22024/25シーズンFAカップ準々決勝1stレグの結果とハイライト映像

スランゴール州スルタン、ジョホール州皇太子、国内リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)、そしてマレーシアサッカー協会(FAM)を巻き込んだ国内サッカーを揺るがす事態が発生する中、今季2024/25シーズンのマレーシアFAカップ準々決勝1stレグが6月28日と29日に行われています。注目は1回戦でスーパーリーグのPDRM FCを破った、3部のセミプロA1リーグ所属マレーシア大学チームですが、リーグ10連覇中の王者ジョホール・ダルル・タジムFCの壁は厚かったようです。なおFAカップ2ndレグは、7月5日と6日に開催される予定です。
*試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeより。

マレーシアFAカップ2024/25 準々決勝1stレグ
2024年6月28日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナンFC 0−1 クダ・ダルル・アマンFC
⚽️クダ:モハマド・ハスブラー(74分)
🟨ペナン(2)、🟨クダ(4)、🟥ペナン:ファイルズ・ザカリア(🟨x2)
MOM:ハビブ・ハルン(クダ・ダルル・アマンFC)

いずれもマレーシア北部にあるクダ州とペナン州に本拠地を持つ両チームの「北部ダービー」は、前週6/22のリーグ戦でも同じカードが組まれ、そのときはクダが1−0でペナンを破っていましたが、再戦となったこの日も同じスコアでアウェイのクダが先勝しています。

この試合唯一の得点は74分に生まれました。ペナンのペナルティーエリア正面やや左でFKを得たクダは、キャプテンのソニー・ノルデが直接、ゴールを狙いました。ペナンGKシーク・イズハンの正面に飛んだシュートはゴールを破れなかったものの、シーク・イズハンが捕球し損ねたボールを、これに詰めていたモハマド・ハスブラーが押し込んでゴールを決めています

クダはその4分後にも、左サイドのシュクロブ・ヌルラエフからパスを受けたファズルル・ダネルのクロスをエベネゼル・アシフアーが蹴り込みますが、VARのチェックが入り、このゴールは認められませんでした。

マレーシアFAカップ2024/25 準々決勝1stレグ
2024年6月29日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 4−0 サバFC
⚽️トレンガヌ:マヌエル・オット(9分)、イスマヒル・アキネード2(37分、45+3分)、マリン・ピルジ(42分)
🟨トレンガヌ(4)、🟨サバ(2)
MOM:ヌリーロ・トゥクタシノフ(トレンガヌFC)

トレンガヌが予想外とも言える大勝でサバを破り、準決勝進出に近づいています。

トミスラフ・シュタインブリュックナー監督が新型コロナ感染により不在な中、バドロル・アフザン・ラザリ コーチが代行として指揮を取ったこの試合は、開始9分でマヌエル・オットが先制弾を決めて、トレンガヌがりーどします。そして今季ここまでリーグ戦4試合で1ゴールの成績でサポーターから批判を受けていたFWイスマヒル・アキナーデが2点目を決めると、42分にはマリン・ピルジが3点目のゴールを、さらに前半ロスタイムには再びイスマヒル選手がこの試合2点目となるゴールを決め、前半だけで4ゴールのトレンガヌが、後半も優勢に試合を進めて、勝利しています。

マレーシアFAカップ2024/25 準々決勝1stレグ
2024年6月29日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
マレーシア大学FT 0−5 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️ラヴェル・コービン=オング(3分)、フランシスコ・ジェラルディス2(48分、62分)、シャールル・サアド(72分)、ロメル・モラレス(81分)
0🟨マレーシア大学(1)、🟨ジョホール(0)
MOM:フランシスコ・ジェラルディス(ジョホール・ダルル・タジムFC)

3部に当たるセミプロA1リーグのマレーシア大学(MUFT)がホームの試合は、昨季のFAカップ王者のジョホール・ダルル・タジム(JDT)の本拠地スルタン・イブラヒム・スタジアムで開催され、JDTが5−0と圧勝しています。

準々決勝からはホームアンドアウェイ方式ということもあり、JDTは外国籍選手はゼロ、マレーシア人選手のみが名を連ねた先発XIには、GKイズハム・タルミジ、DFシャーミ・サファリ、MFモハマドゥ・スマレ、MFサフィク・ラヒム、MFナチョ・インサ、そして今季から登録名をプテラ・ナデール・アマルハン・マデルナーと変更したDFジュニオール・エルドストールら今季初先発となるメンバーが半数以上を占めました。それでもこの「1.5軍」は早くも3分にラヴェル・コービン=オングのゴールで先制し、セミプロチームを圧倒します。

それでも自陣に引いて守る守備とGKアシュラフ・ファディルの奮闘もあり、MUFTの前半の失点はこの1点のみでした。

も後半開始とともにJDTのエクトル・ビドリオ監督は代表FWロメル・モラレスとMFフランシスコ・ジェラルディスを投入して、試合を決めにかかります。それに応えるように48分、60分とジェラルディス選手が、さらにシャールル・サアドが2013年のチーム創設以来通算1000得点となるゴールをヘディングで決めると、最後は81分にはロメル・モラレスがゴールを決めて、追加点を奪うと、そのままのリードを保って勝利しています。

マレーシアFAカップ2024/25 準々決勝1stレグ
2024年6月2日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 2−1 スランゴールFC
⚽️クチンシティ:ジェイムズ・オクゥオサ(45+7分)、ジョーダン・ミンター(64分)
⚽️スランゴール:ロニー・フェルナンデス(31分)
🟨クチンシティ(2)、🟨スランゴール(2)
MOM:ジョーダン・ミンター(クチンシティFC)

これがカップ戦!リーグ戦では今季まだ勝利がないクチンシティですが、この試合ではリーグ2位のスランゴールに逆転勝利しています。

先制したのはスランゴールでした、ここまでリーグ戦3試合出場で3ゴールを挙げているロニー・フェルナンデスがヨハンドリ・オロスコのFKからのこぼれ球を押し込んでゴール!しかし前半終了間際に左サイドでFKを得たクチンシティは、今季マレーシアスーパーリーグでプレーする最年少外国籍選手でブラジル出身の21歳、ルイス・フェルナンド・ウェルターがキッカーに。フェルナンド選手の蹴ったボールにジョーダン・ミンターが頭で合わせますが、スランゴールGKサミュエル・サマビルがこれをブロック。しかし、こぼれたボールを詰めていたジェイムズ・オクウォサが蹴り込んで、クチンシティが前半で追いつきます。

後半に入るとギアを上げたホームのクチンシティが、何度も好機を作り、スランゴールにプレッシャーをかけます。そしてついに64分、スランゴールに痛恨のミスが出てしまいます。ゴール前に上がったボールをDFシャルル・ナジームが胸でトラップしてGKのサマビルにパスしようとしますが、二人のコミュニケーションが悪く、ボールは空いたスペースへ。ここへ走り込んできたジョーダン・ミンターが蹴り込んでゴールを決めルト、逆転したクチンシティがそのまま逃げ切り、スーパーリーグ昇格以来、初めてスランゴールに勝利しています。また、クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。