来季2025/26シーズンのマレーシアスーパーリーグ出場に必要なクラブライセンスに関して、クアラルンプールシティFC、クランタン・ダルル・ナイムFC、PDRM FCの3クラブは、第一審機関(FIB)から5月31日までに追加で財務状況を説明する書類の提出を行うことを条件に仮交付されていました。期限までに提出された追加書類の審査が完了し、3クラブとも晴れて正式にクラブライセンスが交付されたことをリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が公式HP上で発表しています。
この結果、来季2025/26シーズンのマレーシアスーパーリーグはブルネイのDPMM FC、3部で1位となったマラッカFC、2位のイミグレセン(入国管理局)FCを加えた14チーム編成となることが決定しています。
機会があれば、セランゴールFCの監督になりたい – 本田圭佑氏

リップサービスなのはわかっているけどロマンがあるなぁ。
7月27日にセランゴール州プタリン・ジャヤのMBPJスタジアムで開催されるスランゴールFC対アジア・ウォリアーズFCの親善試合の記者会見が6月10日にスランゴールFCのトレニングセンター(スランゴール州シャー・アラム)行われ、アジア・ウォリアーズFCの選手として出場予定の元日本代表、本田圭佑氏が会見に出席しています。
マレーシアリーグの最強チームの一つと対戦できることにワクワクしていると話したその席上で記者からの質問に答える形で、本田氏は「チャンスがあれば、セランゴールFCの監督になりたい」と語ったことが報じられています。
現役選手と「レジェンド」選手が対戦するお遊びのような試合には、アジア・ウォリアーズFCにはアジア9ヵ国から選手が参加すると伝えられており、今回の会見には39歳の本田氏の他、2022年に現役引退した元シンガポール代表キャップ数142のバイハキ・カイザン(41)、元フィリピン代表のアントン・デル・ロサリオ(43)、フィリピン)、元マレーシア代表選手のラズマン・ロスラン、そして43歳ながら今季も3部A1セミプロリーグでプレーした、やはり元マレーシア代表のインドラ・プトラ・マハユディンが出席しています。
会見では最も多く質問を受けた本田選手は、自分たちよりはるかに若く強いスランゴールFCとの対戦について、最も重要なのは、勝利のために懸命に努力する姿勢であり、それがアジア・ウォリアーズFC が持つべきメンタリティだと語っています。
「(親善試合ではあるが)勝利を目指して戦わなければ、この試合を本当に楽しむことはできない。全力を尽くし、ファンの皆さんに我々の闘志を見せたい。」と語った本田氏ですが、「しかし現実には簡単に負けてしまうリスクが高いことも認識している。もしかしたら後で怪我をするかもしれない。でも、それがサッカーの現実だ」とも述べて会見を締め括っています。
一方、対戦するセランゴールFCの喜熨斗勝史監督は、アジア・ウォリアーズFCとの親善試合について、「若い選手も含め、全ての選手にプレーする機会を与え、アジアのサッカー界のレジェンドたちと出会う経験を楽しんでもらいたい。これは単なる試合ではなく、彼らにとって最高の選手たちから学ぶための素晴らしいの機会となる」と話しています。
佐々木匠選手所属のヌグリスンビランFCが前スランゴールFC監督のニザム・ジャミル監督就任を発表
先月終了した2024/25シーズンは13チーム中12位と苦しんだネグリスンビランFCは、公式SNS上で前スランゴールFC監督のニザム・ジャミル氏の監督就任を発表しています。ニザム氏は昨シーズン途中の10月にスランゴールFCと双方合意の上で解約を解除していました。その後は苦しい戦いを続けていたヌグリスンビランFC監督就任の噂が何度が上がりましたが、来季の開幕に向けて実現した形になります。
2024/25シーズン開幕前にタン・チェンホー監督(当時、現在マレーシア代表テクニカルディレクター)が突然、タイ1部ポリス・テロFC監督に就任し、これによりニザム氏はコーチから急遽、監督に昇格するという混乱状態で開幕を迎えました。またその際にはこのブログでも何度も取り上げた代表FWファイサル・ハリムに対する酸攻撃の事件があり、その5日後の開幕戦延期を求めるもリーグがこれを拒否した結果、最大のライバル、ジョホール・ダルル・タジムFCの開幕戦を不戦敗でスタートしました。それでもスランゴールFCでは辞任した2024年10月までにリーグ戦、カップ戦合わせて21試合に指揮をとり、13勝3分5敗という成績を残しています。
ヌグリスンビランFCの2024/25シーズンの成績は、24試合で4勝4分16敗、得点23失点49の成績で、首位のジョホール・ダルル・タジムFCとは勝点差54、2位のスランゴールFCとは勝点差36でした。得点、失点ともリーグワースト3位で、攻守両面において立て直しが急務のチームにとって、若手育成では定評があるニザム監督が就任したことで、その手腕に期待が高まりますが、そこで注目されるのは同時に発表された新加入3選手の中の1人、将来を嘱望されながら迷走を続けるFWルクマン・ハキムです。
2018年にマレーシアで開催されたAFC U16選手権(現U16アジア杯)では、グループステージで敗退したマレーシアU16代表の中で、3試合で5ゴールを挙げて大会の得点王を獲得したルクマン選手は、当時マレーシア人ビジネスマンがオーナーを務めていたベルギー1部KVコルトレイクと2019年に5年契約を結びました。しかしトップチームどころかユースチームでの出場機会を得られず、出場機会を求めてアイスランドのクラブや今季はJ3のY.S.C.C.横浜などにローン移籍しましたが、結局は鳴かず飛ばずのまま6月13日に契約満了となり、フリートランスファーでヌグリスンビランFCに加入しています。すでに23歳となったルクマン選手をニザム監督が再び輝かせることができるのかに期待が集まります。
また今季はクアラルンプールシティFC(KLシティFC)でリーグ戦18試合に出場してクリーンシート5試合、クラブ選手権でも出場3試合で2試合でクリーンシートを達成している元代表GKアズリ・ガニ、そして2022年にヌグリスンビランFCで活躍した代表経験もあるDFクザイミ・ピーの加入も発表されています。クザイミ選手はスランゴールFCで2023年から2シーズン過ごしたものの、レギュラー獲得には至らず、古巣での再起が期待されます。
ヌグリスンビランFCには昨季から元Jベガルタ仙台の佐々木匠選手が所属していますが、この佐々木選手は契約初年度ながらチームの司令塔として活躍、外国籍選手で唯一、シーズン途中に早々と来季2025/26シーズンの契約延長が発表されるなど高い評価を得ています。ヌグリスンビランFCは今後はさらに外国籍選手の補強にも動くと言われており、今季は緊縮財政で補強がままならなかったクラブが、一転しての積極補強で来季の巻き返しが期待されます。
トレンガヌFCは来季の外国籍選手を最大で4名と発表
2025/26シーズンのマレーシアスーパーリーグは、最大で15名の外国籍選手(アジア枠1名、アセアン枠2名を含む)を登録することが可能となりましたが、今季5位に終わったトレンガヌFCは、外国籍選手獲得の上限を4名としたことを発表しています。
クラブを運営するトレンガヌフットボークラブ社のモハマド・ファドリ・ラーミ・ズルキフリ取締役は、この決定はクラブの財政的制約によるものであると同時に、マレーシア人選手がプレーする機会を増やすためでもあると述べています。
「今回の決定は、長期的にチームのパフォーマンスを向上させることができると考えられる若い選手の育成に重点を置いているためであり、同時に、あまりに多くの選手を獲得した場合、外国籍選手の給与を支払うことができなくなるという懸念もある。」と語っています。
今季2024/25シーズンは首位のジョホール・ダルル・タジムFCとは勝点差35、2位のスランゴールFCとは同17と話されて5位に終わったトレンガヌFCは、今季は6人の外国人選手を擁していましたが、ウズベキスタン出身のMFヌリロ・トゥクタシノフのみが残留するとされています。一方で今季加入したエルサルバドル代表FWネルソン・ボニージャ、ケガの治療で今季を棒に振ったクロアチア出身のFWイヴァン・マムート、ナイジェリア出身のFWイスマヒール・アキナデ、フィリピン代表MFマヌエル・オット、マレーシアで6年間プレーし、帰化の噂も出ながら結局、マレーシア国籍が取得できなかったモンテネグロ出身DFアルグジム・レドゾヴィッチの5選手は退団が濃厚です。