1月28日のニュース<br>タイ1部第19節-ブリーラム対ナコーンパトム戦でマレーシア人選手3名が対戦-クールズとティアニーが先発、ムハンマドも2試合連続出場<br>マレーシアサッカー協会-マレーシアにルーツ持つ選手4名の国籍取得は政府の承認待ち

前節にタイリーグ1部デビューを果たしたMFムハンマド・カリルが、今節第19節ではマレーシア代表の「先輩」とも言えるディオン・クールズと対戦しています。

スランゴールFCからタイ1部のナコーンパトム・ユナイテッドFCにローン移籍中のMFムハンマド・カリルは1月20日に行われたタイ1部リーグ第18節のバンコク・ユナイテッドFC戦に後半から出場してデビューを果たましたが、JDTからローン移籍中のFWファーガス・ティアニーと共に第19節のブリーラム・ユナイテッド戦にも出場しています。

この日対戦したブリーラム・ユナイテッドにはマレーシア代表でキャプテンを務めるディオン・クールズが在籍しており、奇しくもタイ1部リーグでマレーシア人選手3名が顔を合わせたことになります。(下はティアニーとクールズの2ショット-SNEスポーツのFacebookより)

クールズ選手はこの試合も含めて18試合先発出場するなど、ブリーラムでも主力選手として活躍しており、この試合でも先発してフル出場しています。一方、ナコーンパトムのティアニー選手は、タイ2部のチョンブリーFCから移籍後4試合目で初めて先発XIに名を連ねると、この試合では左ウィングとして移籍後最長となる79分間プレーし、途中交代しています。またムハンマド選手は、この試合も後半開始と共に交代出場し、前節同様、試合終了までプレーしています。

試合は3勝4分11敗と16チーム中の15位に沈むナコーンパトムが24分に先制するも、2位に勝点差8をつけて首位を快走するブリーラムが前半に2点を挙げて逆転すると、後半にも1点を挙げて完勝しています。

昨年7月から12月までローン移籍したJ3のFC大阪では公式戦出場の機会がなかった19歳のムハンマド選手は、デビューからの2試合で出場時間90分とまずまずのスタートを切っています。また昨年8月から12月まで在籍したチョンブリーFCではデビュー戦でゴールを決めたものの、結局13試合出場(先発6試合)、出場時間614分で最後はベンチ外も多かったティアニー選手は、前節は90+3分からの出場でしたが、この日は昨年の11月以来の先発出場を果たしています。

2024/25タイリーグ1部第19節
2025年1月26日@ナコーンパトム・スポーツ・スクール・スタジアム(ナコーンパトム)
ナコーンパトム・ユナイテッド 1-3 ブリーラム・ユナイテッド
⚽️ナコーンパトム:Sunchai Chaolaokhwan(24分)
⚽️ナコーンパトム:マルティン・ボアキエ(38分)、スファナット・ムエアンタ(44分)、ゴラン・チャウシッチ(57分)

この試合のハイライト映像。タイリーグ公式YouTubeより。

マレーシアサッカー協会は政府に国外生まれの選手に国籍

2025-01-25

The Football Association of Malaysia (FAM) would like to inform that the process of obtaining Malaysian citizenship for four new heritage players is currently awaiting final approval from the Malaysian Government.

In addition, FAM is also in the process of completing the documentation for four other players.

FAM thanks the Malaysian Government for the support given in its efforts to improve the quality of the Harimau Malaya team.

The national squad under the leadership of new head coach, Peter Cklamovski will begin the 2027 Asian Cup Qualification campaign with the first Group F match against Nepal on 25 March 2025.

マレーシアサッカー協会-マレーシアにルーツ持つ選手4名の国籍取得は政府の承認待ち

マレーシアサッカー協会(FAM)は公式ホームページ上で、現在、マレーシアにルーツを持つ選手4名のマレーシア国籍取得手続きについて、マレーシア政府からの最終承認を待っている状況であることを発表しています。またこれら4選手以外にもさらにあと4名のマレーシアにルーツを持つ選手に関する国籍取得のための書類も作成中であることも併せて発表しています。

さらにFAM は、ハリマウ・マラヤ(マレーの虎)の愛称で知られるマレーシア代表チームのレベルアップに向けた取り組みに対するマレーシア政府の支援に対して感謝の意も表しています。

ピーター・クラモフスキ新監督が率いるマレーシア代表の当面の目標はAFCアジアカップ2027年大会出場ですが、マレーシア代表は3月25日に行われるネパール代表戦が予選F組の初戦となります。なおこのF組には、今月決勝が行なわれた東南アジアサッカー連盟選手権三菱電機カップで優勝したベトナムや、同じ東南アジアのラオスが入っています。

前述の三菱電機カップでは、FIFAランキング132位のマレーシアはラオス(同180位)よりもFIFAランキングが低いカンボジア(同186位)と2−2で引き分け、さらにシンガポール(同160位)とも0−0で引き分けており、パク・ハンソ監督退任後はタイと入れ替わって東南アジアNo. 2になったとは言え、FIFAランキング114位とマレーシアにとっては格上のチームです。しかもマレーシアが最後にベトナムに勝利したのは2014年と10年以上も前の話で、直近の5試合を取ってみてもマレーシアは得点1失点10と全く歯が立たない相手です。

この現状を打破するために積極的に動いているのがマレーシアリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで。ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下です。マレーシアサッカー協会とは別に、自身のスポーツ・国際関係アドバイザーとして元オーストラリア代表のティム・ケーヒル氏のコネクションを使い、マレーシア代表に「CEO」という役職を作るとそこにカナダ出身のロブ・フレンド氏が、また代表の「ハイパフォーマンス部門」を設立し、その責任者に医学博士のクレイグ・ダンカン氏がそれぞれ就任しています。またピーター・クラモフスキー新監督もオーストラリア出身であることから、ケーヒル氏のコネクションによるものであることは容易に想像できます。

また、運営や首脳陣だけでなく、マレーシアにルーツを持つ選手の獲得にも積極的で、イスマイル殿下は自身のSNSで、その名は公表していないもののアジア杯予選に向けて新たに7人の選手を選定したことも明らかにしています。

「ハリマウ・マラヤ(マレーシア代表)のために6~7人のマレーシアにルーツを持つ選手を選びました。彼らが2027年のアジアカップ予選でプレーできるように、マレーシア政府がパスポート取得のプロセスをサポートしてくれることを期待しています」とSNSに投稿したイスマイル殿下は、「(アジア杯出場に向けて)ハリマウ・マラヤが良いスタートを切ることが重要です。」とも投稿しています。

*****

イスマイル殿下はこの他、JDTで現在まで129試合出場で139ゴールを挙げているブラジル出身のFWベルグソンや、元シェフィールド・ウエンズデーU21のアルゼンチン出身MFマヌエル・イダルゴ(現在はJDTからスリ・パハンへローン移籍中)が来年2026年にはマレーシアリーグで5シーズン目を終えることから、彼らの帰化も予定していることも明らかにしています。