マレーシアカップ2025/26 準決勝1stレグ(1):ジョホール対クアラルンプール-国内三冠を狙う王者が圧勝

今季2025/26シーズンのマレーシア1部スーパーリーグはまだ4試合を残すも、既に今季のリーグ優勝を決めているジョホール・ダルル・タジム(ジョホール)は、今季のマレーシアFAカップも優勝しています。そして4季連続の国内三冠(リーグ戦、FAカップ、マレーシアカップ)達成のためには、このマレーシアカップが最後に必要なタイトルとなります。

国内で圧倒的な強さを誇るジョホールは、2020年シーズンからは手に入るほぼ全てのタイトルを獲得していますが、唯一、2021年のマレーシアカップでは決勝で敗れています。そしてその相手がクアラルンプールシティ(クアラルンプール)でした。

当時のクアラルンプールは名将ボヤン・ホダック監督(現インドネシア1部プルシブ・バンドン監督)が率いており、決勝ではこの年にリーグ8連覇を果たしていたジョホールを2-0で破り、クラブとしては32年ぶりの優勝を果たしました。

そんな両チームの顔合わせとなった今シーズンの準決勝ですが、ジョホールは1回戦、そして準々決勝の4試合(マレーシアカップは決勝以外は全てホームアンドアウェイ方式で行われます)で、19得点2失点と圧倒的な力で勝ち上がってきたのに対し、クアラルンプールは1回戦で3部A1セミプロリーグでプレーするペラFAに2試合合計3−2、準々決勝ではトレンガヌ相手にやはり3−2と薄氷を履む思いでここまで勝ち上がっています。

ホームのクアラルンプールは2021年のマレーシアカップ決勝でもゴールを決めているFWパウロ・ジョズエ、そしてジョホールからローン移籍中のFWサファウィ・ラシドら、3月31日のアジア杯予選ベトナム戦でもプレーした両選手が中3日で先発する一方、ジョホールはその代表戦を「ケガ」で辞退したヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)のナチョ・メンデス、そして今季はリーグ戦15試合に出場し、マレーシア人選手としてはGKシーハン・ハズミに次ぐ15試合出場(13試合先発)ながら、ピーター・クラモフスキー監督が代表に招集しなかったMFアフィク・ファザイルら休養十分な選手が先発に名を連ねています。

この試合はスタジアムで観戦しましたが、いざ始まってみるとなぜか既視感がありました。クアラルンプールは手を抜いているのではないだろうが、ゴールを挙げようという必死さがない。むしろそれは相手のジョホールの方がはるかに強い。ゴール近くまではボールを運ぶものの、自分たちのスタイルに固執しているのか、ひたすらサイドからのクロスを上げようとするも、そこをことごとジョホールに潰される。

あれ?これって、アジア杯予選で最終節でベトナムに対峙したマレーシアと同じだ。開始5分、ベルグソン・ダ・シルバのゴールで先制されると、クアラルンプールの選手たちの動きが悪くなる。失うものがないはずなのに、埒が開かない同じ戦術を繰り返す。中央突破を試すでもなく、ミドルシュートを打つでもなく、手を替え品を替えて争おうという気配がない。終わってみれば、むしろよく4失点で済んだな、という試合でした。

そして極め付けは、試合後のリスト・ヴィダコヴィッチ監督の会見でした。「ジョホールが相手と決まった時点で、我々のマレーシアカップは終わっていた。2試合でジョホールに勝つのは不可能だ。」と話したクアラルンプールの監督は、チームがベストパフォーマンスを発揮してもジョホールには敵わないと話したということです。

「ジョホールはリーグでは他のチームより上のクラスにいる。彼らに誰よりも早く、誰よりも強い。そんなチームに勝つには良い選手が必要だ。」

「我々は強いチームを相手にホームで0−4で敗れた。(2ndレグが行われる)ジョホールでこの結果を覆すのは可能性が極めて低く、現実的であるべきだと考えている。」

と話したヴィダコヴィッチ監督は、チームは(今日4月7日の)マレーシアカップ準決勝2ndレグではなく、(4月10日の)次のリーグ戦に向けて備えさせたいと話し、その理由として「マレーシアカップについては、もう何の希望もない」と語っています。

個人的には、ジョホールを油断させるための方便と思いたいところですが、これまで歯に衣着せぬ発言をしてきたヴィダコヴィッチ監督だけに本音が漏れたのかもしれません。少なくとも、ホダック監督なら例えそう思っていてもこんなことは言わなかっただろうなぁ。

2026年4月4日@KLフットボールスタジアム
クアラルンプールシティ 0-4 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルバ(5分)、アヘル・アケチェ2(31分、83分)、オスカル・アリバス(59分)

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグのYouTubeチャンネルより。