5月17日のニュース:<br>・6月のベトナム戦に向けた代表合宿参加メンバー38名を発表<br>・代表選考基準に疑問の声もクラモフスキー監督は選考に自信<br>・元エバートンの「神童」がマレーシア代表コーチに就任 

6月のベトナム戦に向けた代表合宿参加メンバー大挙38名を発表

マレーシアサッカー協会(FAM)は、5月15日に明日から始まる代表合宿の参加メンバー38名を発表しています。

P氏名年齢所属
GKシーハン・ハズミ29JDT
アズリ・ガニ26KLC
ハジク・ナズリ27PRK
ラーディアズリ・ラハリム24TRE
サイド・ナスルルハク26TRE
DFラヴェル・コービン=オング34JDT
マシュー・デイヴィーズ30JDT
シャールル・サアド32JDT
ジュニオール・エルドストル32JDT
アリフ・アフマド22JDT II
シャフィザン・アルシャド20JDT II
ハリス・ハイカル23SEL
ジクリ・カリリ23SEL
クエンティン・チェン26SEL
アイマン・ハキム20SEL U23
サフワン・マズラン23TRE
ウバイドラー・シャムスル22TRE
ドミニク・タン28SAB
ダニエル・ティン33SAB
ガブリエル・パルメロ23TEN
MFアフィク・ファザイル31JDT
ナズミ・ファイズ31JDT
ナサニエル・シオ・ホンワン25JDT
シャマー・クティ31JDT
ノーア・ライネ23SEL
ムハマド・アブ・カリル20SEL
ハイカル・ダニシュ20SEL U23
スチュアート・ウィルキン27SAB
ディオン・クールズ29BRU
エクトル・へヴェル29POR
FWアリフ・アイマン23JDT
ファーガス・ティアニー22JDT
ロメル・モラレス28JDT
ファイサル・ハリム27SEL
サファウィ・ラシド28TRE
パウロ・ジョズエ36KLC
ハキミ・アジム22KLC
エンドリック・ドス・サントス30HMC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC, SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PEN-ペナンFC、PRK-ペラFC、TEN-スペイン4部CDテネリフェB、POR-ポルトガル1部ポルティモネンセSC、BRU-タイ1部ブリーラム・ユナイテッド、HMC-ベトナム1部ホーチミンシティFC

またこの他、以下の12名が追加招集候補として発表されています。

P氏名年齢所属
GKクリスチャン・アバド19JDT
カラムラー・アル=ハフィズ30SEL
シーク・イズハン23SEL
DFアザム・アズミ24JDT
シャルル・ナジーム26SEL
シャールル・ニザム27TRE
アディブ・ラオプ26PEN
MFライアン・ランバート27KLC
セルヒオ・アグエロ31SRP
FWモハマドゥ・スマレ31JDT
アキヤ・ラシド26TRE
ダレン・ロック35SAB
チーム名:PEN-ペナンFC、SRP-スリ・パハンFC、

マレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督は、アジアカップ2027年大会3次予選の初戦となった3月25日のネパール戦から25名を引き続き召集する一方、トップリーグでは出場経験のない若い選手も複数名招集しています。

今回の代表合宿は第1期から第3期までの3段階で行われ、5月18日から始まる第1期には28名が参加し、5月25日から始まる第2期にはジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)の7選手(シーハン・ハズミ、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・ディヴィーズ、シャールル・サアド、ジュニオール・エルドストール、アフィク・ファザイル、ロメル・モラレス)と海外組のエンドリック・ドス・サントス(ベトナム1部ホーチミンシティFC)が合流し、6月1日からの第3期には、残る海外組のディオン・クールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、エクトル・へヴェル(ポルトガル1部ポルティモネンセ)が合流して全員が揃う予定です。代表合宿は5月18日から5月26日まではジョホール州ジョホール・バルで、5月27日からはクアラ・ルンプールに場所を移して行われます。

直近のFIFAランキングでは131位のマレーシア代表は、同72位のカーボ・ヴェルデ代表と5月29日にKLフットボールスタジアムで国際親善試合を行った後、6月3日にブキ・ジャリル国立競技場で再びカーボ・ヴェルデ代表とこちらは非公開で対戦します。

そして6月10日には、アジアカップ2027大会3次予選の2戦目としてブキ・ジャリル国立競技場でFIFAランキング109位のベトナム代表と対戦します。この予選では各組1位のみがサウジアラビアでの本大会に出場できるため、マレーシア代表はベトナム代表に勝利しない限り、2大会連続でのアジアカップ出場の可能性はありません。なおマレーシア代表は、ベトナム代表との対戦は5連敗中で、過去8試合で見ても0勝1分7敗と明らかに分が悪く、マレーシア代表が最後にベトナム代表に勝利したのは2014年12月の東南アジア選手権まで10年以上も遡らなくてはなりません。

代表選考基準に疑問の声もクラモフスキー監督は選考に自信

​マレーシアサッカー協会(FAM)が5月15日に発表した代表合宿38名について、ピーター・クラモフスキー監督が本当にベストメンバーを選んだのかどうかを疑問視する声が上がっていると、英字紙スターが報じています。

今回発表された代表合宿参加者38名中、3シーズン連続で国内三冠を達成したジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からは12名(U23の選手を含めれば14名)が選ばれていますが、その中に含まれているDFジュニオール・エルドストールとMFナサニエル・シオ・ホンワンについて、今季の出場時間が少ないことから、他に選ぶべき選手がいるのではと言う声が上がっています。

33歳のCBエルドスール選手は今季はリーグ戦未出場で、FAカップとマレーシアカップでそれぞれ1試合出場したのみ、一方の24歳のDMFホンワン選手はケガから復帰したこともありリーグ戦11試合カップ戦2試合で、リーグ戦の出場時間は425分となっています。

同じポジションにはこのJDTと4月26日のマレーシアカップ決勝で対戦したスリ・パハンFCに元JDTのCBアダム・ノー・アズリン、そしてDMFイブラヒム・マヌシらもいましたが、この両選手は今回の代表合宿には招集されませんでした。そして、こう行った疑問の声が代表合宿参加者発表の記者会見で上がると、以下のように答えています。

「私が選手に求めるものは試合での激しさと勝利への渇望だ。私はJDTや他のクラブの状況を逐一観察しており、ジュニオールは毎日、一生懸命トレーニングしており、私が求めるものを持ち合わせている。またホンワンは練習に復帰して数週間だが、動きに鋭さがあり、自分の能力を代表チームで発揮する機会を与えるために招集した。」

3月25日のネパール代表戦の選手選考では、やはり今季のリーグ戦出場がわずか139分しかなかったJDTのFWモハマドゥ・スマレを試合前の合宿に参加させて同様の疑問が投げかけられましたが、その際にクラモフスキー監督は、選手選考は長期の計画に基づいていることや選考に漏れた選手は次に選ばれるように努力を続けて欲しいと話していました。

「(今回招集された)ファーガス(ティアニー、JDT)を見て欲しい。ネパール代表戦では招集されなかったが、今回招集されている。私から選手たちへのメッセージは『ポジティブであり続けて自分をレベルアップさせれば、必ずチャンスは来る』だ。」と述べたクラモフスキー監督は、アダム(ノー・アズリン)とイブラヒム(マヌシ)のことは知っており、今後の代表合宿招集の可能性は大いにあるとも話しています。

元エバートンの「神童」が代表コーチに就任

​エバートンの「神童」といえば2002年に16歳でトップチームデビューを果たしたウェイン・ルーニーかと思っていましたが、2008/09シーズンにそのルーニーを上回る16歳と191日でトップチームデビュを果たしたのがジョゼ・バクスターでした。しかしクラブ最年少記録でデビューしたバクスターは、その後、元アーセナル監督のミケル・アルテタや、ロシアW杯日本戦で同点ゴールを決めた元ベルギー代表のマルアン・フェライニらとのポジション争いに敗れ、さらに薬物使用などの経歴もあり大成せることはありませんでした。

そんなバクスター氏が麻薬所持は死刑となるマレーシアで代表チームのコーチとなることが発表されています。2020年に現役を引退し、現在32歳のバクスター氏は、マレーシア代表コーチを就任からわずか3ヶ月で辞任したマーク・ミリガン(元ジェフユナイテッド)に代わるコーチとして、代表のコーチを務める他、U23代表のコーチも同時に務めることが発表されており、明日から始まるマレーシア代表合宿にも参加すると言うことです。

バクスター氏のコーチ就任は「長期の計画に基づいたもの(!)」だと説明したピーター・クラモフスキー監督は、バクスター氏は当初はU23代表のコーチとして採用したが、ミリガン氏が辞任したことで、A代表も合わせてコーチしてもらうことにしたと説明しています。なお、これに関連しているかどうかは不明ですが、今回の代表合宿にはJDTのU23チームJDT IIからアリフ・アフマド(22)とシャフィザン・アルシャド(20)、スランゴールFCのU23チームスランゴールFC IIからはいずれも20歳のハイカル・ダニシュとアイマン・ハキムがそれぞれ選ばれています。またいずれもタイ1部で15位に終わったナコーンパトム・ユナイテッドで今季プレーしたファーガス・ティアニー(22、JDTからローン移籍)、モハマド・アブ・カリル(20、スランゴールFCからローン移籍)らも今回の代表合宿に招集されており、全参加者38名中で見ても、U23の選手は前述の6名を含めて全13名と全体の三分の一を占めています。