2025/26マレーシアスーパーリーグ第15節 試合結果とハイライト映像<br>・クアラルンプールは敵地で勝点1、サバは主力流出で苦境が続く<br>・ヌグリ・スンビラン相手にジョホールが辛勝も主審が好試合を台無しに<br>・キム・パンゴン新監督のスランゴールは快勝で再び2位争いに参入

マレーシアスーパーリーグ第15節の5試合が1月9日から11日にかけて行われています。1月5日に開いた今季2度目のトランスファーウィンドウでは、各チームとも、前半戦で露呈した弱点を補強するため、多くの選手が去る一方で、それに代わる新戦力の加入が発表されています。その新規獲得選手がすでに今節から試合に出場しているチームもある一方で、給料未払い問題によりリーグから新規選手獲得禁止処分を受けたクランタンとPDRM、そして同様の給料未払い問題でこちらはFIFAからら新規選手獲得禁止処分を受けているクアラルンプールの3チームは現有戦力での後半戦を強いられています。

なお今季のマレーシアスーパーリーグは13チーム編成のため、今節第15節はクチンシティの試合はありません。(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeより。)


クアラルンプールは敵地で勝点1、サバは主力流出で苦境が続く

3位のクアラルンプールは、ジョホール戦で大敗したものの、直近5試合を2勝2分1敗と勝点を積み上げてきています。一方8位のサバは、同じ過去5試合で今季初勝利を含む3勝2敗と調子を上げてきています。

そんな両チームの対戦は試合開始を1時間遅らせるほどピッチ上に水が浮く最悪のコンディションの中で行われています。短いパスをつなぐクアラルンプールのプレースタイルには適さないピッチでしたが、クアラルンプールが優勢に試合を進めます。そして50分でした。左サイドから一気にゴールライン付近まで上がったデクラン・ランバートのシュートはゴールポストに当たったものの、そのボールに詰めていたサファウィ・ラシドが押し込んでクアラルンプールがついにリードします。

しかしそれまでもクアラルンプールゴールに迫っていたアジディン・ムヤギッチとファーガス・ティアニーのコンビネーションが、ついにゴールにつなげます。87分に中央で相手DFを引き付けたムヤギッチからフリーとなっているティアニーにパスが渡ります。ティアニーのシュートはGKクインシー・カメラードが防いだものの、そのこぼれ球をムヤギッチが蹴り込んで、サバが同点に追いつきます。

クアラルンプールは合計17本(枠内9本)を放ちながら、サバGKダミエン・リムの攻守などもあり追加点は奪えず、またサバも無得点で試合は引き分けに終わっています。この結果、クアラルンプールは今節試合がなかったクチンシティを抜いて2位に浮上、一方のサバは順位を10位に下げています。

なおサバは、マレーシア代表でもプレーする左SBダニエル・ティンが現在開いているトランスファーウィンドウでタイ1部ラーチャブリーFCに移籍、そしてこの試合後にはやはりマレーシア代表のDMFスチュアート・ウィルキンのジョホール移籍濃厚の報道が出ています。(英国生まれのウィルキン選手は元はジョホールを経てマレーシアリーグ入りしています。)この他、昨年末のFAカップ決勝後には、今季途中から監督を務めたジャン=ポール・ド・マリニーも突如「仮定の理由」で辞任しています。昨季までは3季連続3位と安定していた成績を残していたサバですが、昨季途中でのオン・キムスイ監督退団以降、大きな変革期にきているようです。

マレーシアスーパーリーグ2025/26 第15節
2025年1月9日@リカス・スタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 1-1 クアラルンプール
⚽️サバ:アジディン・ムヤギッチ(87分)
⚽️クアラルンプール:サファウィ・ラシド(50分)


ヌグリ・スンビラン相手にジョホールが辛勝も主審が好試合を台無しに

今季ここまで無敗の首位ジョホールが、今季唯一の3失点を喫したのが第2節8月12日のヌグリ・スンビラン戦でした。この試合が開幕戦となったヌグリ・スンビランが2-0とリードした試合は、現在は国籍偽装疑惑で出場停止になっているジョン・イラザバルとジョアン・フィゲレイドのゴールなどで逆転されて敗れましたが、この試合はヌグリ・スンビランが昨シーズンまでとは違うチームであることを印象付ける試合でした。その後は昨季2位のスランゴールを破るなど、今季の台風の目となるかと思わせましたが、その勢いは続かず、最下位のマラッカに今季初勝利をプレゼントするなど勝ちきれない試合が続き、クアラルンプール、クチンシティ、スランゴールといった2位争いを繰り広げるチームからは徐々に話されています。

