ACLエリート決勝トーナメント1回戦1stレグ:ジョホールは敵地でスコアレスドロー

3月5日にACLエリート決勝トーナメントが開幕し、グループステージ最終節に山東泰山が棄権した影響で5位から3位となった、マレーシアから出場のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、東地区の1回戦で同5位のタイのブリーラム・ユナイテッドとアウェイで対戦し、0-0と引き分けています。

この両チームはグループステージでも対戦しており、昨年12月3日にJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで行われた試合は0−0と引き分けに終わっていますが、JDTはムリロ・エンリケとパク・ジュンホン、ブリーラムはティーラトン・ブンマタンと双方合わせて3選手にレッドが出される激しい試合となっています。またこの試合後にブリーラム・ユナイテッドのこの試合後にブリーラム・ユナイテッドのネーウィン・チドチョーブ会長はタイのメディアに対して「JDTはそれほど強いチームじゃない」「(JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下には、もっと投資することをお勧めする。そうすれば、2025年の対戦はもっと面白くなるはずだ」と語っていました。

12月3日に行われたグループステージの試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

この発言の後、JDTはラ・リーガやセリエAでプレー経験のあるアルバロ・ゴンサレス。ジョナタン・ビエラ、ロケ・メサ、アンセルモ・デ・モラエス、そしてサム・カスティジェホの5名を次々と補強し、第7節のセントラルコースト・マリナーズ戦ではアルバロ・ゴンザレスが2ゴールを挙げるなど、決勝トーナメント進出を決めたという背景も、この両チームの対戦を盛り上げることになりました。

JDTは国内リーグを11連覇中、ブリーラムも国内では過去10年で8回優勝と、いわば東南アジアの盟主を決める対戦とも言えるこの試合の先発メンバーは以下の通りです。JDTはブリーラム戦後に加入したアルバロ・ゴンザレス、アンセルモ・デ・モラエス、ジョナタン・ビエラが揃って先発しています。なおブリーラム・ユナイテッドの11番、ディオン・クールズはマレーシア代表のキャプテンです。


ブリーラムスタジアムで現地時間午後9時キックオフの試合は,両チームとも試合開始直後から攻撃を仕掛けますが、どちらも決定的なチャンスを掴むことはできません。

そんな中で試合開始から気になったのがピッチの状態でした。タイ王者のスタジアムのピッチとしては水を撒きすぎたのか?と思うくらい悪く,ブリーラムの選手も足を滑らせる場面などがみられる一方で、JDTは特にサイド攻撃の組み立てが困難な状況で、結局、前半は両チームとも得点なしのまま終了します。

JDTのエクトル・ビドリオ監督は後半開始と同時に、国内リーグでは20試合23ゴールを挙げているベルグソンに代えてホルヘ・オブレゴンを、ムリロ・エンリケに代えて加入したばかりのサム・カスティジェホとを投入し、攻撃の活性化を図ります。しかしブリーラムに傾きかけた流れは変わらず、JDTのDF陣とGKアンドニ・スビアウレが安定したプレーを見せて相手の得点を許さず、最終的に試合は0-0のまま終了しています。

JDTにとってはアウェイということもあって,安全第一でプレーしたのか、それともブリーラムの圧力に耐えるのが精一杯だったのか、はたまた最後までピッチのコンディションが影響したのか。その答えは3月11日にジョホール州のスルタン・イブラヒム・スタジアムで行われる2ndレグで明らかになりそうです。2022年シーズン以来2度目となる準々決勝進出を目指すJDTにとっては、代表戦も行われる国内最高のピッチを持つホームでの大歓声が勝利への後押ししてくれることを期待したいところです。

ACLエリート決勝トーナメント1回戦1stレグ
2025年3月4日@ブリーラム・スタジアム(タイ,ブリーラム)
ブリーラム・ユナイテッド 0-0 ジョホール・ダルル・タジムFC

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。