビラン戦の1,147人に次ぐ少なさでした。開幕戦では15,000人以上を集めたペラですが、チームの迷走状態にサポーターも困惑しているのかも知れません。

2023年6月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:4,115人
PDRM 1-0 スランゴール
⚽️PDRM:鈴木ブルーノ(61分)
🟨PDRM:サフィー・アフマド、ナビル・ラトピ、チョー・ミン・ウー、マーカス・マコーレー、ファクルル・アジム
🟨スランゴール:ファイサル・ハリム
MOM:鈴木ブルーノ(PDRM)

 10位のPDRMが2位のスランゴールを破り9位に浮上
 ともにMBPJスタジアムを本拠地とする両チームの対戦は、この試合まで2連勝中のリーグ2位スランゴールが有利というのが戦前の予想でした。蓋を開けてみると、その予想通り、試合開始からスランゴールがPDRMを圧倒し、前半の多くの時間はPDRMサイドでプレーされました。しかしPDRMは190cmを超えるDFジェイムズ・オクウォサを中心に、リーグ得点2位の10ゴールを挙げているスランゴールのエイロン・デル・ヴァイエにシュートをわずか1本しか打たせないなど、勝負どころでは厳しい守備でスランゴールに得点を与えません。しかし、その一方で前線にいる鈴木ブルーノ選手は孤立する場面が多く見られ、PDRMは好機がほとんどないまま前半を終了しました。
 後半に入ってもスランゴール優勢な展開は変わらなかったものの、PDRMは前半以上に厳しい守備とボールを奪ってからのカウンターを見せるなど、前半程は押し込まれる展開とはなりませんでした。そして61分、マーカス・マコーレーからのパスを受けた鈴木選手がそのボールを胸で落としてそのままシュート!これが決まってPDRMが先制します。その後はスランゴールが焦り始める中、時計を進めたいPDRMの選手があちこちで倒れるなどする内に試合終了。PDRMが今季5勝目を挙げると共に順位を一つ上げて9位に浮上。一方のスランゴールは2位のままも、この日も勝利した首位ジョホールとは勝点差11となりました。 

2023年6月3日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:4,115人
ペナン 0-2 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:ラヴェル・コービン=オング(19分)、フェルナンド・フォレスティエリ(85分)
🟨ペナン:ザーリル・アズリ、ラファエル・ヴィトール、ソニー・サアド、A・ナマテヴァン、アズミール・アリス
🟨ジョホール:レアンドロ・ヴァレスケス、アフィク・ファザイル、ベルグソン・ダ・シルヴァ、ナサニエル・シオ、フアン・ムニス
MOM:マシュー・デイヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジム)

 首位ジョホールはこの試合もクリーンシートで勝利し、前半戦13試合の失点がわずか1。その一方で得点は51で1試合平均がおよそ4点で得失差がなんと50点、アマチュアの中に1チームだけプロがあるような状況です。なお敗れたペナンは3試合連続の零封負けで、PDRMと代わって10位に後退しています。

2023年6月4日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:325人
クチンシティ 1-1 ヌグリスンビラン
⚽️クチンシティ:ザールル・ニズワン(8分)
⚽️ヌグリスンビラン:カサグランデ(34分)
🟨クチンシティ:ラメシュ・ライ、イスカンダル・シャー、
🟨ヌグリスンビラン:なし
MOM:ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ(クチンシティ)

 チーム今季7得点目となるザールル・ニズワンの今季初ゴールでホームのクチンシティが1-0とリードしますが、ヌグリスンビランはエースのカサグランデがクチンシティのDF2人に挟まれながらも同点ゴールを決めて前半は1-1で終了します。後半はヌグリスンビランが押し気味に試合を進めるも、両チームともゴールを破れず、試合は引き分けに終わっています。
 クチンシティは前節のKLシティ戦に続く勝点1を挙げています。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2023年6月4日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:4,804人
スリ・パハン 1-2 KLシティ
⚽️パハン:ステファノ・ブルンド(58分PK)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(5分)、パウロ・ジョズエ(76分)
🟨パハン:デヴィッド・ローリー、ファドリ・シャス、
🟨KLシティ:ライアン・ランバート、セバスチャン・アヴァンジーニ
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティ)

 前節の今季無敗チーム同士の対戦となったジョホール戦に敗れて今季初黒星を喫したパハンがこの試合でも敗れて2連敗しています。
 開始5分にチェチェ・キプレのゴールで先制したKLシティが1-0でリードして前半を終えると、アザム・アジー、エゼキエル・アグエロの両司令塔を欠くスリ・パハンは決めてを欠くものの、58分にトップチームデビューとなったKLシティのGKアジム・アル=アミンがゴール前へのクロスを捕球ミスし、さらにそのボールに詰めていたパハンのアズリフ・ナスルルハクを倒してしまい、パハンがPKを得ます。このPKをステファノ・ブルーノが決めて、パハンが同点に追いつきます。しかし、最後に笑ったのはKLシティでした。75分にパハンのペナルティエリアの外で得たフリーキックをキャプテンのパウロ・ジョズエが直接ゴール!この1点を守り切ったKLシティが勝利し、順位をひとつ上げて6位となっています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節終了)

順位チーム勝点
1JDT1313005115039
2SEL1391330141628
3SRP137421911825
4KDA138142618825
5SAB1373330191124
6KLC136432117422
7TRE136251915420
8NSE134631923-418
9PDRM135171318-516
10PEN134271620-414
11PRK132310929-209
12KLU131391328-156
13KCH13139726-196
14KEL1311111551-364
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第13節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)145126713
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)102519113
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)8371619
4ウィリアン・リラ(KDA)73410213
5クパー・シャーマン(SRP)61910213
ステファノ・ブルンド(SRP)62211012
ファイサル・ハリム(SEL)62116413
パク・テス(SAB)6168012
パウロ・ジョズエ(KLC)63117213
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ第13節結果とハイライト映像(1)-クランタンUは今季初勝利で最下位脱出

 今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦最後となる第13節の2試合が6月2日に行われ、いずれもクランタン州を本拠地とする2チームによる「クランタンダービー」は、クランタン・ユナイテッドが今季最多の4ゴールを挙げて快勝しています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月2日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:9,741人
クダ・ダルル・アマン 2-1 サバ
⚽️クダ:リー・タック2(40分、71分)
⚽️サバ:ガブリエル・ペレス(7分)
🟨クダ:ボヤン・シーゲル、リー・タック、イフワット・アクマル
🟨サバ:バドロル・バクティアル、イルファン・ザカリア
MOM:マヌエル・オット(クダ・ダルル・アマン)

 4位サバと5位クダの対戦は、ホームのクダがリー・タックの2ゴールで勝利し、順位を1つ上げて4位となっています。
 クダは今季の正GKカラムラー・アル=ハフィズがベンチ外で、GKイクワット・アクマルが今季初出場で初先発しています。前半はシュート数がクダ11本(枠内2本)、サバ2本(同1本)、前後半合わせるとクダ19本(同5本)、サバ6本(同4本)と、クダが圧倒的な好機を得ながら、サバが7分にバドロル・バクティアルのフリーキックをガブリエル・ペレスが頭で合わせて先制ゴールを決めてリードします。その勢いで攻め込みたいサバでしたが、30分過ぎにジャイルトン・ダ・シルヴァがクダDFボヤン・シーゲルと激しくぶつかり、担架で運び出された後に救急車で搬送されてしまいます。一方クダは40分にマヌエル・イダルゴがサバDFラインの裏に絶妙なクロスを送り、これをリー・タックが飛び出したGKの頭上を超える技ありのシュートで同点に追いつき、前半はこのまま1-1で終了します。
 後半に入ってもクダが攻め続け、71分にはイダルゴ選手のクロスをサバDFがクリアしたものの、それを拾ったタック選手がこの試合2点目のゴールを挙げ、これが決勝点となってクダがサバを破り、サバと交代で4位に浮上しています。

