2月9日のニュース:<br>・FAMによるプルリス州サッカー協会資格停止処分の訴訟はスポーツ仲裁裁判所へ<br>・クチンシティ監督-Mリーグの頻繁な中断が勢いを削ぐ<br>・新たな「ヘリテージ選手」の加入でバランスの取れたチーム編成へ – ロブ・フレンド代表チームCEO

FAMによるプルリス州サッカー協会資格停止処分の訴訟はスポーツ仲裁裁判所へ

ペルリス州サッカー協会(PFA)からマレーシアサッカー協会(FAM)に対して出された資格停止処分の停止請求について、プルリス高等裁判所は、この問題はスポーツ仲裁裁判所(CAS)で審理されるべきという決定を下しました。裁判所命令は、現在の請求を一時停止し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の手続きに委ねるよう求めるものです。

ことの発端は、昨年12月にマレーシアサッカー協会(FAM)がプルリス州サッカー協会(PFA)に対し、元フットボールディレクターへの賃金未払いを理由に、資格停止処分を科したことでした。2019年1月から7月までPFAのフットボールディレクターを務めた元アイルランド代表のマット・ホランド氏から賃金未払いについての苦情を申し立てを受けていたFIFAは、昨年11月11日付の書簡でPFAに対し、998,658マレーシアリンギ(約3,400万円)の支払いと、15,000スイスフラン(約250万円)の罰金処分を科すことを命じています。さらに、FAMもこの問題の第二の被告として指名されており、PFAに対して適切な措置を取らなかったため、5,000スイスフラン( 約83万円)の罰金が科されました。

これを受けてFAMは、PFAがFIFAの指示通りに未払い賃金の全額支払うまでPFAの会員資格を停止することを発表していました。

するとPFAは、この決定に対し、FAMがPFAに弁明の機会を与えず、正当な聴聞手続きを経ずに停止措置を取ったことを根拠に、裁判所に処分差し止め命令を求める訴訟を起こしました。また、PFAは来週予定されているFAM役員選挙が行われる年次総会を阻止するための差し止め申請も提出しています。


広さが819平方km、人口が29万人といずれもマレーシアの州の中では最小のプルリス州は、タイと国境を接しているマレー半島北部の州です。マレーシアには全部で13州ありますが、現在のトップリーグ、マレーシアスーパーリーグに参加中のチームでプルリス州に本拠地を持つチームはありません。かつては日本人の渡邉将基選手も所属した、プルリスFAというチームがあり、2019年に2部プレミアリーグに参加しました。しかしプルリスサッカー協会が運営していたこのプルリスFAは、開幕から数試合で選手や監督、コーチに賃金未払いが発覚し、その支払いの目処が立たないことが明らかになるとシーズン途中にもかかわらず、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)からリーグ出場停止処分を受け、チームは解散しています。その後、プルリスFA関係者は国内であらゆるサッカー事業に関わることを禁ずる処分がFAMから出されたという経緯もあります。

クチンシティ監督-Mリーグの頻繁な中断が勢いを削ぐ

マレーシアスーパーリーグ(MSL)のクチンシティFCで指揮を取るアイディル・シャリン・サハク監督は、「試合間隔を短くし、より構造化された日程を組むことで、Mリーグのチームが勢いを維持できる」との考えを示し、「2025/26シーズンは、今季よりもスケジュールが整備されることを期待しています」と述べています。

MSL第20節、2月7日のペラFC戦ではホームで1-1と引き分けたクチンシティは、リーグ戦過去5試合が10月、11月、12月、1月、2月にそれぞれ1試合ずつとなっています。その一方で、今季のスーパーリーグが終了する4月13日までに、クチンシティは残り4試合に加えて、雨により延期された3試合(ケダ・ダルル・アマンFC戦、スリ・パハンFC戦、トレンガヌFC戦)を消化しなければならない状況です。

2月7日のペラFC戦後、アイディル監督は「試合間隔が不規則なことがチームのリズムを乱している」と話し、「ホームで勝利を目指し、ファンや家族に良い試合を見せたかったが、この結果を受け入れなければならない。」と述べる一方で、「選手たちはベストを尽くしたが、試合が定期的に行われていないことが大きな影響を与えている。」とも述べています。

「先週、私たちは試合がなかったが、ペラはケランタン・ダルル・ナイムFCと対戦し、7-0で勝利した。間隔の空いたリーグ日程により試合が途切れることで、チームの勢いを維持するのが難しくなっている」とも話しています。


Jリーグと同様にAFCの秋春制移行に合わせて、今季2024/25シーズンと来季2025/26シーズンの2シーズンをかけてマレーシアリーグも秋春制への移行を行っています。これまでは2/3月開幕、11月閉幕という年間スケジュールが主だったマレーシアリーグですが、これは10月から3月にかけてマレー半島東海岸やボルネオ島が北東モンスーンの影響を受けて雨季に入ることとも考慮されてのものでした。この時期はこのモンスーンの影響で各地で洪水が起こりますが、今年の洪水被害は2014末から2015年初頭にかけて発生した大規模な洪水被害を上回るものになるといわれています。

数十年で最悪と言われた2014年末から15年頭にかけの大規模洪水は、東海岸のクランタン州、トレンガヌ州、パハン州、ジョホール州などで、浸水箇所の水位は最大で4メートルに達し、50万人以上が被災し、21人が死亡。経済損失は10億リンギに達していました。

新たな「ヘリテージ選手」の加入でバランスの取れたチーム編成へ – ロブ・フレンド代表チームCEO

来週にも発表されると噂されるヘリテージ選手(マレーシアにルーツを持つ海外出身の選手)について、マレーシア代表チームの「CEO」に就任したロブ・フレンド氏は、この ヘリテージ選手の加入は、マレーシア代表において、マレーシア出身選手の出場機会を奪うものではないと述べています。

メディアとの会見でフレンドCEOは、「ヘリテージ選手とマレーシア出身選手を組み合わせることで、よりバランスの取れた競争力のあるマレーシア代表を編成し、国際舞台で良い結果を生み出せる」と強調しています。

「新たなマレーシア代表の目標は、代表チームがより説得力のあるパフォーマンスを発揮することで、ヘリテージ選手の経験を活かすことで、その実現が可能になる。」「我々の目標は、マレーシアサッカーの誇りと精神を象徴する、バランスの取れた競争力のあるチームを作ることだ」などとも語っています。

直近の報道によると、オランダ出身のヘリテージ選手が、3月から始まる2027年アジアカップ予選最終ラウンドに向けてマレーシア代表に加わる予定だとされており、この他にも現在、マレーシア政府の承認段階にある4名のヘリテージ選手が、今後マレーシア代表に正式に加わる見込みであるともほうじられています。、なおマレーシアサッカー協会(FAM)は全体、合計8名のヘリテージ選手がマレーシア代表のユニフォームを着る予定であると発表しています。


国内リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFCのオーナーでジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が中心となって進められるマレーシア代表強化計画ですが、元FAM会長ではあるものの、現在はFAMとは無関係のイスマイル殿下が自身のアドバイザーと呼ぶ元オーストラリア代表のティム・ケイヒル氏のネットワークを使って、ケイヒル氏と同郷のピーター・クラモフスキー氏を代表監督とし、FAM内に代表チーム運営委員会がある一方で代表チームのCEOとして前述のロブ・フレンド氏を招聘するなど、外から報道だけを見ていると、責任の所在が曖昧です。例えばクラモフスキー監督の評価は誰がするのか、またフレンドCEOは誰に報告義務があるのか、そこにFAMがどのように関わってくるのか。各組の1位のみが本戦出場となる3月のアジアカップ予選で強豪ベトナムと同組のマレーシアは、初戦のネパール戦に続き、6月にはそのベトナムと対戦が控えています。今から4ヶ月後にはヘリテージ選手たちの真価が問われることになりそうです。