フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリッド)、ロナルド・アラウホ(バルセロナ)、マヌエル・ウガルテ(マンチェスター・ユナイテッド)らを擁するウルグアイがマレーシアで10月に試合を行うことが明らかになっています。対戦相手となるウズベキスタンサッカー協会が発表したもので、FIFAランキング16位のウルグアイは、ウズベキスタン(同55位)と10月13日に対戦するようです。しかし翌10月14日にはAFCアジア杯2027年予選のマレーシア対ラオス戦がブキ・ジャリル国立競技場で予定されていることから、サッカーファンなら是非とも見てみたい好カードはクアラ・ルンプールではなく、おそらくジョホールのスルタン・イブラヒム・スタジアムあたりでの開催となりそうです。
国際親善試合:マレーシアはシンガポールに辛勝
9月のFIFA国際カレンダーで2試合の国際親善試合を組んでいるマレーシア代表は、9月4日にその初戦となるシンガポール代表戦に臨み、2-1で勝利しています。
かつては同じ国だったマレーシアとシンガポール。マレーシアがあるマレー半島と島国シンガポールの間を流れるジョホール海道を横断して両国結ぶ土手道「コーズウェイ」にちなみ、両国の対戦は「コーズウェイダービー」として互いのサポーターが盛り上が離、また名勝負を生み出してきたマッチアップです。
両国が最後に対戦したのは、昨年末のアセアン(東南アジア)選手権「三菱電機カップ」(2026年大会よりヒュンダイカップ)のグループステージ最終戦でした。この時は、今回同様、マレーシアがシンガポールをホームのブキ・ジャリル国立競技場に迎えて対戦しましたが、結果は0-0の引き分け。この結果、マレーシアはグループ3位隣準決勝進出を逃すとともにグループステージ敗退。三菱電機カップがFIFA国際マッチデー外出会ったことから国内王者のジョホール・ダルル・タジムFCが選手の代表招集を完全拒否し、また前任のキム・パンゴン監督が退任し、代行監督で大会に臨んだなどの側面もありますが、FIFAランキングではシンガポールを上回るマレーシアにとっては屈辱的な引き分けでした。
その後のマレーシアは、前FC東京監督のピーター・クラモフスキー代表監督が就任し、さらに国外生まれのヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ国外生まれの選手)が続々と代表入りした結果、今年6月に行われたAFCアジア杯2027年大会予選では、いずれもヘリテイジ帰化選手によるゴールによりベトナムを4-0で撃破、11年ぶりとなるベトナム戦勝利を記録しています。
そして6月のベトナム戦勝利によりFIFAランキングが125位まで上昇したマレーシアにとって、久しぶりの試合が同159位のシンガポール戦でした。
この日の両チームの先発XIは以下の通りです。
マレーシアはセレッソ大阪でプレーするDFディオン・クールズがキャプテンを務め、そのクールズとDFファクンド・ガルセス(スペイン1部デポルティーボ・アラベス)、MFエンドリック・ドス・サントス(ベトナム1部ホーチミンシティ)の3名が国外組ながら、ヘリテイジ帰化選手7名、帰化選手1名が先発に名を連ねました。またシンガポールは、MF仲村京雅(タイ1部バンコク・ユナイテッド)、イルファンとイクサンのファンディ兄弟、ライハンとハリスのスチュワート兄弟など国外組5名が先発に名を連ねています。


マレーシアは右SBのレギュラー、マシュー・ディヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジムFC)がケガのため今回の代表には招集されておらず、所属するセレッソ大阪で右SBでプレーするディオン・クールズ、あるいはリーグ戦で好調なクエンティン・チェン(スランゴールFC)の起用なども考えられましたが、蓋を開けてみると所属するサバFCではMFのスチュアート・ウィルキンが起用されるサプライズでした。
しかしクラモフスキー監督の起用が当たります。試合開始から積極的に攻めたマレーシアは、26分にエンドリック・ドス・サントスからのパスを受けたウィルキンがシンガポールDFをかわして先制ゴールを挙げ、マレーシアが先制します。前半を1−0で折り返した後半の55分、今度は右サイドのウィルキンからのパスを受けたジョアン・フィゲレイド(ジョホール・ダルル・タジムFC)がこれを押し込んで、マレーシアがリードを2点と広げます。ブラジル出身のヘリテイジ帰化選手であるフィゲレイドは6月のベトナム戦に続く2戦連発となり、この試合ではウィルキンを抑えて、MOMにも選ばれています。
しかしシンガポールは72分に中盤で仲村京雅選手がノーア・ライネ(スランゴールFC)に競り勝って頭で落としたボールを、兄のイクサン・ファンディと71分に交代したイルファン・ファンディ(いずれもタイ1部ブリーラム・ユナイテッド)が、出場からわずか1分でミドルシュートを決めて1点差に迫ります。しかし、シンガポールの反撃はここまで。その後は危なげなく守り切ったマレーシアが最終的には22,329名が集まった観衆の前で勝利し、今年1月のクラモフスキー監督就任以来の通算成績を3勝1分1敗としています。
一方のシンガポールは、6月に小倉勉氏(現JFA副技術委員長)が代表監督を辞任し、かつては国内リーグ最年少監督としてBGタンピネス・ローヴァーズの監督を務めていた35歳のゲビン・リー氏を代表チームコーチから暫定代表監督として起用した初めての試合でした。またこの試合で3試合ぶりに先発した仲村京雅選手はフル出場しています。
なおマレーシアは明日9月8日にジョホール州のスルタン・イブラヒム・スタジアムでパレスチナと、またシンガポールは9月9日にミャンマーとそれぞれ国際親善試合を行います。
明日のパレスチナ戦はガルセスとクールズ、ファイサルが欠場へ
明日9月8日にマレーシアはパレスチナと国際親善試合を行いますが、前述のシンガポール戦に先発出場したディオン・コールズとファクンド・ガルセスがパレスチナ戦を欠場することを、マレーシアのピーター・クラモフスキー監督が明らかにしています。
マレーシアの好調を支えるヘリテイジ帰化選手の両選手ですが、セレッソ大阪では試合連続先発中のクールズ選手は9月13日の福岡戦に備えて、また英国プレミアリーグのクラブ移籍も噂されているガルセス選手は、、9月14日のアスレティコ・ビルバオ戦に向けて所属するスペイン1部デポルティーボ・アラベスへ戻るということです。
この2選手の離脱に加え、右SBレギュラーのマシュー・デイヴィーズ、MFヘクター・ヘヴェル(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)と、歴史的快挙となったベトナム戦勝利時の先発メンバー4名を欠くことになります。
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またマレーシア代表からはファイサル・ハリム(スランゴールFC)も離脱することが明らかになっています。シンガポール戦では試合終了間際の交代出場ながら、最も多くの歓声を集めたファイサル選手ですが、膝の負傷に加えて、個人的な理由がチーム離脱の理由とされています。現地メディアでは、夫人が離婚請求をイスラム法裁判所に行ったことが報じられており、これが「個人的な理由」に関連するものだと考えられます。クラモフスキー監督も、自宅から離れたジョホールへ移動するチームに帯同するべきではないと判断したと述べており、まぁサッカーどころではないといったところでしょう。
U23アジア杯予選:マレーシアはティアニーの3発などでモンゴルに大勝
AFC U23アジア杯予選F組の第2節が行われ、マレーシアはモンゴルに7−0で対象し、通算成績を1勝1敗としています。
タイのパトゥムターニーで開催されている予選F組には、開催国タイ、レバノン、マレーシア、モンゴルの4カ国が入っていますが、9月3日の初戦でレバノンに0−1で破れているマレーシアはこのモンゴル戦に敗れればグループステージ敗退が決まる大事な試合試合でした。
地力で勝るマレーシアは開始13分にアリフ・イズワン(スランゴールFC)の先制ゴールでリードを奪うと、その2分後にはアイサル・ハディ(ジョホール・ダルル・タジムFC II)が2点目のゴールを決めてリードを広げます。そこからさらにファーガス・ティアニー(サバFC)が36分に追加点となるゴールを決めて、マレーシアが3−0とリードして前半が終了します。
ティアニーは後半に入っても48分、49分と立て続けにゴールを決めてハットトリックを達成、さらにアリフ・イズワンもこの試合2点目となるゴールを59分に決め、さらにジアド・エル=バシール(ジョホール・ダルル・タジムFC II)が7点目のゴールを68分に決めて完勝しています。
ナフジ・ザイン監督就任以来、U23代表はこれまで4試合を行なっていますが、7月ASEAN(東南アジア)U23選手権のフィリピン戦とインドネシア戦、そして今予選のレバノン戦と3試合で無得点の一方、ブルネイ戦とこの日のモンゴル戦と格下相手にはいずれも7ゴールと容赦なく得点を挙げています。
予選最終戦となる9月9日にはここまで1勝1分のタイと対戦しますが、この試合に勝利すればレバノン対モンゴル戦の結果次第では本戦出場の可能性が残っています。
AFC U23アジア杯予選F組順位表(第2節終了)
| 順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | タイ | 2 | 1 | 1 | 0 | 8 | 2 | +6 | 4 |
| 2 | レバノン | 2 | 1 | 1 | 0 | 3 | 2 | +1 | 4 |
| 3 | マレーシア | 2 | 1 | 0 | 1 | 7 | 1 | +6 | 3 |
| 4 | モンゴル | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 13 | −13 | 0 |
