2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第12節の結果とハイライト映像(2)・監督交代のトレンガヌはボニーラが初ゴールも効果なく引き分け

日程が変更されていたマレーシアスーパーリーグ第12節のトレンガヌFC対PDRM FCの試合が10月4日に行われています。その数日前にトミスラフ・シュタインブリュックナー監督との契約解除を発表したトレンガヌFCでしたが、いわゆる「監督交代ブースト」とはならなかったようです。

また10月5日にペラ・スタジアムで予定されていた第9節のペラFC対ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)の試合は、豪雨によりピッチコンディションが劣悪となったため、順延されています。午後8時15分キックオフの予定だった試合は、両チームが試合前のウォームアップを行なった後、雨が激しくなり、結局、9時15分に中止が決定しました。なおこの試合は当初は8月17日に予定されていましたが、この時も豪雨の後でピッチにに水が浮く状態であったために延期されていました。

ちなみにSNS上では、試合中止決定が正式に発表される前にJDTの選手を乗せたバスがスタジアムを後にする様子とされる写真などもアップされており、ペラFCサポーターからはJDTとリーグを運営するMFLへの批判などが出ています。

監督交代のトレンガヌはボニーラが初ゴールも効果なく引き分け

トレンガヌFCにとっては、トミスラフ・シュタインブリュックナー前監督との契約を解除した後の初の試合は、先制しながらもそのリードを守りきれず引き分けに終わっています。

前半からホームのトレンガヌが優勢に試合を進めるも、PDRMの守備が耐え、後期を活かせない展開が続く中、今季途中に加入し、この試合が出場3試合目となったエルサルバドル代表FWネルソン・ボニーラが移籍後初ゴールを決めます。右サイドからのアキヤ・ラシドのシュートはPDRMのGKブライアン・シーがパンチングで防ぐも、その弾いたボールをボニーラが押し込んで44分にトレンガヌが先制します。

後半に入るとペースを上げたPDRMが53分に追いつきます。右サイドからのちょー・ミン・ウーのコーナーキックはファーサイドのアリフ・ナジミがゴール前へ折り返し、これをさらに鈴木ブルーノ選手が後方へ流すと、そこに走り込んできたチディ・オスチュクウがこれを押し込んでこちらも今季初ゴールとし、PDRMは試合を振り出しに戻します。3試合ぶりのホームでの勝利を目指すトレンガヌは、再逆転を目指すも得点に至らず、バドロル・アフザン・ラザリ暫定監督就任後の初戦は、結局、引き分けに終わっています。この引き分けでトレンガヌは3位と変わりませんが、PDRMは7位から5位と順位を上げています。

試合後の会見でPDRMのP・マニアム監督は、昨季以上の成績を目指し、できれば上位6チーム以内に入ることが今季の目標と語っています。昨季は8位に終わったPDRMですが、今季はほぼ半分の第12節を終えた時点で1位のジョホール・ダルル・タジム(JDT)と2位のスランゴール以下は混戦になっており、現在は3位のトレンガヌFCから勝点差3以内に4チームが、勝点差6以内には7チームがひしめいていることから、6位以内というのは十分に狙える目標です。この試合はリーグ4位の5ゴールを挙げ、現在チーム得点王のイフェダヨ・オルセグンがベンチ入りするも、ケガのため出場はありませんでした。次節第13節、10月19日のホームでのスランゴール戦には復帰予定とのことです。

MSL2024/25 第12節
2024年10月4日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 1-1 PDRM FC
⚽️トレンガヌ:ネルソン・ボニーラ(44分)
⚽️PDRM:チディ・オスチュクウ (53分)
🟨トレンガヌ(1)、🟨PDRM(2)
MOM:フェイス・フライデー・オビロール(PDRM FC)
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発して、1アシストを記録し、85分に交代しています。

2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第12節途中)
順位チーム勝点
1JDT1131101041635
2SEL112581221813
3TRE111745215123
4PRK101550515132
5PDRM11154341216-4
6KCH11143531416-2
7SAB10144241315-2
8#KLC111152419136
9SRP11112541418-4
10PEN11112541319-6
10*KDA1093341019-9
12KDN116209827-19
13NSE1151281225-13
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第12節途中)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT14
2ロニー・フェルナンデスSEL8
3パウロ・ジョズエKLC7
4ジョーダン・ミンターKCH5
イフェダヨ・オルセグンPDRM5
クパー・シャーマンSRP5
ジャック・フェイNSE5
ルシアーノ・ゴイコチェアPRK5
5ヘベルチ・フェルナンデスJDT4
ステファノ・ブルンドSRP4
ロドリゴ・ディアスPEN4
6チェチェ・キプレ他12名KCH3
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハン、PEN-

10月6日のニュース・今月のニュージーランド戦へ向けて代表合宿参加メンバー27名発表・トレンガヌFCはトミスラフ・シュタインブリュックナー監督との契約を解除も事実上「解任」・トレンガヌFCは昨季在籍のアディサク・クライソーンの未払い給料に関する噂を否定・チーム公式SNSでのストリーム配信がリーグ規定抵触のクランタンに罰金処分

スランゴール州のスルタン、スルタン・シャラフディン殿下とジョホール州摂政のトゥンク・イブラヒム殿下が会談したことが報じられ、話題の一つにサッカーが上がったようです。シャラフディン殿下はスランゴールFCの後援者、イスマイル殿下はジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーと、現在のマレーシアサッカーを牽引する二大チームに関わる両皇族は対抗意識はピッチ上でのみとし、相互に対する敬意と結束こそが優先されるべきという点で意見が一致したようです。

近年のマレーシアサッカーでは圧倒的な強さを誇るJDTと、かつての輝きを徐々に取り戻しつつある古豪スランゴールの対戦は、両チームのサポーターが最も熱くなるマッチアップです。今季の開幕戦ではJDTのホーム、スルタン・イプラヒム・スタジアムで対戦する予定だった両チームですが、ファイサル・ハリムへの酸攻撃でスランゴールが出場辞退し、JDTの不戦勝となっています。そして後半戦初戦となる第14節、今月10月27日にはスランゴールのホーム、MBPJスタジアムでこの両チームが激突します。なお今季は既にFAカップ決勝で対戦している両チームは、JDTがスランゴールを6−1と一蹴しています。現在、首位JDTを勝点差6で追う2位スランゴールは、この試合で勝点差を詰めることができなければ、JDTのリーグ11連覇がほぼ決まってしまうだけに、リーグの灯を消さないためにも意地を見せて欲しいところです。

今月のニュージーランド戦へ向けて代表合宿参加メンバー27名発表

マレーシア代表はニュージーランド代表と10月14日にオークランドのノース・ハーバー・スタジアムで対戦します。チームは本日10月6日にニュージーランドへ出発し、試合までの1週間は現地で代表合宿を行いますが、その参加メンバー27名が発表になっています。

P氏名年齢所属
GKシーハン・ハズミ28JDT
ハジック・アイマン19
アジム・アル=アミン23SEL
アズリ・ガニ25KLC
DFマシュー・デイヴィーズ29JDT
フェロズ・バハルディン24JDT
ラヴェル・コービン=オング33JDT
サフワン・マズラン22TRE
アザム・アズミ23TRE
ドミニク・タン27SAB
ダニエル・ティン32SAB
ハリス・ハイカル22SEL
アディブ・ラオプ25PEN
ディオン・コールズ28BRU
MFスチュアート・ウィルキン26SAB
ノーア・レイン22SEL
ハイカル・ダニシュ13SEL U23
シャミ・クティ27PEN
エンドリック29HCM
FWアリフ・アイマン22JDT
ロメル・モラレス27JDT
サファウィ・ラシド27TRE
アキヤ・ラシド25TRE
ダレン・ロック34SAB
パウロ・ジョズエ35KLC
ハキミ・アジム21KLC
シャフィク・アフマド29KDA
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PEN-ペナンFC
KDA-クダ・ダルル・アマンFC、BRU-タイ1部ブリーラム・ユナイテッド
HCM-ベトナム1部ホーチミンシティ

先月9月のムルデカ大会からチームの指揮を取るパウ・マルティ暫定監督は、ムルデカ大会出場メンバー26名中23名を再び招集しています。今回はGKカラムラー・アル=ハフィズ(スランゴールFC)、MFアフィク・ファザイル(JDT)、MFザフリ・ヤーヤ(KLシティFC)の3名が外れ、代わりにMFスチュアート・ウィルキン(サバFC)、GKアジム・アル=アミン(スランゴールFC)、そして先月行われたAFC U20アジアカップに出場したU19代表のハジク・アイマン(JDT U23)とMFハイカル・ダニシュ(スランゴールFC U23)の4名が選ばれています。

また以下の11名がスタンバイメンバーとしてリストアップされています。

P氏名年齢所属
GKハジク・ナズリ26PRK
DFデクラン・ランバート26KLC
シャールル・サアド31JDT
シャルル・ナジーム25SEL
ジクリ・カリリ22SEL
ウバイドラ-・シャムスル21TRE
MFザフリ・ヤーヤ30KLC
ナズミ・ファイズ30JDT
ブレンダン・ガン36KLC
エゼキエル・アグエロ30SRP
ファーガス・ティアニー21CHB
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SEL-スランゴールFC
TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PRK-ペラFC、SRP-スリ・パハンFC
CHB-タイ2部チョンブリーFC
トレンガヌFCはトミスラフ・シュタインブリュックナー監督との契約を解除も事実上「解任」

トレンガヌFCはチーム公式SNS上で声明を発表し、トミスラフ・シュタインブリュックナー監督とチームの間で契約解除の合意に至ったことを明らかにしています。シュタインブリュックナー監督の後任には、バドルル・アフザン コーチが監督代行に就任、ハイルディン・オマル コーチがそのサポートを務め、今季の残り試合に臨むことも発表されています。

シュタインブリュックナー氏は、2015年に当時のTチーム、現在のトレンガヌFC IIの監督を務めた後、一旦は母国クロアチアに戻り、そこで指導者を務めていました。しかし2022年シーズンに14勝2分6敗でジョホール・ダルル・タジムFCに次ぐ2位に終わったチームは、なぜか当時のナフジ・ザイン監督(現クダ・ダルル・アマン監督)との契約を更新せず、このシーズンからチームのテクニカル・ダイレクターを務めていたシュタインブリュックナー氏を新監督に起用しました。しかし2023年シーズンのトレンガヌFCは11勝7分8敗で6位と、前年より成績を下げて終わり、今季2024/25シーズンもここまで順位は3位ですが、3勝5分2敗で2位スランゴールとは勝点差11と大きく引き離されていました。

サポーターからは、シュタインブリュックナー監督への批判が強まっていた中で、9月28日にホームで2位スランゴールFCとの直接対決に敗れたことで、経営陣は「選手、サポーター間の関係を良好に保つため、勝つチームのイメージ維持のため、総合的に判断した結果(トレンガヌFCの発表より抜粋)」、今回の発表に至ったということです。

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同意による契約解除とされていますが、事実上は「解任」されたに近いシュタインブリュックナー前監督にとって不運だったのは、昨季チーム総得点の4分の1に当たる11ゴールを挙げたFWイヴァン・マムートがプレシーズンマッチで左アキレス腱を痛め、開幕から欠場が続いたこと。この結果、第10節を終えてチーム得点は14とリーグ5位タイ、1点差以内の試合については1勝5分1敗と勝ち切れなかったことが、現在の成績につながっています。

トレンガヌFCは昨季在籍のアディサク・クライソーンの未払い給料に関する噂を否定

トレンガヌFCはチーム公式SNS上で声明を発表し、昨季2023年シーズンに在籍した元ダイ代表FWアディサク・クライソーンへの給料未払いについては、未払いとなっているのは数十万リンギではなく、数万リンギであるとし、SNS上での噂を否定しています。

現在はタイ2部カセサートFCでプレーしているアディサクは、タイ代表でも21ゴールを挙げているストライカーですが、昨季はトレンガヌFCで3ゴールとやや期待はずれに終わり、1シーズンで退団しています。そんなアディサク選手については、トレンガヌFCからの給料が一部未払いになっており、FIFAから処分を課される可能性が出ているという噂がSNSを中心に流布していました。そしてその額は数十万リンギ(1リンギはおよそ34円)に及ぶとされていました。

これに対してトレンガヌFCの声明では、未払いとなっているのは昨季12月分の給料で、その額は数十万リンギではなく数万リンギであり、未払いの内容はトレンガヌFC在籍中に住んでいた家の家賃や自家用車としてあてがわれていた車の使用料、タイとマレーシア間の航空券などに当たると説明しています。さらにトレンガヌFCはFIFAから8月31日付で未払い給料を45日以内に支払うようにという「指導」を受けていたことも明らかにし、チームはその期限である10月15日までに支払いを終える予定だとしています。

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複数のクラブで給料未払い問題が発生していることは、このブログで嫌になる程取り上げていますが、これまでそういった噂のなかったトレンガヌFCでも怒っていたのかと考えると、あらためのマレーシアサッカー界の給料未払い問題の浸透具合と根深さはすぐに解決できそうもないことがわかります。

チーム公式SNSでのストリーム配信がリーグ規定抵触のクランタンに罰金処分

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、チーム公式Facebook上でストリーミング配信を行なったクランタン・ダルル・ナイムFCに対して、5000リンギ(およそ18万円)の罰金処分を課すことを発表しています。またMFLはクランタン・ダルル・ナイムFCに対して、今後同様の違反があればより厳しい処分欠かされると厳重注意も行なっています。

MFLによると、チームによる試合のストリーミング配信は、国内衛星放送局アストロ(ASTRO)と、公営放送局のラジオ・テレビ・マレーシア(Radio Television Malaysia、通称RTM)にのみ与えられているマレーシアスーパーリーグの試合の放映権の侵害にあたり、MFLの規定で禁止されているということです。

MFLのジョルジオ・ポンピリCEOは、マレーシアスーパーリーグの商業的価値を守ることの重要性を強調し、放映権は各チームにとって重要な収入源になっていると説明しています。また、各チームのサポーターに対して正規の放映権を持つアストロとRTMによるストリームングや放映を視聴するよう強く求めるとともに、違法な配信についてはこれを視聴しないようにとも訴えています。”We are disappointed by the ongoing promotion of illegal broadcasts and hope this issue will not arise again.”