そんな中、ジョホールとの対戦が今回はヌグリ・スンビランのホームでの開催となりました。8月の試合ではフル出場し、その後もヌグリ・スンビランの中盤を支えてきたMFアレクサンダー・アギャルカワはローン期間が終わりスランゴールに戻ったものの、この試合ではJ3ガイナーレ鳥取から新加入のDF大城蛍選手、そしてパレスチナ代表MFオダイ・カロウブが先発しています。またジョホールは出場停止の2選手に加え、マレーシアの至宝アリフ・アイマンが現在はケガのため欠場する一方で、FC東京へのローン移籍を経てV・ファーレン長崎からジョホールに完全移籍したMFマルコス・ギリェルメがベンチ入りしています。

試合は開始から両方が激しいプレーを連発。しかしこのときS・ロゲスワラン主審が明確な基準を示さなかったことで、イエローカード10枚という荒れた試合になってしまいした。

それでもジョホールの19本のシュート(枠内10本)に対して、ヌグリ・スンビランはシュート数5本(枠内4本)となる中で、ヌグリ・スンビランは粘り強く守ってカウンターに活路を見出す戦法で、ジョホールの得点を許しました。

そんな中でS・ロゲスワラン主審はスロー映像で見ると、いずれも明らかにファウルに見えるジョホールのDFエディ・イスラフィロフの危険なプレーに対してファウルを取らなかったことが話題になっています。43分にはヌグリ・スンビランのFWジョセフ・エッソがゴールに向かって独走するところをペナルティエリアのすぐ外で明らかに顔面に肘打ちし倒したもののレッドどころかイエローすらなし。そして75分にもイスラフィロフ選手は、今度はヨヴァン・モティカに激しくチャージして倒すもこちらも何もなしと、疑問が残るというかまたジョホール寄りかという判定でした。しかもリーグ公式映像にもいずれのシーンも残っていません…。

この試合はアディショナルタイムに途中出場のマヌエル・イダルゴが自身初と語るバックヘッドのシュートを決めてジョホールが勝利しますが、アディショナルタイム7分と示されながら、公式記録でもイダルゴ選手のゴールが90+8分と記録されるなど、アディショナルタイムを7分を超えてとり続けたことでも、S・ロゲスワラン主審に対し、ヌグリ・スンビランサポーターを中心に批判の声が集まっています。

なおジョホールはこの試合の勝利で2024年8月から国内リーグでは破竹の31連勝、そして無敗記録は2021年4月から98試合となっています。

ヌグリ・スンビランがジョホールの連勝を止めるかと思われたこの試合では、マレーシアリーグデビューとなった大城蛍選手がジョホールのベルグソン・ダ・シウバに仕事をさせなかったこと、そしておよろケガから復帰したジョホールのCBフェロズ・バハルディンが12ヶ月ぶりに国内リーグのピッチに戻ってきたことが印象に残りました。

マレーシアスーパーリーグ2025/26 第15節
2025年1月9日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリ・スンビラン州パロイ)
ヌグリ・スンビラン 0-1 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:マヌエル・イダルゴ(90+8分)

ヌグリ・スンビランの佐々木匠選手は先発して78分に交代。マレーシアリーグデビューとなった大城蛍選手は先発してフル出場、そして常安澪選手は前半終了間際の45+3分から出場し、試合終了までプレーしています。


昇格組のイミグレセンが今季最高の8位浮上

今季から1部スーパーリーグでプレーするイミグレセンが、クランタンを圧倒して今季4勝目を挙げるとともに、順位を今季最高位となる8位まで上げています。

その一方でこの試合は、ベンチ入りが上限の20名を下回る19名となっており、ケガ人による選手層の厚さが心配です。前節のクアラルンプール戦でもゴールを挙げ、チームトップの6ゴールを挙げているエドゥアルド・ソーサ、そして今季4ゴールのジョアン・ペドロがケガと、今季のチーム総得点のおよそ3分の1を挙げている両選手の欠場は、給料未払いで補強がままならないクランタン相手ではなんとかなっても、次節のヌグリ・スンビラン、そして続くジョホール戦では大きな痛手となりそうです。

マレーシアスーパーリーグ2025/26 第15節
2025年1月10日@ペナン州立スタジアム(ペナン州バトゥ・カワン)
イミグレセン 3-0 クランタン・ザ・リアル・ウォリアーズ
⚽️イミグレセン:ウィルマル・ホルタン(31分)、エドゥアルド・ソーサ(70分)、M・ラケシュ(73分OG)


