6月24日のニュース<br>・ジョホールはスペイン出身帰化選手とオランダ出身帰化の加入を発表<br>・ジョホールは帰化選手ティアニーをサバへ放出<br>・マレーシア代表の中央アジア遠征が決定-イランやウズベキスタン相手に腕試しも

ジョホールはスペイン出身帰化選手とオランダ出身帰化選手の加入を発表

こうなるのは予想してたけど、なんかモヤモヤする。

マレーシア1部スーパーリーグ11連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、クラブ公式SNSでスペイン出身のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)で191センチのCBジョン・イラザバルの加入を発表しています。背番号は17となることも併せて発表されています。

アゼルバイジャン1部のサバFKを6月30日に契約満了で退団していた29歳のイラザバル選手は、今月6月10日に行われたAFCアジア杯2027年大会3次予選ベトナム代表戦で代表デビューを果たすと、11年ぶりとなるマレーシア代表のベトナム代表戦勝利に貢献していました。

母親がボルネオ島のサバ州出身というイラザバル選手は、今年に入ってマレーシア代表でデビューしたヘリテイジ帰化選手7名の内の1人です。

またJDTはイラザバル選手加入の発表後には、今年3月のネパール代表戦でひと足先に代表デビューしていたオランダ出身のヘリテイジ帰化選手でAMFエクトル・へヴェルの加入も発表しています。へヴェル選手もポルトガル2部ポルティモネンセを6月30日に契約満了で退団しており、本人もJDT入りを認めていましたが、これまで発表はありませんでした。

祖父がマレーシアのマラッカ州出身というへヴェル選手は、オランダU16やU20など年代別代表でのプレー経験があり、ヘリテイジ帰化選手としてマレーシア代表に加わると、アジア杯予選の初戦となった3月のネパール代表戦と今月のベトナム代表戦のいずれにも先発してフル出場し、やはりマレーシアの勝利に貢献しています。

ジョホールは帰化選手ティアニーをサバへ放出

マレーシア1部スーパーリーグで昨季2024/25シーズンを3位で終えたサバFCは、22歳のマレーシア代表CFファーガス・ティアニーをジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から完全移籍で獲得したことを、クラブ公式SNSで発表しています。

2023/24シーズンはJDTのU23チーム、JDT IIからタイ2部のチョンブリーFCへローン移籍すると、開幕戦でいきなり初ゴールを決めましたが、結局、12試合出場(出場時間524分)で、1ゴール1アシストという成績でリーグ前半戦を終えると、ローン期間の終了に合わせて今度はタイ1部のナコーンパトム・ユナイテッドへやはりローン移籍しました。セランゴールFCから同じくローン移籍していたムハマド・カリルとともにプレーしたティアニー選手は11試合に出場し3ゴールを挙げましたが、チームは16位中15位となり、2部へ降格を止めることはできませんでした。

スコットランドのグラスゴー生まれのティアニー選手は、父親のマーティン・ティアニー氏が1990年代前半にマレーシアリーグのPDRM FA(当時、現PDRM FC)やペナンFA(現ペナンFC)などでプレーしたプロサッカー選手で、父親と共にマレーシアへやってきたティアニー選手は、この地で育ったことからマレーシア国籍を会得し、マレーシアU23代表では12試合に出場しています。

A代表デビューは2024年11月のインド代表戦で、途中出場ながら14分プレーしています。また同年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」では、この大会がFIFA国際マッチカレンダー期間外の開催であることからJDTが自チームの選手のマレーシア代表招集を拒否したこともあって、主力を欠く代表チームでは4試合に出場し代表初ゴールをカンボジア代表戦で決めるなど、1ゴール1アシストの成績を残しています。

ティアニー選手が移籍するサバFCは、7年間在籍した韓国出身のキャプテンでCBパク・テスを放出するなど、大規模なメンバー交代の最中で大型ストライカーのティアニー選手は出場機会が大いにありそうです。このブログでも既報の通りサバFCは、ニュージーランド代表SBデイン・インガム(オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツFC)、オーストラリア出身MFディーン・ペレカノス(オーストラリア1部ウェスタンシドニーワンダラーズFC)、ボスニア出身のCFアジュディン・ムジャギッチ(クロアチア2部NK BSKビイェロ・ブルド)ら外国籍選手の加入を発表しています。

またサバFCは、国外移籍が噂されていたMFスチュアート・ウィルキンやCBドミニク・タン、SBダニエル・ティン、FWダレン・ロックといったマレーシア代表選手やベテランGKカイルル・ファーミが残留した他、スペイン出身のMFシフことミゲル・シフエンテスも今季残留が発表されています。


このティエニー選手や、同じボルネオ島に本拠地を持つクチンシティFCへのFWラマダン・サイフラーの放出は、前述のヘリテイジ帰化選手のイラザバル選手とへヴェル選手が加入するJDTの方針を示しているかも知れません。国内の有力選手はとりあえず押さえておいて、トップチームで出場機会がなさそうなら他のクラブへローンして出場機会を積ませる。それと同時に外国育ちのヘリテイジ帰化選手を揃え、競争で負ければ放出するといった方針は、JDTがアジアで伸し上がるためには必要な手段なのかも知れませんが、国内リーグで活躍してJDTと契約しながら、契約後は一度もJDTのユニフォームを着ていない選手が複数のクラブにローンされ続けている状況は、国内リーグがJDTというクラブの選手育成の場になっているようにも見えます。

マレーシア代表の中央アジア遠征が決定-イランやウズベキスタン相手に腕試しも

中央アジアサッカー連盟CAFAが主催するCAFAネイションズカップにマレーシア代表が出場することを、マレーシア代表専用SNSアカウントのマレーシアNTが発表しています。

このブログでも6月19日のニュースで取り上げましたが、この時点では大会参加についてはマレーシアサッカー協会FAMは「検討中」という記事が各メディアに出ていましたが、マレーシアNTでは「(マレーシア代表の愛称)ハリマウ・マラヤは、イランやウズベキスタンを含む8つの有名チームが集まる大会CAFAネーションズカップ2025に参加し、新たな挑戦をする」、「今回の参加は名誉なことであるだけでなく、国際舞台でより大きな夢を実現する機会を開くものでもある。」などと投稿しています。

またピーター・クラモフスキー代表監督のコメントも併せて投稿しています。「2025年のCAFAネイションズカップに参加できることを誇りに思う。アウェイで強豪チームと厳しい環境で戦うこの経験は、フィールド内外でのさまざまな面で我々の力を試すものであり、代表チームの継続的な発展にとって非常に重要である。」「またこの大会はハリマウ・マラヤにとって国家に栄光をもたらし、サポーターの精神を活気づけ、マレーシアサッカーが夢見る団結を築き続けるためのもう一つの重要な機会でもある。」

2023年の第1回大会に続き、今回が第2回大会となるCAFAネーションズカップは、8月26日から9月9日までキルギスタンとウズベキスタンで開催され、CAFAの加盟国であるアフガニスタン、イラン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンと、マレーシア、そして同じく招待チームであるオマーンの合計8カ国が出場します。