11月14日のニュース<br>・マレーシア代表選手の国籍偽装問題:ロドリゴ・オルガドは所属クラブが契約解除<br>・イマノル・マチュカの所属クラブはスポーツ仲裁裁判所の判断が出るまで給料支払いを表明<br>・アジア杯予選:対戦相手のネパールもピッチ外の問題で混乱中

マレーシア代表選手の国籍偽装問題:ロドリゴ・オルガドは所属クラブが契約解除

英字紙ニューストレイツタイムズは、国籍偽装が疑われるマレーシア代表のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)7名の内の1人、アルゼンチン出身のロドリゴ・オルガドが所属クラブとの契約が解除されたことを報じています。

コロンビア1部のアメリカ・デ・カリは、所属するオルガド選手がFIFAから12ヶ月間のあらゆるサッカー関連の活動禁止処分が科されたことを受け、契約を解除したということです。

マレーシアサッカー協会(FAM)は、国籍偽装疑惑に関してFIFAの規律委員会が9月26日に発表した裁定を覆そうと控訴していましたが、11月3日に同じFIFAの控訴委員会がFAMおよび7選手への処分内容を支持し、控訴は却下されていました。

FIFAはFAMに対し35万スイスフラン(およそ6830万円)の罰金、またオルガド選手の他、ガブリエル・パルメロ、ファクンド・ガルセス、イマノル・マチュカ、ジョアン・フィゲイレド、ジョン・イラサバル、エクトル・ヘヴェルの6選手に対しても、書類偽造に関するFIFA規律規程22条違反で、それぞれ12カ月の出場停止と2,000スイスフラン(およそ39万円)の罰金という裁定を下していました。

アメリカ・デ・カリはFIFA控訴委員会による控訴却下を受けて、29歳のオルガド選手との契約を11月11日に正式に解除したと、コロンビアのメディア「ElDeportivo.com.co」が伝えているということです。今年1月にアルゼンチン1部のヒムナシアから加入したオルガド選手は1年足らずでチームを去ることになりました。

なお、ElDeportivo.com.coによれば、アメリカ・デ・カリの法務チームと選手側代理人の双方が契約解除に合意に達しており、オルガド選手は契約条件に基づき、給与を全額受け取り続けるということです。

*****

このブログでも既報の通り、スペイン出身のガブリエル・パルメロは、期限付き移籍中であったスペイン3部のウニオニスタス・デ・サラマンカ、そしてパルメロ選手の所属元であるクルブ・デポルティーボ・テネリフェが、それぞれ期限付き移籍および契約終了を発表しており、所属クラブがなくなったのはオルガド選手で2人目となりました。

今回の国籍偽装疑惑問題でFIFAを批判している、ジョホール州摂政(皇太子)のトゥンク・イスマイル殿下がオーナーのジョホール・ダルル・タジムFCに所属するジョアン・フィゲイレド、ジョン・イラサバル、エクトル・ヘヴェルの3選手は契約解除の心配はなさそうです。そうなると残るファクンド・ガルセス、イマノル・マチュカ両選手の動向が気になりますが、次の記事はそのマチュカ選手に関連するニュースです。


マレーシア代表選手の国籍偽装問題:イマノル・マチュカの所属クラブはスポーツ仲裁裁判所の判断が出るまで給料支払いを表明

ガブリエル・パルメロ、ロドリゴ・オルガド両選手が所属クラブとの契約解除となった一方で、アルゼンチン出身のヘリテイジ帰化選手、イマノル・マチュカは所属するアルゼンチンのクラブから給与を受け取り続けることになるようです。

マチュカ選手が所属するアルゼンチン1部のベレス・サルスフィエルドは、FIFAによる処分に対してマレーシアサッカー協会(FAM)が予定しているスポーツ仲裁裁判所(CAS)への控訴の最終判断を待つ間、25歳のマチュカ選手の給与を全額支払い続けると発表しています。

アルゼンチンのメディア「Sabado Velez」によれば、ベレスはすべての控訴手続きが終わるまで、マチュカの将来に関して最終的な決定を下さないと発表したということです。ブラジル1部のフォルタレザから期限付き移籍中のマチュカ選手は、ベレス・サルスフィエルドとの契約が12月31日までとなっています。


アジア杯予選:対戦相手のネパールもピッチ外の問題で混乱中

国籍偽装疑惑問題に揺れるマレーシアは11月18日に2027アジア杯予選F組の第5節でネパールと対戦しますが、そのネパールも深刻なピッチ外の問題を抱えていると英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

来週火曜日の試合は、本来はネパールのホームゲームとしてカトマンズにあるスタジアムでの開催が予定されていましたが、そのスタジアムが試合開催要件を満たしていないと判断したアジアサッカー連盟(AFC)は、試合会場をクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場に変更しています。ネパールは今年3月に予定していたホームゲームを、マレーシアのホームゲームとして開催するよう依頼をした過去もあります。なおスルタン・イブラヒム・スタジアムで行われた3月の試合ではネパールに0−2でマレーシアに敗れています。

さらにネパール国内では、同国サッカー協会に当たる全ネパールサッカー協会(ANFA)が主催する1部リーグのAディビジョンリーグの開催が3シーズン連続で中止となるなど、ネパールのサッカー界はマレーシアに負けず劣らず混乱に揺れているようです。

今週月曜日、カトマンズの全ネパールサッカー協会(ANFA)本部で代表チーム壮行会が行われた際には、「ANFAは常に選手やサッカー関係者のために最善を尽くしている」と、ANFAのパンカジ・ビクラム・ネンバン会長は地元メディアに語ったようですが、最近リーグ再開を求めて街頭抗議を行ったネパール選手会との確執についての言及はなかったということです。