CAFAネイションズカップ組み合わせ発表ーマレーシアはイランと同組
8月下旬にタジキスタンとウズベキスタンで開催される中央アジアサッカー連盟CAFAネイションズカップ2025年大会の組み合わせが発表され、招待チームとしてこの大会に参加するマレーシアは、日本に次ぐアジア2位のイランと同じB組に入っています。
先月のAFCアジア杯2027年大会予選でベトナム代表を4−0と撃破したことで、俄然注目を集めることになったマレーシア。そのおかげか、今回が第2回大会となるこのCAFAネイションズカップにオマーンととも招待されています。
8カ国が出場するこの大会の組分けが先日発表され、直近のFIFAランキングが131位のマレーシアは、同18位で第1回大会優勝のイラン、102位のタジキスタン、160位のアフガニスタンと同組のB組に入り、もう一方のA組にはW杯2026年大会出場を決めているウズベキスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、オマーンが入っています。
8月26日から9月9日まで開催されるこの大会はA組がウズベキスタンが開催国に、B組がタジキスタンが開催国になりグループステージを行い、各組の1位が決勝に、2位が3/4位決定戦に回るフォーマットになっています。
W杯予選など公式戦以外では対戦する機会がないFIFAランキング上位のイランとの対戦が決まったマレーシア。この大会はFIFA国際マッチカレンダー外で行われるため、ベトナム戦のようなベストメンバーを招集することは難しそうですが、逆にいえば、洪水のように押し寄せてきた帰化選手にポジションを奪われたマレーシア人選手たちにとっては、ピーター・クラモフスキー代表監督へのアピールの良い機会でもあります。
KLシティにジョホールからのローン移籍選手が集結-昨季は最大7ヶ月の給料未払いを抱えたクラブにとってはお得な補強!?
2025/26シーズンの開幕を来月に控え、各クラブが新加入の選手を披露していますが、昨季2024/25シーズンはリーグ6位に終わったクアラルンプールシティFC(KLシティ)は、いずれもジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からのローン移籍選手3名の加入を発表しています。
マレーシア代表FWサファウィ・ラシドは、昨季2024/25シーズンはやはりローン移籍でトレンガヌFCでプレーし、リーグ戦とカップ戦合わせて36試合に出場し、18ゴール4アシストを記録しています。同じく代表でプレーするMFシャミル・クティは、昨季はペナンFCで21試合に出場しています。またアルゼンチン出身で元シェフィールド・ウェンズデーU21でもプレーしたMFマヌエル・イダルゴは今季のリーグ参加を取りやめたスリ・パハンFCからの移籍で、昨季は24試合で7ゴール4アシストの記録を残しています。このイダルゴ選手は、2021年からマレーシアでプレーしており、27歳となる来季にはマレーシア国籍を取得し、帰化選手として代表入りするのではとも言われている選手です。
またKLシティは、オランダ生まれのフィリピン代表GKクインシー・カメラードの加入も発表しています。KLシティは昨季の正GKアズリ・ガニがヌグリスンビランFCへ移籍しており、このカメラード選手はかつてKLシティでGKを務めたケヴィン・メンドーザ(現インドネシア1部プルシブ・バンドン)以来の外国籍GKとなります。
昨季は給料未払いが長期化し、シーズン終盤は不安定な戦いが続いたKLシティですが、このローン移籍選手の加入は経費の節約にもなる経済的な補強となっていると同時に、加入する選手たちも出場機会が得られるいわばウィンウィンの補強です。所属するJDTが給料の一部を負担することで、本来なら獲得には高額の給料が必要となる代表選手と外国籍選手が補強できたKLシティは昨季以上の順位を狙うこともでき、帰化選手を次々と補強するJDTに戻っても出場機会が得られそうもない3選手は選手層が薄いKLシティで出場時間を積み重ねることができれば、帰化選手が顔をきかせ、マレーシアで生まれ育った選手の居場所が少なくなっているマレーシア代表への復帰も期待できます。
KLシティはヴィダコヴィッチ新監督就任を発表
昨季2024/25シーズンは11勝4分9敗のリーグ6位に終わったクアラルンプールシティFCは、ミロスラフ・クリヤナッチ監督の退任とリスト・ヴィダコヴィッチ新監督の就任をクラブ公式SNSで発表しています。
開幕後にクラブライセンス取得の際の書類に不備があったとして勝点6の剥奪処分を受け、さらに一時は最大で7ヶ月分の給料未払いがあることを選手が告発するなど、選手のパフォーマンスに大きな影響を与える問題がピッチ外で続いたクラブをやりくりしたクリヤナッチ監督でしたが、残念ながら1年でチームを去ることになりました。
クリヤナッチ監督と同じセルビア出身のヴィダコヴィッチ新監督は、2022年シーズンにはマラッカ・ユナイテッドFCの監督に就任しましたが、開幕から4試合を1分3敗という成績で解任されています。しかし、このときは開幕直後にもかかわらず、プレーシーズンから既に給料未払い問題が起こっていたことが明らかになり、主力の外国籍選手たちも試合をボイコットするなど、評判の高かったヴィダコヴィッチ監督の手腕が問われる前にクラブが崩壊していました。(なおマラッカ・ユナイテッドFCは2022年シーズン終了後に負債を抱えて解散しています。)
ヴィダコヴィッチ監督は、セルビア代表やスペイン下部リーグでコーチを務めた後、フィリピン1部のセレス・ネグロスFC(現ユナイテッド・シティFC)で2016年シーズンから3連覇を果たし、2020年シーズンにはモルジブ1部マジヤS&RCでリーグを制覇しています。この他にも東南アジアでは、インドネシア1部のボルネオFCやPSSスレマン、シンガポール1部のライオンシティ・セイラーズFCでも監督経験があります。
スランゴールは元甲府のリラを獲得、U23でプレーのアフガン代表もトップチーム昇格でFW強化
昨季2位のスランゴールFCは、その獲得が噂されていた元Jリーグ甲府のストライカー、ウィリアン・リラの加入を発表しています。31歳のリラ選手は2023年シーズン途中までクダ・ダルル・アマンFC(現在は3部降格)でプレーし、14試合で8ゴールを上げる活躍を見せていましたが、給料未払い問題が起こると前半戦終了後のトランスファーウィンドウで隣国タイのチョンブリーFCに移籍していました。移籍したチョンブリーFCではリーグ戦30試合に出場して15ゴールを挙げ、その後はアラブ首長国連邦UAE1部のハッタ・クラブで24試合にプレーし14ゴールを記録しています。
甲府を天皇杯優勝に導き、その甲府はACL出場を果たしたものの、リラ自身はクダに移籍しており、ACLには出場しませんでした。今季のACL2出場が決まっているスランゴールでリーグ戦はもとより、ACLでも爆発的な得点力を見せてもらいたいところです。
またスランゴールは昨季はU23チームでプレーしたアフガニスタン代表FWオミド・ムサウィのトップチーム昇格も発表しています。アフガニスタン生まれながら、オランダで育ったオミド選手は、FCトゥウェンテやSBVフィテッセ、PECズヴォレなどのユースでプレーし、その後はオーストラリアのセミプロリーグを経て昨年10月にスランゴールU23に加入しています。代表デビューは2022年6月のベトナム代表戦で、アフガニスタン代表のアジア杯2027年大会予選のミャンマー代表戦、シリア代表戦のいずれにも先発するなど、通算17試合に主通常しています。前述のCAFAネイションズカップにはアフガニスタン代表も出場し、マレーシアと同じB組に入っていますので、マレーシア代表と対戦する可能性もあります。
今季のマレーシア1部スーパーリーグは各クラブは最大で15名の外国籍選手の登録が可能となっていあす。試合出場登録は最大9名でピッチ上には同時に7名(アジア枠1名、東南アジア枠2名を含む)が立つことが可能です。なおスランゴールFCは、いずれもヨルダン代表のMFノー・アル=ラワブデ、DFモハマド・アブアルナディ、カーボベルデ代表のFWアルヴィン・フォルテス、昨季はローン移籍でペナンFCでプレーしたガーナ出身のDFリッチモンド・アンクラの残留が発表している他、これまでに昨季のタイリーグでは27試合で17ゴールを挙げたFWクリゴールことクリゴール・モラエス(タイ1部PTプラチュワップFCから加入)、タイ代表MFピチャ・アウトラ(タイ1部ムアントン・ユナイテッドから加入)の2選手の加入を発表しています。