2023年6月2日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:2, 910人
クランタン・ユナイテッド 4-1 クランタン
⚽️クランタン・ユナイテッド:デヴィッド・シルヴァ(21分)、O・J・ポルテリア2(26分、61分)、シャズワン・ザイノン(66分)
⚽️クランタン:イスマイル・アキナーデ(45+4分)
🟨クランタン・ユナイテッド:ラティフ・スハイミ、ファンディ・オスマン、カイルル・アズリン
🟨クランタン:アフザル・アクバル、フランク・バーンハート監督
MOM:O・J・ポルテリア(クランタン・ユナイテッド)

 いずれもスルタン・ムハマド4世スタジアムをホームとする13位のクランタンと14位のクランタン・ユナイテッドが対戦した「クランタンダービー」は、クランタン・ユナイテッドが今季最多の4ゴールを挙げて、待望の今季初勝利を挙げています。
 試合前には、結果が出ていないという理由から給料の50%を支払っていなかったクランタンのオーナーが、未払い分を支払うことを表明したことから、クランタンの選手たちのモチベーションがどれくらい上がるのかが期待されましたが、この試合ではそれが見える形には現れませんでした。
 開始10分で既にピッチの一部に水が浮くほどの豪雨の中で行われたこの試合は、試合開始から両チームが激しくせめぎ合う展開となりましたが、滑りやすくなったピッチで共にボールコントロールに苦しむ中、21分に右サイドからのカウンターで前線にボールを運んだクランタン・ユナイテッドは、シャズワン・ザイノンのクロスはクランタンGKに弾かれたものの、そのボールはゴールポストに当たって跳ね返りゴール前に詰めていたデヴィッド・シルヴァの足元へ。これをシルヴァ選手が落ち着いて決め、クランタン・ユナイテッドが先制します。さらにその5分後にはO・J・ポルテリアが2試合連続となるゴールを決めて、クランタン・ユナイテッドはリードを広げます。その後は雨が強まり、試合は38分から1時間以上中断しましたが、前半終了間際のロスタイムに、相手ペナルティーエリアでクランタンのミゲル・シフエンテスがスハイミ・ラティフに倒されて得たPKをイスマイル・アキナーデが決めて、前半はクランタン・ユナイテッドが2-1とリードして終了しました。
 後半に入ってもクランタン・ユナイテッドは攻撃の手を緩めず、61分にはO・J・ポルテリアがゴール前の混戦から溢れたボールをペナルティエリアの外から豪快に蹴り込み、この試合自身2点目となるゴールを決めると、その5分後にはシャズワン・ザイノンがダメ押しのゴール。終盤に反撃姿勢を見せたクランタンでしたが、シュートも枠を捉えることができずに敗れて今季初の最下位に転落しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節途中)

順位チーム勝点
1JDT1212004914836
2SEL1291230131728
3SRP12741189925
4KDA138142618825
5SAB1373330191124
6KLC115431916319
7TRE125251615117
8NSE124531822-417
9PEN124261618-214
10PDRM124171218-613
11PRK12237926-179
12KLU131391328-156
13KCH12129625-195
14KEL1211101447-334
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第13節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)134525712
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)102419112
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)8341518
4ウィリアン・リラ(KDA)73210212
5クパー・シャーマン(SRP)61910212
ファイサル・ハリム(SEL)61916412
パク・テス(SAB)6168011
8アリフ・アイマン(JDT)5209912
フアン・ムニス(JDT)52012010
ステファノ・ブルンド(SRP)52110011
スーニー・サアド(PEN)53316011
パウロ・ジョズエ(KLC)53016212
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

マレーシアFAカップ
準々決勝の結果とハイライト映像-ベスト4はジョホール対スランゴール、トレンガヌ対KLシティに決定

5月27日と28日にマレーシアFAカップ2023の準々決勝4試合が行われ、リーグ戦では首位を快走するジョホール・ダルル・タジム、2位のスランゴール、6位のKLシティ、7位のトレンガヌがベスト4進出を決めています。
 準決勝の2試合のカードは6月24日にジョホール対スランゴールがジョホールのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで、6月25日にトレンガヌ対KLシティがトレンガヌのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで予定されています。
 (試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月27日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5,263人
トレンガヌ 4-2 クランタン
⚽️トレンガヌ:アザム・アズミ(17分)、イヴァン・マムート(41分)、ソニー・ノルデ(52分)、シャフィク・イスマイル(82分)
⚽️クランタン:イスマヒル・アキナーデ2(45分、63分PK)
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム、ハビブ・ハルーン、サルドール・クルマトフ
🟨クランタン:なし
MOM:イスマヒル・アキナーデ(クランタン)

 昨季のFAカップのセミファイナリスト、トレンガヌが順当に勝利して準決勝進出を決めています。
 マレー半島東海岸に面し、互いに隣接しているクランタン州とトレンガヌ州に本拠地を持つ両チームの対戦は「東海岸ダービー」として知られていますが、この日の試合は気温32度と暑さが残る午後5時というMリーグでは珍しい時間に始まりました。
 リーグ7位のトレンガヌは、同13位のクランタンを相手に17分にU23代表アザム・アズミの強烈なゴールで先制すると、41分にはクランタンGKの位置をよく見ていたイヴァン・マムートがGKの頭上を浮き球で越える技ありの2点目のゴールを挙げて、クランタンを引き離します。しかし前半終了間際にクランタンもトレンガヌDFを振り切ったイスマヒル・アキネードがゴールをねじ込み、前半はトレンガヌが1点をリードして終了します。
 後半に入ると司令塔ハビブ・ハルーンからのパスを受けたソニー・ノルデがクランタンGKを落ち着いてかわしてゴールを決め、トレンガヌが再びリードを広げます。クランタンは64分にアキネード選手が2点目となるPKを決める1点差に詰め寄るものの、トレンガヌもU23代表のシャフィク・イスマイルがペナルティエリアの外から強烈なゴールを決めて4-2とすると、試合はそのまま終了。若い選手と外国籍選手がうまく連動したトレンガヌが準決勝進出を決めています。
 しかしトレンガヌにとって残念なのは、4点目を決めたシャフィク・イスマイルがゴールを決めた5分後に膝を痛めて交代しましたが、診断の結果は膝前十字靱帯ACL断裂でした。今季の残り試合捨城が絶望となっただけでなく、主力として活躍するU23代表にとっても東南アジアAFF U23選手権、AFC U23アジアカップ予選と重要な試合が控える中でのシャフィク選手のケガはトレンガヌだけでなく、U23代表にとっても大きな痛手となります。

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月27日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:5,263人
ヌグリスンビラン 1-3 スランゴール
⚽️ヌグリスンビラン:サフワン・バハルディン(1分)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(3分)、ヨハンドリ・オロスコ2(60分、87分)
🟨ヌグリスンビラン:ナスルラー・ハニフ
🟨スランゴール:なし
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴール)

 ホームのヌグリスンビランはゴール前へのロングスローに走り込んできたサフワン・バハルディンが頭で合わせてゴール!わずか開始1分でヌグリスンビランが先制します。意表をつかれたスランゴールでしたがその3分後、ファイサル・ハリムからのパスを受けたムカイリ・アジマルがエイロン・デル・ヴァイエとのパス交換からDFをかわしてゴールを決め、スランゴールが追いつきます。そこからはスランゴールがヌグリスンビランを圧倒しますが、スランゴールから期限付き移籍中のヌグリスンビランGKシーク・イズハンの攻守もあり得点は奪えず、前半は1-1のまま終了します。
 後半に入ってもスランゴール優位で試合が進む中、60分には相手DFのクリアミスを奪ったヨハンドリ・オロスコがゴールを決めてスランゴールがリードすると、さらにオロスコ選手は87分にも今度は左足でゴールを決め、スランゴールがベスト4に進出しています。

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月28日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:6,797人
サバ 1-2 KLシティ
⚽️サバ:ガブリエル・ピレス(6分)
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(30分)、T・サラヴァナン(44分)
🟨サバ:なし
🟨KLシティ:デクラン・ランバート
MOM:アジム・アル=アミン(KLシティ)

 リーグ戦では5戦負けなしと調子を上げてきたサバですが、この試合ではサディル・ラムダニがケガのためベンチ外、カン・ミンコとイルファン・ザカリアもやはりケガでベンチスタートとなるなど、苦しいメンバーでの試合を強いられたサバでしたが、それでも試合はサバのペースで進み、先制点もサバが挙げています。6分にジャイルトン・ダ・シルヴァがKLシティペナルティエリアで倒された得たPKをガブリエル・ピレスが決めて1-0とサバがリードします。しかしKLシティも30分にロメル・モラレスのゴールで追いつくと、U23代表のT・サラヴァナンが自陣に1人だけ残っていたサバDFリザル・ガザリに競り勝って得たボールを、GKカイルル・ファーミをかわしてゴール!これが決勝点となり、KLシティがトレンガヌとの準決勝に進んでいます。
 サバはリーグ戦でも開幕から勝ち星がなかったKLシティに敗れて今季初勝利を献上しており、相性が悪い相手に敗れた形になりました。

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月28日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:14,779人
ジョホール・ダルル・タジム 5-0 ペナン
⚽️ジョホール:、ウスマン・ファネ(32分OG)、ジョルディ・アマト(38分)、アリフ・アイマン(49分PK)、ラヴェル・コービン=オング(58分)、シャフィク・アフマド(90+2分)
🟨ジョホール:エンドリック・ドス・サントス、ラヴェル・コービン=オング
🟨ペナン:ファリス・シャー、アスナン・アフマド
MOM:ジョルディ・アマト(ジョホール・ダルル・タジム)

 昨季のFAカップチャンピオンのジョホールがペナンを圧倒しています。
 リーグ首位を快走するジョホールは、エステバン・ソラリ監督がリーグ戦のメンバーから主力を休ませる余裕を見せ、この試合ではベルグソン・ダ・シルヴァに代わりジオゴ、オスカル・アリバスに代わりラヴェル・コービン=オング、フェロズ・バハルディンに代わりシェーン・ローリー、ナサニエル・シオに代えてナチョ・インサ、そしてリーグ戦ではまだ今季出場がないGKファリザル・マーリアスをシーハン・ハズミに代えて起用しています。
 選手が代わっても個々の選手の能力が高いジョホールは、この試合でも開始からペナンを圧倒、前半は守備的な布陣のペナンサイドでのプレー時間が長くなります。そして32分にペナンDFウスマン・ファネがジオゴとこぼれ球を競りながら、プレッシャーを受けて自陣ゴールの蹴り込んでオウンゴール。ジョホールが先制しました。その後は38分にジョルディ・アマトが今季初ゴールを挙げ、前半はジョホールが2-0として終了しました。
 後半は49分に相手DFのハンドで得たPKをアリフ・アイマンが決めて3点目、さらにゴール前のこぼれ球を拾ったフアン・ムニョスが出したパスをラヴェル・コービン=オングが押し込んで4点目、そしてロスタイムには今季も不遇なシーズンを過ごしているボラセパマレーシアJP推しのシャフィク・アフマドが今季3試合目の出場ながらゴールを決めてダメ押ししています。

5月29日のニュース
ペラFCがリム・ティオンキム監督解任-スーパーリーグでは既に3チームで監督交代
AFC U23アジアカップ予選の組み合わ施決定-東南アジア競技大会で敗れたタイと再び同組に
昨季の給料未払い問題が未だ解決していないサラワク・ユナイテッドは裁判で決着か

ペラFCがリム・ティオンキム監督解任-スーパーリーグでは既に3チームで監督交代

スーパーリーグのペラFCがリム・ティオンキム監督の即時解任と、U23チームのユスリ・チェ・ラー監督の監督代行就任を発表しています。今季のスーパーリーグではクランタンFCのチェ・ムンシク監督、クランタン・ユナイテッドFCのトマス・トルチャ監督が既に解任されており、この2名に続く、3人目の監督解任となりました。

ペラFCはクラブ創設100周年目となる2021年シーズン途中に給料未払い問題で主力選手が大量退団し、しかも新規選手獲得禁止処分を受け、1部スーパーリーグから2部プレミアリーグに降格しました。U19やU21の選手をトップチームに昇格させて戦った昨季2022年シーズンもプレミアリーグで9位(10チーム中)と低迷したクラブは、2022年9月にチームの立て直しを目指してリム監督と契約を結びました。1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの合併というリーグ統合により、本来なら昇格すべきではないスーパーリーグで今季はプレーすることになったペラは、3シーズンぶりにマレーシア復帰となったハディ・ファイヤッドらを補強したものの、第12節を終えて2勝3分7敗の11位と低迷がつづいていました。

リム監督は試合後の会見で敗戦の原因を尋ねられると、質問者に「自分で考えろ」と返答し、またチームのサポーターに対しても否定的な発言をするなど、その対応にも問題があったものの、その一方では、経験不足の若い選手が多いチーム事情を理解して欲しいと話すなど、他のクラブと比べると明らかに劣る現在のチーム状況に苦しんでいたのも事実でした。しかしトップリーグでプレーする以上、育成は重要ではなく結果が全てだったようです。

ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンのユースチームコーチを12年間務めたリム氏は、2013年にマレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同で設立した国家サッカー選手養成プログラムNFDPの責任者に就任するために三顧の礼を尽くして招かれました。さらに2016年にはNFDPの中核となるエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーの責任者に、また2018年にはマレーシアU17代表の監督にも就任しています。これらは全て2018年にマレーシアで開催されたAFC U17アジアカップで準決勝に進出し、翌年2019年のFIFA U17ワールドカップ出場を目指して準備されたものでしたが、大会では日本、タジキスタン、タイと同組になったグループステージで最下位となり敗退した結果、FAMはU16監督を解任しました。その後は、政権交代により新たに青年スポーツ相に就任したサイド・サディック大臣にその給与が税引き後17万5000リンギ(現在のレートでおよそ540万円)であることを暴露されると、その高給に非難も集まり、リム氏は全ての職を離れています。

AFC U23アジアカップ予選の組み合わ施決定-東南アジア競技大会で敗れたタイと再び同組に

来年2024年4月15日から5月3日までカタールで開催されるAFC U23アジアカップ2024年大会予選の組み合わせ抽選がクアラルンプールで行われ、マレーシアはタイ、フィリピンの東南アジア2ヵ国、そしてバングラデシュと共にH組に入っています。

タイが開催国となる予選H組は9月6日から12日に試合が行われ、マレーシアは9月6日のバングラデシュ戦で開幕し、9月9日にはフィリピン戦、そして9月12日の最終日にタイ戦という日程となることも発表されています。

11組に分かれて争う予選では、各組の1位、そして各組2位の成績上位4チームの合計15チームと開催国カタールの16チームが本大会に出場します。なおこのAFC U23アジアカップ2024年大会はパリオリンピックの予選も兼ねており、大会上位3チームは、来年7月から8月にかけて開催されるパリオリンピックの出場権を獲得します。

なおマレーシアサッカー協会FAMは、今年9月に中国の杭州で開催されるアジア競技大会がこのAFC U23アジアカップ2024大会予選と日程が近いことから、アジアカップ予選に専念させるため、アジア競技大会にU23代表を派遣しないことを既に表明しています。

昨季の給料未払い問題が未だ解決していないサラワク・ユナイテッドは裁判で決着か

昨季中に給料未払い問題が発覚し、スーパーリーグ出場に必要な国内クラブライセンスが交付されなかったサラワク・ユナイテッドFCは、スーパーリーグ参加ができなくなると経営陣を一新し、今季は3部に当たるセミプロリーグのM3リーグに参加していますが、そのサラワク・ユナイテッドFCは、未だに昨季の給料未払い問題が解決していないと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

昨季はテクニカルディレクターとして、また開幕直前の2月に当時のE・エラヴァラサン監督がマレーシア代表コーチに就任した直後から6月に体調不良で辞任するまでは監督代行も務めたB・サティアナタン氏によると、サラワク・ユナイテッドFCからは未だに5ヶ月分の給料が支払らわれていないということです。

サティアナタン氏によると、当時のサラワク・ユナイテッドのオーナーでもあるサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長は、サラワク州政府からの未払い給料を完済するための資金を待っている段階だと説明する手紙を選手や他のコーチなど関係者全員に送っているということですが、その一方でサラワク州のアバン・ジョハリ・トゥン・オペン首相は、州政府は既にサラワク・ユナイテッドに多額の資金を投入しているにもかかわらず何も解決されていないとして、さらなる資金援助を行う予定がないことを明言しています。

サティアナタン氏は、サラワク・ユナイテッドは2021年にはチームの年間予算として1000万リンギ(およそ3億1000万円)をサラワク州政府から受け取っており、さらに1200万リンギ(およそ3億7000万円)の追加支援を受け取ることになっていたものの、最終的には外国籍選手獲得費用も含めた出費を500万リンギに抑えられたことも明らかにしています。

さらに昨年の6月には、サラワク・ユナイテッドが州政府から560万リンギを未払い給料の支払いのために受け取ったと聞いたものの、その際には選手、監督、コーチとも1ヶ月分の給料しか支払われなかったとしています。さらに自身に関して言えば契約内容に含まれていたはずの保険の保険料が支払わられていなかったこと、また練習に必要な用具が足りず、その購入費用も自身のポケットから支払ったことなども明らかにしています。

この給料未払い問題に対して、サラワク・ユナイテッドの選手と監督、コーチは既にマレーシアサッカー協会FAMとFIFAに報告済みだということですが、FAMの紛争解決委員会からサラワク・ユナイテッドには既に給料支払命令が出されているにもかかわらず、支払いは行われていないということです。状況が変わらないことに痺れを切らしたサティアナタン氏を含めた元選手やコーチは、サラワク・ユナイテッドに対して訴訟を起こすことも検討しているということです。

2023マレーシアスーパーリーグ
第12節結果とハイライト映像
ジョホールがパハンとの無敗対決を制していよいよ独走体制に
クランタンUは2度のリードを守れず今季初勝利はお預けに

 5月23日と24日にマレーシアスーパーリーグ第12節が開催されています。首位ジョホール・ダルル・タジム対3位スリ・パハン、2位スランゴール対4位クダ・ダルル・アマンの上位チーム同士のマッチアップがあり、前半戦の天王山ともいえる今節はでしたが、上位チームが順当に勝利を収めています。またクランタン・ユナイテッドとクチンシティの旧プレミアリーグ組がいずれも旧スーパーリーグ組の上位クラブ相手に引き分けて久しぶりの勝ち点を上げています。この他、今節第12節終了後には2勝3分7敗で11位に低迷するペラのリム・ティオンキム監督が解任され、これで今季、解任された監督は3人目となりました。
 なお今週末はFAカップの試合があるため、スーパーリーグの次節第13節は10日ほど間を開けて、6月2日から4日に開催が予定されています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年5月23日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:5,666人
サバ 3-1 ペラ
⚽️サバ:ダレン・ロック(4分)、パク・テス(32分)、バドロル・バクティアル(41分)
⚽️ペラ:ハリス・ナイム(83分)
🟨サバ:バドロル・バクティアル、リザル・ガザリ
🟨ペラ:ラジャ・イムラン、サンディ・アフォラビ
MOM:パク・テス(サバ)

 前半だけで3ゴールを挙げたサバ、ペラの反撃を1点に抑えて快勝。
 前節はトレンガヌと引き分け、ホームでの連勝記録が5で止まったサバですが、この試合では開始4分にゴール前の混戦からダレン・ロックが2試合連続ゴールとなるシュートを決めて先制すると、32分にはチーム得点王のパク・テスが今季6ゴール目を決め、さらに41分にはキャプテンのバドロル・バクティアもゴールを決め、サバが3-0とリードして前半を終了します。
 後半に入ると、ややペースを落としたサバに対し、ペラは前線からプレッシャーをかけて積極的にボールを奪いにかかり、そこからのカウンターへと繋ぐ戦術へと切り替えます。それが功を奏したのが83分のハリス・ナイムのゴールでしたが、前半の大量失点が最後まで響き、試合はそのまま3-1でサバが勝利しています。
 なおペラは、この試合の2日後の5月25日にリム・ティオンキム監督の解任を発表しています。第12節を終えて2勝3分7敗の11位という順位は、若い選手が多く、シーズンオフに大型補強を行ったわけでもない現在の戦力では順当とも言えるもので、正直なところ誰が監督になっても状況は急激に改善するとは思えません。

2023年5月23日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:651人
クランタン 1-4 PDRM
⚽️クランタン:ミゲル・シフエンテス(90+4分)
⚽️PDRM:マーカス・マコーレー(15分)、ナビル・ラトピ(33分)、ウチェ・アグバ(65分):鈴木ブルーノ(90分PK)
🟨クランタン:ガファル・アブドル・ラーマン、ヌハ・マロング、キム・ミンギュ、アリプ・アミルディン
🟨PDRM:ファディ・アワド、イザック・イズハン
MOM:ファディ・アワド(PDRM)

 いずれも昨季は2部プレミアリーグでプレーした昇格組同士の対戦となったこの試合は、今季既に3勝を挙げているPDRMが、今季1勝のクランタンを一蹴しています。
 選手たちのパフォーマンスがチームが求めるKPI(重要業績評価指標)に達していないとして、次に勝つまで選手の給料を50%カットするとオーナーが発言するなど、ピッチ外での話題が先行するクランタンですが、熱狂的なサポーターが多いことで知られるチームで、今季ここまでのホーム4試合はいずれも5,000名以上の観衆を集めていました。しかしこの日の試合は、5,000名どころか1,000名を割り込み、今季ホーム最小観客数となる651名でした。品質の低いユニフォームを高値でサポーターに売りつけているなどの批判も出ているオーナーのチームをサポーターも見放したのでしょうか。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は71分から出場し、今季3ゴール目をPKで決めています。

2023年5月23日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:1,114人
ヌグリスンビラン 3-3 クランタン・ユナイテッド
⚽️ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ(36分)、ハフィズ・ラマダン(71分)、フィレモン・アニー(90+5分)
⚽️クランタン:O・J・ポルテリア(15分)、シャズワン・ザイノン(33分)、インドラ・プトラ(80分PK)
🟨ヌグリスンビラン:アナス・ラーマット、サフワン・バハルディン
🟨クランタン:O・J・ポルテリア、アシュラフ・オマル、
MOM:サフワン・バハルディン(ヌグリスンビラン)

