2024/25マレーシアFAカップ1回戦結果とハイライト映像(2)+観戦記・ファイサル・ハリム観戦のスランゴールはヌグリスンビランに大勝

マレーシアFAカップ1回戦:ファイサル・ハリム観戦のスランゴールはヌグリスンビランに大勝

試合から3日も経ってしまいましたが、2024/25マレーシアカップ1回戦のスランゴールFC対ヌグリスンビランFCの試合は、MBPJスタジアムに足を運んだので、その時の様子も含めた観戦記も加えてお伝えします。

この日の試合は珍しく午後5時30分と早い時間のキックオフだったので、試しに公共交通機関を使って試合会場のMBPJスタジアムへ向かいました。使ったのはLRTクラナジャヤ線です。KL国際空港からのKLIAエクスプレスなども乗り入れているKLセントラル駅からはプトラハイツ方面へ12駅目のGlenmarie(グレンマリー)駅が最寄駅になります。駅の改札を出ると案内板があるので、MBPJスタジアムの別称Stadium Petaling Jayaと書かれている右手へ進みます。


階段あるいはエレベーターを使って地上階に降りたら、道路を右、建物を左にして歩いて行きます。駅からスタジアムまでの距離はおよそ800mで、途中には案内板があるのでそれに従って進みます。


道に沿って進むと交差点があるので、そこを左折して、さらに直進するもうスタジアムです。


グレンマリー駅から歩くと、この表示物の前に到着します。これをさらに左に進むとメインスタンド(マレーシアではGrand Standという表示です)、右に進むとバックスタンド(同じくOpen Standと表示されます。)へ向かいます。また、この表示物の裏手に見えているのはアウェイチームのゴール裏席です。試合によってはアウェイチームのチケットでは、ここからしか入場できない場合もあります。


上の表示物の左へ進むと、スタジアムの正面入り口に到着します。MBPJスタジアムは、スランゴールFCが今季のACL2へ出場することから昨年オフに改修工事が行われ、外観もチームカラーの赤に塗られたばかりです。正面入り口のスクリーンには酸をかけられたスランゴールFC所属のファイサル・ハリムへのメッセージも見えます。


マレーシアスーパーリーグは午後9時キックオフの試合が多いのですが、この日はキックオフの時間も早く、子ども連れの観客が多いように感じました。


こちらはスランゴールFCのゴール裏に陣取るウルトラスのみなさんです。ちなみにここに見えている屋根も、スタジアム改修の一環として今季から設置されています。


この日は翌6月18日(日)が父の日でした。他のスタジアムでは選手が自分の子どもと入場するといったイベントもあったようですが、この試合では、選手たちが自分の父親と入場していました。


また試合前には、スコアボードの下に横断幕が掲げられました。そこに書かれていたのは”All zionists are bastard.”「全てのシオニストはクソッタレ。」シオニストとは、ユダヤ人国家建設を目ざす思想を持つ人やそういった運動を行う人を指しますが、この思想に基づいて建国されたイスラエルをマレーシアは国家として承認していません。また、人口の半数以上がイスラム教徒が占めるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、米国、英国などからテロ組織指定されているハマスの指導者とも会談するなど、国家としてハマスを支援することも明言しています。


しかし、試合が始まるとこの横断幕のところに制服を着た一団(おそらく警察の機動隊)がやってきて、何やら交渉を行っていました。


その結果、ハーフタイムにこの横断幕は撤去されていました。


またこの試合には、サプライズでファイサル・ハリム選手が家族とともに観戦に訪れ、サポーターから拍手で迎えられると、元気そうに手を振って応えていました。(下の写真は英字紙ニューストレイツタイムズより)


数日前には、このファイサル選手に代わる左ウィングとして開幕直前に獲得したヨルダンU23代表のレジク・バニ・ハニが足首を痛めて最低でも6週間の離脱が発表されました。FIFAデイズによるリーグ戦中断中に、スランゴールFCはインドネシアのジャカルタで開催された大会に出場しましたが、その大会の決勝、プルシブ・ジャカルタとの試合でレジク選手は、仕掛けた選手が退場になるほどの激しいタックルを受けていました。なおレジク選手欠場で、スランゴールFCのニザム・ジャミル監督は、U23代表のムカイリ・アジマルを左ウィングに起用しています。

5月29日の今季第3節では同じMBPJスタジアムでヌグリスンビランFCと対戦し、4-0と圧勝しているスランゴールFCは、この試合も開始と同時に主導権を握り、ヨハンドリ・オロスコが7分のゴールを決めると、14分にはヌグリスンビランFCのDFのミスからボールを奪ってゴールを決め、早々とリードを2点に広げます。さらに前半終了前には、代表でもプレーするノーア・レインがペナルティエリア内のアルヴィン・フォルテスへ絶妙のパスを出すと、これをゴール左隅に決めたフォルテス選手のゴールで前半は3−0として折り返します。

後半に入っても、スランゴールFCの優位は変わらず、64分のロニー・フェルナンデスのPKはヌグリスンビランFCのGKシャーミ・アディブに止められたものの、その3分後にはヨハンドリ・オロスコのパスを受けたアルヴィン・フォルテスがこの試合2点目のゴールを決めて、スランゴールFCがヌグリスンビランFCが圧倒しています。なおスタッツを見ると、この試合のシュート数はスランゴールFCの14本(枠内5本)に対し、ヌグリスンビランFCは5本(枠内1本)と、スランゴールFC優勢だったことがわかります。

また試合後、スランゴールFCのニザム監督はファイザル選手がロッカールームを訪れたことで、今までチームにかけていたものが戻り、チームの士気が高まったと述べ、チーム全員が早い復帰を望んでいるとも話しています。

ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は先発して、フル出場しています。

2024/25マレーシアFAカップ1回戦
2024年6月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 4-0 ヌグリスンビランFC
⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ2(7分、14分)、アルヴィン・フォルテス2(45分,67分)
🟨スランゴール(1)、🟨ヌグリスンビラン(1)

この試合のハイライト映像。スランゴールFCの公式YouTubeより。