アルゼンチン出身の帰化選手アグエロがタイ1部クラブへ移籍
昨季2024/25シーズンにはスリ・パハンFCでキャプテンを務めたアルゼンチン出身の帰化選手MFセルヒオ・アグエロが、今季2025/26シーズンにタイ1部へ昇格したカンチャナブリー・パワーFCに移籍することが明らかになっています。
カンチャナブリ・パワーFCのプラワット・キタマクニット社長が自身のSNSに「セルヒオ・アグエロは7月2日にやって来る」と投稿し、コメント欄ではファンからの質問に答える形で「基本的な要件については全てが完了している。まだ細かい点が残っているが、(タイに来る)時期は決まっている」と述べています。
カンチャナブリー・パワーFCは、昨季はタイ2部で4位となり、同3位から6位までが出場する1部昇格プレーオフに駒を進め、準決勝では同5位のマハーサーラカーム SBT FCを2試合通算7-4で破り、さらに決勝では清水龍秀選手が所属する同3位プレー・ユナイテッドをこちらは2試合通算5-4で破って、2017年のクラブ創設以来初めて1部昇格を果たしたクラブです。
このカンチャナブリー・パワーFCに移籍するアグエロ選手は、あのセルヒオ・アグエロ選手と同じアルゼンチン出身です。(このブログでは混乱を避けるためにエゼキエル・アグエロと表記してきました。-筆者中)じゃない方のアグエロ選手は、リーベルプレートやオールボーイズでユース時代を過ごした後、2015年にハンガリー2部FCタタバーニャと初めてプロ契約を結ぶと、2016年にはスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFC(既に解散)へ移籍します。その後はサラワク・ユナイテッド(既に解散)、ペナンFA(現ペナンFC)、下部リーグのKLローヴァーズFCなどでプレーし、2021年にスリ・パハンFCに移籍します。一時はペラFC(既に解散)へローン移籍をしたものの、その間にマレーシアでのプレー期間が5年を超えたことから、2022年にマレーシア国籍を取得すると同年9月にはマレーシア代表デビューを果たしています。
マレーシア代表では17試合に出場して3ゴールを挙げています。また記憶に新しいところでは、先月5月28日に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズではマレーシアを代表して出場し、キャプテンも務めました。
所属していたスリ・パハンFCは、昨季のマレーシアカップ決勝に進出し王者ジョホール・ダルル・タジムFCをあと一歩まで追い詰めるなど健闘したものの、今季2025/26シーズンの参加を辞退したため、スリ・パハンFCの他の選手同様、その移籍先については噂レベルも含め様々な話が出ていました。今月初旬には今季からスーパーリーグに参入するブルネイのDPMM FCがクラブ公式サイトでアグエロ選手と契約したことを発表しており、このブログでもそのニュースを取り上げましたが、公式サイトでは現在はその発表を見ることはできません。
辞任した小倉シンガポール代表監督の後任候補にクチンシティFCのアイディル監督の名が浮上
シンガポール・サッカー協会(FAS)は24日、日本代表コーチやJ1横浜Mの強化責任者などを歴任したシンガポール代表の小倉勉監督(58)が「個人的な理由」のため辞任すると発表しました。
2019年〜2021年の吉田達磨氏(現韓国1部太田ハナシチズン コーチ)、そして2022年〜2024年1月の西ヶ谷隆之氏(現タイU23代表監督)に続く、3人目の日本人監督として2024年2月にFASと2年契約を結んでシンガポール監督に就任した小倉氏は、FASに対して日本で火急の要件があることを理由に数週間前に辞意を表明していたとシンガポールの英字紙ストレイツタイムズが報じています。
とここまではマレーシアとは関係ない話なのですが、マレーシアのスポーツ専門サイト、スタジアム・アストロは、この小倉氏の後任候補の1人がシンガポール出身で、現在はクチンシティFCのアイディル・シャリン監督であると伝えています。
クチンシティFCを前年2023年シーズンの13位(2勝6分18敗)から昨季は4位(10勝9分5敗)まで押し上げた手腕で、昨季2024/25シーズンにリーグ最優秀監督賞を受賞したアイディル氏は、47歳で現役時代はシンガポール代表として87試合に出場した後、2012年にはホーム・ユナイテッド(現ライオンシティ・セイラーズFC)でコーチ、2016年には監督に就任しています。2018年にはクダ・ダルル・アマンFCの監督に就任し、2019年にはマレーシアFAカップ優勝、2020年、2021年にはいずれもジョホール・ダルル・タジムFCに次ぐ2位とすると、2023年シーズンの途中まではシンドネシア1部のプルシカボ1973で監督を務めた後、2023年シーズン途中にクチンシティFCの監督に就任しています。
代表の中央アジア遠征に合わせてリーグが今季日程を変更
マレーシア国内リーグ1部のスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、中央アジアで開催される中央アジアサッカー連盟CAFAネイションズカップ2025年大会に参加を決めたマレーシア代表を全面的に支援するために、この大会が行われる8月26日から9月9日までの期間はリーグ戦を開催しないことを発表しています。
MFLのモハメド・シャズリー・シャイクCEO代理は、「MFLは、10月に行われるアジア杯2027年大会予選に向けて、マレーシア代表チームが準備を進める上で、この大会が最も重要なものの一つだと考えている」と説明し、マレーシア代表チームから要請を受けたことが今回の措置を講じる理由となったことを説明しています。
MFLは今季2025/26シーズンが8月8日のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)対スランゴールFCで開幕することを既に発表していましたが、CAFAネイションズカップがFIFA国際マッチカレンダー外であることから、リーグ戦の開催がどうなるのかについてはSNSなどでも様々な意見が飛び交っていました。
深まる謎-退団表明のスランゴールFCキャプテンがU23チームと練習
2020年シーズンからスランゴールFCでプレーし、キャプテンを務めてきたシンガポール代表のCBサフワン・バハルディンは、自身が監督の構想外であることが明らかになったとして、契約期間があと1シーズン残っているものの2024/25シーズン終了後にクラブを離れることを表明していました。
しかしサフワン選手が自身のSNSに投稿した内容がスランゴールFCサポーターを困惑させています。33歳のサフワン選手は、「新しいチーム、スランゴールU23とのプレシーズントレーニングの2日目!」と投稿して、現在はスランゴールFCのU23チーム、スランゴールFC IIの練習に参加していることを明らかにしています。
2019年オフにスランゴールFCに加入したサフワン選手は、2023年にはネグリ・スンビランFCに移籍しましたが、前半戦が終了して2度目のトランスファーウィンドウが開くと、スランゴールFCに復帰し、そのあとはスランゴールFCのキャプテンを務めるとともに、チームの精神的支柱も務めてきた選手です。母国の強豪、ライオンシティ・セイラーズ加入なども噂れた現役のシンガポール代表選手が、今季から実質2部に当たるA1セミプロリーグに参加するスランゴールFC IIでプレーするとは思えませんが、今後の動向は見守りたいところです。
