マラッカFCがA1セミプロリーグを制覇し来季は1部スーパーリーグ昇格へ
マレーシア国内リーグ3部に当たるA1セミプロリーグの最終節第28節が行われ、既に優勝を決めていたマラッカFCはマチャンFCを7-2で破り、優秀の美を飾っています。マラッカFCは第26節に勝利して勝点65とし、昨季のチャンピオンでこの時点で2位のイミグレセン(入国管理局)FCの勝点が57と、2試合を残して8点差となったことで、既に優勝を決めていました。
昨季はトップリーグのヌグリスンビランFCで監督を務めたマラッカFCのK・デヴァン監督は、「新たにチームを結成したにもかかわらず、シーズン開始から最終戦までトップレベルのパフォーマンスを維持することができた」と、今季を通じて安定した戦いぶりが優勝の要因であったと説明しています。
昨季は8勝7分9敗(得点、失点とも38)で10位に終わったマラッカFCでしたが、今季は22勝5分1敗の成績を残し、リーグ最多得点81(2位はマレーシア大学の63)、リーグ最少失点13(2位はイミグレセンFCの20)といずれもリーグトップの成績で優勝を果たしました。なおA1セミプロリーグのチャンピオンとして、マラッカFCは来季2025/26スーパーリーグ自動昇格権に加え、A1セミプロリーグの優勝賞金10万リンギ(およそ330万円)の賞金も獲得しています。
A1セミプロリーグ制覇でを決めたマラッカFCですが、K・デヴァン監督はチームオーナーのヌール・アズミ・アフマド氏が選手への給料未払いなどなくチームの福利に尽力したことが成功の大きな原因と話しています。また初めての1部昇格となる来季の補強などについてそのヌール・アズミ・アフマド オーナーは、1部リーグへの昇格を見据え、慎重な計画が必要であると強調しています。
スーパーリーグ昇格前に、考慮すべき要素がたくさんあると述べたヌール・アズミ オーナーにとって、最大の課題がチームを財政的な持続可能性の確保でしょう。「スーパーリーグ昇格については、収入源を見極め、段階的に進めるべきだ。現在、マラッカ州サッカー協会はマラッカ州政府の支援を受けているが、スーパーリーグ昇格に向けてスポンサーシップを確保する必要があります」と述べたヌール・アズミ オーナーは、安定した資金確保の重要性を強調しました。
なお、スーパーリーグ昇格には第一審機関(FIB)が定めるクラブライセンス交付基準を満たす必要がありますが、ヌール・アズミ オーナーと経営陣はその条件を確実にクリアするための準備も進めていということです。
2022年シーズンに発足したこのマラッカFCは、下部リーグを経ず、当時の3部、M3リーグに参加した新しいクラブです。しかし、かつてマラッカ州には、1924年に発足したマラッカ州アマチュアサッカー協会(2014年からはマラッカ・ユナイテッド・サッカー協会)が運営するプロクラブ、マラッカ・ユナイテッドFCというクラブが存在しました。1983年シーズンには1部で優勝の経験もあるこのクラブは、2021年シーズンに300万リンギ(およそ1億円)の未払い給料が発覚し、2022年シーズンのクラブライセンスが交付されず、1部スーパーリーグから排除されてしまいました。
その後、このマラッカ・ユナイテッドFCは解散し、同じマラッカ州サッカー協会が関わる新たなクラブ、マラッカFCが誕生しました。しかしマラッカ・ユナイテッドFCの後継クラブと名乗れば、給料未払い問題を引き継ぐことになるため、解散したマラッカ・ユナイテッドFCとは全く無関係な「新しい」クラブとしてこのマラッカFCが発足しました、100年近いマラッカサッカーの歴史をリセットして新たなクラブとして出発したのは、マラッカ州首相をトップに持つマラッカ州サッカー協会が単に未払い給料問題から距離を置くためでした。
リーグ11連覇達成のジョホールの賞金総額は8000万円
マレーシア語紙ブリタハリアンの電子版は、一昨日国内リーグ11連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、優勝賞金として240万リンギ(およそ8000万円、1リンギはおよそ34円)を獲得したと報じています。
この240万リンギの内訳は、スーパーリーグ全チームに均等に配分される基本分配金が50万リンギ、そしてリーグ優勝による追加報奨金が190万リンギットとなっています。
国内リーグでは4試合を残して早々と優勝を決めるなど圧倒的な強さを見せたJDTですが、マレーシアから唯一の代表として出場しているてアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では、最終節で浦項スティーラーズ(韓国)に5−2で破り、決勝トーナメントとなるベスト16進出を決めています。JDTはこの勝利により、グループステージの最終成績を4勝2分2敗としていますが、今季からリニューアルされたACLEは、グループステージの参稼報酬80万米ドルに加え、1勝あたり10万米ドル(およそ1500万円、1米ドルはおよそ150円)が支払われます。JDTにはさらにベスト16進出で20万米ドルが追加され、合計140万米ドル(およそ2億円)を獲得するなど、国内外の大会での成功を通じて、財政的にも大きな成果を収めています。
マレーシア代表首脳陣の組閣が着々と進行-元豪州代表キャプテンがコーチ就任、さらに他の豪州出身者の名前も浮上
元オーストラリア代表キャプテンのマーク・ミリガン氏がマレーシア代表のコーチに就任したことをマレーシアサッカー協会(FAM)が発表しています。今年1月にマレーシア代表の監督に就任した前FC東京監督のピーター・クラモフスキー監督、そしてスポーツ科学の専門家として、代表のハイパフォーマンス及びメディカル部門の責任者に就任したクレイグ・ダンカン博士に続く、代表首脳陣3人目のオーストラリア出身者となりました。
ミリガン氏は、FAMによる声明の中で、ジョホール州摂政トゥンク・イスマイル殿下が推進するマレーシア代表変革プロジェクトに魅力を感じたことが、マレーシアでの挑戦を決意した理由の一つであると明かしています。クラモフスキー代表監督から直接、連絡を受けてコーチ陣参加を要請された際には、決断するのは難しくなかったと話したミリガン氏は、自身の豊富な経験を活かし、マレーシア代表の発展に貢献したいとしています。また既にマレーシア入りしているミリガン氏は、2月17日のMFLチャレンジカップ決勝1stレグ、スランゴールFC対PDRM FCを観戦するなど、マレーシアサッカーについて積極的に情報収集しているということです。
39歳のミリガン氏は、2015年アジアカップでアンジェ・ポステコグルー監督のオーストラリア代表が優勝した時のメンバーで、代表では通算80試合に出場しています。
マレーシア代表については、オーストラリア出身のコーチがさらに加わるのではとされています。その1人が前BGパトゥム・ユナイテッド監督のマット・スミス氏です。BGパトゥム・ユナイテッド退団後は、オーストラリア1部のマッカーサーFCでコーチを務めていましたが、今月初旬に「海外での新たな挑戦の機会」を理由に退団しています。
このスミス氏は2月22日のMFLチャレンジカップ決勝2ndレグ、PDRM FC対スランゴールFCの試合をクラモフスキー代表監督やクレイグ・ダンカン博士とともに観戦する姿が目撃されています。スミス氏は現役時代はブリスベン・ロアー(オーストラリア1部)、BGパトゥム・ユナイテッドでプレーしたのち、セミプロリーグのブリスベン・シティFC(オーストラリア)やBGパトゥム・ユナイテッドで監督を務めた後、2023年からはマッカーサーFCのコーチを務めていました。
スミス氏の他にはやはりオーストラリア出身のジョン・クローリー氏の名前も上がっています。52歳のクローリー氏はGKコーチで、オーストラリアU23代表のGKコーチや、シドニーFCやセントラル・コースト・マリナーズなどでもGKコーチと歴任した他、現在はフランス1部のRCランスで正GKを務めるオーストラリア代表GKマシュー・ライアンを育てたことでも知られています。
マレーシアサッカー協会(FAM)の外から代表チーム改革を主導するイスマイル殿下の「個人的なアドバイザー」であるティム・ケイヒル氏の影響からか、一気にオーストラリア色となったマレーシア代表首脳陣。まずは3月から始まる2027年アジアカップ最終予選でその手腕が問われることになります。