11月18日のアジア杯2027年大会予選ネパール戦で、開始からわずか8分で負傷退場していたアリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジム・フットボール)が、その後、検査・治療のため渡航したことはこのブログでも取り上げました。その後の経過について、ジョホールのクラブ公式SNSが明らかにしています。
それによるとアリフ選手はフィンランドに渡り、著名なスポーツ整形外科医のレンパイネン・ラッセ医師の執刀によりハムストリングの手術を受け、その主日が無事に成功したことが明らかになっています。
ラッセ医師は2025年バロンドール受賞者のウスマン・デンベレ(フランス代表/パリ・サンジェルマン)、リース・ジェームズ(イングランド代表/チェルシー)、ルベン・ネヴェス(ポルトガル代表/アル・ヒラル)らを含む多くのアスリートを治療してきた経歴があるということです。
アセアンクラブ選手権グループステージA組第3節:スランゴールは引き分けで準決勝進出に黄信号
国内リーグ第10節を終え、スランゴールは首位のジョホールと勝点差14と離されています。また2位のクチンとも勝点差7の4位と不本意な成績です。また11月30日に行われたマレーシアFAカップ準決勝ではPK戦の末にサバに敗れ、プルシブ・バンドン(インドネシア)、バンコク・ユナイテッド(タイ)、ライオンシティー・セイラーズ(シンガポール)と同組となったACL2でも0勝1分4敗と2季連続のグループステージ敗退が決まっています。
今季のスランゴールは、開幕からの5試合で2勝3敗とスタートダッシュに失敗すると、昨季途中から指揮を取っていた喜熨斗勝史監督をあっさりと解任し、元スリ・パハン監督のクリストファー・ギャメル氏を監督代行に据えました。しかしこの監督交代は2020年からの5年間で8人目とあまりにも節操のない人事でサポーターからも非難を浴びています。さらにクラブにはテクニカル・ディレクター(TA)がおらず、監督交代が誰の責任で行われたのかが曖昧な上、このTA不在の状況を放置している経営陣への批判の声は日に日に大きくなっています。
そんな中でスランゴールが未だ優勝争いに加わる可能性を残しているのがアセアンクラブ選手「ショピーカップ」です。主催する東南アジアサッカー連盟(AFF)が今季から規約を変更し、各国のトップクラブのみの出場となったこの大会へは、マレーシアからは昨季優勝のジョホール・ダルル・タジムと2位のスランゴールが出場しています。
初戦のACLエリートにも出場するブリーラム・ユナイテッド(タイ)戦をアウェイながら1−1と引き分けたスランゴールは、喜熨斗監督が指揮を取る最後の試合となった続くタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)戦を4−2と勝利し、同じ1勝1分のBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)と勝ち点で並びならも得失差で上回り、A組の首位に浮上しました。
そして迎えて第3節はプレーオフを勝ち上がって本戦出場を果たしたダイナミック・ハーブ・セブFC(DHセブFC)が相手です。なおDHセブFCは、昨季2024/25のACL2ではスランゴールと同じH組で、その際にはスランゴールがホームで1−0、アウェイで4−0といずれも勝利しています。
下は12月3日に行われたこの試合の両チームの先発XIです。スランゴールはサバと対戦した11月30日のFAカップ準決勝から中2日ということもあってか、先発XIはMFノーア・ライネ以外の10名がサバ戦から入れ替わっています。


試合はスランゴール優位で進んだのは予想通りで、好機を何度か作り出すものの得点を上げることはできず、前半0-0で終了します。
後半開始早々にセブはエスロム・パウロスが強烈なシュートを放ちますが、スランゴールGKカラムラー・アル=ハフィズが反応よくこれを防ぎます。しかし47分にパウロス選手のコーナーキックからのボールをアブー・シーが頭で合わせてゴール!ホームのセブが先制します。
しかしスランゴールも54分、フリーキックからのピチャ・アウトラのシュートをゴール前で元J甲府のウィリアン・リラがうまく角度を変えて押し込み、同点に追いつきます。
クリストファー・ギャメル監督代行はその後、クリゴール・モラエス、ファイサル・ハリムを投入し一気に逆転を狙いますが、スランゴールは追加点を奪えず、結局、試合はこのまま終了。
ここまで未勝利だったDHセブと引き分けたスランゴールは順位を一つ下げて2位に交代しています。残り試合の相手がタイとベトナムの強豪クラブであることを考えると、この試合は勝っておきたかった…。
2025/26アセアンクラブ選手権ショピーカップ グループステージA組第3節
2025年12月3日@リザル・メモリアル・スタジアム(マニラ、フィリピン)
ダイナミック・ハーブ・セブ 1-1 スランゴール
⚽️セブ:アブー・シー(47分)
⚽️スランゴール:ウィリアン・リラ(54分)
MOM:オミド・ムサウィ(スランゴール)
A組の他の2試合は、タンピネスが東川続選手のハットトリックでBGパトゥム・ユナイテッドに逆転勝利しグループ首位に浮上、またはアディショナルタイムのゴールでハノイ公安(ベトナム)に追いついたブリーラム・ユナイテッドは3試合連続の引き分けとしてます。
2025/26アセアンクラブ選手権ショピーカップ グループステージA組第3節
2025年12月3日@ジャラン・ブサル・スタジアム(シンガポール)
タンピネス・ローヴァーズ 3-2 BGパトゥム・ユナイテッド
⚽️タンピネス:東山続3(45+3分、61分、78分)
⚽️BGパトゥム:土井智之(7分)、ラニエル((27分)
MOM:東山続(タンピネス・ローヴァーズ)
2025/26アセアンクラブ選手権ショピーカップ グループステージA組第3節
2025年12月3日@ブリーラム・スタジアム(ブリーラム、タイ)
ブリーラム・ユナイテッド 1-1 ハノイ公安
⚽️ブリーラム:ギリェルメ・ビソリ(90+1分)
⚽️ハノイ:レオ・アルトゥール(10分)
MOM:チャン・ディン・チョン(ハノイ公安)
2025/26アセアンクラブ選手権A組順位表(第3節終了)
| 順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 |
| 1 | タンピネス | 3 | 2 | 0 | 1 | 8 | 7 | 1 | 6 |
| 2 | スランゴール | 3 | 1 | 2 | 0 | 6 | 4 | 2 | 5 |
| 3 | BGパトゥムU | 3 | 1 | 1 | 1 | 6 | 6 | 0 | 4 |
| 4 | ハノイ公安 | 3 | 1 | 2 | 1 | 3 | 3 | 0 | 4 |
| 5 | ブリーラムU | 3 | 0 | 3 | 0 | 4 | 4 | 0 | 3 |
| 6 | セブ | 3 | 0 | 1 | 2 | 2 | 5 | -3 | 1 |
ジョホールはアディショナルタイムの2発でカンボジア王者に追いつき引き分けに
第2節を終えてB組首位のジョホール・ダルル・タジムは、プノンペンでカンボジア王者のPKRスバイリエンと対戦しています。11月25日にはACLエリートのメルボルン・シティ戦、同30日にはFAカップ準決勝クチン・シティ戦と続き、10日間で3試合目となったこの試合の先発XIは以下の通りです。11月30日のクチン・シティ戦からはラヴェル・コービン=オング以外の10名が変わっています。またこの記事の最初に書いた通り、アリフ・アイマンが現在、ケガの治療でチームを離れています。一方のPKRスヴァイ・リエンは、小田原貴、藤井亮の両日本人選手が先発しています。


試合はホームのスヴァイ・リエンがニーン・ソシダンが開始1分でシュートを放つなど開始早々から積極的に攻め続けると、これが功を奏します。
29分にはスヴァイ・リエンがパトリックのパスを受けたクリスチャン・ロケがジョホールGKアンドニ・ズビアウレの逆をつく素晴らしいシュートを決めて1-0とリードします。これで勢いづいたスヴァイ・リエンは、さらに37分に国内リーグでは10試合で10ゴール4アシストの成績でジョホールも警戒していたクワメ・ペプラからのパスを受けたニーン・ソシダンが今度は至近距離からのシュートを確実に決め、リードを2点に広げます。
