2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第18節の結果とハイライト映像<br>・ジョホールがホーム29連勝のリーグ記録更新<br>・クランバリー・ダービーはスランゴールが辛勝 他

マレーシアスーパーリーグの試合結果についての投稿は11月11日以来ほぼ2ヶ月ぶりですが、その間に3節が行われています。(汗)今節第18節は、リーグ首位を快走するジョホール・ダルル・タジムFCと3位のサバFCが対戦、またスランゴールFCとKLシティFCの「クランバリー・ダービー」が注目でした。
 なお今季のマレーシアスーパーリーグは13チームで編成されており、今節はトレンガヌFCの試合がありませんでした。
(各試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLのYouTubeチャンネルより)

給料未払い問題を抱え得るチーム同士の対戦はクダが勝利

いずれも給料未払い問題が報じられ、外国籍選手が国外へ流出している両チームの対戦は、マレーシア選手の自力に勝るクダ・ダルル・アマンFCが勝利し2連勝。一方のクランタン・ダルル・ナイムFCは4連敗となり、ヌグリスンビランFCに代わり最下位に転落しています。

2025年1月10日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クランタン・ダルル・ナイムFC 0-1 クダ・ダルル・アマンFC
⚽️クダ:ファイヤド・ズルキフリ(17分)
MOM:アリフ・ファルハン(クダ・ダルル・アマンFC)

ヌグリスンビランは後半の逆転劇で最下位脱出

今季ここまで1勝のヌグリスンビランFCが7月11日の第4節以来6ヶ月ぶりとなる今季2勝目を挙げています。なお、この試合では昨年10月に退任した前スランゴールFC監督ニザム・ジャミル氏が観戦に訪れており、一部では監督交代の噂もありましたが、その後、クラブCEOが今季途中から就任したK・ナンタクマル監督が今季いっぱいの指揮を取ることを発表して一ます。この日の勝利で最下位を脱出したヌグリスンビランに対して、スリ・パハンFCはこの日の敗戦で3連敗となり、順位は10位のままです。

2025年1月10日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFC 2-1 スリ・パハンFC
⚽️ヌグリスンビラン:ハイン・テット・アウン(44分)、A・セルヴァン(60分)
⚽️スリ・パハン:アリユ・アブバカル(7分OG)
MOM:アキル・アブドル・ラザク(ヌグリスンビランFC)
ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は先発してフル出場しています。

クチンシティはPDRMに完勝して5位に浮上

この試合前まで5位のPDRM FCはここまで5勝6分5敗で20得点21失点、同7位のクチンシティFCは4勝6分4敗で19得点20失点と、チーム成績が似通っています。そんな両チームの対戦は、試合前の豪雨でボールが転がりにくコンディションの中、前半、後半にそれぞれゴールを挙げたクチンシティが勝利しています。

公式入場者数117名と寂しい試合でしたが、試合は白熱し、両チーム共にチャンスを作りましたが、クチンシティはそれをシュートまで持ち込んだのに対し、PDRMはクロスの精度が低くシュートまでに至らなかったところで差がつきました。またPDRMにとっては、ここまでリーグ4位となる8ゴールを挙げているエースのイフェダヨ・オルセグンが警告累積のため出場停止となっていたことも響きました。

2025年1月11日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM FC 0-2 クチンシティFC
⚽️クチンシティ:ペトラス・シテムビ(19分)、ジョーダン・ミンター(88分)
MOM:ペトラス・シテムビ(クチンシティFC)
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発して、77分に交代しています。
クチンシティFCの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

首位ジョホールがホームでの連勝記録を29に伸ばす

15勝1分で首位を快走するジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、ここまで5連勝中の3位サバFCをホームに迎えた1戦は、JDTが今季9試合目となるクリーンシートで解消し、サバFCとの勝点差を20に広げています。

昨年11月に契約を延長せず退団を選んだオン・キムスウィ前監督(現インドネシア1部プルシス・ソロ監督)に代わり、前フィットネスコーチのマルティン・スタノ氏が監督に就任したサバFCは、スタノ監督就任以降もリーグ戦1勝、カップ戦3勝1分と好成績を残していましたが、この試合では今季最多となる4失点で敗れています。

JDTは後半だけで4点を挙げて勝利していますが、フアン・ムニスの2ゴールで先制すると、さらにエースのベルグソン・ダ・シルヴァが今季リーグ戦通算22、23ゴールを挙げ、得点王を争うパウロ・ジョズエに12点差をつけています。

2025年1月11日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 4-0 サバFC
⚽️ジョホール:フアン・ムニス2(51分、69分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ2(80分PK、83分)
MOM:フアン・ムニス(ジョホール・ダルル・タジムFC)

クランバリー・ダービーはスランゴールが辛勝

リーグ2位のスランゴールは、首位ジョホールには勝点差11と離され、マレーシアカップでも2018年以来となるまさかのグループステージ敗退と、さらにACL2でもグループステージ敗退と、今季は既に目標らしい目標がない状況です。そんな状況での試合が続くスランゴールは、この試合も好機を作りながら、得点に繋がらないまま前半を終了し亜mす。

しかしスランゴールの喜熨斗勝史監督が後半の58分に投入したムカイリ・アジマルがそれまでスランゴールに欠けていたスピード感のある縦突破でKLシティDFを翻弄し、唯一のゴールもムカイリ選手から出たボールをアルヴィン・フォルテスが決めて1点を挙げると、最後はKLの猛攻に遭いながらも逃げ切っています。

クラン川流域のスランゴール州とそのスランゴール州に囲まれるクアラ・ルンプールに本拠地を持つ両チームの対戦は「クランバリー(クラン渓谷)・ダービー」として知られています。日曜日の午後5時15分キックオフと家族連れでも観戦しやすい時間でしたが、公式収容人数10,800人に対し、この試合の観衆は6,000人を切るなど少々寂しい試合でした。

2025年1月12日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 1~0 KLシティFC
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス(63分)
MOM:カラムラー・アル=ハフィズ(スランゴールFC)

ウェンゼル・ホールズがハットトリックもペナンはペラと引き分け

リーグ11位のペナンはホームに7位のペラを迎え、オーストラリア出身のディラン・ウェンゼル-ホールズが33分までに自身初のハットトリックを決めて、前半を3-1とリードして折り返します。しかし、後半には2失点して追いつかれ、引き分けています。

2025年1月12日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナンFC 3-3 ペラFC
⚽️ペナン:ディラン・ウェンゼル-ホールズ3(13分、17分、33分)
⚽️ペラ:ルシアーノ・ゴイコチェア(22分)、クレイトン(60分)、アディレト・カニェベコフ(67分)
MOM:ディラン・ウェンゼル-ホールズ(ペナンFC)


2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第18節終了)
順位チーム勝点
1JDT1749161063756
2SEL17381223301713
3SAB162992532257
4TRE152466320164
5KCH152156421201
6PDRM17215662023-3
7*KDA17206561727-10
8PRK17195482531-6
9#KLC161772725223
10SRP15153661824-6
11PEN17153681829-11
12NSE16923111637-21
13KDN17721141243-31
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第18節終了)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT23
2パウロ・ジョズエKLC11
3ルシアーノ・ゴイコチェアPRK9
ロニー・フェルナンデスSEL8
アルヴィン・フォルテスSEL8
イフェダヨ・オルセグンPDRM8
7アリフ・アイマンJDT7
8ヘベルチ・フェルナンデスJDT6
ジョアン・ペドロSAB6
ジョーダン・ミンターKCH6
ロドリゴ・ディアスPEN6
12クパー・シャーマン他4名SRP5
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC