9月の代表戦はシンガポールとブキ・ジャリルで、パレスチナとはジョホールで対戦
マレーシアサッカー協会(FAM)は9月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAデイズ)で、マレーシア代表がシンガポール代表、パレスチナ代表の両チームと対戦することを発表しています。
直近のFIFAランキング125位のマレーシア代表は、同159位のシンガポール代表とは9月4日にブキ・ジャリル国立競技場で、また同98位のパレスチナ代表とは9月8日にジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで開催されるということです。
9月の代表戦は、10月から再開するAFCアジア杯2027年大会3次予選前の最終調整とも言える重要な試合であることから、FAMは「多様な環境」での試合を行うことが今回の2箇所開催の理由であると説明しています。
アジア杯予選でF組のマレーシアはベトナム、ラオス、ネパールと同組で、今年3月にはネパールを、そして6月にはベトナムを破って現在、グループ首位につけています。予選再開後の最初の試合は10月9日のアウェイ、ラオス代表戦、そして5日後の10月14日にはホームで再びラオス代表と対戦、そして11月18日にはアウェイのネパール代表戦が予定されています。そしてグループステージ最終戦となる最大のライバル、ベトナム代表との試合は来年3月31日にアウェイでの試合が組まれています。
当初マレーシア代表は、イランやウズベキスタンなどが所属する中央アジアサッカー連盟(CAFA)の主催するNations Cupトーナメントに出場するとしていましたが、グループステージ組合せ抽選でFIFAランキング20位のイランと同組となると、突然出場を取りやめると発表し、19年ぶりに(!)120位代にランクアップしたFIFAランキングがイランとの対戦で再び130位代に落ちるのを恐れたのではないか、といった声も上がっていました。
U23アジア杯予選に向けたマレーシアU23代表が直前合宿へ出発-アセアンU23選手権惨敗からの立て直しはできるのか
来月9月に開幕するAFC U23アジア杯2026年大会予選に出場するマレーシアU23代表が合宿地であるバンコクへ向けて出発しています。
先月7月にインドネシアで開催された東南アジアサッカー連盟(AFF)U23選手権では、ベスト4進出を目標として参加したものの、フィリピンU23に敗れ、インドネシアU23とは引き分けに終わり、勝利を収めたのはブルネイU23戦のみという成績でグループステージ敗退に終わっています。
昨年12月にU23代表監督に就任したナフジ・ザイン監督にとっては最初の大会となったAFF U23選手権で惨敗し、チームの立て直しが必至な状況ですが、予選前の合宿はFIFA国際カレンダー(FIFAデイズ)外であることから、CFファーガス・ティアニー(サバFC)、WGアリフ・イズワン(スランゴールFC)、CBウバイドラー・シャムスル(トレンガヌFC)のいずれもトップチームで主力としてプレーする3選手不在のまま、合宿先のバンコクへ出発しています。なお予選が開催される期間はFIFAデイズのため、ナフジ監督は、大会中はこの3選手もチームに合流することになっていると説明していますが、
AFF U23選手権後には多くの改善が必要だと述べたナフジ監督ですが、技術はもちろんだがと、若い選手たちなので、精神面での成長が鍵になると話しています。「AFF U23選手権では、国際試合特有の経験を得たことや、他のU23代表のプレーを見て学んだことが多かった。その経験によって今予選ではより良い準備ができると考えている。」とメディアに語ったナフジ監督ですが、今回の合宿はスーパーリーグのクラブでは主力ではない選手や(3部の)A1セミプロリーグの選手が参加メンバーとなっています。
9月3日に開幕するU23アジア杯2026年大会予選F組は、マレーシアの他、開催国のタイ、レバノン、モンゴルがおり、試合は全てタイ1部BGパトゥム・ユナイテッドのホーム、トゥルーBGスタジアムで行われ、予選1位のチームだけが来年サウジアラビアで開催される本戦に出場することができます。
合宿先のバンコクでは、クウェートU23代表、オマーンU23代表との練習試合が組まれており、F組の初戦、9月3日に対戦するレバノンU23代表を想定した試合になりそうです。なお予選では9月6日にモンゴルU23代表、そして9月9日にはタイU23代表と対戦します。
東南アジア各国リーグの市場価値でマレーシアリーグは域内第4位
マレーシア語紙ブリタハリアンは、サッカー選手の移籍情報、市場価値、移籍の噂、統計などを掲載するトランスファマルクト(Transfermarkt)の記事を引用し、市場価値においてマレーシアリーグが東南アジア内で4位ながらも上位のリーグからは遅れをとっている、という記事を掲載しています。
この記事によると、東南アジア9カ国の国内リーグの内、1位のタイ1部リーグ「タイリーグ1」(16チーム)の市場価値は3億7700万リンギ(およそ132億円)、2位のインドネシア1部リーグ「スーパーリーグ」(18チーム)は3億5200万リンギ(およそ123億円)、そして3位のベトナム1部リーグ「Vリーグ1」は2億6400リンギ(およそ93億円)であるのに対して、「マレーシアスーパーリーグ」は2億5100万リンギ(およそ88億円)となっているということです。
この上位4カ国に対して、下位5カ国のリーグは大きく離されており、8チームで構成されるシンガポールプレミアリーグが5位で9300万リンギ(およそ32億円)、12チームで構成されるミャンマーナショナルリーグが6位で8500万リンギ(およそ30億円)と続き、以下7位カンボジアプレミアリーグ(11チーム)が7800万リンギ(およそ27億円)、8位フィリピンフットボールリーグが4000万リンギ(およそ14億円)、そして9位のラオスリーグ1が2300万リンギ(およそ8億円)となっています。
ブリタハリアンの記事では、ベトナムのVリーグ1に抜かれて4位となったことが悔しいようで、「ACLエリートに出場するチームがない」Vリーグ1といった記述も見られましたが、マレーシアスーパーリーグでは給料未払い問題で2クラブが今季のライセンス交付が受けられず、また1クラブは財政面を理由に今季の出場を辞退するなど、なるようにしてなった結果でしかありません。また国の規模を考えても、7100万人の人口を抱えるタイ、さらには2億8000万人のインドネシアや1億人のベトナムに対して、人口わずか3600万人の小国マレーシアでこの規模が維持できていることの方が、むしろ驚きです。
