2025/26マレーシアスーパーリーグ第2節 試合結果とハイライト映像<br>・ジョホールが早くも単独首位に<br>・新規参入のイミグレセンFCとマラッカFCが揃ってリーグ初勝点獲得

2025/26年シーズンのマレーシアスーパーリーグ第2節が8月12日から13日にかけて行われていますが、なぜか今節は6試合中、4試合が引き分けでした。なお前節第1節に試合がなかったヌグリ・スンビランFCや、第1節の試合が8月29日に延期されていたサバFCとマラッカFCも今季初戦を戦い、これで13チーム全てが開幕を迎えたことになります。紹介試合が1試合少ないクチン・シティFCを除くと、ジョホール・ダルル・タジムFCが唯一の開幕から2連勝で早々と単独首位に立っています。
 今季のスーパーリーグは13チーム編成のため、谷川由来選手が所属するクチン・シティFCは今節は試合がありません。
*ハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeチャンネルより。


2025/26マレーシアスーパーリーグ第2節
2025年8月12日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 5-3 ヌグリ・スンビランFC
⚽️ジョホール:ジョン・イラザバル2(38分、56分)、ジョアン・フィゲイレド(41分)、アリフ・アイマン(58分)、ベルグソン・ダ・シルバ(90+1分)
⚽️ヌグリ・スンビラン:ジョセフ・エッソ(8分)、ジョバン・モティカ2(13分、60分)
MOM: ジョン・イラザバル(ジョホール・ダルル・タジムFC)

両チーム合わせて8ゴールの試合は、自力に勝るジョホールが逆転勝利

開幕戦でスランゴールFCを3-0で退けたジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のシスコ・ムニョス監督は、この試合では若きエース、アリフ・アイマンと正GKシーハン・ハズミがベンチスタートとなり、弱冠19歳のヘリテイジ帰化選手、スペイン出身のクリスティアン・アバドがゴールを守るなど、開幕戦からは5名を入れ替えて、昨季12位のヌグリ・スンビランFCをホームに迎えました。

しかし先制したのはヌグリ・スンビランでした。MFアレクサンダー・アギャルカワ(スランゴールFCから加入)がJDTのオフサイドトラップの隙をついてDFライン裏へ絶妙のパスを出すと、これをFWジョセフ・エッソ(ガーナ1部ドリームズFCから加入)がゴール前まで持ち込み、GKクリスティアン・アバドをかわしてゴール!しかし、これで終わりませんでした。さらに13分には中央付近でエッソへのファウルでFKを得ると、JDTの選手たちがボールから目を切ったところで再びアギャルカワがこのFKを素早く前方へフィード。これをFWジョバン・モティカ(クアラ・ルンプール・シティFCから加入)が左サイドから持ち込み、GKアバドをかわしてゴール!VARの介入があったものの、結局オフサイドとはならずヌグリ・スンビランがリードを2点に広げます。

しかしJDTは38分に途中出場のFWアリフ・アイマンのコーナーキックをヘリテイジ帰化選手のCBジョン・イラザバル(アゼルバイジャン1部サバフFKから加入) が頭で合わせて1点差とすると、その3分後にはMFワイ・リン・アウン(ミャンマー1部ヤンゴン・ユナイテッドから加入)が自陣ゴール前にいたJDTのFWジョアン・フィゲイレドへまさかのパスミス。これを決められたヌグリ・スンビランは同点に追いつかれます。ワイ・リン・アウンはJDTの1点目もゴール前でイラザバルに競り負けており、この日は散々な出来でした。

前半を2−2で折り返した後半の56分、ついにJDTがリードを奪います。ショートコーナーからエクトル・ヘベルのクロスをイラザバルが押し込んで逆転すると、さらにその2分後にはアリフ・アイマンがゴールを決めて、今度は逆にJDTがリードを2点に広げます。

しかしヌグリ・スンビランもキャプテン佐々木匠選手からのパスを受けたモティカがこの試合2点目となるゴールを挙げ、JDTに迫ります。しかしJDTも90分にFWベルグソン・ダ・シルバがバイシクルキックでスーパーゴールを決め、ヌグリ・スンビランを突き放して開幕から2連勝を飾っています。 なおJDTがリーグ戦で3失点したのは2023年8月26日以来でした。

昨季はスランゴールFCを率いてJDTにはリーグ戦、FAカップ決勝と3戦全敗だったヌグリ・スンビランFCのニザム・ジャミル監督と、やはりスランゴールFCでFAカップ決勝ではJDTの厳しいマークと激しいチェックで途中退場に追い込まれたアレクサンダー・アギャルカワ。この2人にとってはこの日のJDT戦はいわばリベンジマッチだったはず。そんな試合でJDTに冷や汗をかかせたことで、2人の新しいチームであるヌグリ・スンビランFCがリーグ上位を狙える手応えを感じられたのではないでしょうか。また早いチェックでJDTにボールをゆっくりと持つスペースを与えない戦術も他のチームの対JDT戦の参考になったように思います。またサフワン・バハルディン(シンガポール1部ライオンシティセイラーズFCにローン移籍中)とともになぜ放出されたのかが理解できないアレクサンダー・アギャルカワもニザム監督のサッカーを理解している利点を活かして、今季のヌグリ・スンビランFCのキープレーヤーとなりそうです。

ヌグリ・スンビランFCの佐々木匠選手はキャプテンとして先発して65分に交代、常安澪選手は76分から出場して、試合終了までプレーしています。


2025/26マレーシアスーパーリーグ第2節
2025年8月12日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 3-0 DPMM FC
⚽️スランゴール:ケビン・ディーロムラム2(5分、36分)、クリゴール・モラエス(67分)
MOM:クリスティアン・ナウモフスキ(DPMM FC)

スランゴールは今季ホーム初戦で快勝

今季開幕戦となった前節のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)戦ではほぼ完敗だったスランゴールFCは、今季ホーム初戦となったこの試合ではDPMM FCと対戦しています。試合開始から積極的に攻めたスランゴールは開始5分でケビン・ディーロムラム(タイ1部ポートFCから加入)のゴールで先制すると、36分には先制点と同じように右サイドのクエンティン・チェンからのクロスを再びディーロムラムが押し込んで、スランゴールが2−0とリードします

2点リードで折り返した後半もスランゴールは攻撃の手を休めず、DPMMゴールに迫るものの、GKクリスティアン・ナウモフスキが好セーブを連発して凌ぐ中、またもクエンティン・チェンのクロスを今度はクリゴール・モラエス(タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから加入)が頭で押し込んで3点目を挙げ、DPMMを圧倒しています。

マレーシアスーパーリーグ第2節
2025年8月12日@スルタン・ムハマド4世・スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン・ザ・リアル・ウォリアーズFC 1-1 イミグレセンFC
⚽️クランタン:イフェダヨ・オルセグン(79分PK)
⚽️イミグレセン:エドゥアルド・ソーサ(45+1分)
🟥アミラリ・チェヒニ(イミグレセンFC)

開幕戦でクアラ・ルンプール・シティFCに完封負けしていた昇格組のイミグレセンFCが昨季最下位のクランタン・ザ・リアル・ウォリアーズFCを相手に、エドゥアルド・ソーサ(前コロンビア1部デポルテス・トリマ)の記念すべきスーパーリーグ初ゴールと初勝点を挙げています。なお開幕戦でクチン・シティFCに完封負けしていたクランタン・ザ・リアル・ウォリアーズFCもイフェダヨ・オルセグン(PDRM FCから加入)のゴールでの引き分けに持ち込み、やはり今季初勝点を獲得しています。


2025/26マレーシアスーパーリーグ第2節
2025年8月13日@ハン・ジェバ・スタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカFC 1-1 ペナンC
⚽️マラッカ:ホアン・ダグラス (70分)
⚽️ペナン:ディラン・ヴェンツル=ホールズ (29分)
MOM:ヴィトール・フランシスコ・ドス・サントス・デ・カルバリョ(マラッカFC)

こちらも昇格組のマラッカFCがホアン・ダグラス(ブラジル4部インデペンデンシアFCから加入)のゴールでスーパーリーグ初得点と初勝点をホームで挙げています。また開幕戦ではトレンガヌFCに完封負けしていたペナンFCもこの引き分けで今季初勝点を獲得しています。
ペナンFCの鈴木ブルーノ選手は今季初先発して、試合終了までプレーしています。


2025/26マレーシアスーパーリーグ第2節
2025年8月13日@KLフットボール・スタジアム(クアラ・ルンプール)
クアラ・ルンプール・シティFC 1-1 サバFC
⚽️クアラ・ルンプール:デクラン・ランバート(65分)
⚽️サバ:ガブリエル・ペレス(90+2分)
MOM:ガブリエル・ペレス(サバFC)
🟥:ディーン・ペレカノス(サバFC)

今季初戦となったサバは、前半終了間際にディーン・ペレカノス(オーストラリア1部ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFCから加入)が危険なタックルで一発レッドとなり、後半は10人でのプレーを強いられます。しかも後半の65分にはデクラン・ランバートのクロスがDFデイン・インガム(オーストラリア1部ニューカッスル・ユナイテッド・ジェッツFCから加入)にあたってコースが変わるアンラッキーなゴール(記録はランバートのゴール)でクアラ・ルンプール・シティFCにリードを許します。

その後も好機を作りながら得点に結び付かなかったクアラ・ルンプール・シティFCが1点のリードを守ってアディショナルタイムに突入すると、サバFCはセンターサークル付近で得たFKをスチュアート・ウィルキンがゴール前へ蹴り込むと、途中出場のガブリエル・ペレスが頭で押し込み同点に追いつき、10人のサバFCがそのまま引き分けに持ち込んでいます。


2025/26マレーシアスーパーリーグ第2節
2025年8月13日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 2-2 PDRM FC
⚽️トレンガヌ:アザム・アズミ(63分)、ヤン・マベラ(90分)
⚽️PDRM:ヘンリ・ドゥンビア2(13分、56分)

今季は上位を狙いたいトレンガヌFCはホーム開幕戦でまさかの引き分け。

開幕戦ではペナンFCを3−0で破っていたトレンガヌは、この試合がホーム開幕戦。しかしビジターのPDRM FCがヘンリ・ドゥンビア(リビヤ1部アル=イテハド・ミスラタSCから加入)の2発でリードを奪います。

しかしトレンガヌも65分にマレーシア代表SBアザム・アズミのゴールで1点差に迫ると、89分には自陣ゴール前でPDRM FCのサフィー・アフマドが痛恨のハンド。このPKをヤン・マベラ(ルクセンブルグ1部ラシンFCユニオン・ルクセンブルクから加入が)が決めて同点に追いつきますが、その後は追加点を奪えず、トレンガヌはホーム開幕戦を引き分けで終えています。


2025/26マレーシアスーパーリーグ順位表(第2節終了時点)

チーム勝点
1ジョホール22008356
2トレンガヌ21105234
3KLシティ21104134
4クチンシティ11004043
5スランゴール21013303
6PDRM20203302
7マラッカ10101101
8サバ10101101
9DPMM201125-31
10イミグレセン201114-31
11ペナン201114-31
12クランタン201115-41
13ヌグリ・スンビラン100135-20

2025/26マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第2節終了時点)

得点選手名所属
12ワンジャ・ンガクチンシティ
12パク・テスPDRM
12ヘンリ・ドゥンビアPDRM
12アリフ・アイマンジョホール
12ジョン・イラザバルジョホール
12ジョバン・モティカヌグリ・スンビラン
12ケビン・ディーロムラムスランゴール
12アザム・アズミトレンガヌ
91マヌエル・イダルゴ他21名KL