成田恵理、中山未咲両選手加入のサバFAが女子ACL本戦出場を決める
AFC女子チャンピオンズリーグ(女子ACL)予選C組の最終戦が行われ、MF成田恵理(前WEリーグ長野パルセイロレディース)、MF中山未咲(前なでしこリーグ2部大和シルフィード)両選手が加入したサバFAは、PFCナサフ(ウズベキスタン)を2-1で破っています。この結果、予選C組はサバFAが1勝1分で勝点4、PFCナサフは1勝1敗で勝点3、APF FC(ネパール)は2敗で勝点0となり、サバFAが予選C組1位となっています。これによりサバFAは女子ACL2024/25本選への出場が決定し、中国が開催地となるグループステージA組で武漢江漢大学(中国)、仁川現代製鉄レッドエンジェルズ(韓国)、そして予選A組1位のと同組となることも決定しています。
この女子ACLでは6名の外国籍枠があり、昨季のマレーシア国内女子リーグチャンピオンとして出場するサバFAは、マレーシア女子代表のキャプテンDFシュテフィ・サルジ・カウル、同じく代表のFWインタン・セラーとGKヌルル・アズリン・マズランの加入に加えて、ミャンマー女子代表FWウィン・テインギ・トゥン(ヤンゴン・ユナイテッドFCから加入)、そして成田恵理、中山未咲両選手を獲得しています。
予選の初戦となった8月28日のAPF FCとの対戦では0−0と引き分けているサバFAは、同じ相手に1−0と勝利していたPFCナサフとの対戦となったこの試合では、勝利以外にこの予選C組突破の道はありませんでした。
サバFAのジャスティン・ガナイ監督は、引き分けたAPF FC戦からはジャシア・ジュミリスとウスリザ・ビンティ・ウスマンに代わりハインディー・マスローとヘンリエッタ・ジャスティンを先発XIに起用しています。
前半からPFCナサフが優勢で試合が進む中、GKヌルル・アズリンは何度も好セーブを連発して得点を許さず、両チーム無得点の状況が続きますが、32分に試合が動きます。ミャンマー代表のウィン・テインギ・トゥンが相手DFをかわし、GKの逆をつく先制ゴールを決めて、ついにサバFAがリードを奪います。さらに44分にはシュテフィ・サルジ・カウルのフリーキックをゴール前で捕球し損ねたPFCナサフGKと、このボールに詰めたヘンリエッタ・ジャスティンが交錯、サバFAはPKを得ます。成田恵理選手が蹴ったPKは相手GKにはじかれたものの、このボールに詰めていたウィン・テインギ・トゥンがこれを押し込んでこの試合2点目を決め、サバFAはリードを広げて前半を終了します。
後半に入るとPFCナサフが好機を作り、サバFAが自陣に押し込まれる場面が多くなりますが、GKヌルル・アズリンを中心に粘り強く守り、失点を許しません。しかし残り10分辺りからはPFCナサフの猛攻が続き、88分にはコーナーキックからアルヴィン・エマ・ンゴンジャにヘディングシュートを決められて2-1とサバFAのリードは1点となります。
この試合が引き分けならば1位突破となるPFCナサフはさらに激しく攻めますが、全員でゴール前を固めたサバFAの守備を崩すことができないまま試合が終了し、最高のパフォーマンスを見せたサバFAが、マレーシアの女子チームとしては初めてアジアの舞台に立つことになりました。
ジョホールがACLEに向けてさらに新戦力獲得-今度は前コロンビアU20MFが加入
今月18日から始まるACLエリート(ACLE)に向けて、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が更なる戦力補強を発表しています。今回は前コロンビアU20代表のホルヘ・ブレゴンをクロアチア1部のHNKリエカから獲得しています。クラブ公式SNSで加入が発表された27歳のオブレゴン選手は、2021年からの3シーズンをHNKリエカでプレーし、今季のUEFAヨーロッパリーグ予選にも出場しています。
8月26日から開いている今季2度目のトランスファーウィンドウで、JDTは既に韓国出身のセンターバック、パク・ジュンホン(タイ1部ラーチャブリーFCから加入)、スペイン出身でマレーシア人の血を引くGKクリスチャン・アバド(スペイン2部エルチェCF U19から加入)、フランス出身のMFエンゾ・ロンバルド(スペイン2部SDウェスカから加入)、アゼルバイジャン代表MFエディ・イスラフィロフ(アゼルバイジャン1部ネフチ・バクー)を既に獲得しており、このブレゴン選手が5人目の新戦力となっています。
外国籍選手枠渋滞中のジョホールがフランシコ・ジェラルディスをスペインクラブへローン
上のニュースでも取り上げたように、ACLエリートに向けて現在開いているトランスファーウィンドウで積極的な補強を行っているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、今季開幕前に獲得したAMFフランシスコ・「チコ」・ジェラルディスがスペイン2部のCDエルデンセへローン移籍することを発表しています。
ポルトガル年代別代表でもプレーしたジェラルディス選手は今季開幕前にアラブ首長国連邦(UAE)1部のバニーヤースSCから加入しましたが、昨季からJDTでプレーするフアン・ムニスが絶好調なこともあり、今季のマレーシアスーパーリーグ第9節を終えて5試合に出場(先発4試合)し、0ゴール1アシストの記録を残しましたが、ポジション争いに敗れた結果、新戦力のために外国籍選手枠を空けるための移籍となりました。
JDTは既に、アルゼンチン生まれのシリア代表MFジャリル・エリアスをアルゼンチン1部のCAベレス・サルスフィエルドへローン移籍させている他、過去3シーズンで40試合に出場し34ゴールを挙げたFWフェルナンド・フォレスティエリの退団も発表しています。またフォレスティエリ選手とイタリア年代別代表でともにプレー経験があるFWニコラオ・ドゥミトルに至っては、タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから移籍しながら、トップチームでは一度も出場することなく、先月からインドネシア1部のPSSスレマンにy針ローン移籍となっています。
FAカップでは4ゴールを挙げるなど、シーズン前の高い評判の片鱗は見せたジェラルディス選手ですが、同じAMFフアン・ムニスがここまでリーグ戦、カップ戦全てに先発し12試合で6ゴール7アシストと絶好調なこともあり、半年も経たずに移籍となってしまいました。
今季不振のクダサポーターがナフジ監督に退任を求める
FIFA国際マッチカレンダーにより、第9節を終えて現在中断しているマレーシアスーパーリーグですが、リーグ8位のクダ・ダルル・アマンFCはインドネシア1部のマルク・ウタラ・ユナイテッド(マルト・ユナイテッド)を招いて「ヌサンタラ・チャレンジ2024」と称する親善試合を行っています。
試合はマルト・ユナイテッドが19分にG大阪ジュニアユース出身で今季からマルト・ユナイテッドでプレーする永松達郎選手がゴールを決めて先制しますが、クダもミロシュ・ゴルディッチが40分にゴールを決めておいつきます。しかし後半には、米国年代別代表の経験を持つビクター・マンサレーとディエゴ・マキシモ・マルティネスの両FWがゴールを決めたマルト・ユナイテッドが3-1と勝利を収めています。
この試合結果を伝えたマレーシア語紙のマジョリティーによれば、試合後はクダのナフジ・ザイン監督に対して退任を求めるチャントなども聞かれた他、試合後のチーム公式メディアでも同様の投稿が見られたと伝えています。
今季はここまで3勝2分3敗ながら、選手に対する給料未払い問題の解決が遅れたことで開幕前に勝点3を剥奪されているクダは、開幕後も給料遅配が怒っているとも言われており、今季の不安定な戦いぶりをナフジ監督1人の責任とするのは違うような気がしますが、貴重な戦力だった司令塔MFハビブ・ハルーンが現在開いているトランスファー・ウインドウで退団するなど、チーム状況は今後、さらに厳しくなりそうで、それに伴いサポーターからの風当たりも強くなりそうです。