6月7日のニュース<br>・W杯アジア2次予選:マレーシアはキルギスと引き分けで最終節に予選突破の可能性を僅かに残す

6月6日に2026年W杯アジア2次予選D組第5節が行われ、マレーシアはキルギスと対戦し、1−1で引き分けています。この結果、3位のマレーシアは2位のキルギスとの勝点差3を詰めることができませんでした。最終節となる6月11日の第6節でマレーシアはグループ4位の台湾と、キルギスは首位のオマーンと対戦しますが、マレーシアが台湾に大勝し、キルギスがオマーンに敗れた場合にのみ、マレーシアは3次予選進出となります。

W杯アジア2次予選-マレーシアはキルギスと引き分けで最終節に予選突破の可能性を残す

3月に行われた2試合で連敗したマレーシアは、この試合で負ければ予選敗退が決まる厳しい状況ですが、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、アリフ・アイマン、ロメル・モラレス(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC-JDT)、シャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)、ダレン・ロック(サバFC)とこれまでの代表を支えてきたFW陣がケガなどで軒並み代表を辞退、さらにこの試合直前には正GKシーハン・ハズミもケガで辞退するなど、チームは文字通り満身創痍の中、キム・パンゴン監督は前節のオマーン戦から思い切ったメンバー変更を行いました。

4-4-2のトップにアキヤ・ラシド(トレンガヌFC)とパウロ・ジョズエ(KLシティFC)、中盤はスチュアート・ウィルキン(サバFC)とエンドリック・ドス・サントス(JDT)のレギュラーコンビに、U23代表のノーア・レイン(スランゴールFC)と本来はCBのディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)、そして最終ラインは左右のSBがラヴェル・コービン=オングとマシュー・デイヴィーズ(いずれもJDT)、CBはドミニク・タン(サバFC)とU23代表のサフワン・マズラン、GKはアズリ・アブドル・ガニ(KLシティFC)という11名がこの日の先発でした。なお、ノーア・レイン、サフワン・マズラン、アズリ・アブドル・ガニはいずれもW杯予選初先発です。


FIFAランキングではマレーシアの138位に対して、キルギスは100位と格上の相手ですが、昨年11月16日にブキ・ジャリル国立競技場で行われた同じカードでは、ロスタイムにファイサル・ハリムの劇的なゴールでマレーシアが4−3と勝利しており、決して圧倒される相手ではありません。

敵地キルギスの首都ビシュケクにあるドレン・オムルザコフ・スタジアムで行われたこの試合の前には、酸をかけられて療養中のファイサル・ハリムのユニフォームを持ってチームフォトを撮る場面も見られました。(写真はマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)


試合の主導権を握るためにも先制点が欲しいマレーシアでしたが、24分にキルギスはガーナ出身の帰化選手FWジョエル・コジョがマレーシアDF陣を十分に引きつけてから走り込んできたグルシジット・アリクロフにパス。このボールを落ち着いてDFをかわしたグルシジット・アリクロフがゴールを決め、キルギスが先制します

しかし38分には左サイドのペナルティエリア脇で得たPKをエンドリック・ドス・サントスがゴール前へ。これを相手DFと競ったディオン・コールズがバックヘッドのような形で合わせると、そのままゴールイン。その後、記録は最終的にはアディルジョン・アブドゥラフマノフのオウンゴールとなりましたが、前半でマレーシアが1−1と追いつきます。

前半をこのまま1−1で折り返すと、後半はギアを上げたキルギスが優勢のまま試合が進みますが、DF陣が耐え、さらにGKアズリ・アブドル・ガニの好セーブもあり、失点を許しません。キム監督は残り5分というところでサファウィ・ラシド(トレンガヌFC)、ハキミ・アジム(KLシティFC)、そして代表デビューとなったアディブ・ラオプ(ペナンFC)のFW3人を投入して勝負をかけますが、キルギスもGKを中心に必死に防戦し、逆転することはできず、試合は1−1のまま引き分けに終わっています。

この試合の結果、D組3位のマレーシアはホームのブキ・ジャリル国立競技場に同4位の台湾を迎え、2位のキルギスは1位のオマーンと敵地マスカットで対戦します。マレーシアとは勝点差3のキルギスがオマーンに敗れ、マレーシアが台湾に勝てば勝点差では並びますが、得失差はキルギスの+6に対してマレーシアは−2のため、マレーシアは台湾に7点差以上をつける大差で勝つことができれば、D組2位となりW杯3次予選進出となります。なおこの予選の第2節ではマレーシアは台湾に1−0の辛勝でした。

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第5節
2024年6月6日@ドレン・オムルザコフ・スタジアム(ビシュケク、キルギス)
キルギス 1-1 マレーシア
⚽️キルギス:グルシジット・アリクロフ(24分)
⚽️マレーシア:アディルジョン・アブドゥラフマノフ(38分OG)
🟨キルギス(1):ヴァレリー・キチン
🟨マレーシア(1):アキヤ・ラシド

またD組のもう1試合は、既に予選敗退が決まっている台湾がホームでオマーンに0−3で敗れています。この試合ではオマーンのアブドルラーマン・アル=ムシャイフリがハットトリックを達成しています。

FIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選D組第5節
2024年6月6日@台北陸上競技場(台北、台湾)
台湾 0-3 オマーン
⚽️オマーン:アブドルラーマン・アル=ムシャイフリ3(31分、55分、75分)
🟨台湾(2):ウェン・チーハオ(温智豪)、チェン・ポーリャン(陳柏良)
🟨オマーン(1):ハリブ・アル=サアディ

W杯2026アジア2次予選予選D組順位表(第5節終了)

順位勝点
1オマーン5401101912
2キルギス5311126610
3マレーシア521268-27
4台湾5005114-130