11月1日のニュース<br>・今月のFIFAデイズでマレーシアはラオス、インドと対戦<br>・U17アジアカップ予選:ラオスと引き分けたマレーシアは未勝利のまま予選敗退<br>・リーグ2位スランゴールのニザム・ジャミル監督が辞任

今月のFIFAデイズでマレーシアはラオス、インドと対戦

マレーシアサッカー協会(FAM)は今月11月10日から18日までのFIFA国際マッチカレンダー(FIFAデイズ)で、マレーシア代表が既に発表されていたインド代表戦に加え、ラオス代表とも対戦することを発表しています。

10月のFIFAデイズでは、ニュージーランド代表との対戦の他は、他のオセアニア連盟所属の他国代表とは試合を組むことができず、結局、前浦和レッズの酒井宏樹選手が所属するオーストラリア1部リーグに所属するオークランドFCと練習試合を行なっています。

11月のFIFAデイズは、インドとの対戦は9月下旬に発表されるなど早々と決まっていたものの、年末に控える東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」前の最後の代表戦実施機会は、モルディブ、アフガニスタン、ブータンなどの代表チームが対戦相手して名前が挙がっては消え、結局、同じAFF所属のラオスとの対戦に落ち着いています。

なお、この試合は11月14日にラオスサッカー協会主催で行われますが、ラオスの首都ビエンチャンにあるニュー・ラオス国立競技場ではその日に2026W杯アジア3次予選の朝鮮民主主義人民共和国対イランの会場として使用されること、またラオスは11月17日にタイのタマサート・スタジアムでタイ代表との対戦が控えていることから、試合会場はタイのバンコクにあるPATスタジアムで行われます。

またインド戦は当初は11月19日に予定されていましたが、FAMは1日早まり11月18日にテランガーナ州ハイデラバードのガンティ・モハナ・チャンドラ・バラヨギ・アスレチック・スタジアム(長い!)で開催されることも発表されています。マレーシア代表はタイでのラオス戦後、直接、インド入りするということです。

先週の10月24日に発表された最新のFIFAランキングでは、マレーシアが133位であるのに対し、インドは125位、ラオスは187位となっています。

U17アジアカップ予選:ラオスと引き分けたマレーシアは未勝利で予選敗退

AFC U17アジアカップ2025年大会予選H組の最終節がラオスのビエンチェンにあるニュー・ラオス国立競技場で行われ、マレーシアU16代表はラオスU16代表と対戦して2−2で引き分けて、通算成績を1分1敗とし、予選敗退が決まっています。

レバノンU16代表が出場を辞退し、アラブ首長国連邦(UAE)、マレーシア、ラオスの3ヵ国の対戦となったH組は、初戦でUAEがマレーシアを2−0で破り首位に立つと、続くラオス戦でも5−2と勝利して、早々と予選突破を決めていました。そしていずれも1敗同士の対戦となったマレーシア対ラオス戦は、各組の2位チームのうち、成績上位5チームに与えられる出場資格を賭けての争いとなるはずでした。

試合は11分にアラヤン・ハキーム(ジョホール・ダルル・タジムFC U19)のゴールでマレーシアが先制するも、21分にはPalindeth Phettakounh(ラオス1部マスター7FC U18)、33分にはPhayak Siphanom(タイ2部チャイナート・ホーンビルFC U18)にそれぞれゴールを許して逆転されてしまいます。そして後半の66分にナキフ・フィルハド(モクタル・ダハリ・アカデミー)のゴールで追いつくのが精一杯。ラオスと勝点1を分け合ったマレーシアは予選敗退が決定しています。

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マレーシアの直近の年代別大会の予選および本選の結果は以下の通りです。
U23アジアカップ2024年大会:本大会出場(0勝3敗でグループステージ敗退)
U20アジアカップ2025年大会:予選敗退(最終戦でスリランカと引き分けで出場を逃す)
U17アジアカップ2025年大会:予選敗退
なお、同じ東南アジアサッカー連盟(AFF)所属のタイ、インドネシアは上記の3大会全てで本選に出場、ベトナムはU23とU17アジアカップに出場を決めています。年代別代表がなかなか結果を出せない中で、A代表に帰化選手を増やして強化しようというFAMは、マレーシア以上に帰化選手でA代表を強化しているインドネシア代表が年代別代表でも全て本選出場を果たしている事実から学ぶことが大いにありそうです。

リーグ2位スランゴールのニザム・ジャミル監督が辞任

スランゴールFCは10月30日にクラブ公式SNS上でニザム・ジャミル監督の即時辞任を発表しています。後任にはアブディ・ハサン コーチが暫定監督となることも発表されています。

44歳のニザム前監督は今季開幕前にタイのクラブ監督就任を理由に辞任したタン・チェンホー氏の後任として、今季からスランゴールの指揮を取り、11勝1分で首位を走るジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に次ぐ8勝2分3敗のリーグ2位に付けています。また今季最初のカップ戦、マレーシアFAカップでは決勝に進出し、そこではJDTに0−5で大敗しています。また今季出場しているACL2では、ここまで2勝1分で予選グループ首位となってます。

その一方で10月27日に行われたマレーシアスーパーリーグ第14節では首位のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)と対戦して0−3で敗れ勝点差が8と開き、FAカップ決勝と合わせて2敗している他、第13節ではPDRM FCと引き分けるなど、不安定な戦いから、一部サポーターからは退陣要求の声も出ており、ニザム・ジャミル監督のイニシャルを使った「ハッシュタグ#NJOUT」も拡散し始めていました。

なおその後任には外国籍監督の招聘が有力とされており、一部では前ベトナム代表監督のパク・ハンソ氏も候補に上がっているとの報道もあります。

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マレーシアスーパーリーグ第13節では、アディショナルタイムに失点してPDRM FCと引き分ける一方で、主力組ではないとしながらも、ムアントン・ユナイテッド(タイ)とセブFC(フィリピン)に大勝した全北現代モーターズを破り、その後はまたJDTに乾杯するなど、アップダウンの激しいシーズンを送っているスランゴールFC。タン前監督の突然の辞任を受け、開幕前に急遽就任したニザム氏は、若い選手を育てながらも、リーグ2位を維持している点はもっと評価されても良かったはず。もしスランゴールFCの経営陣が2位に満足せず、今季優勝を狙うつもりでいたのだとしたら、それは明らかに人選ミス。ニザム氏にそもそも監督をさせるべきではなかったし、監督として実績のある人物を据えれば良かった。しかし敢えてニザム氏に監督要請し、しかも4シーズン連続でキャプテンを務めていたブレンダン・ガンまで放出したということは、今季は若いチームへと刷新し、来季以降にJDTにチャレンジできるチームづくりをする方針と私は捉えていました。そしてこの仮定が正しいとすれば、ニザム氏への批判の声が上がっても、クラブが矢面に立って擁護すれば、ニザム氏は辞任しなかったでしょう。しかし。おそらくはクラブにはニザム監督を支援する姿勢がなかった、少なくともニザム監督にはそれが感じられなかったことからの辞任、ということなのでしょう。

方針を明確に示せないトップでは万が一、パク・ハンソ氏が監督になったとしても、何も変わらないでしょう。これがスランゴールFCを暗黒時代に引き戻すきっかけにならないことを祈りたいです。