現在FIFAランキング125位のマレーシアが同98位のパレスチナと対戦し、開始3分で上げた1点を守り切り、2001年3月以来24年ぶりの勝利を挙げています。
マレーシアが最後にパレスチナに勝利したのは2001年3月25日のW杯2002年大会予選で、そのときにはマレーシアは4-3でパレスチナを破っています。しかしその後はW杯2016年大会予選で再び同組となるもホーム、アウェイとも6−0と大敗しています。
今年1月に就任したピーター・クラモフスキー監督の元、マレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手による強化を図っているマレーシアは、FIFAランキング74位のカーボベルデと2度対戦して1分1敗となった以外は、ネパール(同176位)、ベトナム(同113位)、シンガポール(同159位)相手に勝利を収め、今年の成績は3勝1分1敗、現在は2連勝中です。
9月4日のシンガポール戦ではいずれも先発XIに名を連ねたDFディオン・クールズ(セレッソ大阪)、DFファクンド・ガルセス(スペイン1部デポルティーボ・アラベス)が所属クラブへ戻り、またFWファイサル・ハリム(スランゴールFC)は膝のケガと家庭の事情でチームを離脱しており、この日のパレスチナ戦でクラモフスキー監督がどのような布陣で臨むかに注目が集まっていましたが、シンガポール戦に続いて先発したのはFWジョアン・フィゲイレド、FWアリフ・アイマン、MFナズミ・ファイズ(以上ジョホール・ダルル・タジムFC)、MFノーア・ライネ(スランゴールFC)の4名のみでした。
またシンガポール戦では本来のポジションとは異なる右ウィングバックで起用されながら、1ゴール1アシストを記録したスチュアート・ウィルキン(サバFC)、そして左ウィングバックのラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タジムFC)に代えて、クラモフスキー監督はガブリエル・パルメロ(スペイン3部ウニオニスタス・デ・サラマンカCF)とクエンティン・チェン(スランゴールFC)を左右のウィングバックに起用、DFもハリス・ハイカル(スランゴールFC)、シャールル・サアド(ジョホール・ダルル・タジムFC)、ドミニク・タン(サバFC)といずれも国内組による3バックをGKシーハン・ハズミ(ジョホール・ダルル・タジムFC)の前に配置しています。また初戦では出番がなかったロドリゴ・オルガド(コロンビア1部アメリカ・デ・カリ)がCFで先発しています。ちなみにこの日の先発XIで帰化選手でないのは、GKシーハン・ハズミ、DFハリス・ハイカル、DFシャールル・サアド、MFナズミ・ファイズ、FWアリフ・アイマンの5名で、これは2024年12月のアセアン(東南アジア)選手権以来最多で、クラモフスキー監督就任後では初めてです。
以下はマレーシアとパレスチナの先発XIです。


この試合も先手を取ったのはマレーシアでした。所属するスランゴールでも今季は精度の高いクロスで得点機を演出してきたクエンティン・チャンが速く低いクロスをゴール前へ出すと、これをジョアン・フィゲイレドがダイレクトで押し込み、開始3分でマレーシアがリードを奪います。このゴールはパレスチナ相手に24年ぶりのゴールでもありました。
このゴールで勢いづいたマレーシアは、その後もシャールル・サードがミドルシュートを、またフィゲイレドやアリフ・アイマンが度々シュートを放ちますが、パレスチナGKラミー・ハマダ(カタール2部アル・マルヒーヤSC)の好守もあり、得点には至りません。
一方のパレスチナもバデル・ムーサ(エジプト1部ペトロジェットSC)が至近距離からシュートを放つ場面もありましたが、GKシーハン・ハズミがやはり好セーブで防ぎ、逆にマレーシアがチャンスを作るも、ガブリエル・パルメロのシュートは相手GKにセーブされてしまいます。
前半を1-0で折り返すと、クラモフスキー監督はドミニク・タンに代えてラヴェル・コービン=オングを投入し、さらに79分には代表戦初出場となるヘリテイジ帰化選手のDFリチャード・チン(スコットランド2部レイス・ローヴァーズFC)がクエンティン・チェンと交代で代表デビューを果たしました。
結局、終わってみればフィゲイレドの3戦連発となるゴールの1点で逃げ切ったマレーシアはこれで3連勝。来月再開するAFCアジア杯予選のラオス戦に向けては準備万端と言えそうです。