ジョホールはムサ・シディベ、ラヴェル・コービン=オング、ジャイロ・ダ・シウバらが果敢に攻め込みますが、カンボジア代表GKでもあるGKビレアク・ダラを脅かすには至らず、前半は2-0のまま終了します。
後半に入っても、ジョホールはチャンスを何度か作るものの、決定力に欠け、さらにスヴァイ・リエンの強力な守備に阻まれます。GKビレアク・ダラは73分、ケガから1年ぶりに復帰したシャーミ・サファリのシュートを見事にセーブ、そして80分にはハイロのシュートも枠を捉えられず、マレーシアスーパーリーグの得点王争いを独走するベルグソン・ダ・シウバをベンチ外としてことが悔やまれる展開となります。
試合はアディショナルタイムが8分となる中、90+2分にヘベルチ・フェルナンデスのコーナーからシェーン・ローリーが頭で合わせて同点ゴールを決めると、そこから連続攻撃を続けます。すると90+6分にはシャーミ・サファリが右サイドでフリーとなっていたシェーン・ローリーへボールを送ると、これをローリーがゴール前へ折り返し、最後コービン・オンが頭で押し込み土壇場で同点に追いつきます。このまま試合は終了し、怒涛の攻撃で勝点1をもぎ取ったジョホールがB組首位を守っています。
2025/26アセアンクラブ選手権ショピーカップ グループステージB組第3節
2025年12月4日@モロドク・テコ国立競技場(プノンペン、カンボジア)
PKRスヴァイ・リエン 2-2 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️スヴァイ・リエン:クリスティアン(29分)、ニーン・ソシダン(37分)
⚽️ジョホール:シェーン・ローリー(90+2分)、ラヴェル・コービン=オング(90+6分)
MOM:クリスティアン(PKRスヴァイ・リエン)
B組の他の2試合は、1月29日の次節第4節にジョホールと対戦するシャン・ユナイテッド(ミャンマー)が、元J仙台のラファエルソンこと、ベトナム代表グエン・スアン・ソンのハットトリックでムディン(ベトナム)に敗れ、仲村京雅、久乗聖亜両選手を擁するバンコク・ユナイテッド(タイ)はライオンシティ・セイラーズ(シンガポール)と引き分けています。
2025/26アセアンクラブ選手権ショピーカップ グループステージB組第3節
2025年12月4日@トゥウンナ・スタジアム(ヤンゴン、ミャンマー)
シャン・ユナイテッド 0-3 ナム・ディン
⚽️ナム・ディン:グエン・スアン・ソン3(45+2分、51分、87分)
MOM:グエン・スアン・ソン(ナムディン)
2025/26アセアンクラブ選手権ショピーカップ グループステージB組第3節
2025年12月4日@パトゥムターニー・スタジアム(パトゥムターニー、タイ)
バンコク・ユナイテッド 2-2 ライオンシティ・セイラーズ
⚽️バンコク:ジャカパン・プレイスワン(24分)、久乗聖亜(76分)
⚽️ライオンシティ:マクシム・レスティエンヌ(11分)、アンデルソン・ロペス(20分)
MOM:久乗聖亜(バンコク・ユナイテッド)
2025/26アセアンクラブ選手権B組順位表(第3節終了)
| 順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 |
| 1 | ジョホール | 3 | 2 | 1 | 0 | 9 | 3 | 6 | 7 |
| 2 | ナムディン | 3 | 2 | 0 | 0 | 5 | 1 | 4 | 6 |
| 3 | スヴァイリエン | 3 | 1 | 1 | 1 | 6 | 4 | 2 | 4 |
| 4 | ライオンシティ | 3 | 0 | 1 | 1 | 3 | 5 | -2 | 1 |
| 5 | バンコクU | 3 | 0 | 1 | 1 | 2 | 6 | -4 | 1 |
| 6 | シャンU | 3 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 | -6 | 0 |
