6月28日のニュース・スルタンの怒りに慄いた?MFLが朝令暮改でスランゴールFCへの処分大幅軽減を発表・サッカー協会会長はスランゴール州スルタンへの謁見を求める・スランゴールFCはMFLの処分大幅軽減にもかかわらず不服申し立てを行うと発表

スルタンの怒りに慄いた?MFLが朝令暮改でスランゴールFCへの処分大幅軽減を発表

5月10日の今季開幕戦スンバンシーカップへの出場を「安全上の理由」から辞退したスランゴールFCに対して、国内リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が非常に厳しい内容の処分を課したことについては、昨日のこのブログで取り上げました。この処分が発表された後、マレーシアサッカー協会(MFL)の理事の一人で、スランゴール州サッカー協会(FAS)副会長のシャーリル・モクタル氏がFAMの全ての役職を辞職することを発表、さらにスランゴールFCの後援者でもあるスランゴール州スルタンのスルタン・シャラフディン・イドリス・シャー殿下がMFLの処分について激しい不満と憤りを明らかにしていました。

MFLは今回の処分発表時には、スランゴールFCには処分内容に対する不服申し立てを行う資格があるとしていましたが、そのスランゴールFCが不服申し立てを行う前に、なんとMFLが「自主的に」処分内容を軽減することを発表しています。その内容は以下の通りです。

1.  罰金10万リンギ(およそ340万円)を6万リンギに減額
2. スランゴールFCの出場辞退によってMFLとJDTが被った損失への補償は減額なし
3. 今季リーグ戦の勝点3剥奪処分の取り消し
4. 今季第14節にスランゴールのホーム、MPBJスタジアムで予定されているスランゴールFC対JDT戦の無観客開催処分の取り消し

一連の反発に慄いたのか、MFLの公式サイトで発表された朝令暮改とも言える処分軽減については「今回の処分再検討はスルタン・シャラフディン殿下の公式声明に対して敬意を払った結果である。しかし今後、スランゴールFCが同様の違反行為を行えば、より厳しい処分が課されるだろう。」と説明されています。

サッカー協会会長はスランゴール州スルタンへの謁見を求める

スランゴールFCに対するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の処分大幅軽減はクラブの後援者でもあるスランゴール州スルタンのスルタン・シャラフディン・イドリス・シャー殿下が公式声明として発表したMFLに対する強い不満が理由であることは、上の記事で取り上げましたが、シャラフディン殿下は、同時にマレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長に対しても、MFLの処分に対して沈黙を続けたことで不満をぶつけています。

「私は驚きと失望を感じている。ハミディンFAM会長は、1995年から2013年までFASの元事務局長であり、スランゴール州のサッカーに広範な経験を持ちながらも、真剣に懸念を表明しなかったことが信じられない。」とハミディンFAM会長の姿勢を批判したシャラフディン殿下ですが、これに対してハミディン会長が緊急でスルタンに謁見を求めていると、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

ハミディン会長は、自身が受けた「叱責」についてスルタン・シャラフディン殿下に謁見の許可を求める公式文書を送ったことを明らかにしていますが、その詳細などにはコメントを控えています。

「MFLの決定に対するシャラフディン殿下の不満については十分理解している。そこで昨日(6月26日)はスランゴール州王宮に連絡を入れ、今日(6月27日)には謁見を求める公式文書を送付した。もし殿下と謁見できれば、今回の件について状況を説明して殿下の不満を解消したいと考えている。」と話したハミディン会長は、MFLの決定に不満だけでなく、同時に深い失望と悲しみも表明したシャラフディン殿下との謁見を望んでいるとしています。

またハミディン会長は、突然、辞意を表明したFAM理事でスランゴール州サッカー協会副会長のシャーリル・モクタル氏からの辞表を受理したことも明らかにしています。FAMスポンサー及びマーケティング委員会の委員長やU23代表のチームマネージャーなどを務めていたシャーリル氏の後任については、来年の年次総会で後任を決定するとしています。

スランゴールFCはMFLの処分大幅軽減にもかかわらず不服申し立てを行うと発表

上記のようにマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、スランゴールFCに対して当初の40%減となる罰金の減額や勝点剥奪や無観客試合などの処分撤回を発表しましたが、スランゴールFCは規定て認められている権利である不服申し立てをおこうなうい子があることをクラブ公式SNSで発表しています。

SNSに投稿された声明では、「スランゴールFCは、今季の開幕戦スンバンシーカップ出場辞退に対する処分について、MFL理事会が見直しを行なったことを理解した上で、未だ行なっていない不服申し立てを行う予定がある。この申し立ては見直された処分内容について行う予定である。」

複数のメディアによると、MFLが発表した処分軽減の内、スランゴールFCのスンバンシーカップ出場辞退によってMFLとJDTが被った損失への補償については減額されておらず、おそらくスランゴールFCはこれについて不服申し立てを行うものと見られています。