8月27日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアはPK戦でタイに敗れて4位、インドネシアとのPK戦を制したベトナムが大会2連覇達成

タイのラヨーンで開催されていた東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権では、マレーシアは3位決定戦でタイに敗れて4位に終わっています。準優勝したインドネシアにはグループステージで勝利したものの、ベトナム、タイの東南アジア2強相手には今大会でも勝利することができませんでした。特にタイとは来月9月にタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ2024の予選で同組のH組となっており、再び相見えるえることになります。パリオリンピック予選を兼ねるAFC U23アジアカップ出場のU23代表はおそらく数日中に発表になると思いますが、今回4位に終わったチームに、スーパーリーグの各チームで主力を張る選手たちから果たして何名が加わるのかが、マレーシアサッカー協会の本気度と交渉力を示すことになりそうです。

東南アジアU23選手権-マレーシアはPK戦でタイに敗れて4位

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の3位決定戦が行われ、フルタイムは0-0で終わった試合はPK戦の末、マレーシアU23代表はタイU23代表に3-4で敗れて4位に終わっています。今回の4位という成績は、2019年、2022年と過去2大会はグループステージを突破できなかったマレーシアU23代表にとっては2005年の第1回大会でミャンマーにやはりPK戦で敗れて4位となって以来の最高成績です。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督は、準決勝ベトナムU23代表戦で先発した11名からウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、アリフ・イクマルリザル(ペナン)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、ウマル・ハキーム(ジョホールU23)の4名を残して選手を入れ替え、インドネシア戦で2ゴールを挙げて勝利の立役者となったファーガス・ティアニー(ジョホールU23)を今大会初めて先発で起用しています。(下はマレーシアU23の先発XI)

より攻撃的な布陣で臨んだこの試合では、前半はマレーシアは準決勝のベトナム戦と比べると明らかに好機を多く作ったものの得点には至らず、後半はさらに積極的なプレーを見せますが、やはり得点を挙げることはできません。一方のタイも前半終了間際から後半にかけてやはりギアを上げてゴールを狙いますが、マレーシアGKアジム・アル=アミンが何度も好セーブを見せて得点を許さず、試合はPK戦へとも連れ込みます。

PK戦に入ると、先攻のマレーシアは1人目のファーガス・ティアニー、2人目のアリフ・イズワンは共にゴールを決めたものの、3人目のシャヒール・バシャーのシュートはタイGKのThirawooth Sruansonに止められてしまいます。しかしタイも4人目のThakdanai Jaihanがゴール左にはずし、5人目のキッカーを前に3−3と同点になりますが、マレーシアの5人目のキッカー、18歳のモハマド・アブ・カリリの左足から放たれたキックはゴールキーパーの真正面へ飛び、タイGKに難なく止められてしまいます。一方のタイは5人目のChukid Wanpraphaoがゴール左にシュートを決めて決着をつけて3位となり、マレーシアが4位となっています。なお、今大会3ゴールを挙げたマレーシアのアリフ・イクマルリザルがベトナムのディン・スアン・ティエンとともに大会得点王となっています。

AFF U23選手権2023
3位決定戦
2023年8月26日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシアU23 0-0 タイU23(PK:3-4)

3位決定戦のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)

東南アジアU23選手権-インドネシアとのPK戦を制したベトナムが大会2連覇達成

一方、3位決定戦に続いて行われた決勝では、準決勝でタイU23代表を3-1で破ったインドネシアU23代表と、同じくマレーシアU23代表を4-1で破ったベトナムU23代表が対戦し、90分間では決着がつかず、30分の延長でも0-0となった試合は、こちらもPK戦にも連れ込み、ベトナムが6-5でインドネシアを破り、前回2022年大会に続き大会2連覇を達成しています。

120分間では0-0だった試合ですが、その内容は非常に見応えのある試合でした。両チームとも試合開始から徐々にペースを上げて迎えた33分にはインドネシアペナルティエリア内でグエン・ミン・クアンが倒されますが、グエン・コック・ヴィエットが蹴ったPKはこの試合ではこの後、何度もスーパーセーブを見せたインドネシアGKエルナンド・アリがコースを読んでパンチングで弾きました。このエルナンド選手、そしてベトナムGKクアン・ヴァン・ツアンの両GKが好セーブを連発したことも120分間で決着がつかなかった要因でした。さらにシュートがゴールポストにも阻まれる場面もあるなど、両チームともゴールが遠い試合でした。

延長に入ると疲れからか、荒いプレーが目立ち始める一方で、両チームともチャンスらしいチャンスは少なく、3位決定戦に続き、この試合もPK戦に突入しました。PK戦では先攻のインドネシア、後攻のベトナムともに最初の5名はゴールを決めて、こちらも延長サドンデスとなりました。インドネシアの6人目のキッカーとして立ったGKのエルナンド選手のシュートはベトナムGKヴァン・ツアン選手が止め、6人目のキッカー、タイ・バ・ダットがゴールを決めたベトナムが、大会連覇を決めています。

AFF U23選手権2023
決勝戦
2023年8月26日@ラヨーン県立スタジアム
ベトナムU23 0-0 インドネシアU23(PK:6-5)

決勝戦のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)

8月26日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアはまたもベトナムの壁を越えられず準決勝敗退
ACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ決定-ジョホールは昨季に続き川崎、蔚山と同組に

東南アジアU23選手権-マレーシアはまたもベトナムの壁を越えられず準決勝敗退

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の準決勝が行われ、マレーシアU23代表はベトナムU23代表に1-4で敗れて、決勝進出を逃し、明日8月26日に行われる3位決定戦に回っています。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督は、初戦のインドネシア戦で先発した11名からGKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、M・ラケシュ(クランタン)、シャヒール・バシャー(スランゴール)、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、ナジムディン・アクマル(ジョホールU23)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、ハリス・アキフ(クランタン)、ニック・ウマル(ペラ)の8名を起用し、さらに東ティモール戦でゴールを挙げたFWアリフ・イクマルリザル(ペナン)、今大会初先発となるFWハジク・クティ(ペナン)、そしてDFウマル・ハキーム(ジョホールU23)を先発XIに指名しています。(下はマレーシアU23の先発XI)

AFF U23選手権2023
準決勝
2023年8月24日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシア 1-4 ベトナム
⚽️マレーシア:アリフ・イクマルリザル(54分PK、62分)
⚽️ベトナム:ディン・ザン・ティエン(8分)、グエン・クオック・ヴィエット(32分)

前回2022年大会ではグループステージでラオスにまさかの2連敗で準決勝にすら進めなかったマレーシアU23代表は、今大会では今年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝のインドネシアU23代表を破ってグループステージB組を1位で突破し、初の決勝進出をかけてベトナムU23代表戦に臨みました。

しかし2013年の東南アジア競技大会ミャンマー大会で勝利して以来、ベトナムU23代表には4連敗中のマレーシアU23代表は、開始8分で左サイドを突破され、そこからゴール前でフリーのディン・ザン・ティエンへボールが渡ると、これを難なく押し込まれてマレーシアは先生を許します。さらに32分には自陣ペナルティエリア付近でGKラーディアズリ・らハリムからのパスをアリフ・イズワンが奪われると、そこからグエン・クオック・ヴィエットにゴールを決められ、点差を2点に広げられます。さらに前半終了間際には、再び中盤でボールを奪われると、そこからいとも簡単にゴール前まで運ばれ、最後はディン・ザン・ティエンにこの試合2点目のゴールを簡単に決められてしまいます。

前半を0-3で折り返したマレーシアは、後半にインドネシア戦で2ゴールを挙げたファーガス・ティアニーらを投入し、開始4分でアリフ・イクマルリザルが2試合連続のゴールで2点差まで詰め寄りますが、85分にはGKクアン・ヴァン・ツァンからのキックを受けたブイ・ヴィ・ハオがマレーシアDFに詰められながらも粘ってゴールライン近くからマイナスのクロスを出すと、これをグエン・ホン・フックが押し込んで決定的な4点目を挙げたベトナムがマレーシアに完勝しています。

今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズに続き、東南アジアの大会でベスト4止まりに終わったU23代表ですが、FIFA国際マッチカレンダーではなかったことからスーパーリーグの各チームで主力としてプレーする選手の招集ができなかったと言う声も聞こえてきますが、それは今大会に参加したどのチームも同じで言い訳にはできません。帰化選手のおかげで強化が進むA代表と比べると、若い世代の底上げが進んでいないマレーシアサッカー界の課題が浮き彫りになった大会になりました。

マレーシアはもう一つの準決勝でインドネシアに敗れたタイと、本日8月26日午後5時キックオフ(マレーシア時間)の3位決定戦にまわります。なおこの試合はこちらで視聴可能です。

この試合のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)
ACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ決定-ジョホールは昨季に続き川崎、蔚山と同組に

8月24日に2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と、ACLの下部大会に当たるAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が、クアラルンプールにあるAFCハウスで行われ、マレーシア1部スーパーリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジムは、グループステージI組に入り、昨季2022年のJリーグ覇者川崎フロンターレ、2012年と2020年と過去2回ACL優勝の蔚山現代、そして2021/22シーズン2位のBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)と同じI組に入っています。

この既視感がある組み合わせ抽選結果は運命のいたずらなのか、ジョホールは昨季のACLグループステージでもI組で川崎フロンターレ、蔚山現代と同組で、川崎とは0-0、0-5で1分1敗、蔚山現代とは2-1、2-1と2勝し、I組の1位でマレーシアのクラブとして初めてACLのノックアウトステージに進出しています。ただし、昨季のグループステージI組はジョホールの本拠地、スルタン・イブラヒムスタジアムでの集中開催でしたが、今季はコロナ禍前と同様のホームアンドアウェイ方式に戻るため、昨季とは全く条件が異なります。

ジョホールのACLグループステージの試合日程は以下の通りです。

日程 対戦相手試合会場
9月19日(火)川崎フロンターレスルタン・イブラヒムスタジアム
10月3日(木)BGパトゥム・ユナイテッドBGスタジアム
10月24日(木)蔚山現代蔚山文殊サッカー競技場
11月7日(火)蔚山現代スルタン・イブラヒムスタジアム
11月28日(火)川崎フロンターレ等々力陸上競技場
12月12日(木)BGパトゥム・ユナイテッドスルタン・イブラヒムスタジアム

またACLグループステージ組分け抽選の前には、2023/24AFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が行われています。AFCカップはAFCチャンピオンズリーグに次ぐ大会で、例えばUEFAチャンピオンズリーグに次ぐUEFAヨーロッパリーグのような位置付けです。ただし、AFC西地区でいえば、日本や韓国、中国、東地区で言えばサウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランなどAFCランキング上位の国・地域協会には出場権が割り当てられていません。

この日のグループステージ組み合わせ抽選の結果、マレーシアスーパーリーグで昨季2位のトレンガヌはG組に入り、 中村玲央、野村悠太両選手が所属するスタリオン・ラグナ(フィリピン)、バリ・ユナイテッド(インドネシア)、 そして今大会から初めてAFCカップに参戦するオーストラリア勢の1つセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア)と同組になっています。

また昨季のリーグ3位サバはH組となり、南部健造選手が在籍するPSMマカッサル(インドネシア) 栗山直樹、高山和真両選手が所属するホウガン・ユナイテッド(シンガポール)、そして ハイフォン(ベトナム)と同組となっています。

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なおAFCは今季からACLとAFCカップを秋春制に移行するとともに、来季2024/25年シーズンよりACLとAFCカップを改変、さらに新たな大会を加えた3レベルで開催することを発表しています。

最上位レベルに位置するのは東西それぞれ12チーム、合計24チームが出場するACLエリートで、以下、合計32チームが出場するACL2、そして20クラブが出場するAFCチャレンジリーグとつづきます。このため「AFCカップ」の名称は今大会が最後となります。

8月24日のニュース
9月のFIFAカレンダーに向けたマレーシア代表候補合宿参加の26名が発表
インドネシア1部リーグ第9節-エルドストールがデワ・ユナイテッドでデビュー、ホダック監督就任後プルシブ・バンドンが初勝利
スランゴールFCがインドネシア2部のプルシラジャ・バンダ・アチェと親善試合開催

今日8月24日はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)とAFCカップの組み合わせ抽選がクアラ・ルンプールにあるAFCハウスで行われます。ACLは16時から、AFCカップは14時からとなっており、マレーシアスーパーリーグからACLに出場するジョホール・ダルル・タジムFC、AFCカップに出場するサバFCとトレンガヌFCの対戦相手が決まります。なおACLの組み合わせ抽選の様子はこちらから、AFCカップの組み合わせ抽選の様子はこちらからいずれもAFCの公式チャンネルでストリーム配信されます。

9月のFIFAカレンダーに向けたマレーシア代表候補合宿参加の26名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは、9月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)に向けた代表候補合宿を8月26日から行いますが、この合宿に参加する26名が発表されています。9月のFIFAカレンダーでマレーシア代表は8月6日にシリア代表と、8月9日には中国代表といずれも中国の成都市で試合を行います。

キム・パンゴン監督は6月のFIFAカレンダーで招集したメンバー26名中、15名を今回も招集しています。残る11名中7名は3月のFIFAカレンダーで招集されたメンバーで、また3名は昨年末に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2023に出場しており、今回代表初招集となったのはナサニエル・シオ・ホンワン(ジョホール・ダルル・タジムFC)1名だけです。

氏名年齢所属
GK^#*シーハン・ハズミ27JDT
#ダミエン・リム26SAB
^#カラムラー・アル=ハフィズ28KDA
DF#*シャールル・サアド30JDT
#*マシュー・デイヴィーズ28JDT
#*ラヴェル・コービン=オング32JDT
#*シャーミ・サファリ25JDT
^#*ドミニク・タン26SAB
^シャルル・ナジーム24SEL
^#クエンティン・チェン24SEL
#ディオン・コールズ27BU
*ジュニオール・エルドストール32DU
MFナサニエル・シオ・ホンワン23JDT
#*エンドリック・ドス・サントス28JDT
#*アリフ・アイマン21JDT
^*サファウィ・ラシド26JDT
#アキヤ・ラシド24JDT
#ダニエル・ティン31SAB
^#*スチュアート・ウィルキン25SAB
^#ブレンダン・ガン35SEL
#アザム・アジー28SRP
^エゼキエル・アグエロ29SRP
^シャミー・イスズアン28SRP
#パウロ・ジョズエ34KLC
FW^#ダレン・ロック33SAB
^#*ファイサル・ハリム25SEL
*は6月の代表戦メンバー、#は3月の代表戦メンバー、^は三菱電機カップ2023出場メンバー
所属チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、BU-ブリーラム・ユナイテッド(タイ)、DU-デワ・ユナイテッド(インドネシア)

インドネシア1部リーグ第9節-ジュニオール・エルドストールがデワ・ユナイテッドでデビュー、プルシブ・バンドンがボヤン・ホダック監督就任後初勝利を挙げる

8月18日から20日にかけてインドネシア1部リーグの第9節が開催され、今月末の代表候補合宿にも参加するマレーシア代表DFのジュニオール・エルドストルがデワ・ユナイテッドで今季初出場を果たしています。

インドネシア1部 第9節
2023年8月19日@スタディオン・マグウォハルジョ(ジョグジャカルタ特別州スレマン)
ランス・ヌサンタラFC 0-0 デワ・ユナイテッド
 日本人MF丸岡満選手が所属するランス・ヌサンタラFCはこの試合前までは4勝3分1敗の2位、一方のデワ・ユナイテッドは3勝2分3敗の9位でしたが、スコアレスドローとなったこの試合の結果、ランス・ヌサンタラFC、デワ・ユナイテッドともに順位を2つ下げて、それぞれ4位と11位に後退しています。
 先月7月20日にジョホールから今年12月31日までの期限付きで移籍したDFジュニオール・エルドストールは、第7節のバリト・プトラ(1-2)、第8節のPSISスマラン(1-4)と連敗中もベンチ入りしたものの出場はありませんでしたが、この試合では88分に交代出場し、デワ・ユナイテッドでのデビューを果たしています。なおエルドストール選手は、今年1月から5月末まではタイ1部のプラチュワップFC(タイ1部)に期限付き移籍し、3試合で出場時間は32分でした。

またマレーシアスーパーリーグのKLシティFC監督から、7月にプルシブ・バンドン監督に転身したボヤン・ホダック監督が監督就任4試合目にして初勝利を挙げています。

インドネシア1部 第9節
2023年8月20日@ジャティディリ スタジアム(中部ジャワ州スマラン)
PSISスマラン 1-2 プルシブ・バンドン
 ホダック監督就任以降、第6節はホームでバリ・ユナイテッドと0-0で引き分け、第7節はアウェイでプルシス・ソロに1-2で敗れ、第8節はホームでバリト・プトラと1-1で引き分けと、勝星のなかったプルシブ・バンドンですが、フィリピン代表で浦和レッズユース出身のDF佐藤大介選手も先発したこの試合では、オランダ出身のインドネシア代表MFマーク・クロックの2発で勝利し、降格圏の16位から14位に浮上しています。
 昨季は優勝したMF南部健造が所属するPSMマカッサルと勝点差13の3位に終わったプルシブ・アバンドンは、今季の開幕でスタートダッシュに失敗するとホダック監督を起用しましたが、ここまでは2勝5分2敗となっています。5引き分けはリーグ最多で、昨季の成績19勝5分10敗と並んでいます。

スランゴールFCがインドネシア2部のプルシラジャ・バンダ・アチェと親善試合開催

スーパーリーグのスランゴールFCは、8月27日にインドネシア2部のプルシラジャ・バンダ・アチェと親善試合を行うことをチーム公式サイトで発表しています。スーパーリーグは今週末の第21節を終えると、その後はFIFA国際マッチカレンダーが9月4日から12日まで予定されていることら中断期間に入り、スランゴールFCの次の試合は9月15日のマレーシアカップ準々決勝ファーストレグのトレンガヌFC戦となっています。

対戦するプルシラジャ・バンダ・アチェは、2021/22シーズンにインドネシア1部リーガ1で最下位となり2部のリーガ2に降格しています。なおリーガ2は2022/23シーズンはシーズン途中で中止となり、今季2023/24シーズンは9月に開幕します。

スランゴールはこの記事の上にもある代表候補合宿にDFシャルル・ナジーム、DFクェンティン・チェン、MFブレンダン・ガン、FWファイサル・ハリムが招集されており、この主力4名を除いたメンバーでの遠征となります。なおこの試合はバンダ・アチェのハラパン・バンサスタジアムで行われ、スランゴールFCは8月25日の第21節クランタンFC戦後にバンダ・アチェに向けて出発するということです。

8月23日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアは東ティモールに勝利し準決勝進出
昨日の敵は今日の友-ジョホールサポーターが邦本宜裕選手を称賛
今度はヌグリスンビランFCに給料未払い問題が発覚

東南アジアU23選手権-マレーシアは東ティモールに勝利し準決勝進出

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権のグループステージB組の第3節が行われ、マレーシアU23代表が東ティモールU23代表を3-1で破っています。この勝利でマレーシアはB組を首位で突破し、明日8月24日の準決勝では2022年大会優勝のベトナムと決勝進出を賭けて対戦します。。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督はGKアジム・アル=アミン(KLシティ)以下、DFがウマル・ハキーム(ジョホールU23)、V・ルヴェンティラン(スランゴール)、ナズウィン・サレー(KLシティ)、M・ラケシュ、フィルダウス・ハスノディン(いずれもクランタン)、MFがムスリフディン・アティク、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(いずれもトレンガヌ)、FWがアリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、アイマン・アフィフ(クダ)、アリフ・イクマルリザル(ペナン)と初戦のインドネシアU23代表戦からはGKを含めて5名を入れ替えた先発XIを起用しています。(下はマレーシアU23代表の先発XI)

前節第2節でインドネシアが東ティモールに1−0と僅差で勝利し得失差0となったことで、この試合は引き分け以上で準決勝進出が決まるマレーシアはアリフ・イクマルリザルが5分に豪快なミドルシュートで先制ゴールを決め、さらにその8分後にはゴール前でフリーになったアリフ・イズワンが2点目を挙げると、その後は攻め続けるもののゴールは奪えずに試合が進みます。そして逆に前半終了間際には、中盤でボールを奪われると、最後はA代表でもプレーする東ティモールFWオラガル・シャヴィエルがゴールを決めて1点差に迫られます。

後半に入ると、マレーシアはアリフ・イズワンのシュートを東ティモールGKが弾いたところをアリフ・イクマルリザルが押し込んでこの試合2点目を挙げて再びリードを広げます。しかし、マレーシアは中盤のチェックが緩く、東ティモールのFW陣にボールを持ち込まれ好機を作られますが、相手のシュートの精度の低さやゴールポストに助けられるなどして失点を許さず逃げ切っています。

AFF U23選手権2023
グループステージB組 第3節
2023年8月19日@PTTスタジアム
東ティモール 1-3 マレーシア
⚽️東ティモール:オラガル・シャヴィエル
⚽️マレーシア:アリフ・イクマルリザル2(5分、64分)、アリフ・イズワン・ユスラン(13分)

この試合のハイライト映像(AFFの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージB組順位表(第3節終了)

順位チーム勝点
1マレーシア22005236
2インドネシア21012203
3東ティモール200214-30
昨日の敵は今日の友-ジョホールサポーターが邦本宜裕選手を称賛

デビュー戦となった8月19日のマレーシアカップ1回戦対クランタンFC戦で先発すると、いきなり先制点をアシストし、その後はチームの2点目と3点目のゴールを決めるなど大活躍した邦本宜裕選手は、ジョホールサポーターの喝采を浴びました。

試合後の会見ではジョホールのエステバン・ソラリ監督もチームの戦術を短期間で理解した上で、空いたスペースを見つけ、素早く反応し、相手にとって危険なパスを出してアシストするなど素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと大絶賛でした。

しかし、この邦本選手は2019年にジョホールがマレーシアのチームとして初めてAFCチャンピオンズリーグに出場した際に、ゴールを決められた相手でもありました。当時は慶南FCに在籍していた邦本選手は、2019年5月22日のグループスタージE組の第6節でチーム最年少の21歳ながらジョホールを相手に先発し、ロスタイムの90+4分にゴールを決め、慶南FCの2-0での勝利に貢献しています。

ジョホールサポーターにとっては苦い思い出もある邦本選手ですが、デビュー戦でのゴール直後にはユニフォームの胸についたジョホールのエンブレムにキスするなど、ジョホール愛をアピールし、サポーターの心を鷲掴みにしています。試合後は辛口の地元メディアからも高い評価を受けていた邦本選手はスーパーリーグはもちろん、明日8月24日に組み合わせ抽選が行われるACL2023年大会でも活躍が期待されます。

今度はヌグリスンビランFCに給料未払い問題が発覚

今季はKLシティFCやクランタンFCで明らかになった給料未払い問題ですが、同様の問題がヌグリスンビランFCでも起こっているものの、現時点ではこの状況をマレーシアサッカー協会FAMやマレーシアプロ選手会PFAMへ不服申し立ては行われていなようだどと、マレーシア語メディアのマジョリティが報じています。

マレーシアサッカー界ではいわば「年中行事」とも言える給料未払い問題。それでもこれまでは、シーズンの終盤に運営資金繰りが苦しくなった結果の給料未払いがニュースになっていましたが、新型コロナ禍からそれが明けた頃にはシーズンが始まって間もなく給料未払いが発覚するなど、状況が悪化していると言えるかもしれません。

ヌグリスンビランFCはベテランのザクアン・アドハが噂されていた給料未払い問題が事実であることを自身のSNSで認めた上で、チームCEOに対して怒りのコメントを投稿し、さらに8月20日のマレーシアカップ1回戦セカンドレグ対クランタン・ユナイテッド戦後の記者会見ではE・デヴァン監督も給料が未払いになっていることを認めていました。しかし、ヌグリスンビランFCからは現時点で事情を説明する記者会見もなければ、正式なコメントなどは何も出されていません。

しかし、その一方でこの給料未払い問題に関しては、マレーシアサッカー協会FAMにもマレーシアプロサッカー選手会PFAMにも不服申し立てが行われていないという報道もあり、SNSや記者会見での発言では何も問題は解決しないと、この記事は結んでいます。

8月22日のニュース
ピッチ内外で話題を振り撒くクランタンFC関連3題

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、今日がグループステージ最終戦の東ティモール戦です。同組のインドネシアは東ティモール相手に1-0で勝利しており、マレーシアが今日の試合で勝つか引き分ければB組1位通過となり、ノックアウトステージとなる準決勝ではC組1位が濃厚なベトナムとの対戦が控えています。苦手なベトナム戦に向けて勢いをつけるためにも今日の東ティモール戦では快勝を望みたいです。

JDT戦大敗のクランタンFCオーナーはその原因がマレーシアサッカー協会にあると

8月20日に行われたマレーシアカップ1回戦セカンドレグでクランタンFCは、エースのベルグソン・ダ・シルヴァにはハットトリックを許し、ジョホールに加入したばかりの邦本宜裕選手にも2ゴールを決められるなど、ジョホール・ダルル・タジムに今季最大となる10失点を喫し、ファーストレグと合わせて通算成績1-15で大敗しています。そのクランタンFCオーナーのノリザム・トゥキマン氏は、この大敗の原因はマレーシアサッカー協会FAMにあると述べていると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この試合での大敗には失望したと述べたノリザム オーナーですが、前半戦を終えて1勝と苦しむチームに対して、今季2度目のトランスファーウィンドウに合わせて、FWデニス・ブシェニング(タイ)、MFアフメド・マグディ(エジプト)、DFアリー・セサイ(シエラレオネ)、GKアリアクバル・アフメディ(イラン)の4名の外国籍選手を補強しました。しかしノリザム オーナーはFIFAの移籍マッチングシステム(TMS)に問題があったとして、トランスファーウィンドウの終了前までに出場選手登録ができなかったと説明しています。

クランタンFCはそれまで給料未払い問題により新規獲得選手禁止処分を受けており、その後、支払いが行われたことを受けてFAMがそれを解除したのはトランスファーウィンドウが閉じる4日前の7月27日でした。獲得した4名の外国籍選手を8月1日の期限前に登録しようとしたクランタンFCでしたが、その時点でFIFAのTMSに「問題」が見つかり、8月4日までこのオンラインサイトに接続できず、その結果、クランタンFCは獲得した選手の出場登録ができなかったということです。そしてノリザム オーナーは、このTMSの「問題」についてFAMが「二重基準」によるクランタンFCへの十分な支援がなかったとして、FAMの対応に失望したとともにその不十分な支援を非難しています。

マレーシアサッカー協会はクランタンFCオーナーの非難は筋違いと反論

上の記事で取り上げたクランタンFCのノリザム オーナーによるマレーシアサッカー協会FAMへの非難に対し、FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長はその非難は筋違いであり、出場選手登録ができなかったのはチームの運営方法に欠点があったと反論しています。

ノー・アズマンFAM事務局長は、クランタンFCが出場選手登録を行ったのが実際には8月1日を過ぎていたことから登録が認められず、その後にクランタンFCがFIFAへ行った登録アピールについてもFAMは支援を行なったと説明しています。

「クランタンFCを含めマレーシアスーパーリーグ各チームは、FAMのTMSとは別に、個々にTMSのアカウントを保持しており、その担当者はチームが任命することになっている。そしてチームのTMSアカウントに関する問題が起こった場合は、全てのTMSを管理するFIFAとチームのTMS担当者が直接、やりとりすることが原則である。マレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウの最終日となった8月1日に、FAMのTMS担当者が、クランタンFCのTMS上に新規獲得した4名の外国籍選手の国際移籍証明書(ITC)がアップロードされていないことを発見した。」

「これに対してクランタンFCの説明は、前任のチームTMS担当者が現在もアカウントを管理しており、チームがシステムに接続ができない状態にあり、トランスファーウィンドウが閉じる45分前にFIFAへ電子メールを送って、新たなチームTMS担当者の承認を求めたというものだった。8月1日には、スーパーリーグの他のチームもTMSを使って新規獲得選手のITCと国内移籍証明(DTC)をアアップロードしており、システムに接続できないという報告はどのチームからも受けていなかった。」

「クランタンFCが求めた新たなチームTMS担当者としてチームオーナーのノリザム氏をFIFAが承認したのは8月2日であった。しかもFAMはこの問題によりクランタンFCが不利益を被らないよう、FIFAに対してトランスファーウィンドウを8月4日まで延長することを求める文書も送付したが、それは認められなかった。さらにFAMは8月15日にクランタンFCに関して個別にトランスファーウィンドウを延長するようFIFAに求めたが、そういった申請はトランスファウィンドウ期限前に行われた場合に限り考慮できるとして却下された。これがクランタンFCは今季2度目のトランスファーウィンドウで新規獲得選手を出場登録できなかった経緯である」

ノー・アズマン事務局長は出場選手登録ができなかった原因は、クランタンFCが8月1日のトランスファーウィンドウ最終日までにITCをTMSのシステムにアップロードできなかったことにあり、FAMを非難することは全くの筋違いであると述べています。

ケランタンFC買収を望む人物が名乗りをあげる

ピッチ内では大敗続き、ピッチ外では次々と明らかになる運営の問題と話題に事欠かないクランタンFCですが、そのチームを買収しようという人物が現れたことを、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

自称弁護士のカマル・ヒシャム・ジャファル氏という人物が、自身のSNS上で「クランタンFCの尊厳を守るために」金額に折り合いがつけばという条件つきながら買収したいと名乗り出ています。そしてこれがクランタンFCサポーターを中心に拡散し、現在のクランタンFCのオーナーであるノリザム・トゥキマン氏に対して、カマル氏と連絡を取り合い、チーム売買について話し合うよう求める声が上がりました。これを受けてノリザム オーナーは自身のSNSを更新し、自身がヒシャム氏に電話をしたものの出なかった明かした上で、クラブ譲渡について詳しく話し合いたいとして、連絡をもらいたいと投稿しています。

不振を極めるクランタンFCには、これまでも化粧品会社を経営するハスミザ・オスマン氏やフィットネスジムを経営するエルファン・アキフ氏など買収を申し出る人物が複数名、名乗りをあげており、ノリザム氏との話し合いが持たれたものの、いずれも不調に終わっており、今回もその先行きは不透明です。

マレーシアカップ1回戦
セカンドレグ結果とハイライト映像-つかみはOK!ジョホール加入の邦本選手がデビュー戦で挨拶代わりの2G1A

8月3日から1回戦が始まったマレーシアカップ。第1回大会(当時の名称はマラヤカップ)が開催されたのはこの国がマラヤと呼ばれ、まだ英国の植民地だった1921年、年号で言えば大正10年でした。同じ1921年に第1回大会が開かれたサッカー天皇杯とともにアジア最古のカップ戦として知られるマレーシアカップは、開催当初は各州代表チームによる対抗戦として始まった経緯もあり、郷土のチームをサポーターが熱狂的に応援する様子はさながら高校野球の甲子園大会を思わせます。1942年から1947年までは日本による英領マラヤ占領により休止に追い込まれたこともあり、今年2023年の大会は第97回大会となっています。

このマレーシアカップは、これまではリーグ戦終了後に行われ、1部スーパーリーグの上位11チームと2部プレミアリーグの上位5チームの合計16チームによって争われてきましたが、今季はスーパーリーグとプレミアリーグの統合によりスーパーリーグが14チーム編成となったことに加え、プレミアリーグが休止となったことから、今大会はスーパーリーグの全14チームと、3部リーグにあたるM3リーグで現在首位のKLローヴァーズFCと2位ハリニ・スランゴールFTの2チームの合計16チームが参加します。なお大会のフォーマットは1回戦から準決勝まではホームアンドアウェイ形式で行われ、決勝のみが一発勝負となっています。

1回戦が終了したマレーシアカップは、9月15日からベスト8のファーストレグが、9月23日からセカンドレグが予定されています。また1回戦で敗退した8チームは4年ぶりに復活したチャレンジカップに回ります。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月18日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:9,110人
クダ・ダルル・アマンFC 2-1 ペラFC(通算成績:ペラ 4-3 クダ・ダルル・アマン)
⚽️クダ:マヌエル・イダルゴ(28分PK)、アクマ・ザヒル(83分)
⚽️ペラ:ソ・ソンウン(85分)
🟨クダ:なし
🟨ペラ:ルシアノ・ゴイコチェア、サンディ・アフォラビ、アフィフ・アシュラフ、
🟥ペラ:カイルル・アシュラフ
MOM:ソ・ソンウン(ペラ)

 ファーストレグで3-1と勝利したペラをホームに迎えたクダは、26分にペラMFサンディ・アフォラビが自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯して得たPKをマヌエル・イダルゴが蹴り込んで先制します。
 1-0のまま折り返した後半55分には、後半から出場したDFカイルル・アシュラフがクダMFアミールベク・ジュラバエフへのファールで1発レッドで退場となるとペラは10人となってしまいます。さらに83分には、アクマル・ザヒルが放ったシュートにペラDFイエスペル・ニホルムが足を出すとボールの角度が変わり、逆をつかれたペラGKのT・シャヒースワランが反応できずにそのままゴールイン。このゴールでクダが通算成績3-3としてペラに追いつきます。
 しかし最後に笑ったのはペラでした。クダのペナルティエリアの外でフリーキックを得ると、そのボールはゴール前へ。キャッチを試みたクダGKカラムラ・アル=ハフィズでしたが、ボールはその手からこぼれ、そこに詰めていたソ・ソンウンが頭で押し込み、ペラが再び通算成績を4ー3としてリードします。その後はイフェダヨ・オルセングンのシュートがゴールポストに当たるなどクダに不運もありましたが、10人のペラが最後までリードを守り切り、ベスト8進出を決めています。
 勝ったペラはベスト8でサバと対戦、敗れたクダはチャレンジカップに回りクチンシティとの対戦となりました。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月18日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:3,623人
トレンガFCヌ 3-0 KLローヴァーズFC(通算成績:トレンガヌ 7-0 KLローヴァーズ)
⚽️トレンガヌ:ノー・ハキム・ハサン2(31分、90分)、リリドン・クラスニキ(51分)
🟨トレンガヌ:アリフ・ファジラー、サフワン・マズラン
🟨KLローヴァーズ:なし
MOM:ノー・ハキム・ハサン(トレンガヌ)

 ファーストレグで4-0としていたスーパーリーグのトレンガヌが、Mリーグ3部に当たるM3リーグのKLローヴァーズを一蹴して、ベスト8進出を決めています。今季のM3リーグは外国籍選手の登録が認められておらず、先発に外国籍選手4名が名を連ねたトレンガヌ相手では分が悪すぎました。
 トレンガヌはベスト8でスランゴールと対戦し、KLローヴァーズはPDRMとチャレンジカップで対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドトレグ
2023年8月18日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:570人
KLシティFC 1-0 ペナンFC(通算成績:KLシティ 5-0 ペナン)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(70分)
🟨KLシティ:アクラム・マヒナン、セバスチャン・アヴァンジーニ
🟨ペナン:アディブ・ラオプ、ハジック・プアド、アブドル・アブディーン・テミトープ
MOM:アズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)

 2021年のマレーシアカップ王者KLシティが通算成績5-0でペナンを破り、ベスト8進出を決めています。ファーストレグで2ゴールを決めていたチェチェ・キプレがこの試合でもゴールを決め、トレンガヌのイヴァン・マムートとともに3ゴールで今季大会得点王争いのトップに立っています。
 KLシティはベスト8でスリ・パハンとの対戦が決まり、ペナンはチャレンジカップでM3リーグのハリニ・スランゴールと対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月19日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:7,041人
スランゴールFC 1-2 PDRM FC(通算成績:スランゴール 5-3 PDRM)
⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ(25分)
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(32分)、ハリス・ハイカル(90+3分OG)
🟨スランゴール:ファズリ・マズラン、クエンティン・チェン、リッチモンド・ボアキエ
🟨PDRM:アリフ・ナジミ・シャアニ、マーカス・マコーリー、ジェイムズ・オクウォサ、アリフ・ナキュイディン
MOM:ラマダン・ハミド(PDRM)

 この試合ではロスタイムにオウンゴールで敗れたスランゴールですが、ファーストレグでは4-1で勝利した貯金が効いて通算成績でPDRMを上回り、ベスト8進出を決めています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は70分から途中出場しています。
 ベスト8進出を決めたスランゴールはトレンガヌとの対戦となりました。また敗れたPDRMはチャレンジカップでM3リーグのKLローヴァーズと対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月19日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:6,241人
サバFC 1-1 クチンシティFC(通算成績:サバ 4-1 クチンシティ)
⚽️サバ:リザル・ガザリ(27分)
⚽️クチンシティ:ラメシュ・ライ(58分)
🟨サバ:テルモ・カスタニェラ、パク・テス、ラモン・マチャド、コ・グァンミン
🟨クチンシティ:ヌルシャミル・アブドル・ガニ、アブ・カマラ
MOM:リザル・ガザリ(サバ)

 ファーストレグでは3-0で勝利していたサバは、セカンドレグでもクチンシティを1点に抑えて、ベスト8進出を決めています。サバはベスト8でペラと、クチンシティはチャレンジカップでクダと対戦します。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。
 

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月19日@スルタン・イスマイルスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:11,719人
ジョホール・ダルル・タジムFC 10-0 クランタンFC(通算成績:ジョホール 15-1 クチンシティ)
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(21分、43分、73分)、邦本宜裕2(24分、37分)、フアン・ムニス(53分)、ダリル・シャム(59分)、ヘベルチ・フェルナンデス(61分)、アリフ・アイマン(64分)、アイサル・ハディ(90+3分)
🟨ジョホール:なし
🟨クランタン:イザハム・ハスリン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール・ダルル・タジム)

 マレーシアカップ連覇を目指すジョホールがクランタンを粉砕し、ベスト8進出を決めています。
 新加入の邦本宜裕選手が先発に名を連ねたジョホールは、21分にその邦本選手がベルグソン・ダ・シルヴァの先制ゴールをお膳立てすると、その3分後にはジョホール加入初ゴールを決めると、さらに37分には飛び出してきたクランタンGKの上を超えていくループシュートで自身2ゴール目のゴールを決め、ジョホールが3-0とリードを広げます。さらにベルグソンが2点目のゴールを決めたジョホールは前半で4点のリードをつけて折り返します。
 ファーストレグで既に5-1とリードしていたジョホールですが、この試合は後半に入っても攻撃の手を休めることなく次々とゴールを決め、ベルグソン選手はハットトリック達成、邦本選手が2ゴールを決めた他、ダリル・シャム、アイサル・ハディら次代を担う若い選手までが今季トップチーム初ゴールを決めるなど、一方的な試合でクランタンを通算成績15−1で圧倒しています。ジョホールはベスト8でヌグリスンビランと対戦します。
 デビュー戦で2ゴール1アシストと活躍し、ジョホールサポーターの心を鷲掴みにした邦本宜裕は先発して58分に交代しています。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月20日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クランタン)
観衆:1,470人
スリ・パハンFC 2-0 ハリニ・スランゴールFT(通算成績:スリ・パハン 5-2 ハリニ・スランゴール)
⚽️スリ・パハン:クパー・シャーマン2(43分、51分)
🟨スリ・パハン:なし
🟨ハリニ・スランゴール:K・ルーベン、アフマド・シュクリ
MOM:クパー・シャーマン(スリ・パハン)

 ファーストレグではロスタイムのゴールで3-2と辛勝したスリ・パハンでしたが、セカンドレグはエースのクパー・シャーマンの2発でM3リーグのハリニ・スランゴールを相手に危なげなく勝利し、ベスト8に進出しています。ベスト8でスリ・パハンはKLシティと対戦し、ハリニ・スランゴールはペナンとチャレンジカップで対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月20日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:805人
ヌグリスンビランFC 4-2 クランタン・ユナイテッドFC(通算成績:ヌグリスンビラン 5-2 クランタン)
⚽️ヌグリスンビラン:カサグランデ(7分)、R・バラトクマル(19分)、ハイン・テット・アウン(34分)、ユソフ・エゼルジャリ(86分PK)
⚽️クランタン:O・J・ポルテリア(3分)、インドラ・プトラ(66分PK)
🟨ヌグリスンビラン:トミー・マワト、ナスルラー・ハニフ
🟨クランタン:シャズワン・ザイノン
MOM:フィルダウス・イルマン(ヌグリスンビラン)

 ヌグリスンビランはファーストレグでは1-0とクランタン・ユナイテッド相手に苦しい試合を繰り広げました。セカンドレグでもO・J・ポルテリアのゴールで一時は通算成績を1-1とされましたが、そこからの30分で一気に3ゴールを挙げてクランタン・ユナイテッドを突き放しています。ヌグリスンビランはベスト8でジョホールと、クランタン・ユナイテッドはクランタンFCとチャレンジカップで対戦します。

8月19日のニュース
AFF U23選手権-ファーガス・ティアニーの2ゴールでインドネシアに逆転勝利
10月のムルデカ大会出場国がレバノンからタジキスタンに変更
マレーシアフットサル界に日本人ブーム到来?-樋口岳志選手がスランゴールMACに加入

AFF U23選手権-ファーガス・ティアニーの2ゴールでインドネシアに逆転勝利

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権のグループステージB組の第1節が行われ、マレーシアU23代表がインドネシアU23代表を2-1で破って好スタートを切っています。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督はGKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)以下、V・ルヴェンティラン(スランゴール)、M・ラケシュ(クランタン)、シャヒール・バシャー(スランゴール)、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、ナジムディン・アクマル(ジョホールU23)、サイフル・ジャマルディン(スリ・パハン)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、アイマン・アフィフ(クダ)、ハリス・アキフ(クランタン)、ニック・ウマル(ペラ)を先発XIに指名しています。(下は両チームの先発XI)


試合は開始から両チームがせめぎ合う中、それまでもたびたびマレーシアゴールを脅かしていたラマダン・サナンタ(プルシス・ソロ)がペナルティエリアの外でボールを受けると、マレーシアDFサイフル・ジャマルディンをかわして先制ゴール!29分にインドネシアが先制します。その後も両チームは激しくぶつかり合いますが、前半はこの1点のみで、インドネシアがリードして前半を終了します。
 後半開始とともにエラヴァラサン監督はファーガス・ティアニー(ジョホールU23)を投入すると、54分に相手ペナルティエリアで倒されたティアニー選手は獲得したPKを自分で蹴り込んで同点ゴールとなります。さらに62分にはティアニー選手が2点目となるゴールを決めてマレーシアが逆転し、その後は日本人の笠原寛貴主審が8分のロスタイムを与える中、インドネシアの猛攻を凌いで逃げ切っています

AFF U23選手権2023
グループステージB組 第1節
2023年8月19日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシア 2-1 インドネシア
⚽️マレーシア:ファーガス・ティアニー2(54分PK、62分)
⚽️インドネシア:ラマダン・サナンタ(29分)

この試合のハイライト映像-AFFの公式YouTubeチャンネルより

グループステージB組順位表(第1節終了)

順位チーム勝点
1マレーシア11002113
2インドネシア100112-10
3東ティモール00000000
10月のムルデカ大会出場国がレバノンからタジキスタンに変更

マラヤ連邦(当時)が英国から独立を果たしたことを記念して1957年に第1回が開催されたムルデカ大会(ムルデカとはマレーシア語で「独立」)は、アジア最古の招待大会の一つです。近年はマレーシア代表の弱体化などもあり久しく開催されていませんでしたが、このムルデカ大会が今年10年ぶりに復活し、10月13日と17日の両日にわたって試合が行われますが、その出場国の一部が変更となったことをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。

11月から始まるFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選の前哨戦として、また来年1月開幕のAFCアジアカップ2023年大会への準備として10年ぶりに復活するムルデカ大会は、ホストで直近のFIFAランキング145位のマレーシアの他、同93位のパレスチナ、同100位のレバノン、同109位のインドの出場が発表されていましたが、レバノンに代わり同110位のタジキスタンが出場するということです。

レバノンサッカー協会から8月14日付で出場辞退の連絡を受けたことを説明したノー・アズマン・ラーマンFAM事務局長は、その理由としてレバノンとパレスチナが11月から始まるW杯予選で同組となっている上、今回のムルデカ大会ではこの両チームが対戦するカードが組まれていることを挙げていると説明しています。一部メディアでは、W杯アジア2次予選の組み合わせが決定した際に、このレバノンとパレスチナのどちらか、あるいは両方がムルデカ大会への参加を辞退するのでは、と心配する声が上がっていましたが、その心配が現実のものとなりました。この結果、初日となる10月13日はパレスチナ対タジキスタン、インド対マレーシアというカードになり、17日はこのカードの勝者同士で決勝が、また敗者同士で3位決定戦が行われます。

マレーシアフットサル界に日本人ブーム到来か-樋口岳志選手がスランゴールMACに加入

マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのスランゴールMACは、チームの公式SNSで樋口岳志選手の加入を発表しています。MPFLには今季途中まで日本代表の平田・ネト・アントニオ・マサノリ選手(現スペイン1部サンタコロマ)が同じスランゴール州に本拠地を持つスランゴールTOTユナイテッドに在籍しており、1シーズンに2人の日本人選手がMFPLにやってくるのは史上初です。

スランゴールMACは、今季のMPFLで22点を挙げてリーグ得点王となったアリ・エブラヒミ(イラン)が自国リーグでプレーするために退団しており、樋口選手はエブラヒミ選手退団で空いた外国籍選手枠に入る形になります。なお、樋口選手の背番号は13で、チーム公式SNSではすでに練習試合に出場する様子を見ることができます。

ちょうど1ヶ月ほど前に北海道新聞に掲載された樋口選手のプロフィールを引用させていただくと、北海道の旭川実業高では全国大会にも出場した樋口選手は、流通経済大に進学しています。同大1年在籍時に、フットサルU20日本代表監督の目にとまり代表選手に選ばれると、2017年にタイで行われたAFC U20フットサル選手権に出場しています。大学卒業後はFリーグ1部の「ボルクバレット北九州」に2年間所属しましたが、海外挑戦のために退団し。昨年2022年春にはスペインに渡り、練習生などを経て、同年12月、スペインリーグ2部の「アトレティコ・ベナベンテ」と契約、そして今年5月まで在籍していたということです。。

リーグ戦が終了したMPFLは、リーグ上位6チームとプレーオフを勝ち上がった2チームの計8チームが参加するマレーシアフットサルカップが今日から開幕します。樋口選手の所属するMPFLのB組2位のスランゴールMACは同4位のシャーアラム・シティと対戦し、勝ち上がればMPFL準優勝のジョホールと準決勝で対戦します。2019年、そして2年間の中断を挟んで2022年とMPFL2連覇を果たしたスランゴールMACは、今年からリーグに参加するジョホール・ダルル・タジムに主力を含め大量7名の選手が開幕前に移籍しており、今季はリーグ戦後のノックアウトステージで準決勝敗退となりました。

樋口選手の初戦となるシャーアラムシティ戦は本日、午後9時(マレーシア時間)にスランゴールMACの本拠地、パナソニック総合運動施設(スランゴール州シャーアラム)でキックオフです。

8月17日のニュースAFF
U23選手権出場のU23代表メンバー23名がタイ入り
ジョルディ・アマトの移籍をジョホールオーナーが否定前
KLシティのホダック監督はプルシブ・バンドンで苦戦が続く

AFF U23選手権出場のU23代表メンバー23名がタイ入り

本日8月17日にタイのラヨーンで開幕する東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場するマレーシアU23代表メンバーがマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。なお選手たちは既に昨日、タイ入りしています。

これまでに発表されていた代表候補25名から、DFジクリ・カリリ(スランゴールFC)が足首のケガで外れた他、いずれもMFのシャフィ・アスズワド・サバリ(ペナンFC)とシャーリル・スパルマン(スリ・パハンFC)がメンバー外となった一方で、FWニック・ウマル・ニック・アジジ(ペラFC)が予備候補リストからメンバー入りしています。

グループステージでB組のマレーシアは、今年5月にカンボジアで開催された東南アジア競技大会シーゲームズではベトナムを準決勝で、タイを決勝で破って優勝したインドネシアと8月18日に対戦し、8月22日に東ティモールと対戦します。A組(タイ、ミャンマー、カンボジア、ブルネイ)、C組(ベトナム、フィリピン、ラオス)も含めた各組1位と、各組2位の内で最も勝点の多い1チームの4チームがノックアウトステージとなる8月24日準決勝に進出します。なお、決勝と3位決定戦はいずれも8月26日に予定されています。

*****

今年5月のシーゲームズでは、同じU23代表チームがグループステージで同組となったタイに0-2、ベトナムに1-2で敗れてグループステージ敗退となったマレーシア。今回の大会はFIFA国際マッチカレンダー外ということもあり、ジョホールのアリフ・アイマンやスランゴールのムカイリ・アジマルなど、この年代でスーパーリーグ各チームの主力となっている選手はほとんど招集されていません。他国も同じ条件とはいえ、マレーシア的には「飛車角落ち」のメンバーではありますが、決勝進出とは言わなくとも、準決勝までは進出して欲しいところです。

AFF U23選手権出場マレーシアU23代表メンバー(*は2023シーゲームズ出場選手)

POS氏名年齢所属
GK シャーミ・アディブ・ハイカル20SEL
GKラーディアズリ・ラハリム22TRE
GK*アジム・アル=アミン22KLC
DF *V・ルヴェンティラン22SEL
DFウマル・ハキーム21JDT II
DF M・ラケシュ22KEL
DFフィルダウス・ハスノディン21KEL
DFハリズ・マンソル21KDA
DF ナズウィン・サレー22KLC
MF*シャヒル・バシャー22SEL
MF*ナジムディン・アクマル20JDT II
MF*ファーガス・ティアニー20JDT II
MF*ダリル・シャム21JDT II
MF*ムスリフディン・アティク・マット・ザイド22TRE
MF*ウバイドラー・シャムスル・ファジリ20TRE
MFサイフル・ジャマルディン22SRP
MFハズミ・アブ・ザイド22IMI
FW*アリフ・イズワン・ユスラン19SEL
FWアリフ・イクマルリザル・アヌアル21PEN
FWハジク・クティ・アバ19PEN
FWハリス・ アキフ22KEL
FW*アイマン・アフィフ22KDA
FWニック・ウマル・ニック・アジジ22PRK
チーム名:SEL-スランゴールFC、JDT II-ジョホール・ダルル・タジムII(U23)、PEN-ペナンFC、TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、PRK-ペラFC、IMI-イミグレセンFC(3部M3リーグ)
ジョルディ・アマトの移籍をジョホールオーナーが否定

トルコのメディアを発端に降って沸いたように起こったジョホール・ダルル・タジムのキャプテン、ジョルディ・アマトの移籍報道ですが、ジョホールのオーナーで、ジョホール州皇太子のイスマイル殿下がこれを否定しています。

昨季途中にベルギー1部のKASオイペンからジョホールへ移籍し、いきなりACLの浦和戦でデビューを果たしたアマト選手は、今季はここまで20試合中19試合に先発するなどチームに欠かすことができない主力選手です。ところがこのアマト選手に対してトルコ1部のトラブゾンスポルが獲得に動いたというトルコメディアの報道が出ると、ネナード・ビェリツァ監督もアマト選手について言及した、契約内容は1年契約など次々と具体的な報道が続き、さらには契約書にサインするため1週間後にトルコ入り、と現地のメディアturkiyegazetesi紙が報じたことで、ジョホールのサポーターから悲鳴が上がっていました。

31歳のアマト選手はスペインのカタルーニャ州カネット・ダ・マール出身で、エスパニョールやラージョ・バジェカーノ、レアル・ベティスなどラ・リガのクラブでのプレー経験がある他、スウォンジー・シティ(英国2部)、KASオイペン(ベルギー1部)でもプレーしています。また年代別のスペイン代表でもプレーし、2009年FIFA U17ワールドカップで3位となったスペインU17代表のメンバーでもありました。アマト選手はスペイン出身ですが、祖母がインドネシアのマカッサル島出身であることから2022年11月にインドネシア国籍を取得し、2022年12月23日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権のカンボジア戦で代表デビューを果たし、現時点で既にキャップ数は7となっています。

と、このような状況の中、ジョホールのオーナーのイスマイル殿下が自身のSNSを更新し、アマト選手の移籍の噂を一蹴したと、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティが報じています。”Nope”とたった一言を投稿したイスマイル殿下でしたが、この一言でこれまでの噂が全面否定されています。

前KLシティのホダック監督はプルシブ・バンドンで苦戦が続く

マレーシアスーパーリーグのKLシティでは過去3シーズンで、2021年マレーシアカップ優勝、2022年AFCカップ準優勝、そして2023年FAカップ準優勝と実績を残したボヤン・ホダック氏は、今季途中でKLシティ監督を辞任し、インドネシア1部のプルシブ・バンドンの監督に就任しましたが、チーム立て直しを望まれながら就任以来1勝4敗と苦しんでいると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

今季開幕戦となった7月2日のマドゥーラ・ユナイテッド戦で引き分けたプルシブ・バンドンは、開幕から4試合を終えて3分1敗とスタートダッシュに失敗すると、開幕から指揮を取ったヤヤ・スナヤ監督代行に代わり、ホダック氏が監督に就任しました。そして就労ビザの関係でベンチには入れなかったもののの選手と対面した直後の7月28日の第5節プルシク・ケデリ戦ではチームが今季初勝利と、いきなりホダック・マジック発動かと思われました。

しかしその後、チームは8月3日の第6節プトラ・サマリンダ戦からは2分1敗と勝ち星がなく、第8節を終えて18チーム中16位と低迷が続いています。しかも次戦となる今週末のリーグ4位PSISスマラン戦では、複数の主力選手が出場停止処分を受け、苦境が続きそうだということです。インドネシアサッカー協会PSSIはMFマルコ・クロック、DFプトゥ・グデ、FWシーロ・アウヴェスに対し、第7節のプルシス・ソロ戦でアウェイのプルシス・ソロ サポーターに対して「敬意を欠く」行為があったとして、クロック、アウヴェス両選手には2試合の、プトゥ選手には3試合の出場停止処分を科すことを発表しています

8月13日の第8節のバリト・プトラ戦では、スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムから期限付き移籍中のMFレヴィ・マディンダのゴールで先制するも、後半に追いつかれて今季8試合で早くも5引き分けと勝ちきれていないプルシブ・バンドンですが、試合後の会見でホダック監督はチームの状況は改善していると話していただけに、この「突然の」出場停止処分には我慢がならなかったのか、「この処分を誰が決めたか知らないが、選手を自分の好きなように加えたり、取り除いたりと、そいつはプレイステーションで遊んでいるかのようだ。とホダック節が炸裂しています。

8月16日のニュース
フットサル-パハンレンジャーズが新加入のジョホールを破って悲願のリーグ初優勝
リーグ13位のクランタンは新規獲得選手獲得も出場選手登録が認められず
今季途中で現役引退の元代表選手がクダ州議選で当選

マレーシアプレミアフットサルリーグ-パハンレンジャーズが新加入のジョホールを破って悲願の初優勝

マレーシアプレミアフットサルリーグ(MPFL)2023年シーズンの決勝セカンドレグが8月14日に行われ、パハンレンジャーズがジョホール・ダルル・タジムを破って悲願のリーグ初優勝を達成しています。

8月4日にパハン州クアンタンで行われたファーストレグで7-3と勝利していたパハンレンジャーズは、ジョホール州パシル・グダンで行われたセカンドレグでは2-3とジョホールに敗れたものの、通算成績を9-6として優勝を決めています。2019年にマレーシアプレミアフットサルリーグとリーグが改編されて以降、2019年、2022年と2シーズン連続(2020年と2021年は新型コロナの影響でリーグは中止)で決勝に進みながら、いずれもスランゴールMACに敗れて準優勝となっていたパハンレンジャーズでしたが、3季連続の決勝進出でついに悲願のトロフィー獲得となりました。

今季からMPFLに参入したジョホールはチーム設立に際し、MPFL2連覇中のスランゴールMACからフットサルマレーシア代表の4選手を含む7選手を獲得した他、他チームからも同様に代表選手を獲得し、MPFL加入初年度から優勝候補の一つとなっていました。

今季は参加全14チームが2組に分かれ、ホームアンドアウェイ形式でリーグ戦が行われた後、各組の上位4チームがノックアウトステージに進む方式で開催され、A組ではパハンレンジャーズが、B組ではジョホールが首位となっていました。その後の準決勝ではパハンレンジャーズがB組2位のスランゴールMACを破って決勝進出を決めると、ジョホールもB組3位で、リーグ戦では日本代表の平田・ネト・アントニオ・マサノリ選手もプレーしたスランゴールTOTを破って決勝に進んでいました。

MPFL決勝セカンドレグのハイライト映像(スタジアムアストロの公式YouTubeチャンネルより)
リーグ13位のクランタンは新規獲得選手獲得も出場選手登録が認められず

先週末のマレーシアスーパーリーグ第20節ではトレンガヌFC相手に今季最多となる8失点で敗れたクランタンFCは、巻き返しを目指して今季2度目のトランスファーウィンドウ期間に4名の新たな外国籍選手の獲得を発表しましたが、マレーシア語紙ブリタハリアンによると、この4選手は出場選手登録が認められておらず、試合に出場できない状態になっています。

マレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長は、FAMによるこの4選手の登録がFIFAによって却下されたことを明らかにしています。「クランタンFCはこの4名の出場選手登録を(今季2度目のトランスファーウィンドウ最終日の)8月1日を過ぎてから行おうとしたためその登録が認められず、8月4日にFIFAに対して登録申請を認めてもらうようアピールを行ったが、8月5日にFIFAから当初のトランスファーウィンドウ外の登録は認められないと拒否する回答を得ていた。このため、クランタンFCオーナーのノリザム・トゥキマン氏がFAMに支援を求めてきたので、FAMは2度目のアピールを行なったが、現時点ではその回答を得ていないと説明しています。

このブログでも8月3日に取り上げましたが、クランタンはFWデニス・ブシェニング(タイ、タイ3部MHナコーンシーから移籍)、DFアリー・セサイ(シエラレオネ、香港1部理文(リー・マン)FCから移籍)、MFアフメド・マグディ(エジプト、エジプト1部アル・ムカウルーン・アル・アラブSCから移籍)、GKアリアクバル・アフメディ(イラン、イラン3部 Vahdat Aghashtから移籍)の4選手の獲得を発表しています。

今季途中で現役引退の元代表選手がクダ州議選で当選

代表キャップ数63で、先月7月半ばに現役引退を発表し、出身地のクダ州議員選に出馬したバドロル・バクティアルが対立候補に7,000票以上の差をつけて初当選を果たしています。クダ州議会与党連合の構成党でイスラム原理主義を標榜する汎マレーシアイスラム党PASの候補としてグルン選挙区で立候補したバドロル氏は17, 771票を獲得し、10,758票を獲得した国会与党連合の構成党である人民正義党PKRのフィルダウス・ジョハリ候補を破っています。

また同じクダ州のアロー・ムンクドゥ選挙区では、キャップ数14の元マレーシア代表MFで58歳のラディ・マット・ディン氏も3度目の挑戦で汎マレーシアイスラム党PASの候補として、こちらは対立候補に1万票以上の差をつけて当選を果たしています。

2023マレーシアスーパーリーグ
第20節結果とハイライト映像(2)

8月13日から14日にかけてマレーシアスーパーリーグ第20節の4試合が行われています。なお、今節の残り試合のペナンFC対クダ・ダルル・アマンFCは8月22日に、クランタン・ユナイテッド対クチンシティFCは9月4日にそれぞれ順延されています。またスリ・パハン対PDRMも順延されていますが、こちらは新たな日程は発表になっていません。
 また8月18日から20日にかけてはマレーシアカップ1回戦のセカンドレグが行われるため、次節第21節は8月25日から27日に開催が予定されています。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月14日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:2,838人
ヌグリスンビラン 0-4 スランゴール
⚽️スランゴール:リッチモンド・ボアキエ(27分)、エイロン・デル・ヴァイエ(59分)、ヨハンドリ・オロスコ(75分)、ハリス・ハイカル(83分)
🟨ヌグリスンビラン:トミー・マワト、エラルド・グロン、
🟨スランゴール:ヤザン・アル=アラブ、ムカイリ・アジマル、ハリス・ハイカル
🟥ヌグリスンビラン:トミー・マワト(🟨x2)
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴール)

 リーグ2位のスランゴールが9位のヌグリスンビランに快勝しています。
 今季のヌグリスンビランとの対戦成績はリーグ戦は2-1、FAカップでは3-1と2連勝しているもの、いずれも相手に先制を許しながら逆転する展開でした。しかもこの試合は今季ここまでチーム3位の5ゴールを挙げているノー・アル=アワブデがケガで、またシーズン半ばにヌグリスンビランから復帰したサフワン・バハルディンが累積警告で出場停止と主力を欠く布陣です。一方のホームのヌグリスンビランは、前節第19節で今季1勝のクランタンに白星を献上するなど、直近の5試合で3分2敗と苦しい試合が続いていますが、この試合ではエースのカサグランデがケガから4試合ぶりに復帰しています。
 しかし試合は開始からスランゴールが外国籍選手FW陣を中心に怒涛の攻撃を見せ、ヌグリスンビランを圧倒し、27分にリッチモンド・ボアキエがペナルティエリアの外からシュートを放ちます。スランゴールから期限付き移籍中の正GKシーク・イズハンが契約上の理由で出場できない中、今季初出場となったフィルダウス・イルマンがこれを止められず、スランゴールが1-0とリードします。シーズン途中にスランゴールからやはり期限付き移籍してきたミャンマー代表FWハイン・テット・アウンもこの試合には出場できず、カサグランデとエラルド・グロンと外国籍選手が2名のみ先発したヌグリスンビランは、この両選手を中心に少ないながらも好機を作りますが、同点にすることはできません。
 後半に入ると、59分にはエイロン・デル・ヴァイエがリーグ得点王トップに並ぶ17点目のゴールを挙げるなど3点を追加したスランゴールが快勝しています。試合数が1試合少ない3位のクダが勝点差3と迫る中で、来季のAFCカップ出場権が得られる2位を維持するためには負けられないスランゴールにとっては大きな1勝でした。

2023年8月14日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,696人
クランタン 0-8 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート3(14分、53分、66分)、ヌルロ・トゥクタシノフ(28分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(36分)、エンク・シャキル(41分)、サフワン・マズラン(47分)、ハキミ・アブドラ(63分)
🟨クランタン:ムハイミン・イズディン
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム、アザム・アズミ
🟥クランタン:シャキミ・ロジ
MOM:イヴァン・マムート(トレンガヌ)

 3試合連続引き分けを止める勝利となった前節第19節のクランタン・ユナイテッド戦に続き今節はクランタンと、トレンガヌは2戦連続でマレー半島東海岸に本拠地を持つチーム同士の「東海岸ダービー」となりましたが、今季最多の8ゴールを挙げたトレンガヌがクランタンに圧勝しています。
 豪雨のため試合開始が1時間半以上遅れて午後10時36分キックオフ(!)となった試合は、トレンガヌが14分にイヴァン・マムートの3試合連続となるゴールで先制します。さらに28分には新加入のヌルロ・トゥクタシノフが移籍4試合目で初ゴールを挙げると、前半だけでさらに3点を追加し、トレンガヌは5-0として前半を折り返します。
 後半に入っても、マムート選手がさらに2ゴールを挙げるなど一方的な展開となった試合は、トレンガヌが今季チーム最多となる8ゴールで圧勝しています。
 前節のヌグリスンビラン戦で16試合ぶりの勝利を挙げたクランタンでしたが、今季最多となる8失点で敗れた上、この試合前にはトランスファーウィンドウで獲得した新外国籍選手4名の登録手続きが遅れたことから出場が認められないことが発表されるなど、良いニュースもなく残り6試合も苦しい戦いが続くことが予想されます。さらに今季20試合を終えて76失点、直近の5試合でみると20失点と守備が崩壊しているクランタンは、このまま行くと年間100失点という記録を達成する勢いです。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第20節途中)

順位チーム勝点
1JDT2020007947560
2SEL21151549193046
3KDA19131537211640
4SAB21123647321539
5SRP19114430201037
6TRE2095637231432
7KLC207763434030
8PDRM187381823-524
9NSE204972538-1321
10PEN1954102330-719
11PRK2044121643-2713
12KLU1915131948-298
13KEL2022162276-548
14KCH1814131437-236
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第20節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)176130716
エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)175032421
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)157329316
4クパー・シャーマン(SRP)103620319
イヴァン・マムート(TRE)105325116
6アブ・カマラ(KCH)93715117
7ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ファイサル・ハリム(SEL)83424718
ステファノ・ブルンド(SRP)83617018
ロメル・モラレス(KLC)83117217
11パウロ・ジョズエ(KLC)74323318
ジオゴ(JDT)7181029
フアン・ムニス(JDT)73618418
パク・テス(SAB)72210020
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC