マレーシア対カーボベルデ戦前日会見
5月29日にクアラルンプールのKLフットボールスタジアムで行われるマレーシア代表対カーボベルデ代表戦を前に、5月28日に前日会見が行われています。直近のFIFAランキングでは131位のマレーシア代表が同72位のカーボベルデ代表に挑む図式となるこの試合は、6月10日に行われるAFCアジア杯2027年大会3次予選のベトナム代表戦に向けての準備となる重要な試合です。この会見にはマレーシア代表からはピーター・クラモフスキー監督とKLフットボールスタジアムをホームとするクアラルンプールシティFC(KLシティFC)のパウロ・ジョズエ、カーボベルデ代表からはペドロ・ブリト監督、そしてFWライアン・メンデス(トルコ2部コジャエリスポル)が出席しています。
マレーシア代表のクラモフスキー監督は対戦するカーボベルデ代表を「フィジカルに強苦」「スピードが速く」「ダイレクトプレーが特徴の」チームであると分析し、このようなチームと対戦できる機会が得られたことに興奮していると話し、6月10日のベトナム代表戦に向けて、相手が誰でに、試合地がどこでも、またどんなコンデションであっても自分たちのサッカーができるような精神力の強さを身につけ、チームをレベルアップさせる貴重な試合だとしています。
しかしクラモフスキー監督の意思とは別に、今季2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグが終了してから1ヶ月以上経過しており、選手の試合感やフィットネスレベルに懸念の声もあります。また初戦のネパール代表戦と比べて明らかに格上の相手との対戦はクラモフスキー監督の評価にも直結する試合でもあり、少なくともサポーターに希望を持たせるような試合を見せることが望まれます。
マレーシア代表とは初対戦となるカーボベルデ代表の通称ブビスタことブリト監督は、今回の代表メンバーにマレーシアスーパーリーグのスランゴールFCでプレーするアルヴィン・フォルテスがいることから、マレーシア代表選手については様々な情報を得ていると述べる一方で、現在は2026W杯予選D組でカメルーンを抑えて首位を守っているものの、マレーシア代表戦は決して易しい試合にはならないだろうとも話しています。
一方、今回初代表入りとなる若い選手も数名いることを明らかにしたブビスタ監督は、人口が52万人ほどの小国カーボベルデでは、さまざまな試合を行なって多くの経験を選手に積ませることが欠かせないと話し、5月29日、そして非公開で行われる6月3日の試合は選手に経験を積ませることができる貴重な機会となると述べています。
マレーシア代表は5月29日にカーボベルデ代表と対戦したのち、6月3日に同じ相手と今度は非公開試合を行い、6月10日のベトナム代表戦に臨みます。
マンUはアセアンオールスターズに惜敗
ポストシーズンツアーでアジアを訪れている英国1部プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドは5月28日にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場でアセアンオールスターズと対戦し、0-1で敗れています。
アセアンオールスターズの最初のチャンスは16分でした。来季1部スーパーリーグ昇格を果たしたマラッカFCへの加入が噂されるフィリピン代表のアマニ・アギナルド(タイ1部ラヨーンFC)がシュートを放ちますが、バーの上を超えてきます。一方、マンUモモとイングランド代表のハリー・マグワイアがヘディングシュートを放つも、タイ代表GKパティワット・カマイ(タイ1部バンコク・ユナイテッド)がこれをセーブします。
その直後にはこの試合で最も歓声を浴びることが多かったマンUのGKアンドレ・オナナがフィリピン代表のサンドロ・レイエス(ドイツ4部FCギュータースロー)の近距離からのシュートを防ぎ、スタジアムが大盛り上がりを見せました。
前半を0-0で折り返した試合は、後半に入るとルベン・アモリム監督がキャプテンのブルーノ・フェルナンデス、アレハンドロ・ガルナチョ、アマド・ディアロを投入して先制点を狙います。しかし、アセアンオールスターズはカウンターから、オーストラリア代表エイドリアン・セゲチッチ(オーストラリア1部シドニーFC)から右サイドのマウン・マウン・ルウィンと繋いだボールを落ち着いて流し込んで、71分にリードを奪いました。
このゴールで7万を超える観客は盛り上がり、マンUもギアを上げますが、最後まで粘り強くプレーしたアセアンオールスターズが逃げ切っています。
試合前には先発イレブンと握手を交わしたマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、試合後もピッチに降りて、自身がファンと公言しているマンチェスター・ユナイテッドを破ったアセアンオールスターズのキャプテンを務めたマレーシア代表のセルヒオ・アグエロ(もちろんマンCのアグエロとは別人物)とともに勝利を祝っていました。ちなみにこのアグエロ選手について、アモリム監督は試合後に最も印象に残った選手に挙げていました。
試合後はブーイングも聞こえましたが、マンUにとっては、5月25日のリーグ最終戦から休む間もなく長時間の移動を強いられ26日の夜にはマレーシア入りし、さらにこの試合の後には香港へ移動して香港代表と対戦するなどポストシーズンツアーというには過酷だったのも事実です。一方のアセアンオールスターも、6月2日から10日かけてのFIFAデイズで2027アジア杯予選が控えており、各国代表の主力はこの試合に出場しておらず、「オールスターズ」というにはやや寂しいメンバー構成でした。