2024/25チャレンジカップ決勝1stレグ:10人のスランゴールがPDRM相手に先勝

2月15日にMFLチャレンジカップの決勝1stレグが行われ、スランゴールFCが開始10分で10人となるも、昨季のチャンピオンPDRM FCに逆転勝ちし、優勝に王手をかけています。

国内で最も盛り上がるカップ戦マレーシアカップの1回戦で敗れたチームが参加するいわばワンランク下のカップ戦がこのチャレンジカップです。決勝に駒を進めたのは、前年覇者PDRM FCと、現在リーグ2位のスランゴールです。

特にスランゴールは、今季もリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)打倒の一番手と期待されながら、昨年8月のFAカップの決勝ではそのJDTに1-6と一蹴され、マレーシアカップは1回戦敗退、そして現在は首位(JDT)と残り5試合で勝点差12をつけられています。さらに昨年11月にセルビア代表コーチから転身した喜熨斗勝史監督就任以降、ACL2でもグループステージ敗退するなど、苦しいシーズンとなっており、いわばこのチャレンジカップは「赤い巨人」のニックネームを持つ古豪が復活に向けてのプライドをかけた闘いとなります。

この試合の布陣はこれまで喜熨斗監督が何度か採用していた3-4-3でしたが、これまでウィングとして1列目で起用されてきたアルヴィン・フォルテスを、この試合では1列下げて左サイドハーフとしたのが見事にハマった試合でした。これで右にはクエンティン・チャン、左にはフォルテスと、いずれも守備の意識も高いサイドハーフが揃ったことで、試合開始からチーム全体が躍動します。

1点目はまさにこの起用が功を奏した得点でした。試合開始からわずか4分、右サイドのフォルテスからのパスを受けたアリ・オルワンがペナルティエリアまでドリブルで持ち込むと、ゴール前のロニー・フェルナンデスへ。フェルナンデスが相手DFを惹きつけながら、その間にゴール前に走り込んできたフォルテスへパスすると、これをノートラップでフォルテスが蹴り込んでスランゴールが先制しました。

しかし10分にスランゴールは10人になってしまいます。スランゴールDFラインの裏へ出たボールに合わせてPDRMのシャーレル・フィクリが飛び出すと、1対1となったGKカラムラー・アル=ハフィズがペナルティエリアの外へ飛び出し、そのボールを胸でクリアしようとしますが、これがシャーレル選手の足元へ。このピンチにシンガポール代表CBのサフワン・バハルディンが必死のスライディングタックルでクリアしますが、同時にシャーレル選手も倒してしまいます。ここでVARが介入し、結局、キャプテンでもあるサフアン選手にはレッドカードが出され、開始わずか11分でスランゴールは10名となってしまいます。

しかし、その8分後、何と10人のスランゴールが追加点を挙げます。オーバーラップしたアフロことシャルル・ナジームのヘディングからのボールはロニー・フェルナンデスが再びポストとなり、ニコラ・ジャンボルへ。ニコラのシュートは弾かれたものの、ゴール前に詰めていたフォルテスがこのルーズボールを蹴り込んでゴール!スランゴールがリードを2点に広げます。

しかし、喜熨斗監督は3バックでのCBのサフワン・バハルディンが退場となったにもかかわらず、選手交代を行わず、右SBのシャルル・ナジームがCBとなり、その結果、空いたところを右サイドハーフのクエンティン・チャンが下がり気味で守る布陣を取ります。

その後もスランゴールはチャンスは作るものの、ゴールに至らない状態が続くと、PDRMは28分にはシャーレル・フィクリが素晴らしい個人技で、39分にはそのシャーレルのコーナーキックをバドルル・アフェンディが頭で合わせてそれぞれゴールを決めてPDRMが追いつき、前半は2ー2で終了します。

後半開始とともに喜熨斗監督はFWのロニー・フェルナンデスに替えて、右SBにファズリ・マズランを投入して本来の3バックにもどすと、守備の負担が減ったクエンティン・チェンが躍動。そしてこのチェン選手が決勝点となるゴールの起点になりました。

右サイドをドリブルで駆け上がったチェン選手からのクロスをアリ・オルワンが押し込んで決勝点を挙げ、試合終了直前のPDRMの猛攻を防ぎ切ったスランゴールがチャレンジカップに王手をかけた試合でした。

終わってみれば、個人的には喜熨斗勝史監督就任後のスランゴールのベストマッチという印象でした。今週末2月22日の決勝2ndレグは、出場停止になるであろうキャプテン、サフワン・バハルディンに代わりシャルル・ナジームがCBに、左右SBにはニコラ・ジャンボルとハリス・ハイカルが入り、後は特に布陣の変更はなさそうに思いますが、喜熨斗監督がどのような選手起用をするのかも楽しみです。一方のPDRMもこのタイトルの連覇がかかっている上、わずか1点差ということで、この試合でも先発したイフェダヨ・オルセグン、シャーレル・フィクリのFWコンビに加えて、鈴木ブルーノ、ハディ・ファイヤッドと4人の同時先発もありえる派手な撃ち合いも期待できそうです。

MFLチャレンジカップ2024/25決勝1stレグ
2025年2月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 3-2 PDRM FC
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス2(4分、18分)、アリ・オルワン(51分)
⚽️PDRM:シャーレル・フィクリ(28分)、バドルル・アフェンディ(39分)
MOM:

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグ(MFL)のYouTubeチャンネルより。