9月27日のニュース・アセアンクラブ選手権:KLシティは辛勝も開幕2連勝

東南アジアサッカー連盟(AFF)クラブ選手権「ショッピーカップ」2024/25の予選B組の第2節が行われ、マレーシアから出場しているKLシティFCは、インドネシアのボルネオFCサマリンダとホームで対戦し、試合終盤に挙げたゴールを守り切り、開幕から2連勝を記録しています。

昨季2023/24シーズンのインドネシア1部リーグでは、リーグ戦では2位のブルシブ・バンドンに勝点差8をつけて優勝したボルネオFCサマリンダは、昨季新設されたリーグ戦上位4チームが出場するチャンピオンシップシリーズでは、勝点差15でリーグ4位のマドゥラ・ユナイテッドに通算成績2−4でまさかの敗戦。結局、このチャンピオンシップシリーズで勝利したプルシブ・バンドンが昨季のリーグ王者となりACL2出場権を獲得、ボルネオFCはACL2の下に新設されたAFCチャレンジリーグの出場資格もマドゥラ・ユナイテッドに奪われて、このAFFクラブ選手権出場となっています。

しかし、先月8月に開幕した2024/25シーズンでは、ボルネオFCは開幕からの6試合を4勝2分とスタートダッシュに成功し、現在2位につけています。またアセアンクラブ選手権でも8月22日に行われたB組第1節ではシンガポールから出場のライオン・シティ・セイラーズFCをレオ・ガウショの2ゴールなど3−0で破り、こちらも好発進しています。

一方のKLシティは、今季リーグ戦はここまで4勝2分4敗という成績ですが、今季は給料未払い問題やクラブライセンス申請の際の虚偽報告などで勝点6の剥奪処分を科せられており、本来なら4位の成績であるところが、勝点を剥奪された結果、現在は11位となっています。しかし2021年マレーシアカップ優勝、2022年AFCカップ(現ACL2)準優勝、2023年FAカップ準優勝、とカップ戦では無類の強さを見せるKLシティも、アセアンクラブ選手権の初戦では、日本人選手3名を擁するカヤFCイロイロ(フィリピン)を1−0で破っています

前日に行われた試合前会見では、KLシティのミラスロフ・クリヤナッチ監督が、同じクロアチア出身で、前KLシティ監督、昨季はプルシブ・バンドンをリーグ優勝に導いたボヤン・ホダック監督から、ボルネオFCについての情報は得ていると自信を示し、またオーストラリア出身DFジャンカルロ・ガリフオコが、現在6試合で10ゴールを挙げているボルネオFCは(2022年AFCカップ東南アジアラウンドで対戦した)PSMマカッサルよりも強いだろうと、ホーム開催ながら警戒感を高める発言をしたのに対し、ボルネオFCのブルンジ出身DFクリストフ・ヌドゥワルギラは、初戦に続いて勝点3を獲得しに来たと話すなど、試合前から両チームが火花を散らしていました。

下はこの試合の両チームの先発XI。KLシティは9月21日のスーパーリーグ、ペラFC戦でベンチ外だったパウロ・ジョズエが戻るなどベストメンバーで、一方のボルネオFCは2021年シーズンにジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のセカンドチームJDT IIでプレーした廣瀬慧選手の名前が見えます。28歳の広瀬選手はボルネオFCサマリンダでは今季が4シーズン目で、今季6試合を含めて73試合に出場。JDT II移籍前に在籍したプルシラ・ラモンガンを含めるとインドネシアリーグは5シーズン目となり、リーグ通算107試合出場という選手です。

試合はお互いを探り合うようにスタートしますが、先にペースを掴んだのはボルネオFCでした。中盤でパスを繋いで好機を伺いますが、KLシティのDF陣が厳しくチェックしボールをゴール前まで持ち込ません。その後はKLシティもペースを上げて、両チームが中盤で激しくぶつかり合いますが、ともにシュート機会を作ることができず、前半は両チーム無得点で終了します。

後半も同様の展開が続き、カウンターの応酬となる中、ついに均衡が破れます。いずれも途中交代のショーン・ジネリからザフリ・ヤハヤと右サイドで繋いだボールがゴール前に。これをブレンダン・ガンがダイレクトで押し込んで、KLシティに待望の1点をもたらします。その後のボルネオFCの猛攻を防ぎ切ったKLシティがこの1点を守り切り、開幕からいずれも1−0の僅差の試合で2連勝を果たています。

AFFクラブ選手権B組第3節は来年1月9日に予定されており、KLシティはアウェイでシンガポールのライオン・シティ・セイラーズと対戦します。

東南アジアサッカー連盟(AFF)クラブ選手権 A組第2節
2024年9月26日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティFC 1-0 ボルネオFCサマリンド
⚽️KLシティ:ブレンダン・ガン(77分)
MOM:ブレンダン・ガン(KLシティFC)
ボルネオFCサマリンダの広瀬慧選手は先発してフル出場しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。

またB組第2節の他の試合の結果と、第2節終了時点の順位は以下の通りです。なおB組の第3節は来年2025年の1月9日に行われます。1月9日のカードは、ライオン・シティ・セイラーズFC対KLシティFC、カヤFCイロイロ対ハノイ公安FC、ブリーラム・ユナイテッド対ボルネオFCサマリンダ(いずれも左がホーム)となっています。

B東南アジアサッカー連盟(AFF)クラブ選手権 B組第2節
2024年9月26日@チャン・アリーナ(タイ、ブリーラム)
ブリーラム・ユナイテッド 7-0 カヤFCイロイロ
⚽️ブリーラム:ルーカス・クリスピム3(9分、50分、52分)、スパチャイ・ジャイデッド(15分)、アティット・バーグ(77分)、セクサン・ラトリー(84分)、クリゴール(90+1分PK)
MOM:ルーカス・クリスピム(ブリーラム・ユナイテッド)
日本人の星出悠監督が指揮を取るカヤFCイロイロは、駒木秀人、山崎海秀、斎藤彰人の日本人3選手が先発してフル出場しています。

この試合のハイライト映像。アセアン・ユナイテッドFCのYouTubeチャンネルより

東南アジアサッカー連盟(AFF)クラブ選手権 B組第2節
2024年9月26日@ハンダイ・スタジアム(ベトナム・ハノイ)
ハノイ公安FC 5-0 ライオン・シティ・セイラーズ
⚽️ハノイ公安:レオ・アルトゥール3(30分、69分、86分)、グエン・ディン・バック(60分)、レ・バン・ドー(66分)
MOM:レオ・アルトゥール(ハノイ公安FC)

この試合のハイライト映像。アセアン・ユナイテッドFCのYouTubeチャンネルより

AFFクラブ選手権 B組順位表(第2節終了)

勝点
1ハノイ公安FC22007166
2KLシティFC22002026
3ブリーラムU21018263
4ボルネオFC21013123
5カヤFCイロイロ200208-80
6ライオンシティセイラーズFC200208-80