2月25日のニュース<br>・スポーツ仲裁裁判所が国籍偽装疑惑の7選手に関する審理開始-結果は今週金曜に判明<br>・マレーシアは来季もACLエリートとACL2出場枠をそれぞれ1つずつ確保<br>・国内リーグ屈指の3選手が3月のアジア杯予選ベトナム戦前に国籍取得し代表入りへ<br>・ヌグリ・スンビランのニザム監督が辞任-日本人カルテットにも影響か

スポーツ仲裁裁判所が国籍偽装疑惑の7選手に関する審理開始-結果は今週金曜日に判明

国籍偽装疑惑によりFIFAから処分を受けたマレーシアサッカー協会(FAM)と7名のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)についての審理がスイスにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)で始まりました。

これを報じた英字紙ニューストレイツタイムズは、この審理にはFAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長や他の職員など誰1人出席せず、FAMが外部に任命した法務チームのみが手続きを担当するために出席するということです。

マレーシア時間では今週金曜日2月27日の午前5時ごろにはCASの決定内容が明らかになるということです。

今回の審理は、祖父母の出生地をマレーシアと偽り、マレーシア代表としての資格に関する書類を偽装したとして、昨年9月にFIFAから12ヶ月間のあらゆるサッカー活動停止処分を受けたヘリテイジ帰化選手7名がその処分の軽減を求めているもので、FIFAによって科された決定自体に異議を申し立てる手続きではありません。言い換えれば「国籍偽装したことは認めるので、出場停止の期間を短縮して欲しい」という側から見れば何とも無謀に見える訴えに対する審理です。

FIFAの処分対象となっているのは、スペイン出身のDFガブリエル・パルメロ、DFファクンド・ガルセス、DFジョン・イラザバル、アルゼンチン出身のFWロドリゴ・ホルガド、FWイマノル・マチュカ、ブラジル出身のFWジョアン・フィゲイレド、そしてベルギー出身のMFエクトル・へヴェルの7選手です。

なおCASは1月にFIFAによる処分の執行一時停止を認めており、正式な最終決定が出されるまでの間、選手たちは試合に出場することが許可されています。これによりジョホール・ダルル・タジムに所属するイラザバル、、フィゲイレド、ヘヴェルの3選手は国内リーグやACLエリート、東南アジアクラブ選手権に、またクチンシティに加入したパルメロ選手も国内リーグやカップ戦に出場しています。またスペイン1部のアウベスに所属するガルセス選手もリーグ戦に先発しています。


マレーシアは来季もACLエリートとACL2出場枠をそれぞれ1つずつ確保

アジアサッカー連盟(AFC)は2月23日に2025/26シーズンのAFCクラブコンペティション中間ランキングと、これに基づく2026/27シーズンのACLエリートおよびACL2の出場枠を発表し、マレーシアはクラブコンペティション総合成績では11位、東地区で6位となった結果、ACLエリートとACL2でそれぞれ1枠の本戦出場枠を確保しています。

東南アジアでは、日本、韓国に次ぐ東地区3位のタイ(総合成績7位)がACLエリートで本戦出場枠2、プレーオフ出場枠1、またACL2は本戦出場枠1を獲得しています。また東地区7位のベトナム(総合成績14位)、同8位のシンガポール(同15位)、同10位のカンボジア(同20位)はいずれもACL2本戦出場枠1、プレーオフ出場枠1を獲得しています。プレーオフから出場してベスト16に進出したプルシブ・バンドンの活躍で昨季の総合成績25位から7つランクを上げた東地区11位のインドネシア(総合成績18位)、同12位フィリピン(同27位)はともにACL2プレーオフ出場枠1を獲得しています。

この他、ミャンマー(東地区13位)、ラオス(同18位)、ブルネイ(同19位)、東ティモール(同20位)は、いずれもACLエリート、ACL2に次ぐAFCチャレンジリーグで本戦出場枠1、プレーオフ出場枠1を獲得しています。

今季2025/26シーズンは、リーグ王者のジョホール・ダルル・タジム(ジョホール)がACLエリートに、*リーグ2位のスランゴールがACL2に出場しています。(*マレーシアの2024/25シーズンACL2出場枠は、マレーシアFAカップ優勝チームに与えられることになっていましたが、FAカップもジョホールが優勝したため、リーグ2位のスランゴールに出場権が与えられた経緯があります。)

今回発表になったAFCクラブコンペティション中間ランキングで、マレーシアは41.434 ポイントとなっていますが、そのポイントの大半は国内リーグ11連覇中のジョホールが獲得に大きく貢献しています。今季で言えば、ACLエリート出場のジョホールはリーグステージで3勝2分3敗の成績を残していますが、この結果、ACLエリートのリーグステージ出場ボーナス3ポイントに加え、3勝で9ポイント、2引き分けで2ポイント、そしてノックアウトステージ進出によるボーナスポイント3で合計17ポイントを獲得しています。

一方ACL2では0勝1分5敗でグループステージ敗退のスランゴールが獲得したポイントは、出場ボーナス2ポイントと1引き分けの0.666ポイントの合計2.666ポイントです。両チームが獲得したポイントを合計し、マレーシアから出場したチームが2チームであることからこのポイント2で割ったものが、今季中間発表で追加されたポイント9.833として算出されています。


国内リーグ屈指の3選手が3月のアジア杯予選ベトナム戦前に国籍取得し代表入りへ

前述のように国籍偽装疑惑で揺れるマレーシア代表ですが、次の代表戦は来月3月31日に予定されている2027アジア杯予選の最終戦となるベトナム戦です。現時点では予選F組のマレーシアは国籍偽装疑惑の7選手の活躍もあり5戦全勝で首位、ベトナムはマレーシアに負けた1敗だけで2位につけています。マレーシアがこの試合でベトナムに敗れると、両チームともの5勝1敗で並びますが、4点以上の差で敗れることがあれば、得失差でベトナムが首位となり、各組1位しか出場できない本戦出場を逃すことになります。

