7月31日のニュース・リーグ最高価値を持つエリアスは退団か・ACLエリート出場のジョホールはトランスファーウィンドウ前に積極的な補強を早くも開始

日本では現在、渡航中止勧告が出されているロシアを訪れたことでニュースになっていますが、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は7月28日、そのロシア新興国の連合体BRICSへの加盟を正式に申請したことを自身のSNSで明らかにしています。また同じ7月28日にはマレーシアを訪問中のBRICS議長国、ロシアのラブロフ外相はアンワル首相と会談し、その席上でマレーシアのBRICS加盟を積極的に支持することを確約したということです。ウクライナ信仰により日本や欧米諸国との関係が悪化しているロシアですが、政治を度外視したサッカーファン的視点で言えば、ロシアとの関係強化により、以前このブログでも取り上げた10月のFIFAデイズでのマレーシア代表とロシア代表の対戦が実現するのではと期待してしまいます。

リーグ最高価値を持つジャリル・エリアスは退団か

今季1月にアルゼンチンのCAサン・ロレンソから鳴り物入りでジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)移籍してきたDMFジャリル・エリアスは、チーム合流前にシリア代表として1月のAFCアジアカップに出場したこともあり、チーム合流に遅れるなどの事情がありましたが、合流後もこれまで出場はわずか1試合にとどまっています。

27歳のエリアス選手は、Transfermrktではマレーシアスーパーリーグに所属する全ての選手の中で最も価値が高い300万ユーロ(およそ5億円)とされていますが、トップチームでの出場機会がなく、来月開くトランスファーウィンドウで放出されるのではといわれていました。

そんな中、JDTは7月28日にフランス出身27歳ののFWエンゾ・ロンバルドがスペイン2部のSDウェスカから加入することを発表しています。スペイン1部のRCDマジョルカやラシン・サンタンデールでもプレーしたロンバルド選手ですが、その背番号が7となることが発表されています。なお背番号7は今季、エリアス選手が付けていたものであることから、JDTから公式発表はないものの、エリアス選手が退団することが濃厚となりました。

ACLエリート出場のジョホールはトランスファーウィンドウ前に積極的な補強を早くも開始

マレーシアリーグの今年2度目のトランスファーウィンドウが開くのは来月ですが、リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、前述のFWエンゾ・ロンバルに加え、さらに2名の外国籍選手の獲得を発表しています。タイ1部ラーチャブリーFCからは韓国出身のCBパク・ジュンホンを、スペイン2部のエルチェCF U19からスペイン出身のGKクリスチャン・アバド・アマトがそれぞれ加入することを発表しています。

31歳のパク選手は、ポルトガル2部や3部でプレーした他、水原三星ブルーウィングス(韓国)、キッチーSC(香港)などでもプレーしています。2022/23シーズンからプレーするラーチャブリーFCでは通算64試合に出場しています。

パク選手の背番号は13と発表されていますが、Transfermarktによると契約は来月8月26日からとなっています。

またGKのアマト選手は18歳で、JDTには珍しく即戦力ではなく育成目的での獲得のようです。アマト選手はスペイン生まれながら、マレーシア人の血を引いているということで、将来的にはマレーシア国籍を取得することが考えられます。なお背番号は13となることが発表されています。

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1ヶ月ほど前にJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、8月26日に開く今年2度目のトランスファーウィンドウで新たに6名の選手を獲得する予定があると明らかにしていましたが、これでそのうちの3名が発表されたことになります。

マレーシアスーパーリーグは、各クラブが最大9名の外国籍選手を登録可能で、試合では同時に6名(無条件4名、アジア枠1名、アセアン東南アジア枠1名)がプレー可能で、この他に1名がベンチ入り可能です。またACLエリートやACL2に出場するクラブについては、最大で10名が登録可能です。

今季のACLエリートへの出場が決まっているJDTの外国籍選手は、FWベルグソン・ダ・シルヴァ(ブラジル)、FWフェルナンド・フォレスティエリ(アルゼンチン)、MFヘベルチ・フェルナンデス(ブラジル)、MFムリロ・エンリケ(ブラジル)、MFフアン・ムニス(スペイン)、MFフランシスコ・ジェラルディス(ポルトガル)、DFジョルディ・アマト(インドネシア)、DFオスカル・アリバス(フィリピン)、DFシェーン・ローリー(オーストラリア)、DFジャリル・エリアス(シリア)の10名ですが、この中で前述のエリアス選手の他、34歳のフォレスティエリ選手には中東の複数のクラブが関心を示していると噂があり、退団の可能性が高いとされています。