4月16日のニュース<br>・マンU対アセアンオールスターズ戦のチケットは本日販売開始<br>・リーグ11連覇のジョホールがU17からU23の年代別リーグでも今季五冠達成と国内での絶対王者ぶりを発揮<br>・タン元代表監督が協会復帰-代表のテクニカル・ディレクター就任か

マンU対アセアンオールスターズ戦のチケットは本日販売開始

5月28日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催が予定されている英国プレミアリーグの強豪、マンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズの試合のチケットは本日、午前11時から販売となります。チケットは2階席の50リンギ(1リンギはおよそ32円)からメインスタンドベンチ裏の1.500リンギまで7種類のチケットが用意されていますが、主催者によると即時完売を予想しているとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。(チケットはこちらから入手可能です。)

既にベトナム代表のキム・サンシク(金相植)監督が指揮を取ることが発表されているアセアンオールスターズですが、東南アジアサッカー連盟に加盟する12カ国から選抜されるとされるそのメンバーは現時点では発表されていません。それでも一部では、マレーシアからはアリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジムFC)、ディオン・クールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)が出場すると噂されている他、タイからはスファナット・ムエアンタ(ブリーラム・ユナイテッド)、ベトナムからはグエン・クアン・ハイ(ベトナム1部ハノイ公安FC)、インドネシアからはアスナウィ・マンクアラム (タイ1部ポートFC)らが出場するという報道もあります。

かつての宗主国だったことあるのか、英国プレミアリーグ(EPL)の人気はマレーシアやシンガポールでは国内リーグを遥かに超えており、自国のリーグは全く見ないし、その選手も知らないが、EPLは欠かさず見る、選手もよく知っているというサッカーファンは少なくありません。実際に新聞でもEPLの結果が写真付きでスポーツ欄のトップ、国内リーグの結果は写真なしの記事が小さく掲載されるということもよくあります。

また東南アジア全体でもこのような傾向は見られることから、このマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズの試合は、この地域のEPLファンが観戦に訪れることが期待されています。なお、マンチェスター・ユナイテッドはクアラ・ルンプールでのアセアンオールスターズ戦後、5月30日には香港スタジアムでの香港代表戦を行い、アセアンツアーを終える予定です。


マンチェスター・ユナイテッドは2009年7月16日のプレシーズンマッチ以来のマレーシア訪問となりますが、このときはやはりブキ・ジャリル国立競技場でマレーシア選抜と対戦し(その時の映像はこちら)、マレーシアはアムリ・ヤーヤ(当時スランゴールFC、現サバFC)が前半と後半にそれぞれゴールを挙げる活躍で、ウェイン・ルーニーとナニのゴールでリードするマンUに一度は追いついたものの、このシーズンからマンUに加入したマイケル・オーウェンが途中出場から加入後初のゴールが決勝ゴールとなり、3−2で逃げ切っています。

なおこの年のマンUはマレーシア選抜との対戦後、インドネシアでインドネシアリーグのオールスターと対戦予定でしたが、7月17日にジャカルタ市内で犠牲者9名を出した自爆テロが起こったことで、この試合は中止となり、急遽、日程を変更して再度マレーシア選抜と7月20日に対戦しています。この試合ではフェデリコ・マケダ、そしてこの試合では加入後初先発となったマイケル・オーウェンが2戦連発のゴールを挙げて2−0と快勝しました。(その時の映像はこちら

リーグ11連覇のジョホールがU17からU23の年代別リーグでも今季五冠達成と絶対王者ぶりを発揮

マレーシアスーパーリーグのU23チームが対戦するリーグ戦、MFLカップは最終節が行われ、スーパーリーグ11連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のU23チームであるJDT IIがペナンFCのU23チームを破り、2位のスランゴールFC IIを勝点差1で抑えて初優勝を果たしています。スランゴールFC IIはトップチームのスランゴールFC同様、JDTの後塵を拝する結果となりました。

最終節の第24節を前に首位JDT IIの勝点は50、2位のスランゴールFC IIの勝点は49となっていましたが、スランゴールはクダ・ダルル・アマンFCのU23チーム、クダ・ダルル・アマンFC Bを7−0で破ったものの、JDT IIもペナンFC IIに同じ7−0で勝利し、勝点差1を守り切って優勝を果たしています。