キム・パンゴン新監督のスランゴールは快勝で再び2位争いに参入

前マレーシア代表監督のキム・パンゴン氏が監督に就任したスランゴールが、エースのモラエスの4発で快勝し、クチンシティ、クアラルンプールとの2位争いに復帰しています。

この試合が監督就任後初采配となったキム監督は、昨季以来の復帰となったCBサフワン・バハルディンを起用した以外は、前任のクリストファー・ギャメル監督(現スランゴール テクニカル・ディレクター)とは変わらぬ選手を起用しています。しかしその一方で、ギャメル監督時代はどちらかと言えば守備的だったMFノーア・ライネがこの試合では積極的に攻撃参加した結果、1ゴール2アシストと得点に絡んでおり、これがキム監督の今後のライネ選手の起用法となりそうな気配です。

マレーシアスーパーリーグ2025/26 第15節
2025年1月10日@ハサナル・ボルキア国立競技場(ブルネイ)
DPMM 2-5 スランゴール
⚽️DPMM:ハケメ・ヤジド(42分)、ミゲル・オリヴェリア(62分)
⚽️スランゴール:クリゴール・モラエス4(5分、10分、58分、90+1分)、ノーア・ライネ(48分)


トゥンク・ハズマン監督代行初勝利でトレンガヌは連敗を2で止める

昨年末にバドルル・アフザン監督を休養させ、トゥンク・ハズマン コーチを監督代行したトレンガヌ。そのトゥンク・ハズマン監督代行が就任2試合目で初勝利を挙げるとともに、チームの連敗を2で止めています。

給料未払い問題で外国籍選手が次々に退団し、チームが弱体化しているPDRMとアウェイで対戦したトレンガヌは、積極的なプレーで試合の主導権を握るものの、得点には至りません。

しかし後半から起用したハキミ・アジムが85分に、右サイドから絶妙なクロスを挙げると、これをゴール前のバキウディン・シャムスディンがダイレクトで押し込みゴール。結局これが決勝ゴールとなり、トレンガヌが虎の子の1点を守り買って連敗をを止めています。

マレーシアスーパーリーグ2025/26 第15節
2025年1月10日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM 0-1 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:バキウディン・シャムスディン(85分)


開始14分で4ゴールのペナンがマラッカに圧勝

開始からわずか14分で4ゴールを挙げたペナンが2連勝し、順位も今季最高となる9位まで上げています。一方、最下位のマラッカは前半の大量失点が響き、これで4連敗。しかもこの4試合の成績は0得点14失点、今季通算では13試合で6得点33失点となりました。

なおマラッカは、この試合からE・エラヴァラサン新監督が指揮をとっています。今季はクランタンの監督としてスタートしましたが、7試合を終えて2勝2分3敗で7位の成績を残すと解任されていました。ちなみにエラヴァラサン監督解任後のクランタンは、1勝6敗(その1勝はマラッカ戦でした)で現在は11位となっています。これまでサラワク(既に解散)やPDRMなど複数のマレーシアリーグのクラブで指揮をとり、現スランゴールのキム・パンゴン監督がマレーシア代表監督時代にはコーチを務めた経験もあるエラヴァラサン監督の経験は低迷するマラッカを救えるでしょうか。

マレーシアスーパーリーグ2025/26 第15節
2025年1月11日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 5-0 マラッカ
⚽️ペナン:ステファノ・ブルンド2(4分、9分)、ディラン・ウェンゼル=ホールズ2(11分、14分)、フェイス・フライデー・オビロール(85分)


2025/26マレーシアスーパーリーグ順位表(第15節終了)

チーム勝点
1ジョホール1414006656142
2クアラルンプール1485126131329
3クチン138412662028
4スランゴール1491432161628
5トレンガヌ146352723421
6ヌグリ・スンビラン134542018217
7DPMM145272038-1817
8イミグレセン144372228-615
9ペナン144281826-1814
10サバ133551726-914
11クランタン143291028-1811
12マラッカ13139633-276
13PDRM1413101141-306

2025/26スーパーリーグ得点トップ10(第15節終了)

得点選手名所属
116クリゴール・モラレススランゴール
213ベルグソン・ダ・シウバジョホール
312ジャイロ・ダ・シウバジョホール
49ロナルド・ンガクチン
58サファウィ・ラシドクアラルンプール
67アリフ・アイマンジョホール
7アジディン・ムヤギッチサバ
7ディラン・ウェンゼル=ホールズペナン
76ヤン・マベラトレンガヌ
6ジョアン・フィゲイレドジョホール
6ヨヴァン・モティカヌグリ・スンビラン
6ジョセフ・エッソヌグリ・スンビラン
6チェチェ・キプレペナン
6エドゥアルド・ソーサイミグレセン