そんな中、いずれもマレーシアリーグで5年以上プレーするブラジル出身FWとオーストラリア出身DFがマレーシア国籍を取得して代表入りが間近と英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

これはニューストレイツタイムズの取材に応えたマレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督が明らかにしたもので、ジョホール・ダルル・タジム(ジョホール)でプレーするFWベルグソン・ダ・シウバとクアラルンプールシティ(KLシティ)でプレーするDFジャンカルロ・ガリフオコの両選手について、すでに国籍取得に向けての書類審査が行われており、審査が順調に進めば、次のFIFA国際マッチカレンダーが始まる3月23日までには国籍取得となる見込みだと話しているということです。

2021年にブラジルのフォルタレーザからジョホールへ加入したベルグソン選手は現在35歳ですが、2022年に29ゴールで初のリーグ得点王となると、昨季2024/25シーズンには32ゴールで2度目の得点王に輝き、今季もここまで17試合で17ゴールとスランゴールのクリゴール・モラエスとともに得点王を争っています。また通算ゴール数は177とマレーシアリーグの新記録を更新中です。

また同じ2021年にKLシティに加入したCBのガリフオコ選手は現在32歳で、KLシティでは過去5シーズンで132試合に出場し、2023年には決勝で敗れたもののAFCカップ(現ACL2)でのKLシティの決勝進出に貢献しています。

この他、祖父がマレーシアのペナン出身であることからヘリテイジ帰化選手としてすでに国籍取得済みなのが、スペイン出身のMFナチョ・メンデスです。27歳のメンデス選手は、スペイン2部のスポルティング・デ・ヒホンでは200試合以上出場の経験があり、今季からジョホールでプレーしています。

この他、アルゼンチン出身で英国2部シェフィールド・ウエンズデイU21を経てジョホール入りしている26歳のMFマヌエル・イダルゴもベルグソン、ガリフオコ両選手同様、マレーシアリーグで5年のプレーを経て、マレーシア国籍取得とともに代表入りが期待されていますが、3月のベトナム戦前の国籍取得は難しいようだとも説明しています。

その一方で、昨年11月のアジア杯予選ネパール戦でハムストリングを痛め、12月にフィンランドで手術を受けた「マレーシアの至宝」アリフ・アイマンは、術後の回復に努めている状況で、ベトナム戦に出場しない可能性が高いということです。

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とここまで書いてきましたが、マレーシア時間で今週金曜日2月27日にスイスのスポーツ仲裁裁判所(CAS)による最終判断次第で、あらゆる状況が変わってしまう可能性が大いにあります。CASが7選手に対するFIFAの処分を正当と判断すれば、これを受けたAFCが国籍偽装疑惑の7選手が出場した全ての試合を無効とすることが予想されています。その場合にはこの7選手が出場したベトナム戦を含めた3試合の勝利が全て0-3での敗戦となり、ベトナム戦を前に2027アジア予選敗退が決まります。さらに予選出場禁止処分でベトナム戦と対戦すらできなくなる可能性や,次回2031年アジア杯予選の出場権剥奪なども考えられます。現に同様の国籍詐称を行った東ティモールは処分対象となったW杯予選と,その次のW杯予選の2大会で出場禁止処分を受けています。


ヌグリ・スンビランのニザム監督が辞任-日本人カルテットにも影響か

現在リーグ9位のヌグリ・スンビランFC(ヌグリ・スンビラン)は、ニザム・ジャミル監督の辞任を発表しています。また今後はその後任が決まるまではK・ラジャン コーチが監督代行として指揮を取るということです。

昨季は13チーム中12位に終わったヌグリ・スンビランは、ニザム監督を今季から起用すると、開幕戦ではリーグ11連覇中の王者ジョホールを相手に一時は2点差をつけてリードしました。最終的には3−5で敗れたものの、ジョホールが3失点した試合は2023年8月以来およそ2年ぶりだったこともあり、この試合でヌグリ・スンビランは今季の注目チームとなりました。さらに今季初のホーム開催となった2戦目では満席となった25500名の観衆の前で昨季のリーグ2位スランゴールを相手に、スーパーサブ常安澪選手の2ゴールで逆転勝利を挙げ、旋風を巻き起こすことが期待されました。

そして昨季はわずか4勝のチームが、開幕からの5試合で昨季3位のサバに勝利、同4位のクチンシティに引き分けるなど、昨季の上位チームを相手に2勝2分1敗とすると期待はさらに膨らみました。

しかしそこから徐々にその勢いが弱まり、FAカップ準々決勝2試合で6-3、マレーシアカップ準決勝では2試合で6-1といずれもスランゴールに敗れると、サポーターを中心ににザム監督交代論が上がり始めました。

それでもクラブの経営陣はニザム監督続投を明言し、クラブは現在、改革の中にあること、そして二ザム監督はその中心であることなどを説明して、サポーターにはクラブを信じ、見守ってほしいという声明すら出ていました。

しかしジョホール、スランゴールいずれも0−1と接戦ながら敗れる状況が続き、またリーグ戦も開幕6試合目以降は2勝3分6敗、特に先日のイミグレセンで敗れたことで今年に入って0勝4敗となり、経営陣もニザム監督を支持できなくなったのか、提出された辞表をそのまま受理し、ニザム氏の退団が決定しています。