ペナンFC IIとの試合では、今年初めのAFF(東南アジアサッカー連盟)選手権、三菱電機カップではマレーシア代表デビューを果たしていたナジムディン・アクマルががハットトリックを決めると、今季のMFLカップではダントツのゴールマシーンぶりで得点王に輝いたガブリエル・ニーステルロイが今季通算23点目と24点目を、またマレーシア代表FWでもあるコロンビアからの帰化選手ロメル・モラレスも2ゴールを決めて、ホームのスルタン・イブラヒム・スタジアムでペナンFCを圧倒しました。

2位のスランゴールFCもエースのアブドル・ラーマン・ダウドがハットトリックを達成するなど、17分に退場者を出し10名となったクダ・ダルル・アマンFC Bを圧倒しましたが、JDT IIとの勝点差1を詰めることができませんでした。

なお昨季から始まったこのMFLカップは、2シーズン目に当たる今季限りで終了が発表されています。


トップチームがスーパーリーグで11連覇を果たしたJDTは、年代別チームも国内で無双ぶりを発揮しており、MFLカップでU23チームのJDT IIが優勝したことで、JDT IIIが優勝したU21のプレジデントカップ、JDT IVが優勝したU18のユースカップ、そしてJDTアカデミーが優勝したU17のKPM/FAMカップと5冠を達成しています。さらにマレーシアプレミアフットサルリーグでも昨季から参加したばかりのJDTは初優勝を飾っています。なおトップチームのJDTは、今季のFAカップでも優勝しており、今月4月26日に予定されているマレーシアカップ決勝で優勝すれば、2022年、2023年シーズンに続く3季連続国内三冠達成となるなど、マレーシア国内でまさに向かう所敵なしです。

タン元代表監督が協会復帰-代表のテクニカル・ディレクター就任か

マレーシアの専門サイトのスタジアム・アストロは、マレーシアサッカー協会(FAM)のユソフ・マハディ副会長が、マレーシア代表元監督タン・チェン・ホー氏がFAMに復帰することを認めたと報じています。なおタン氏は2018年から2022年までナショナルチームの監督を務めていました。

ユソフ副会長はタン氏が担う具体的な職務については詳細を明かさなかったということですが、既に1週間前からFAMで新たな仕事を始めているとされ、一部ではマレーシア代表のテクニカル・ディレクターに就任したとも伝えられています。

ユソフ副会長は「今言えるのは、タン・チェン・ホー氏がすでにマレーシア代表に関わる1人として既に活動しているということだけだ」と説明し、今年1月に就任した前FC東京監督のピーター・クラモフスキー代表監督以下、オーストラリア出身のコーチ陣が指導するマレーシア代表に、元代表監督のタン氏が関わることでチームがより強化され、代表の戦力を迅速に整える上で必要な情報をタン氏が提供できるのではないかと期待している」とも語っています。


現在56歳のタン氏は、スーパーリーグのクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)のコーチから、2017年に2度目となるマレーシア代表のコーチに就任すると、当時のネロ・ヴィンガダ監督が0勝7敗の成績から辞任したことを受け、暫定の代表監督に就任しました。しかし2018年に東南アジア選手権では決勝でベトナムに敗れたものの2大会ぶりとなる決勝進出準を果たし、任期が延長されましたが、2022年1月の東南アジア選手権ではベスト4進出を逃すと、代表監督として20勝4分16敗の成績を残して辞任しました。同年9月にスランゴールFCの監督に就任したタン氏は、2023年シーズンにはリーグ2位、マレーシアカップ準優勝と低迷していたスランゴールを立て直し、翌シーズンのACL2出場権を獲得に貢献しました。しかし2024/25シーズン開幕前に突如、スランゴールを退団し、自身の夢であったという国外クラブ監督就任の機会を得て、タイ1部のポリス・テロFC監督にシーズン半ばに就任しました。当時2部降格圏にいたポリス・テロFCを立て直すことが期待されたタン氏でしたが、監督就任後の11試合で2勝しかあげられなかったチームは結局、2部降格し、タン氏もそのシーズン限りで監督を辞任していました。