 クランタン・ユナイテッドがロスタイムの失点で今季初勝利を逃しています。
 2連勝で順位を7位まで上げてきたヌグリスンビランが今季未勝利のクランタン・ユナイテッドをホームに迎えたこの試合は、前節で敗れたもののKLシティに善戦したクランタン・ユナイテッドが積極的に攻め、15分に相手DFのミスからボールを奪ったO・J・ポルテリアが3月31日以来およそ2ヶ月ぶりゴールを決めて先制します。さらに33分にはゴール前に上がったクロスをポルテリア選手が頭で落とし、これをシャズワン・ザイノンがノートラップでシュートし、クランタン・ユナイテッドがリードを広げます。しかしその3分後にはヌグリスンビランもシャーレル・フィクリのゴールで1点を返して、前半はクランタンが1点リードで終了します。
 後半に入ると両チームとも攻めあぐむ展開となる中、71分にハフィス・ラマダンがペナルティエリアの外から同点ゴールを決めて、試合は振り出しに戻ります。しかし80分には相手ゴール前でグレゴリー・メンデスが倒されクランタン・ユナイテッドがPKを得ると、これを41歳のキャプテン、インドラ・プトラがスーパーリーグ通算104得点となるゴールを決め、今季チーム最多となる3点目を挙げたクランタン・ユナイテッドが再びリードを奪います。そして試合は90分を過ぎ、クランタン・ユナイテッドの今季初勝利を飾るかと思われた90+5分、右サイドからフィレモン・アニーがクランタン・ユナイテッドゴール前にロングボールを蹴り込むと、パンチングで逃れようとしたGKアシュラフ・オマルの指先を掠めるようにゴールに吸い込まれ、土壇場でヌグリスンビランが引き分けに持ち込んでいます。

2023年5月24日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:14,684人
ジョホール・ダルル・タジム 2-0 スリ・パハン
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ(45+1分)、フェルナンド・フォレスティエリ(74分)
🟨ジョホール:アフィク・ファザイル、レアンドロ・ヴェラスケス
🟨パハン:デヴィッド・ローリー、ニコラス・スウィラッド
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(ジョホール・ダルル・タジム)

 開幕から11連勝中のジョホールと7勝4分のパハンの今季無敗チーム同士の対戦は今節最も注目されたマッチアップでしたが、地力に勝るジョホールがパハンを破李、独走体制を固めています。
 パハンのファンディ・アフマド監督は今季ここまで11試合で47得点のジョホールに対し、試合前には守備的な戦術で臨みたいと話していましたが、その言葉通り、前半はGKザリフ・イルファンとDF陣が文字通り身体を張って守り、時折カウンターしかけるなど善戦ます。しかしロスタイムにジョルディ・アマトがパハンDFラインの裏へ出したロングフィードを左サイドで拾ったフェルナンド・フォレスティエリがセンタリング。これをベルグソン・ダ・シルヴァがDFに競り勝ってゴールし、ジョホールがリードして前半を折り返します。
 後半の74分にはリーグ得点王のフォレスティエリ選手が、5試合連続となる今季13ゴール目を決めてパハンを突き放し、ジョホールが開幕からの連勝を12に伸ばしています。

2023年5月24日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:10,637人
スランゴール 3-2 クダ・ダルル・アマン
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ(23分)、ファイサル・ハリム(40分)、ノール・アル=ラワブデ(78分)
⚽️クダ:アミールベク・ジュラバエフ(6分)、ウィリアン・リラ(28分)
🟨スランゴール:なし
🟨クダ:カラムラー・アル=ハフィズ、カミル・アクマル
🟥クダ:カミル・アクマル
MOM:ファイサル・ハリム(スランゴール)

 首位ジョホールを勝点差8で追う2位スランゴールは、これ以上、勝点で離されるわけにはいかず、また4位のクダはAFCカップ出場枠が懸かる2位争いに残るためには勝利が必至ですが、そんな中で先制したのはアウェイのクダでした。開始6分に右コーナーキックから、ゴール前でマークがはずれたアミールベク・ジュラバエフの今季初ゴールでクダが先制します。しかしスランゴールはペナルティエリア内でヨハンドリ・オロスコが倒されていたPKをエイロン・デル・ヴァイエが決めて同点に追いつきます。しかしその5分後にクダは、昨季はJリーグの甲府でプレーしたウィリアン・リラがペナルティエリア内でDFをかわしてゴールを決め再びリードを奪います。するとスランゴールもファイサル・ハリムのゴールで40分に再び追いつき、前半は2-2で終了します。
 後半に入るとギアを挙げたスランゴールは好機を作りますが、得点には至らないまま試合が進みます。それでも77分にペナルティエリアの外でムカイリ・アジマルが倒されてPKを得ると、そのPKからのゴール前のこぼれ球をノール・アル=ラワブデが押し込み、この試合初めてスランゴールがリードを奪います。その後もクダの反撃に耐え切ったスランゴールが逃げ切り2連勝。一方のクダは連勝が2でストップしています。

2023年5月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:3,300人
トレンガヌ 1-0 ペナン
⚽️トレンガヌ:アンク・ヌル・シャキル(74分)
🟨トレンガヌ:なし
🟨ペナン:ウスマン・ファネ
MOM:シャールル・ニザム(トレンガヌ)

 3試合ぶりの勝利を挙げたトレンガヌが7位に浮上しています。
 今季ここまでの4勝全てがホームというトレンガヌは、この日は司令塔ハビブ・ハルーンが警告累積による出場停止、またタイ代表FWのアディサック・クライソーンは背中を痛めてベンチ外と主力を欠く苦しい布陣でこの試合に臨みましたが、前半は両チームとも決め手を欠く展開となり0-0で終了します。
 ハビブ選手不在の影響が大きいトレンガヌは、後半に入ると押し気味に試合を進めるものの相手ゴールを破れないまま試合が進みます。そんな中、トレンガヌのトミスラフ・スタインブリュックナー監督は、イヴァン・マムート、アンク・ヌル・シャキル、ニック・ハセフィーのFW3名を次々と投入して勝負を賭けますが、それが功を奏し、ソニー・ノルデからのパスを受けたアンク・ヌル・シャキルがペナンDFをかわして74分に決勝ゴールとなるシュートを決めています。
 

2023年5月24日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
観衆:610人
KLシティ 1-1 クチンシティ
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(86分PK)
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(90+4分)
🟨KLシティ:なし
🟨クチンシティ:谷川由来、ズルアズラン・イブラヒム
MOM:アブ・カマラ(クチンシティ)

 クチンシティがロスタイムの同点ゴールを決めて執念の引き分けに持ち込んでいます。
 リーグ6位のKLシティが13位で開幕戦以来勝利がないクチンシティの対戦は、ホームのKLシティが試合を終始優勢に進めるものの、クチンシティの粘り強い守備もあり、ゴールには至らず前半は0-0で終了します。
 後半に入ってもKLシティは好機を得ながら、いずれもシュートが枠を外れるなどが、0-0での引き分けが見えてきた86分、クチンシティのセリオ・サントスが自陣ペナルティエリア内で、KLシティのショーン・ジャネッリを倒してPKを与えてしまいます。このPKをチェチェ・キプレが決めたKLシティが待望の1点を挙げてリードを奪うと、試合はロスタイムへ突入します。自陣でFKを得たクチンシティはアダム・シャリンがKLペナルティエリアへロングボールを蹴り込むと、これをセリオ・サントスがヘディングでゴール前へ、そしてそれをアイルトン・アレモンが落とすと、この日は先発を外れていた昨季の2部プレミアリーグ得点王のアブ・カマラがシュート!これが決まって、クチンシティは土壇場で追いつくと共に、4試合ぶりの勝ち点を上げています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第12節終了時)

順位チーム勝点
1JDT1212004914836
2SEL1291230131728
3SRP12741189925
4SAB1273229171224
5KDA127142418622
6KLC115431916319
7TRE125251615117
8NSE124531822-417
9PEN124261618-214
10PDRM124171218-613
11PRK12237926-179
12KCH12129625-195
13KEL121191343-304
14KLU12039927-183
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第12節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)134525712
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)102419112
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)8341518
4ウィリアン・リラ(KDA)73210212
5クパー・シャーマン(SRP)61910212
ファイサル・ハリム(SEL)61916412
パク・テス(SAB)6168011
8アリフ・アイマン(JDT)5209912
フアン・ムニス(JDT)52012010
ステファノ・ブルンド(SRP)52110011
スーニー・サアド(PEN)53316011
パウロ・ジョズエ(KLC)53016212
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

5月24日のニュース
人気ロックバンドのコールドプレイのコンサートが代表戦に影響も
観客トラブルのペラは特定人物の入場拒否を検討も実現は困難

人気ロックバンドのコールドプレイのコンサートが代表戦に影響も

イギリスの人気ロックバンド、コールドプレイは、ワールドツアーの一環として今年11月22日にマレーシアのクアラルンプールで初めてのコンサートを開催することを発表しましたが、ブキ・ジャリル国立競技場で開催されるマレーシア公演のチケットが発売されると、その購入サイトが大量アクセス集中によりクラッシュし、多くのファンから不満の声が上がりました。さらに無事購入できたチケットを高額で転売する輩が現れ、これに対してマレーシア政府の通信マルチメディア委員会がオンライン上での転売を監視することを発表しています。また野党第一党のイスラム原理主義政党は、この公演が「国家にも民族にも宗教にも何の利点ももたらさない」とし、「快楽主義(!)と倒錯した文化を国内に広げようとしている」とコンサート開催を認めた政府を非難し、公演の中止を求めるなど、まだ半年近く先の公演ながら話題に事欠きません。

と、ここまでの内容ならこのブログでわざわざ取り上げることもないのですが、このコールドプレイのコンサートが行われる11月22日は、実はこのコンサートの会場となるブキ・ジャリル国立競技場でマレーシア代表がAFCアジアカップ2027年大会2次予選を戦う翌日となっています。そこで一部サポーターからは、コンサート会場設営準備などで、マレーシア代表がホーム開催の利点を生かせないのでは、という声が上がり、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が声明を発表する事態になっています。

ハミディン会長は、ブキ・ジャリル国立競技場を所有するマレーシア政府青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣、さらには管理を委託されているマレーシアスタジアム社のファイズ・サヌシCEOと会談したことを明らかにしたハミディンFAM会長は、FAMはマレーシアスタジアム社とスタジアム使用に関する契約を結んでおり、FIFA国際マッチカレンダーの日程も事前に通告してあることから、「今回のようなことが今後も起こるのであれば、マレーシアスタジアム社とは契約せず、ブキ・ジャリル国立競技場以外のスタジアムとの契約を検討する必要がある。」とも述べ、マレーシアスタジアム社から、今回のコンサート開催について事前に連絡を受け取っていなかったとしています。

*****

ブキ・ジャリル国立競技場でのコンサートといえば、以前にこのブログでも取り上げましたが、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグのタイ戦が今年1月7日に開催された際、1月15日に同じブキ・ジャリル国立競技場で開催される台湾の人気歌手ジェイ・チャオのコンサート会場設営準備により、およそ2万1000席分が販売されない、ということがありました。ブキ・ジャリル国立競技場の最大収容人員は8万人強とされていますが、この試合ではFAMは5万9000人分のチケットが販売されただけで、観戦を希望する多くの代表サポーターを失望させました。その後、ジェイ・チャオはブキ・ジャリル国立競技場の使用予約を2019年3月に行っていた一方で、FAMはその5ヶ月後の同年8月に行なっていたことが発覚、さらにこの三菱電機カップで勝ち進んでいれば、ジェイ・チャオのコンサート翌日の1月16日に決勝がやはりブキ・ジャリル国立競技場で開催されることになっており、こちらはコンサート会場の解体は1日で終わらないとして、FAMは50000人分のチケットしか用意できないことを認めていました。

観客トラブルのペラは特定人物の入場拒否を検討も実現は困難

スーパーリーグ第11節のペラFC対スランゴールFC戦では、試合前に一部のペラFCサポーターがスランゴールFCサポーターのいるアウェイエリアに近づいて挑発行為を行なった上、乱闘騒ぎへと発展、しかもその映像がSNSで拡散しました。

乱闘騒ぎの原因を作ったとされる4名は特定された結果、既に警察が逮捕したと報じられていますが、ペラFCのファリド・シャムスディンCEOは、逮捕された4名が「うわべだけの」サポーターだとして、今後開催する試合では、サポーターが安心して観戦できるよう、彼らのような「チームの名を汚すような」フーリガンの入場を制限する方向で検討を行なっていると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

フーリガン行為を防ぐにはそういった問題を起こす可能性がある人物を特定し、その入場を制限することが最善の方法だとしながらも、ファリドCEOは本人以外がチケットを入手するなど現時点では仕組み上の抜け穴もあるとして、具体的な方法については言及していません。また今回の乱闘騒ぎがスタジアム内で起こったことから、スーパーリーグを運営するMFLによる処分を全面的に受け入れるとも述べています。

5月23日のニュース
ディオン・コールズ所属のブリーラム・ユナイテッドがリーグカップ優勝で国内二冠達成、2季連続の三冠にも王手
ヌグリスンビランが青年スポーツ省補助による芝張り替え支援プログラムに同意
サッカー協会会長-東南アジア競技大会でメダルを逃したU22代表に国外組合流を検討

ディオン・コールズ所属のブリーラム・ユナイテッドがリーグカップ優勝で国内二冠達成、2季連続の三冠にも王手

タイリーグカップ決勝が5月20日に行われ、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドがBGパトゥム・ユナイテッドを2-0で破って優勝し、タイリーグ1部優勝と合わせた国内二冠を達成しています。ブリーラム・ユナイテッドは、5月28日のタイFAカップ決勝(対バンコク・ユナイテッド)への進出も決めており、この日の勝利で2年連続での国内三冠に王手をかけています。

マレーシア生まれベルギー育ちのコールズ選手は、今年1月にチェコ1部のFKヤブロネツからブリーラム・ユナイテッドへ移籍すると、そのまま主力選手としてレギュラーに定着。その活躍ぶりからチームメートのレビン・スラカ、ティーラトン・ブンマタン、スパチャイ・ジャイデッド、スパナット・ムエンタらとともに今季のタイ1部リーグベストXIにも選ばれています。

タイリーグカップ2023決勝
2023年5月20日@サンダードームスタジアム
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 BGパトゥム・ユナイテッド
⚽️ブリーラム:ゴラン・チャウシッチ(13分)、スパチャイ・ジャイデッド(90+3分)

試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより
ヌグリスンビランが青年スポーツ省補助による芝張り替えプログラムに同意

マレーシア政府の青年スポーツ省は、マレーシア各州の州立スタジアムの芝張り替え費用100万リンギ(およそ3000万円)を支援することを表明していますが、新たにヌグリスンビラン州政府と同州サッカー協会がこの支援を受けることを表明していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

なお今回支援希望を表明したヌグリスンビラン州政府と同州サッカー協会ですが、この記事では支援を希望するものの、申請期限の延長を求めたいとしています。「スーパーリーグのヌグリスンビランFCが本拠地とするトゥンク・アブドル・ラーマンスタジアムの芝張り替えの支援は受けたいが、申請締め切りの期限を本来の今年10月末から今年末まで延長してもらいたい。ヌグリスンビラン州サッカー協会は、トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアムの観客席などの施設改修も予定しており、その予定が確定した段階で芝張り替えについての申請も行いたい」と説明したヌグリスンビラン州サッカー協会のモハマド・トフィック副会長は、(スタジアム施設改修の費用を負担する)同州政府も国際試合が行えるレベルへの改修を検討していることから、この機会を活用するためにも申請期間延長を重ねて求めたいと話しています。

*****

マレーシア国内のスタジアムのピッチで使われているのはカウグラス(和名ツルメヒシバ)が一般的ですが、このカウグラスはボールの転がりが悪く、早いパス回しが主流の現代のサッカーに適していないとして、ゼオンゾイシアと呼ばれる高麗芝の一種に張り替えるプログラムを青年スポーツ省が主導して行っています。すでにジョホール・ダルル・タジムは本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムでこのゼオンゾイシアを使用しており、マレーシア代表の本拠地ブキ・ジャリル国立競技場も現在改修工事を行っている中で、やはりこのゼオンゾイシアへの張り替えを行っています。

青年スポーツ省は、各州に最低1つのゼオンゾイシアのピッチを持つスタジアムを用意するために、各州サッカー協会に対してこの芝張替え支援を受ける州立スタジアムを1つ決定することを求めていますが、ここまでこの支援に手を挙げたのはクダ、ペラの2州だけでした。政府の支援でピッチが張り替えられるなら、どの州も喜んでこのプログラムに参加するかと思いきや、ここでネックとなったのが芝張替え後の維持管理費用でした。この芝張り替え後のピッチの年間メンテナンス費用は州政府が負担することになっており、年間30万リンギ(およそ900万円)程度かかるとされるそのメンテナンス費用の出費を嫌ってか、現時点ではマレーシア13州のうち、今回のヌグリスンビランを含めてわずか3州がこのプログラムに手を挙げている状況です。

サッカー協会会長-東南アジア競技大会でメダルを逃したU22代表に国外組合流を検討

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、東南アジア大会通称シーゲームズで2大会ぶりに準決勝進出を逃したU22代表について、チーム強化のための国外組を招集する予定があることを明らかにしています。

サッカー専門サイトのヴォケットFCは、FAMは国外でプレーするU22代表に参加可能な選手について現時点で6名リストアップしているとしています。その中には現在、ベルギー1部KVコルトレイクからアイスランド1部のUMFニャルズヴィークに期限付き移籍中のFWルクマン・ハキム、フィンランド2部のセイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(SJK)のセカンドチーム、アカテミアでプレーするMFノーア・レインがおり、ルクマン選手は2021年のFIFAワールドカップ2023年大会予選で、レイン選手は今年3月の国際親善試合香港代表戦でそれぞれA代表デビューも果たしています。

この他、英国3部のチャールトン・アスレティックから同6部のダートフォードFCに期限付き移籍中のMFリチャード・チンもリストアップされており、そのチン選手は父親の母国マレーシアのパスポート取得のために現在、マレーシアに滞在していることも報じられています。

マレーシアU23代表は、今月29日に組み合わせ抽選が行われる東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権が8月15日から27日までタイで開催、そして今月25日に組み合わせ抽選が行われるAFC U23アジアカップ2024年大会予選が9月にそれぞれ控えています。

*****

ここで問題となるのがスーパーリーグ各クラブの協力です。AFF U23選手権、AFC U23アジアカップ予選ともFIFA国際マッチデー期間(FIFAカレンダー)外のため、ジョホールは2季連続リーグMVPを獲得しているこの年代のトップ選手、MFアリフ・アイマンをはじめ、ホン・ワンことMFナサニエル・シオ、DFフェロズ・バハルディンらA代表レベルの選手の招集を拒否する可能性が高く(先日の東南アジア競技大会通称シーゲームズも、ジョホールはセカンドチームからの招集のみ)、AFC主催大会でもこの年代のベストチームを編成することは難しいそうです。

2023マレーシアスーパーリーグ
第11節結果とハイライト映像

カンボジアで開催されていた東南アジア競技大会通称シーゲームズにU22代表が出場するため中断していたスーパーリーグがほぼ3週間ぶりに再開し、5月18日から20日にかけて第11節の7試合が開催されています。
 今季のスーパーリーグは、大規模なリーグ改編にともない1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが合併していますが、このリーグ改編の恩恵を受けて昇格した「旧プレミアリーグ組」5チームと、昨季からスーパーリーグでプレーする「旧スーパーリーグ組」9チームの差がリーグ中断前の第10節辺りから開き始め、今節ではついに勝点で4差が着くほどになりました。今節も「旧スーパーリーグ組」対「旧プレミアリーグ組」というマッチアップになった試合が5試合ありましたが、その結果はいずれも「旧スーパーリーグ組」の勝利で、5試合の総ゴール数は「旧スーパーリーグ組」が18、「旧プレミアリーグ組」が2となっています。
 その「旧プレミアリーグ組」の中には、第11節を終えてクチンシティとクランタンがいずれも1勝、クランタン・ユナイテッドは今季未勝利となっていますが、幸いなことに今季と来季は暫定的に2部プレミアリーグが開催されないため、今季スーパーリーグで最下位となっても降格の心配はありません。
 (試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年5月18日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:153人
PDRM 1-2 ヌグリスンビラン
⚽️PDRM:アミルル・ワイー(90分)
⚽️ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ(41分)、A・セルヴァン(90+4分)
🟨PDRM:ウチェ・アグバ
🟨ヌグリスンビラン:アルーン・クマル、カサグランデ
MOM:A・セルヴァン(ヌグリスンビラン)

 今季スーパーリーグ最小観客数となる153名が観戦した試合は、ロスタイムのゴールでヌグリスンビランが接戦を制しています。
 エラルド・グロンが「深刻な健康状態悪化」により、今季残り試合の出場が絶望となることが発表されたヌグリスンビラン。これまで攻守共にチームの核となってきたグロン選手の離脱で明らかな戦力ダウンとなる中、4日前にはザクワン・アドハ、サフワン・バハルディンがいずれも今季初ゴールを決めるなど、日替わりヒーローの活躍でKLシティに逆転勝ちしています。
 しかしこの日の試合は、サフワン・バハルディンはベンチ外、キャプテンのザクワン・アドハも27分で交代と、先日のヒーローがピッチ上から消えてしまいましたが、この日の日替わりヒーローは77分から出場して、試合終了直前に逆転ゴールを決めたA・セルヴァランでした。今季3試合目の先発となったシャーレル・フィクリのゴールで先制しながら、90分にPDRMに追いつかれ、引き分けムード濃厚だった中での決勝ゴールで、ヌグリスンビランは9位から6位に順位を上げています。
 一方のPDRMは、あと残り数分を守り切れば4試合ぶりの勝点獲得という土壇場で逆転ゴールを許し、順位は10位と変わらなかったものの、9位とは勝点差4となりました。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は、先発してフル出場しています。

2023年5月19日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:12,096人
サバ 2-2 トレンガヌ
⚽️サバ:テルモ・カスタニェラ(28分)、ダレン・ロック(37分PK)
⚽️トレンガヌ:ソニー・ノルデ2(45+1分、90+4分)
🟨サバ:テルモ・カスタニェラ、ラウィルソン・バトゥイル、ゲリー・スティーヴン・ロバトドミニク・タン、カイルル・ファーミ
🟨トレンガヌ:ハビブ・ハルーン、シャフィク・イスマイル
MOM:ソニー・ノルデ(トレンガヌ)

 トレンガヌがソニー・ノルデのフリーキック2発で引き分けに持ち込んでいます。
 リーグ中断まで2連勝中だったサバは、この試合でも28分にテルモ・カスタニェラがヘディングで、そして37分にはダレン・ロックのPKがそれぞれ決まって2-0とリードします。しかし前半終了間際のロスタイムに、相手ゴール正面でフリーキックを得たトレンガヌは、これをソニー・ノルデが決めて、1点差と詰め寄って前半を終了します。
 後半はトレンガヌに対して防戦一方だったサバは、そのまま逃げ切るかと思われた後半ロスタイムに再びフリーキックをトレンガヌに与えてしまいます。再びノルデ選手が蹴った右サイドからのフリーキックは、1発目同様、サバGKのカイルル・ファーミが触れることもできずそのままゴールへ。この土壇場の同点ゴールでトレンガヌが執念の引き分けに持ち込んでいます。
 開幕からホームで5連勝中だったサバは、リードを守り切れず順位を一つ下げて5位となっています。またリーグ中断まで2連敗中だったトレンガヌは3試合ぶりの勝点を挙げたものの、こちらも順位を一つ下げて9位となっています。

2023年5月19日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:3,320人
クダ・ダルル・アマン 5-0 クランタン
⚽️クダ:マヌエル・オット、リー・タック、マヌエル・イダルゴ、ウィリアン・リラ、ジョナタン・バロッテリ
🟨クダ:カミル・アクマル
🟨クランタン:カイルル・ヘルミ、ユスリ・ユハスマディ
MOM:マヌエル・オット(クダ・ダルル・アマン)

 今季はここまで1勝1分10敗でリーグ13位に低迷するクランタンFCのオーナー、ノリザム・トゥキマン氏は、チームが求めるKPI(重要業績評価指標)を選手が達成していないとして、選手への給料の50パーセントが未払いであることを認めた上で、未払い給料を受け取るためには、チームがあと2勝しなければならないと、自身のSNSに投稿し物議を醸し出しましたが、そのクランタンがリーグ5位のクダ・ダルル・アマンとアウェイで対戦し、0-5と大敗しています。
 キャプテンのマヌエル・オットのゴールで16分に先制したクダは、前半2ゴール、後半には昨季はJリーグ甲府でプレーしたウィリアン・リラが得点王争いで3位となる今季6ゴール目を決めるなど3ゴールで危なげなく勝利しています。この勝利でクダは順位を一つ上げて4位に浮上しています。
 この試合の5失点で、今季11試合での失点が39(同得点12)とリーグでダントツの失点を喫しているクランタンですが、リーグ中断を挟んでも連敗が止まらず、ついに6連敗とな離、出口の見えないトンネルはまだ続きそうです、

2023年5月19日@サラワク州立スタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:7,690人
クチンシティ 0-4 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ2(4分、36分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(70分)、フアン・ムニス(73分)
🟨クチンシティ:アイルトン・フェレイラ、ディエゴ・バッジオ
🟨ジョホール:エンドリック・ドス・サントス
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(クダ・ダルル・アマン)

 連敗が始まってからはホームでの観客が500名に満たなかったクチンシティですが、この試合はジョホール人気もあってか今季観客数2位の7,690名が観戦に訪れています。そのクチンシティは開幕戦での勝利以来1分9敗と低迷し、開幕から10連勝中のジョホールとの対戦は、容易ではないことは予想されました。
 開始3分にペナルティエリア内でクチンシティDFをかわしたフェルナンド・フォレスティエリにシュートを決められると、直近の5試合ではわずか2ゴールのクチンシティはこれ以上の失点は避けたいところでしたが、フォレスティエリ選手が緩慢な動きのクチンシティDFやGKをかわして2点目を挙げると、試合の大勢は決まってしまいました。
 後はジョホールが何点を挙げるかだけに興味が移った試合は、後半に入るとベルグソン・ダ・シルヴァがDFに競り勝って70分にゴールを決めると、その3分後にはクチンシティGKシャイフル・ワジジが前に出ているのを見たフアン・ムニスがペナルティエリアの外から美しいループシュートを決めてダメ押し。ジョホールは開幕11連勝、また4連敗となったクチンシティは10試合続けて勝ち星がありません。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2023年5月20日@スルタン・ムハマドスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:224人
クランタン・ユナイテッド 1-3 KLシティ
⚽️クランタン:デヴィッド・シルヴァ(34分PK)
⚽️KLシティ:T・サラヴァナン(17分)、シャーン・ジャネッリ(23分)、パウロ・ジョズエ(90+5分)
🟨クランタン:ファウザン・ファウジ、カイル・アズラン、
🟨KLシティ:ザフリ・ヤハヤ、ロメル・モラレス、マットコ・ジルダム、アズリ・ガニ、ケニー・パッラジ
MOM:カマル・アジジ(KLシティ)

 今季未勝利のクランタン・ユナイテッドがホームにKLシティを迎えた試合は、クランタン・ユナイテッドが一時は1点差まで詰め寄ったものの、自力に勝るKLシティが逃げ切っています。
 KLシティは、クランタン・ユナイテッド相手とあってかここまで全試合先発フル出場のジャンカルロ・ガリフオコがベンチ外、またやはり全試合出場のパウロ・ジョズエや、主力のセバスチャン・アヴァンジーニがベンチスタートとなる一方で、クロアチア出身のマットコ・ジルダムが今季初出場するなど大幅に布陣を入れ替えてこの試合に臨みました。
 試合は今季3試合目の先発となったT・サラヴァナンが17分にゴールを決めると、23分にはこの試合が先発4試合目のショーン・ジャネッリがゴールを決めてKLシティが2-0とリードします。しかし、34分にクランタン・ユナイテッドがPKで1点を返して前半を終了します。
 後半に入るとKLシティはパウロ・ジョズエやセバスチャン・アヴァンジーニを投入しますが、決定機を逃すなど追加点が奪えなかったものの、ロスタイムにカイオンが倒されていたPKをジョズエ選手がゴールし、KLシティが逃げ切っています。
 クランタン・ユナイテッドは試合終了間際にもヤン・ヴィクトールがPKを止められるなど、後期がありながらそれを生かせず、追加点を奪えなかったのが敗因でした。

2023年5月20日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:6,391人
ペラ 0-4 スランゴール
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ2(41分、70分)、ファイサル・ハリム(45+1分)、ムカイリ・アジマル(51分)
🟨ペラ:ワン・ザック・ハイカル、ハディ・ファイヤッド、
🟨スランゴール:なし
MOM:ムカイリ・アジマル(スランゴール)

 スランゴールが快勝でリーグ2位を堅持しています。
 首位のジョホールにはこれ以上話されないためには、下位チーム相手の取りこぼしが禁物ですが、スランゴールは11位のペラを試合開始から圧倒して、危なげなく勝点を上げています。
 試合中にはスタンドでペラのサポーターとスランゴールのサポーター小競り合いを起こす場面もあったようですが、機動隊の介入で大事には至らなかったようです。前節のクランタン戦で2勝目を挙げたことでペラサポーターの期待が高まっていたかもしれませんが、その次戦が今季既に3度目となる4失点となったことでサポーターの失望と不満が現れてしまったのかも知れません。

2023年5月20日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:3,196人
スリ・パハン 1-0 ペナン
⚽️パハン:クパー・シャーマン(48分PK)
🟨パハン:バキユディン・シャムスディン、ファドリ・シャス
🟨ペナン:ウスマン・ファネ、ニック・アキフ
MOM:ファドリ・シャス(スリ・パハン)

 スランゴールとともにジョホールを追うスリ・パハンは辛勝も、今季開幕からの無敗記録は継続しています。
 試合開始からペナンが積極的に攻めたものの、ホームのパハンがそれに耐えると、そこからは逆にパハンのペースで試合が進みます。しかし、その後は試合は中盤での蹴り合いとなり、好調状態のまま前半は0-0で終了します。
 後半に入ると、エースのクパー・シャーマンが自身で獲得したPKを決めて、パハンが先制すると、そのまま逃げ切り、開幕からの無敗記録を11試合に伸ばしています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第11節終了時)

順位チーム勝点
1JDT1111004714633
2SEL1181227111625
3SRP117401871125
4KDA117132215722
5SAB1163226161021
6KLC115331815318
7NSE114431519-416
8TRE114251515014
9PEN114251617-114
10PDRM11317817-910
11PRK11236823-159
12KCH11119524-194
13KEL11119123974
14KLU11029624-182
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第11節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)124324611
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)92116111
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)7261117
4ウィリアン・リラ(KDA)6299211
クパー・シャーマン(SRP)6178211
6アリフ・アイマン(JDT)5199811
フアン・ムニス(JDT)5201209
ステファノ・ブルンド(SRP)5209010
パク・テス(SAB)5147010
スーニー・サアド(PEN)53116010
ファイサル・ハリム(SEL)51714411
パウロ・ジョズエ(KLC)52715211
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC