2月5日から9日にかけてマレーシアスーパーリーグ(MSL)の第20節が開催されています。リーグ首位を走るジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)はPDRM FCを4-0で一蹴し、開幕から19試合無敗を守っています。この結果、JDTはリーグ11連覇まで「マジック1」と迫り、次節第21節にも優勝が決定します。
今節の2月9日に予定されていたサバFC対KLシティFC戦は2月21日に日程が変更されています。また、今季のスーパーリーグは13チーム編成のため、クダ・ダルル・アマンFCは今節は試合がありません。
*各試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグのYouTubeチャンネルより。
ジョホールは大勝で11連覇に王手
2月11日にAFCエリート(ACLE)のセントラル・コースト・マリナーズ戦(アウェイ)が控えるJDTは、他のチームに先駆けて2月5日に第20節のPDRM戦に臨んでいます。今季ここまで17勝1分のJDTですが、今季唯一、勝点3を奪えなかったのが1-1で引き分けた昨年7月31日のMSL第7節アウェイのPDRM戦でした。この試合でのJDTはシュート数19本(枠内15本)と、PDRMのシュート数3本(枠内2本)を圧倒しながら、同点に追いつくのが精一杯の試合でした。
その借りを返すとばかりにJDTはPDRMがとった守備的な5-4-1の布陣をものとものせず、開始14分、ホルヘ・オブレゴンのゴールで先制すると、39分にはラヴェル・コービン=オング、55分にはヘセ・ロドリゲス、そして81分には露メル・モラレスが次々とゴールを決めてPDRMを圧倒し、この日2月5日に57歳の誕生日を迎えたエクトル・ビドリオ監督への最高のプレゼントにもなりました。
JDTはこの試合の勝利で勝点55となり、今節同じく勝利した2位のセランゴールは19試合で勝ち点42。残り5試合で勝点差13となったことで優勝への「マジック1」となり、次節第21節、2月27日のホーム、ペラFC戦で勝利するか、同日のスランゴールFC対サバFC戦でスランゴールが敗れれば、リーグ11連覇が決定します。
2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月5日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 4-0 PDRM FC
⚽️ジョホール:ホルヘ・オブレゴン(13分)、ラヴェール・コービン=オン(39分)、ヘセ・ロドリゲス(54分)、ロメル・モラレス(81分)
MOM:ラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タジムFC)
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手はベンチ入りしたのもの出場はありませんでした。
なお試合後の会見でJDTのビドリオ監督は、新外国人選手3名(アルバロ・ゴンサレス、ジョナタン・ビエラ、ロケ・メサ)について、2月11日のACLEセントラル・コースト・マリナーズ戦と、その翌週2月18日に行われる最終節の浦項スティーラーズ戦の残り2試合に出場予定であると話しています。
「特にオーストラリアでのセントラルコースト・マリナーズ戦では、ムリーロ(エンリケ)、フアン(ムニス)、パク(ジュンホン)がレッドカードの影響で出場停止となるため、彼らの存在が不可欠となる。」と話したビドリオ監督は、この3選手がいずれも35歳であることについては問題視しておらず。若い選手を起用しても、必要な経験が不足していれば意味がないと話し、ゴンザレス選手らの豊富な経験はJDTに大きなプラスの影響をもたらすだろうと述べています。
5位ペラと6位クチンシティの対戦は引き分けに
勝点21でリーグ6位のクチンシティFCが同22で5位のペラFCをホームに迎えた対戦は、1-1の引き分けに終わり、勝ち点を分け合う結果となりました。。
試合では、アウェーのペラが14分にフィルダウス・サイヤディのゴールで先制して前半を終えますが、後半に入ると、クチンシティ徐々に攻勢を強め、54分には谷川由来選手のヘディングシュートがポストを直撃するなど、惜しい場面があるもゴールとはなりませんでした。
しかし、クチンシティの粘り強い攻撃が実を結んだのは71分でした。JDTからローン移籍中のラマダン・サイフラーが放ったヘディングシュートを、同じくJDTからローン移籍中のペラGKハジク・ナズリが止められず、クチンシティが同点に追いつきます。しかしその後は両チームとも得点がなく、試合は1-1のまま終了しています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月7日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 1-1 ペラFC
⚽️クチンシティ:ラマダン・サイフラー(71分)
⚽️ペラ:フィルダウス・サイヤディ(14分)
MOM:ラファエル・ヴィトール(ペナンFC)
クチンシティFCの谷川由来選手は先発してフル出場しています。
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6ヶ月ぶりのホームでの試合もケランタンは2試合連続の大量失点に沈む
ピッチの排水設備改修のためホームのスルタン・ムハンマド4世スタジアムが使用できなかったクランタン・ダルル・ナイムFCは、この試合が昨年7月26日の第6節以来となるホームマッチとなりましたが、前節の7失点に続き、この試合でも大量6失点で7試合連続で勝点なし、また引き分けを挟んで10連敗となっています。
ホームにペナンFCを迎えた試合では、ペナンFCのFWロドリゴ・ディアスが29分に先制点を決めますが、クランタンも34分にシャヒール・ラシドが同点ゴールを決め、試合は振り出しに戻ります。しかし、クランたんの喜びも束の間、のニック・アキフ・シャヒランが43分にゴールを決め、前半はペナンが再びリードを奪って、折り返します。
後半に入ると、試合は一方的にペナンのペースに。前半1得点のディアスは67分、さらに84分のPKでハットトリックを達成すると、さらに終了間際にもこの試合4点目となるゴールを挙げて区ランタンを粉砕します。結局ペナンは、ディラン・ウェンゼル=ホールズのゴールもあり、大量6点でクランタンに圧勝しています。
今季ここまで2勝1分16敗で13得点56失点という成績のケランタン・ダルル・ナイムFCが苦戦を続けている主な理由の一つは、トレーニング不足であると、アシスタントコーチであるカマルディン・ムハマド氏がマレーシアの通信社ブルナマの取材に語っています。
「我々は毎日練習しているわけではなく、選手は試合の2日前に集められ、全体練習をしただけでペナンFC戦に出場した。1週間にわずか2〜3日しか練習しておらず、ペナンFCのような経験豊富なチームや、十分な外国人選手を揃えたチームと戦うのは難しい状況である」と、試合後の記者会見で語りました。
さらに「KDN FCは現在、残りのスーパーリーグ試合をこなすことしかできない状態であり、競争力を持って戦うのは難しい」「KDN FCは非常に厳しい状況にあります。 他のチームは5人の外国人選手と経験豊富な地元選手を擁しているのに対し、私たちは若手選手のみで戦っています。」と述べたカマルディン氏は、「このチームは若い選手が中心で、スーパーリーグで経験のある選手は1~2人しかおらず。今後はさらに大差で敗れる可能性もある」と警鐘を鳴らしました。
またカマルディン氏は、チームが直面している問題を解決するために、クラブの運営陣が早急に対策を講じる必要があると訴え、「KDN FCを率いるのは、高い能力を持った監督であるべきであり、そうすれば、チームはより競争力を持って戦えるようになるでしょう」とも述べたということです。
給料未払い問題の影響がまさに現れているクランタン・ダルル・ナイムFCは、この試合もU23の選手が先発に6名、U21選手が1名、またベンチの9名中23の選手が6名、U21の選手が1名、さらに外国籍選手も1名のみ(この試合は出場せず)とトップリーグで他のクラブと争うには厳しいメンバーとなっています。給料未払いから外国籍選手が次々とチームを去るなかで、直近の5試合では2得点21失点とサンドバックのようにボコられる試合が続いています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月7日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタバル)
クランタン・ダルル・ナイムFC 1-6 ペナンFC
⚽️クランタン:シャヒール・ラシド(34分)
⚽️ペナン:ロドリゴ・ディアス4(29分、67分、84分PK、90+5分)、ニック・アキフ・シャヒラン(43分)、ディラン・ヴェンツル・ホールズ(90+2分)
MOM:ロドリゴ・ディアス(ペナンFC)
スランゴールはマレーシアカップで敗れたスリ・パハンに雪辱
国内最大のカップ戦マレーシアカップでは、2018年シーズン以来となるグループステージ敗退を喫した今季のスランゴールFC。スリ・パハンを相手に1分1敗という結果でしたが、これは現在、スランゴールの指揮を取る喜熨斗勝史監督が12月に就任してから1週間も経っていない時のことでした。
この試合を振り返った喜熨斗監督は「前回対戦したとき、私はチームに来たばかりだった。しかし、今では2か月が経ち、選手たちも私のサッカー哲学をより理解している」と、試合前日の記者会見で自信を見せた一方で、スリ・パハンFCはセランゴールを破った勢いのまま、ペラFC、サバFCを撃破して4月に開催予定のマレーシアカップ決勝進出を決めています。その一方でシンガポールのレジェンド、ファディ・アフマド監督率いるチームはリーグでは現在10位と低迷しています。
そんな両チームの対戦は、試合開始から双方がせめぎ合う試合となりましたが、先手を撮ってのはスランゴールでした。試合開始からわずか14分で、ニコラ・ジャンボルからのパスを受けたアリ・オルワンが相手DFを軽々とかわして9月13日のクチンシティFC戦以来9試合ぶりのゴールで先制点を決めます。さらに39分にはロニー・フェルナンデスが、クエンティン・チェンのパスを受けて追加点を挙げ、スコアを2-0としました。スランゴールサポーターからはボールを持つたびにブーインされてしまうほど信用を無くしているフェルナンデス選手ですが、このゴールはPK以外では9月28日以来となる今季10ゴール目でした。
一方、スリ・パハンはスランゴール以上に決定機を何度も作りましたが、最後まで得点を奪うことができず、しあいはこのまま2−0で終了しセランゴールは19試合を終えて勝点42と、3位のサバに10勝点差をつけました。(ただし、サバはまだ2試合未消化)また、スリ・パハンは17試合を終えて勝点16のままで、順位は11位とリーグ戦では苦戦が続いています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 2-0 スリ・パハンFC
⚽️スランゴール:アリ・オルワン(14分)、ロニー・フェルナンデス(39分)
MOM:アリ・オルワン(スランゴールFC)
トレンガヌがネグリ・スンビランに快勝で4位堅持
前節第19節ではリーグ3位のサバFCを相手に接戦を演じたヌグリスンビランFC。今節では同4位のトレンガヌFCをホームに迎えて今季3勝目を狙いましたが、試合巧者のトレンガヌに0-2で敗れ、その目標を達成することはできませんでした。
サバFCを相手に積極的なプレーを見せたヌグリスンビランは、この試合ではより攻撃的に仕掛けますが、逆にトレンガヌが前半から優勢に試合を進めます。そして25分、トレンガヌに先制点が転がり込みます。ヌリロ・トゥクタシノフが約30メートルの位置からフリーキックをゴールへ放つと、前に出ていたネグリ・スンビランのGKアキル・アブド・ラザクが慌てて下がりながら必死に手を伸ばすも、その指先を掠めるようにボールはそのままゴールインし、トレンガヌがあっさり先制します。その後もトレンガヌは39分にサファウィ・ラシドが、そして43分にはアキヤ・ラシドがいずれもペナルティエリアの外からシュートを放つも、惜しくもクロスバーを越え、前半はトレンガヌが1点のリードで終了します。
後半が始まると、ネグリスンビランは攻撃の強度を上げ、ゴールを狙います。58分には、ジャック・ファイェがシュートを放ち、トレンガヌGKサイド・ナスルハクをかわしたものの、ゴールラインを越えそうになったボールをサフワン・マスランが間一髪でクリアし、同点ゴールを許しません。逆にネグリスンビランは79分にPKを与え、これをネルソン・ボニーヤが冷静に決めて、トレンガヌが2点目を挙げます。ネグリスンビランも必死で反撃しますが、試合はそのまま終了し、トレンガヌが勝利しています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月9日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFC 0-2 トレンガヌFC
⚽️トレンガヌ:ヌリロ・トゥクタシノフ(26分)、ネルソン・ボニーヤ(80分PK)
MOM:ヌリロ・トゥクタシノフ(トレンガヌFC)
ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は先発してフル出場しています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第20節終了)
順位 | チーム | 試 | 勝点 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 |
1 | JDT | 19 | 55 | 18 | 1 | 0 | 68 | 7 | 61 |
2 | SEL | 19 | 42 | 13 | 3 | 3 | 33 | 14 | 19 |
3 | SAB | 17 | 32 | 10 | 2 | 5 | 34 | 26 | 8 |
4 | TRE | 16 | 27 | 7 | 6 | 4 | 22 | 17 | 5 |
5 | PRK | 19 | 23 | 6 | 5 | 8 | 33 | 32 | 1 |
6 | KCH | 16 | 22 | 5 | 7 | 4 | 22 | 21 | 1 |
7 | PDRM | 18 | 21 | 5 | 6 | 7 | 20 | 27 | -7 |
8 | *KDA | 17 | 20 | 6 | 5 | 6 | 17 | 27 | -10 |
9 | PEN | 19 | 19 | 4 | 7 | 8 | 25 | 31 | -6 |
10 | #KLC | 17 | 18 | 7 | 3 | 7 | 26 | 23 | 3 |
11 | SRP | 17 | 16 | 3 | 7 | 7 | 19 | 27 | -8 |
11 | PEN | 18 | 16 | 3 | 7 | 8 | 19 | 30 | -11 |
12 | NSE | 18 | 9 | 2 | 3 | 13 | 17 | 41 | -24 |
13 | KDN | 19 | 7 | 2 | 1 | 16 | 13 | 56 | -43 |
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第20節終了)
氏名 | 所属 | ゴール | |
1 | ベルグソン・ダ・シルヴァ | JDT | 23 |
2 | パウロ・ジョズエ | KLC | 11 |
3 | ルシアーノ・ゴイコチェア | PRK | 10 |
ロドリゴ・ディアス | PEN | 10 | |
ロニー・フェルナンデス | SEL | 10 | |
6 | アルヴィン・フォルテス | SEL | 8 |
イフェダヨ・オルセグン | PDRM | 8 | |
クレイトン | PRK | 8 | |
9 | アリフ・アイマン | JDT | 7 |
ジョアン・ペドロ | SAB | 7 | |
11 | ヘベルチ・フェルナンデス 他4選手 | JDT | 6 |
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC