2月5日のニュース:ジョホールがACLエリートに向けて新たにスペイン出身の3選手を獲得<br>アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組最終節- BGパトゥム・ユナイテッド対トレンガヌFC展望

ジョホールがACLエリートに向けて新たにスペイン出身の3選手を獲得

マレーシア唯一のチームとしてACLエリート(ACLE)に出場中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)は現在、ACLE東地区6試合を終え、勝点8を獲得し、6位につけています。このJDTがいずれもスペイン出身の3選手を新たに獲得したことをクラブ公式SNSで発表しています。

今回加入したうちの1人は、スペイン1部バレンシアやフランス1部オリンピック・マルセイユでもプレー経験がある35歳のCBアルバロ・ゴンサレスです。このゴンザレス選手は、サウジアラビア1部のアル・ナスルでクリスティアーノ・ロナウドと共にプレーした経験もあり、同じサウジアラビアのアル・カディシアから加入しています。加入を発表してクラブ公式SNSでは「ラ・リーガからリーグ・アン、そしてサウジアラビア、そして今、サザン・タイガースの本拠地へ – アルバロ・ゴンサレス」と記されている。

2人目は35歳のFWジョナタン・ビエラで、こちらはラス・パルマス、バレンシア、ラージョ・バジェカーノなど複数のラ・リーガクラブでのプレー経験もある選手で、UAEプロリーグのホール・ファカンFCを昨年9月に退団しており、その後はスペインのラス・パルマスや中国の北京国安への移籍も噂されていた選手です。

3人目はMFロケ・メサで、この選手は2017年から2018年まて英国プレミアリーグのスウォンジー・シティ(当時)でもプレーしていましたが、JDTのインドネシア代表DFジョルディ・アマトとは当時のチームメートで、7年振りに再びチームメートとなります。なおメサ選手ははスウォンジー・シティ以外では、セビージャ、スポルティング・ヒホン、CDレガネス、ラス・パルマス、バリャドリッド、レバンテでもプレーした経験があります。なおメサ選手は、前述のゴンザレス、ビエラ両選手とは異なり、アジアでのプレーは今回が初めてとなります。

なおこの3選手は、マレーシアリーグのトランスファーウィンドウ外での加入であることから国内リーグには出場できないため、ACLEの試合のためだけに契約されたとみられています。

JDTは2月11日、ACLE東地区では現在、勝点1で最下位12位のセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア)とアウェイで対戦、さらに最終節となる2月18日にはホームで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦する予定になっています。ACLE東地区は上位8チームがノックアウトステージに進出します。


アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組最終節- BGパトゥム・ユナイテッド対トレンガヌFC

アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組は今日2月5日が最終節。勝点8で首位のBGパトゥム・ユナイテッドは勝点7で2位のトレンガヌFCとBGパトゥム・ユナイテッドのホーム、パトゥム・ターニースタジアムで行われます。各組の上位2位までが準決勝に進みますが、3位は同じ勝点7のPSMマカッサル(インドネシア)、4位は勝点6のタインホアFC(ベトナム)と続いており、2位のトレンガヌはノックアウトステージ進出には勝利が必須となります。

MF野津田岳人、そしてシンガポールのバレスティア・カルサから先月加入した田中幸大の両選手や元川崎フロンターレのチャナティップ・ソングラシンらを擁するBGパトゥムはここまで4戦無敗で、前節1月22日の試合ではシャン・ユナイテッドFC(ミャンマー)を4-1で破るなど、2勝2分の好成績を収めています。なお、BGパトゥムは、バーレーンやニュージーランド、米国などで代表監督の経験があるアンソニー・ハドソン新監督の就任後初采配となります。

一方のトレンガヌFCは前節、PSMマカッサル(インドネシア)を1-0で下して貴重な勝利を挙げましたが、その後、マレーシア国内では、JDTとの2試合(マレーシアスーパーリーグ、マレーシアカップ)に連敗し、さらに左サイドバックのアリフ・ザカリアがACL(前十字靭帯)の負傷により長期離脱を余儀なくされています。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ:3連覇を狙うジョホールはスリ・パハンとの決勝へ、スリ・パハンの決勝進出は2連覇して以来11年振り<br>2024/25チャレンジカップ準決勝2ndレグ:クダを劇的勝利で破ったPDRMとペナンの猛攻に耐えたスランゴールが決勝進出、初の決勝となるスランゴールを相手にPDRMは連覇なるか

1921年に第1回大会が開催されたアジア最古のカップ戦の一つ、マレーシアカップの第98回大会は、2月1日と2日にマレーシアカップの準決勝2ndレグが行われ、2連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)がトレンガヌに2−1と勝利し、1月17日に行われた1stレグと合わせて通算成績を6−1として、5シーズン連続で決勝に駒を進めています。またもう1試合の準決勝は、22年振りの決勝進出を狙うサバを2013年、2014年に連覇して以来の決勝を目指したスリ・パハンが延長戦で破り、11年振りの決勝進出を果たしています。
 試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ:3連覇を狙うジョホールが決勝進出

1stレグではトレンガヌのホームで4−0と相手を圧倒していたJDTは、昨夏にスペイン2部で日本のIT企業スフィダンテがスポンサーを務めるエルチェCFのU19から加入した18歳のGKクリスチャン・アバドが先発しています。マレーシアカップ1回戦、3部セミプロリーグのKLローヴァーズFC戦以来の先発となったアバド選手はマレーシアにルーツを持つ帰化選手ですが、この試合ではこのアバド選手以外にも帰化選手2名、そして外国籍選手6名が先発し、マレーシアで生まれ育った選手で先発したのはアリフ・アイマンとアフィク・ファザイルの2名でした。(ちなみにベンチのメンバーにも帰化選手4名、外国籍選手1名がおり、この試合の出場登録選手20名のうち、マレーシアで生まれ育った選手は5名、外国籍選手は7名、帰化選手8名となっていました。)

試合は準決勝1stレグでは終盤に途中出場のみだったヘベルチ・フェルナンデスがこの試合では先発すると、32分、そして91分にもゴールを決めています。特に91分のゴールは圧巻でペナルティエリアのはるか外、20mはあるかという距離からのロングシュートでした。この試合の勝利で順当に決勝へ駒を進めたジョホールは、既に優勝しているマレーシアFAカップ、そして今季無敗のリーグ戦では残り6試合で2位に勝点差13をつけて独走しており、3シーズン連続となる国内三冠がより近づいています。

トレンガヌはこの試合も、JDTからローン移籍中のサファウィ・ラシドと初戦で4失点したGKラーディアズリ・ラハリムに代わり、サイド・ナスルルハクが今季のマレーシアカップで初先発を果たすと、アリフ・アイマンの近距離からのシュートを止めるなど活躍しました。また59分には、イスマヒル・アキナデがウバイドラー・サムスルのクロスをダイレクトボレーでシュートを決めますが、焼け石に水でした。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ
2025年2月1日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 2-1 トレンガヌFC(通算成績6−1)
⚽️ジョホール:ヘベルチ・フェルナンデス(31分、91分)
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナデ(59分)
MOM:ヘベルチ・フェルナンデス(ジョホール・ダルル・タジムFC)

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ:スリ・パハンが延長でサバを破り11年ぶりの決勝に進出

スリ・パハンFCが11年振りとなるマレーシアカップ決勝へと駒を進めています。

1月18日に行われた準決勝1stレグでは、22年振りの決勝進出を目指すサバFCを相手に敵地で1-1と引き分けていたスリ・パハンは、この試合では、開始直後から積極的な攻撃を仕掛けます。15分にはエースのクパー・シャーマンがサバGKダミアン・リムのミスキックからボールを得ると、ペナルティエリア外から強烈なシュートを放ちましたが、惜しくも枠を外れ、先制のチャンスを逃すなどゴールを奪えず、前半は0-0で折り返します。

今季のホーム最多入場者となる8,461人が詰めかけた試合が動いたのは72分でした。サバのDFパク・テスがスリ・パハンのバキウディン・シャムスディンのパスをクリアしようとした際にオウンゴールし、スリ・パハンが先制しました。しかし、サバFCはこの失点に動じることなく、77分にはゴール前の混戦からS・クマーランが同点ゴールを押し込み、通算スコアも2-2として試合は90分で決着がつかず、延長戦へともつれ込みます。

決勝点は延長戦の106分でした。準決勝1stレグでもゴールを決めているシャーマンがゴールに背を向ける形でボールを受けると、マークに付いたパク・テスを振り解くように体を回転させながらシュート。このボールがダミアン・リムの股下を抜けてゴールインし、スリ・パハンが勝ち越します。この試合の後半では同様の場面でダミアン・リムがシャーマンのシュートを止める場面もありましたが、ここはシャーマンに軍配が上がりました。試合はスリ・パハンがそのまま逃げ切って、決勝進出を決めています。しかしこの試合でもゴールを決めたクパー・シャーマンがこの試合で今大会2枚目のイエローをもらい、警告累積により決勝は出場停止が濃厚です。スリ・パハンのファンディ・アフマド監督はアピールを行うとしていますが、4月に予定されている決勝では、スリ・パハンはチーム最多のゴールを挙げるキャプテン不在となりそうです。

スリ・パハンが最後にマレーシアカップ決勝へ進出したのは2014年で、その際はJDTと対戦し、2-2の同点の末にPK戦で5-3の勝利を収め、前年2013年に続く優勝を飾りました。なおスリ・パハンはこれまでに1983年、1992年、2013年にも優勝を果たしてます。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ
2025年2月2日@MBTスタジアム(パハン州テメルロー)
スリ・パハンFC 2-1 サバFC(通算成績3-2)
⚽️スリ・パハン:パク・テス(72分OG)、クパー・シャーマン(107分)
⚽️サバ:S・クマーラン(77分)
MOM:イブラヒム・マヌシ(スリ・パハンFC)

2024/25チャレンジカップ準決勝2ndレグ:クダを劇的勝利で破ったPDRMも連覇をかけて決勝へ進出

昨季2023年の大会からは、マレーシアカップ1回戦で敗れた8チームが出場する大会になったMFLチャレンジカップ。昨季は、鈴木ブルーノ選手が所属するPDRM FCと谷川由来選手が所属するクチンシティFCの日本人所属の2チームがが決勝に勝ち残り、PDRMがクラブとして初めてのタイトルを獲得しています。

今季のチャレンジカップ準決勝1stレグではは3-3の引き分けに終わっていたクダ・ダルル・アマンFCと連覇を目指すPDRM FCですが、クダのホーム、ダルル・アマンスタジアムでの試合は接戦となりました。

1stレグでは鈴木ブルーノ、イフェダヨ・オルセグン、シャーレル・フィクリ、そしてもとJ2岡山のハディ・ファイヤッドと4名のFWを先発起用したPDRMのP・マニアム監督は、この試合ではメンバーを入れ替え、イフェダヨ・オルセグンとシャーレル・フィクリを残し、1stレグでゴールを挙げている鈴木選手はベンチスタート、ハディ・ファイヤッドはベンチ外でした。一方のクダは1stレグでもゴールを挙げているミロシュ・ゴルディッチを中心として布陣でこの試合に臨んでいます。

試合は徐々にケダがペースを掴むとPDRM陣内に攻め込む展開となりますが、一方PDRMもカウンターのチャンスをうかがいます。両チームともゴールを狙い続けたものの、前半はともに得点のないまま終了します。

後半に入ると、ホームのケダがアミルル・ヒシャムの見事なシュートで先制します。ここからPDRMは編劇に転じますが、ケダのDF陣がPDRMの攻撃を封じ、試合は6分と発表されたアディショナルタイムに入ります。しかしその6分が経過し、ケダの決勝初進出が確実と思われたその時でした。ラストプレーと思われたクダのゴール前での混戦から最後はPDRMのシャフィジ・イクマルが劇的な同点弾を蹴り込んで、試合は土壇場で振り出しに戻ります。それまで鈴木ブルーノ選手のヘディングシュートなどを止めるなど好セーブを連発していたクダGKイフワット・アクマルもこの至近距離からのシュートは止めることができませんでした。

30分の延長でも決着がつかなかった試合は、PK戦に進みました。先行のPDRMは5人全員がPKを決めたものの、後攻のクダは5人目のワン・アミルル・アフィクのシュートをPDRMのGKブライアン・シーが反応良くキャッチし、PK戦5−4でPDRMが2シーズン連続の決勝進出を決めています。

2024/25MFLチャレンジカップ準決勝2ndレグ
2025年2月1日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-1 PDRM FC(通算成績4−4、PK戦4-5)
⚽️クダ:アミルル・ヒシャム(59分)
⚽️PDRM:シャフィジ・イクマル(90+6分)
MOM:ブライアン・シー(PDRM FC)
PDRMの鈴木ブルーノ選手は71分から交代出場して、試合終了までプレーしています。

2024/25チャレンジカップ準決勝2ndレグ:ペナンの猛攻に耐えたスランゴールが初の決勝進出

15日間で3度目の対戦となったスランゴールFCとペナンFC。1月19日のチャレンジカップ準決勝では相手のオウンゴールでスランゴールが1−0と勝利したものの、続く1月25日のリーグ戦では1−1と引き分けるなど、リーグ2位のスランゴールが同11位のペナンを相手に僅差の試合を続けており、この日の試合も1点のアドバンテージがあり、しかもスランゴールのホームとは言え絶対的な有利とは言えません。

試合は開始から両チームがせめぎ合うも、スランゴールが優勢に試合を進めます。右サイドのクエンティン・チャンを起点にゴール前にまでは何度もボールを運ぶ得点機をを作り出したものの、スランゴールからローン移籍中のペナンFCのGKシーク・イズハンの好守に阻まれ、先制点を奪うことができません。一方のペナンFCも30分にはFWディラン・ウェンゼル=ホールズが決定的なシュートを放つもののポストに阻まれ、先制には至りません。

後半に入ると、ペナンがギアを上げ、前半以上に攻撃的な姿勢を見せ、FWディラン・ウェンゼル=ホールズの右サイドからセランゴールのゴールを脅かし、キャプテンのラファエル・ヴィトールがシュートを放つ場面もありましたが、惜しくも枠を外れます。

そんな展開の中で試合の均衡が破れたのは65分でした。代表でもプレーするMFノア・ライネからの絶妙のパスを受けたアルヴィン・フォルテスが相手DFをかわして左足で放ったシュートがゴール右隅に決まり、ついにセランゴールがリードを奪いました。その後は、リードを許したペナンはさらに攻撃のテンポを上げ、いくつかの決定機を作ったものの、シュートの精度を欠くなど得点にはつながりません。最後の10分は両チームが互いに激しく攻め合う場面もありましたが、スコアは動かず、そのまま試合は終了しています。

2024/25MFLチャレンジカップ準決勝2ndレグ
2025年2月2日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 1-0 ペナンFC(通算成績2-0)
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス(66分)
MOM:カラムラー・アル=ハフィズ(スランゴールFC)