10月23日のニュース<br>・東南アジア競技大会のサッカー組み合わせ決定-マレーシアはベトナム・ラオスと同組に<br>・インファンティーノFIFA会長がマレーシア訪問へ

東南アジア競技大会のサッカー組み合わせ決定-マレーシアはベトナム・ラオスと同組に

東南アジア競技大会、通称シーゲームズ(SEA Games)は、東南アジア版のオリンピックとも言える総合スポーツ大会。アセアン(ASEAN、東南アジア諸国連合)の各国が持ち回りで2年ごとに開催されます。今年2025年に開催される第33回大会の開催国はタイで、男子サッカーは、開会式の12月9日に先立って12月3日より開幕します。

U22代表が対戦する男子サッカーはシーゲームズの目玉競技で、今大会は東南アジアサッカー連盟(AFF)加盟国中、ブルネイを除く10カ国が出場することが発表されています。AからCまでの3組に分かれて行う予選を経て、準決勝進出4チームを決定しますが、その予選組み合わせ抽選が10月19日に行われ、マレーシアはベトナム、ラオスと共にB組に入ることが決まりました。以下が決定した予選の組み合わせです。

A組:タイ・カンボジア・東ティモール
B組:ベトナム・マレーシア・ラオス
C組:インドネシア・フィリピン・シンガポール・ミャンマー

A組は開催国タイ、カンボジア、東ティモールの3カ国。この組は明らかにタイが頭一つ抜けています。7月の軍事衝突から双方合わせて40名以上の死者を出している国境紛争を抱えていたタイとカンボジアが同組なのは運命の悪戯ですが、数日前には両国が和平協定に合意したことが発表されています。また2002年にインドネシアから独立した東ティモールは、アセアンのメンバーではなく、これまでは「オブザーバー」という位置付けでしたが、今週末10月26日にクアラ・ルンプールで開幕するアセアン首脳会議で、正式加盟国となることが発表されています。

B組はベトナム、マレーシア、ラオスの3カ国。この組は現在、大会4連覇中のベトナムの1位通過間違いなし。なおこの組み合わせは奇しくも、現在行われているアジア杯2027年大会3次予選の組み合わせと同じです。アジア杯予選ではマレーシアがここまでベトナムに1勝、ラオスに2勝していますが、このブログでも取り上げているようにマレーシアのベトナム戦勝利は、国籍偽装疑惑が持たれているヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)7名の活躍のおかげです。

なおU23代表はA代表と違い、帰化選手による補強を行っていませんが、そのせいなのか今年7月に行われたアセアンU23選手権、そしてU23アジア杯予選の両大会でいずれも予選敗退しています。7月のアセアンU23選手権では、フィリピンに●0-2、インドネシアとは△0-0、ブルネイには⚪︎7-0としたものの、グループ3位で予選敗退しています。なおこのアセアンU23選手権ではベトナムが優勝しています。

また先月9月のU23アジア杯2026年大会予選では、レバノンに●0-1、タイにも●1-2、モンゴルには⚪︎7-0の結果で、やはりグループ3位で3大会連続出場がかかっていた本大会出場を逃しています。

今年1月に就任したナフジ・ザイン監督が指揮を取るU23代表は、U23アジア杯予選前にはシンガポールに0-1、クウェートは2試合を行いいずれも0-1で敗れています。A代表が今年は6勝1分、FIFAランキングも今年2月の132位から、今週10月25日発表予定の最新ランキングでは20年ぶりとなる118位になることが予想されていますが、これは年代別代表の教科ではなく、外国育ちの帰化選手に依存したA代表のいびつな補強を示しています。

C組はインドネシア、フィリピン、シンガポール、ミャンマーの4カ国。予選3組の中では最も力が拮抗している、いわゆる「死の組」です。インドネシアは前回2023年シーゲームズの優勝チーム。しかも自国開催となった7月のアセアンU23選手権で、ベトナムに0-1で敗れ2年連続の準優勝と一歩リードですが、フィリピンは同じアセアンU23選手権でベスト4、ミャンマーは前回のシーゲームズでやはりベスト4の成績を残し、決して侮れません。

予選では各組の1位3チームと2位チーム中最も成績の良い1チームが準決勝へ進出します。なおA組の試合はタイ南部のソンクラにあるティンスラーノン・スタジアムで、B組とC組の試合は北部チェンマイにある700周年記念スタジアムで試合が行われ、準決勝以降はバンコクのラジャマンガラ国立競技場が試合会場となります。


なおU22代表の対戦となった2017年大会以降の成績は以下のとおりです。ちなみマレーシアが最後に優勝したのは2011年のインドネシア大会が最後です。

開催年開催国優勝準優勝3位4位
2017マレーシアタイマレーシアインドネシアミャンマー
2019フィリピンベトナムインドネシアミャンマーカンボジア
2021ベトナムベトナムタイインドネシアマレーシア
2023カンボジアインドネシアタイベトナムミャンマー

また、同時に行われる女子サッカーは8チームが出場し、予選組み合わせではマレーシアはいずれもW杯出場経験があるベトナム、フィリピンの両国、そしてミャンマーと同じB組に入っています。A組にはタイ、インドネシア、シンガポール、カンボジアが入っています。


インファンティーノFIFA会長がマレーシア訪問へ

国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が今週10月26日にマレーシアのクアラ・ルンプールで開幕する第47回アセアン(東南アジア諸国連合)首脳会議に合わせてマレーシアを公式訪問する予定だと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシアサッカー協会(FAM)の関係者によると、今回の訪問の目的のひとつは、東南アジアサッカー発展協定の署名式に立ち会うことだということです。なおこの協定は「東南アジアにおけるサッカーのエコシステムを強化する上で重要な一歩」だと、そのFAM関係者は説明しています。

インファンティーノ会長は公式行事への出席に加え、クアラ・ルンプールから35kmほど南下したプトラジャヤで建設中のナショナルトレーニングセンター(NTC)も訪問する予定だということです。

インファンティーノFIFA会長がマレーシアを訪れるのは今回が2度目であり、前回2019年4月の来訪時は、当時のマハティール・モハマド首相を表敬訪問するため、各国のサッカー指導者を率いていました。

今回のアセアン首脳会議は、10月26日から28日までクアラ・ルンプールで開催され、アセアン加盟10か国の首脳に加え、中国、日本、インドなど主要な対話パートナー国の首脳も出席する見込みで、アメリカのドナルド・トランプ大統領も出席するとみられています。


FIFAは、マレーシア代表としてアジア杯予選に出場しながら国籍偽装が疑われているヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)7名に出場停止や罰金の処分を下しています。マレーシアサッカー協会(FAM)は、この処分について、FIFAへ控訴を行っていますが、この件について、FAMとインファンティーノ会長の間で会談が行われるのかにも注目が集まっています。