FAカップ1回戦の2ndレグ6試合が行われ、準々決勝進出の6チームが決定し、佐々木匠、常安澪の両選手を擁するヌグリ・スンビランFC、谷川由来選手が所属するクチン・シティFC、鈴木ブルーノ選手が所属するペナンFCと、マレーシアリーグで日本人選手が所属する3クラブ全てがベスト8進出を決めています。残る2チームはジョホール・ダルル・タジムFC対UMダマンサラ・ユナイテッドFCの勝者と、サバFC対ブンガ・ラヤFCの勝者ですが、ジョホールの試合は、ジョホールが出場するACLエリートの試合が9月16日に予定されていたため10月2日に延期されています。またサバの試合は会場となったコタ・キナバルで現在も洪水による被害者が出ている未曾有の豪雨によるピッチコンディション悪化のため延期されています。
試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeチャンネルより。
2025/26マレーシアFAカップ1回戦2ndレグ
2025年9月12日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM FC 1-0 ヌグリ・スンビランFC(通算成績1-5)
⚽️PDRM:ファクルル・アジム(4分)
MOM:ファディ・アワド(PDRM FC)
2ndレグはPDRMが辛勝したものの、1stレグで大量5点を挙げていたヌグリ・スンビランが通算成績5-1としてベスト8一番乗りを決めています。
開幕から1ヶ月半のこの時期に、早くも給料未払い問題がSNS上で噂されているPDRMは、開幕からキャプテンを務めていたミャンマー代表MFチョー・ミン・ウーがトランスファーウィンドウが閉まる直前にトレンガヌに移籍、さらに1stレグでレッドをもらっていたアグブレ・ノエルはこの試合は出場停止と苦しい状況でした。元J岡山のハディ・ファイヤッドが今季初出場を果たしましたが、焼け石に水でした。
一方のヌグリ・スンビランは、これまで「スーパーサブ」として起用されてきた常安澪選手が公式戦初先発を果たす一方で、出場が初期待されていた前JのY.S.C.Cのルクマン・ハキムはベンチ外でした。なお試合後の会見でヌグリ・スンビランのニザム・ジャミル監督は、ルクマン選手については、まだ試合に出場できるだけのフィットネスレベルに達していないと説明しています。
この試合ではヌグリ・スンビランFCの佐々木匠選手はキャプテンとして先発して87分までプレーし、常安澪選手も先発して61分までプレーしています。
なお準々決勝に進出したヌグリ・スンビランは、スランゴールと対戦します。
2025/26マレーシアFAカップ1回戦2ndレグ
2025年9月12日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 9-0 マレーシア大学(通算成績12-1)
⚽️スランゴール:ケビン・ディーロムラム2(12分、48分)、クエンティン・チェン(21分)、クリゴール・モラエス3(45+1分、76分、80分)、アルヴィン・フォルテス(55分)、ザック・クラフ(70分)、ジクリ・カリリ(90+2分)
MOM:ファディ・アワド(PDRM FC)
1stレグでは3−1と勝利していたスランゴールが、3部のマレーシア大学相手に今季最多となる9ゴールを挙げて大勝しています。クリゴール・モラエスがハットトリックを決め、ザック・クラフ(オーストラリア1部アデレード・ユナイテッドから加入)とジクリ・カリリが今季初ゴールを挙げています。
3部のチーム相手に容赦のなかったスランゴールは、準々決勝ではリーグ戦で敗れているヌグリ・スンビランと対戦します。対戦相手が決まった後にスランゴールの喜熨斗勝史監督は(リーグ戦の)リベンジをしたいと話す一方で、本日9月18日のアセアン(東南アジア)クラブ選手権、バンコク・ユナイテッドFC(タイ)に向けて集中したいとも話しています。
2025/26マレーシアFAカップ1回戦2ndレグ
2025年9月13日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 3-0 イミグレセンFC(通算成績 4-2)
⚽️トレンガヌ:ジュニア・ンゴン・サム(18分)、アキヤ・ラシド(32分、54分)
MOM:アキヤ・ラシド(トレンガヌFC)
1stレグでは1-2とイミグレセンに敗れていたトレンガヌが、ホームでの2ndレグで勝利し、通算成績を逆転してベスト8進出を決めています。
今季1部昇格し、リーグ戦未勝利のイミグレセンは、リーグ3位のトレンガヌを破る貴重な今季初勝利を挙げていましたが、その勢いは2ndレグまでは続きませんでした。
トレンガヌはベスト8でクチン・シティと対戦します。
2025/26マレーシアFAカップ1回戦2ndレグ
2025年9月14日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチン・シティ 7-1 DPMM FC(通算成績 9-4)
⚽️クチン・シティ:ワンジャ・ンガ2(2分、53分)、ダニアル・アスリ2(13分、78分)、ユラ・インデラ・プテラ(45+1分OG)、ラマダン・サイフラー(59分)、ジョアン・ペドロ(90+2分)
⚽️DPMM:ラマダン・サンタナ(58分)
MOM:ワンジャ・ンガ(クチン・シティFC)
今季からマレーシアリーグに参入したブルネイのDPMMに公式戦初勝利を献上したクチン・シティ。しかしホームに戻った2ndレグでは7ゴールを挙げる大勝で逆転して準々決勝進出を決めています。スランゴールから今季加入したダニアル・アスリが2ゴール、またリーグ戦3試合で3ゴールを挙げているワンジャ・ンガが2ゴールと新戦力の活躍しています。
DPMMは20分にDFジョーダン・デ・パウラが1発レッドで退場となり、試合の大半を10名でプレーするなど厳しい試合でした。またGKクリスティアン・ナウモフスキが好セーブを連発しなければ、さらなる大量失点の可能性もありました。
クチン・シティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。
2025/26マレーシアFAカップ1回戦2ndレグ
2025年9月14日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
クアラ・ルンプール・シティ 1-0 クランタン・ザ・リアル・ウォリアーズFC(通算成績 2-3)
⚽️クアラ・ルンプール:ヴィクトル・ルイス(71分)
MOM:ヴィクトル・ルイス(クアラ・ルンプールFC)
クランタンがクアラ・ルンプールの猛攻に耐えて、クラブ史上初のFAカップ準々決勝進出を果たしています。
この試合はスタジアムで観戦しました。試合は開始から終始クアラ・ルンプールのペースで進みました。一旦クアラ・ルンプールがボールを持つと、クランタンはキャプテンでFWのイフェダヨ・オルセグン1人を残して全員が自陣に戻って守る徹底ぶりで、逆にそこからカウンターという戦いぶりでした。
それでもクアラ・ルンプールは何度か好機を得るものの、ほとんどがシュートまで至らず、77分のヴィクトル・ルイスの1点のみに留まり、1-3で敗れた1stレグの得点差を詰めることはできませんでした。またこの試合はキャプテンのパウロ・ジョズエとCBのGGことジャンカルロ・ガリフオコがいずれもベンチ外で、試合の流れを変えることができませんでした。
クランタンはサバFC対ブンガ・ラヤFCの勝者とベスト8で対戦します。
2025/26マレーシアFAカップ1回戦2ndレグ
2025年9月15日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナンFC 3-0 マラッカFC(通算成績5-0)
⚽️ペナン:ステファノ・ブルンド(11分)、ハジク・クティ(39分)、チェチェ・キプレ(80分)
MOM:ハジク・クティ(ペナンFC)
リーグ戦では5試合を終えて未だ勝利がないペナンFCですが、FAカップでは1stレグに続き2ndレグも連勝して準々決勝進出を決めています。
ペナンはクラブの下部組織育ちで、代表MFでもあるシャマー・クティ(クアラ・ルンプール・シティ)の弟でもあるハジク・クティがトップチームで嬉しい初ゴールを挙げるなど、今季から1部に昇格したマラッカFCを相手に2試合連続のクリーンシートで完勝しています。
ペナンFCの鈴木ブルーノ選手は73分から出場して試合終了までプレーしています。
ペナンは、ジョホール・ダルル・タジムFC対UMダマンサラ・ユナイテッドの勝者とベスト8で対戦します。
