10月6日のニュース<br>・今月のアジア杯予選2試合に向けた代表候補29名が発表-国籍詐称疑惑7選手はメンバー外<br>・出場停止処分の4選手全員が所属クラブを離れてマレーシアへ<br>・マレーシアサッカー協会はいまだ不服申し立てを行わず-FIFAによる裁定詳細の入手待ち

今月のアジア杯予選2試合に向けた代表候補29名が発表-国籍詐称疑惑7選手はメンバー外

マレーシアサッカー協会(FAM)は10月9日と10月14日に行われるAFCアジアカップ2027年大会予選に向けた代表候補29名を発表しています。今月の2試合はいずれもラオスが相手で、9日の試合はヴィエンチャンのラオス新国立競技場で、14日の試合はクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われます。

ラオスのヴィエンチャンで10月6日から始まる合宿のメンバーは、先月9月のシンガポール戦とパレスチナ戦に招集された29名から22名が残り、ここにU23代表からキャプテンのDFウバイドラー・シャムスル(トレンガヌFC)とFWアリフ・イズワン(スランゴールFC)が招集された他、DFデクラン・ランバート(クアラ・ルンプール・シティFC)、MFラマダン・サイフラー(クチン・シティFC)、そしてマレーシアリーグで5年間プレーした結果、今年8月29日にマレーシア国籍を取得したガーナ出身の帰化選手FWジョーダン・ミンターの3選手が嬉しい代表初招集を果たしています。

今回の合宿は本日10月6日から8日までラオスのヴィエンチャンで行われ、9日にラオスとの試合を行った後、10月10日から13日はマレーシアに戻って合宿を続け、14日に行われるホームでのラオス戦まで続く日程になっています。

以下が10月3日に発表された代表合宿参加の29名です。

氏名年齢所属
GKシーハン・ハズミ29ジョホール
ハジク・ナズリ27クチン・シティ
アズリ・ガニ26ヌグリ・スンビラン
DFラヴェル・コービン=オング34ジョホール
シャールル・サアド32ジョホール
ジュニオール・エルドストル34ジョホール
ハリス・ハイカル23スランゴール
クエンティン・チェン26スランゴール
デクラン・ランバート27KLシティ
ダニエル・ティン33サバ
ドミニク・タン28サバ
アザム・アズミ24トレンガヌ
ウバイドラー・シャムスル22トレンガヌ
ディオン・クールズ29セレッソ大阪
リチャード・チン23レイス・ローヴァーズ
MFアフィク・ファザイル31ジョホール
ナズミ・ファイズ31ジョホール
ノーア・ライネ23スランゴール  
スチュアート・ウィルキン27サバ
エンドリック・ドス・サントス30ホーチミンシティ公安
エゼキエル・アグエロ31カーンチャナブリ・パワー
FWアリフ・アイマン23ジョホール
ロメル・モラレス28ジョホール
ファイサル・ハリム27スランゴール
アリフ・イズワン21スランゴール
サファウィ・ラシド28KLシティ
パウロ・ジョズエ36KLシティ
ジョーダン・ミンター30クチン・シティ
ラマダン・サイフラー25クチン・シティ
レイス・ローヴァーズはスコットランド2部、ホーチミンシティ公安はベトナム1部、カーンチャナブリ・パラーはタイ1部のクラブ

なお以下は、代表合宿の予備参加者リストですが、10月6日にはGKハジク・ナズリとGKアズリ・ガニがケガにより合宿不参加が発表され、このリストからGKスハイミ・フシンとGKシーク・イズハンの代表合宿参加が発表されています。

氏名年齢所属
GKカラムラー・アル=ハフィズ30スランゴール
シーク・イズハン23スランゴール
スハイミ・フシン23トレンガヌ
DFイブラヒム・マヌシ24ジョホール
アダム・ノー・アズリン29KLシティ
サフワン・マズラン23トレンガヌ
シャールル・ニザム27トレンガヌ
アディブ・ラオプ26ペナン
MFナサニエル・シオ・ホンワン25ジョホール
シャミル・クティ28KLシティ
ライアン・ランバート27KLシティ
ワン・クザイン26セントルイス・シティ2
FWモハマドゥ・スマレ31ジョホール
セントルイス・シティ2はアメリカ合衆国3部相当のMLSネクスト・プロのクラブ

その一方で、国籍詐称疑惑によりFIFAから12ヶ月の出場停止処分が発表されている以下の7選手は、今回の代表合宿には招集されていません。

氏名年齢所属
DFガブリエル・パルメロ23ウニオニスタス
(スペイン3部) 
ファクンド・ガルセス26デポルティーボ・アラヴェス
(スペイン1部) 
ジョン・イラザバル28ジョホール
MFエクトル・へヴェル29ジョホール
FWロドリゴ・オルガド30アメリカ・デ・カリ
(コロンビア1部) 
イマノル・マチュカ25ベレス・サルスフィエルド
(アルゼンチン1部)
ジョアン・フィゲレイド29ジョホール

出場停止処分の4選手全員が所属クラブを離れてマレーシアへ

FIFAは9月26日に国籍詐称疑惑からマレーシア代表でプレーするヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)7名に対して罰金処分に加えて12ヶ月の出場停止処分を、さらにマレーシアサッカー協会(FAM)にも罰金処分を科すことを発表しています。さらにFIFAはこの処分についての不服申し立ての期限を発表から10日以内としていますが、この処分を受けたヘリテイジ帰化選手のロドリゴ・オルガドが所属するコロンビア1部のアメリカ・デ・カリを離れ、出場停止処分解除について話し合うためにマレーシア入りしていると、複数のメディアが報じています。

所属するアメリカ・デ・カリもクラブ公式サイトでデルガド選手が、FAM理事と面会して、不服申し立てを行う際の協力を申し出るために無休休暇を申請してチームを離れることを了承したことを発表しています。

この数日前にはスペインメディアがデポルティーボ・アラヴェス(スペイン1部)に所属するファクンド・ガルセスがマレーシア入りしたことを報じた他、マレーシアの英字紙ニューストレイツタイムズはイマノル・マチュカ(アルゼンチン1部ベレス・サルスフィエルド)とガブリエル・パルメロ(スペイン3部ウニオニスタス)も既にマレーシア入りしていると報じており、マレーシアリーグのジョホールでプレーするジョアン・フィゲレイド、エクトル・へヴェル、ジョン・イラザバルの3選手とともに、選手生命を脅かしかねない12ヶ月にも及ぶ出場停止処分に対する不服申し立てをFAMとともに行うことが予想されています。

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またこのような状況下で、ファクンド・ガルセスのインスタグラムのプロフィールからマレーシア国旗のアイコンが無くなっていることが報じられています。国籍詐称疑惑により処分を受けた選手7名の内、他の6名はいまだにマレーシア国旗がプロフィールに残っており、ガルセス選手の行動にマレーシアサッカーファンの注目が集まっています。

アルゼンチン出身のガルセス選手は今年8月には祖母がマレーシア出身であることから自分がマレーシア国籍を取得したと説明し、「母国」のためにプレーできることを誇りに思っているとメディアのインタビューに答えていました。


マレーシアサッカー協会はいまだ不服申し立てを行わず-FIFAによる裁定詳細の入手待ち

前述の通り、国籍詐称疑惑により出場停止処分を受けた7選手はマレーシアサッカー協会(FAM)とともにFIFAの裁定に対する不服申し立てを行う準備に入っているとされていますが、FAMのノー・アズマン事務局長は、FIFAの裁定に関する詳細が入手できていないとして、その詳細が明らかになり次第、不服申し立てを行うとしています。

FIFAは7名のヘリテイジ帰化選手がマレーシア代表の試合に出場するために必要な資格に関する書類が提出された際に、その一部が捏造されていたとして、FIFAの懲罰委員会による処分を発表しています。

なおFAMは、FIFAがその内容を精査した上で既に承認をされたはずの書類が今になって「捏造」だとされた理由が不明だとする一方で、FIFAの裁定発表後には提出した書類には「軽微な間違い」があったことは認めたものの、不服申し立てを行う意思を表明した上で、不服申し立てによりFIFAの裁定が変わらない場合には、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に仲裁を求める用意があるともしています。