2025/26マレーシアスーパーリーグ第4節 試合結果とハイライト映像(1)<br>・スランゴールは5点大勝も終盤の失点癖は解消されず<br>・KLシティが連勝で暫定首位浮上

2025/26年シーズンのマレーシアスーパーリーグ第4節の2試合が8月27日に行われ、いずれもホームのスランゴールFCとクアラ・ルンプール・シティFCが勝利しています。
*ハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeチャンネルより。

2025/26マレーシアスーパーリーグ第4節
2025年8月27日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 5-2 トレンガヌFC
⚽️スランゴール:クリゴール・モラエス3(17分、36分、45+1分)、アルヴィン・フォルテス(25分)、アリフ・イズワン(90+6分)
⚽️トレンガヌ:ガブリエル・シルバ(70分PK)、ジュニア・ンゴン・サム(82分)
MOM: クリゴール・モラエス(スランゴールFC)

スランゴールの喜熨斗勝史監督が「自身のサッカー人生の中で最低の試合」と述べた前節のヌグリ・スンビラン戦。昨季2位のスランゴールが同12位のヌグリ・スンビランに敗れたことで、サポーターの喜熨斗監督への信頼が揺らぐ可能性もありました。そんな中、喜熨斗監督は開幕からの3試合(カップ戦も含めると4試合)でゴールを挙げられて元Jリーグ甲府などのFWウィリアン・リラを初めて先発から外すなど、ヌグリ・スンビラン戦から4名を入れ替えた布陣で、ここまで3戦無敗のトレンガヌと対戦しました。

試合開始から両チームが積極的にゴールを狙う中、先制したのはホームのスランゴールでした。17分に左サイドのアルヴィン・フォルテスからのクロスをクリゴール・モラエスが狙い澄ましたヘディングシュートを決めて、スランゴールがリードします。さらにその8分後、今度はフォルテス自身がペナルティエリアで相手DFを交わし、トレンガヌGKスハイミ・フシンの逆を突くシュートを決めてリードを広げます。そして36分には、ペナルティエリアの外に飛び出してクリアしようとしたスハイミをかわしてモラエスがこの試合2試合目のゴールを決めると、さらに前半アディショナルタイムには、ノー・アル=ラワブデからのロングパスを受けたモラレスが再びトレンガヌDFを難なく振り切ってゴール。前半だけでハットトリックを達成したモラエスのゴールなどで、スランゴールは前半を4−0で折り返します。

後半に入るとトレンガヌも反撃に転じ、70分には自身がペナルティエリア内で倒されて得たPKをガブリエル・シルバが決めると、82分には集中力が切れたかのようなスランゴールDFをかわしてジュニア・ンゴン・サムがゴール。2点差に迫られたスランゴールは、この試合後にU23アジア杯予選に出場するU23代表に合流予定のアリフ・イズワンがやはりトレンガヌDFを最も簡単にかわしてゴールを決め、トレンガヌを振り切っています。

この勝利の結果、スランゴールは勝点6となり暫定ながら今季最高位の4に浮上、またトレンガヌは勝点7のまま3位となっています。

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5点大勝の裏で気になるのは、今季のスランゴールの失点パターンです。カップ戦やアセアンクラブ選手権も含めた全6試合の総失点は9ですが、前半の失点が1なのに対し、後半の失点は8、しかもその内訳は60分代に1失点、70分代に2失点、80分代に3失点、アディショナルタイム(90分代)に2失点と半数以上が80分を過ぎてからの失点です。前節のヌグリ・スンビラン戦も1点リードの展開の中、途中出場の常安澪選手が83分、そして93分にゴールを決めて、スランゴールは敗れています。そのためにもこの日の試合は、大量リードして相手の戦意を喪失させていただけに、クリーンシートで勝利したかったところでしたが、終盤失点の悪癖が顔を出す残念な試合になりました。


2025/26マレーシアスーパーリーグ第4節
2025年8月27日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
クアラ・ルンプール・シティFC 3-1 PDRM FC
⚽️クアラ・ルンプール:サファウィ・ラシド(25分)、パウロ・ジョズエ(53分)、ニコラオ・ドゥミトル(77分PK)
⚽️PDRM: チョー・ミン・ウー(90分)
MOM: パウロ・ジョズエ(クアラ・ルンプール・シティFC)

リーグ戦ここまで無敗のクアラ・ルンプールが今季未勝利のPDRMに快勝し、暫定首位に浮上しています。

ジョホールからローン移籍中の新エースのサファウィ・ラシドの今季3得点目となるゴールで25分に先制したクアラ・ルンプールは、後半に入るとキャプテン、パウロ・ジョズエの今季初ゴールでリードを広げます。さらに77分にはニコラオ・ドゥミトルも今季初ゴールを決め、PDRMの反撃をチョー・ミン・ウーのゴール1点に抑えて快勝しています。

この結果、クアラ・ルンプールはこの日試合がなかったジョホールを抑えて暫定首位に浮上し、一方のPDRMは順位を2つ下げて7位に交代しています。

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昨季はリーグ2位の17ゴールを挙げたパウロ・ジョズエが、4試合目で今季初ゴールを挙げています。本来はMFながら、既存のFW陣の決定力不足から、ここ数シーズンはFWとして起用されましたが、今季は代表のチームメートでもあるサファウィ・ラシドやスリ・パハンから移籍のクパー・シャーマンなどリーグ屈指のFWがチームメートとなったことで、司令塔としてチームに貢献することになりそうです。

2025/26マレーシアスーパーリーグ順位表(第4節途中)

チーム勝点
1クアラ・ルンプール431093610
2ジョホール33009369
3トレンガヌ421112757
4スランゴール42029726
5クチン21014133
6ヌグリ・スンビラン210156-13
7PDRM403157-23
8マラッカ20201102
9サバ20201102
10クランタン302115-42
11イミグレセン201114-31
12ペナン301226-41
13DPMM3012210-81

2025/26マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第4節途中)

得点選手名所属
14クリゴール・モラエススランゴール
23サファウィ・ラシドクアラ・ルンプール
32アリフ・アイマンジョホール
32ジョン・イラザバルジョホール
32ジャイロ・ダ・シルバジョホール
32アザム・アズミトレンガヌ
32ヤン・マベラトレンガヌ
32カレッカトレンガヌ
32ワンジャ・ンガクチン
32パク・テスPDRM
32ヘンリ・ドゥンビアPDRM
32ジョバン・モティカヌグリ・スンビラン
32常安澪ヌグリ・スンビラン
32ケビン・ディーロムラムスランゴール