U19代表合宿参加メンバー発表:ジョホールとスランゴールの選手が半数以上を占める
マレーシアサッカー協会(FAM)は、7月にインドネシアで開催される東南アジアサッカー連盟(AFF)U19選手権に向けた代表候補合宿参加メンバー36名を発表しています。
この36名中、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)とセランゴールFCからはそれぞれ10名が選ばれています。その他はFAMと国家スポーツ評議会(NSC)が共同運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリ・アカデミーとトレンガヌFCから3名、ヌグリスンビランFC、ペナンFC、サバFCからそれぞれ2名、クダ・ダルル・アマンFC、クランタン・ダルル・ナイムFC、ペラFC、そしてマラッカ州サッカー協会からは各1名が選ばれています。詳しいメンバーはこちらです。
フアン・トーレス・ガリド監督率いるU19代表は、今日6月2日から8日までパハン州ガンバンのモクタル・ダハリ・アカデミーで合宿を行い、6月9日から11日まではブキ・ジャリル国立競技場に隣接するNSCの練習施設に場所を移して合宿を続けます。なお今年のAFF U19選手権は 7月17日から29日までインドネシアのスラバヤで開催される予定です。前回2022年大会では、マレーシアは決勝でラオスを破り、2018年大会に次ぐ2度目の優勝を果たしています。
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なお、このAFF U19選手権の組み合わせ抽選は既に行われており、マレーシアは、過去5度優勝のタイの他、シンガポール、ブルネイと同じC組に入ることが決定しています。この他、前回大会準優勝のラオスは、過去5回優勝のオーストラリア、同2回優勝のミャンマー、同1回優勝のベトナムと同じB組に、今大会ホストで過去1回優勝のインドネシアはいずれも優勝経験がないフィリピン、カンボジア、東ティモールと同じA組となっています。
U19代表以外の年代別代表については、JDT III(U21)監督やJDTアカデミー責任者を歴任したハビエル・リベラ監督が率いるU16代表が今月21日にインドネシアで開幕するAFF U16選手権に出場します。こちらも既に組み合わせ抽選が、グループステージではC組に入り6月23日には東ティモールと、6月26日にはオーストラリアと、そして6月29日にはタイと対戦します。先月5月3日に就任したばかりのリベラ監督は、このAFF U16選手権の他、10月に予定されているAFC U17アジアカップ予選でも指揮を取ることになっています。
また4月のAFC U23アジアカップ2024ではグループステージ未勝利で敗退したU23代表は、次の公式戦は9月のU23アジアカップ2026の予選と時間があることから、今回のFIFAデイズでは合宿などは行わず、U23代表のフアン・トーレス・ガリド監督は、U19代表のサポートに回っています。
名将ホダック監督がまた一つ勲章:インドネシアリーグ優勝で3か国でリーグ制覇
5月31日にインドネシア1部リガ1のチャンピオンシップシリーズ決勝セカンドレグが行われ、5月26日にホームのシ・ジャラク・ハルパット・スタジアムで行われた決勝ファーストレグを3-0で勝利していたペルシブ・バンドンは、この試合でもマドゥーラ・ユナイテッドを3−1と破り、通算成績を6−1として、2023/24シーズンの優勝を果たしています。またプルシブ・バンドンのボヤン・ホダック監督はこの優勝で、カンボジア、マレーシアに次いで東南アジア3カ国目となるリーグ優勝を果たしています。
クロチア生まれのホダック監督は、2011年にカンボジアリーグでプノンペン・クラウンクラブをリーグ優勝に導くと、翌2012年にはマレーシアスーパーリーグ(MSL)でクランタンFA(現クランタンFC)を、さらにその2年後にはジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)を率いてリーグ優勝を果たしています。2018年にはマレーシアU19代表を率いて東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権で優勝を果たすと、インドネシア1部PSMマカッサル監督を経て、2021年にマレーシアに戻りKLシティFC監督に就任しています。その2021年には決勝でJDTを破りクラブ32年ぶりとなるマレーシアカップ優勝を果たすと、2022年にはAFCカップ(現ACL2)決勝進出を果たしています。2023年シーズンもFAカップ決勝を果たしていましたが、シーズン途中の7月にKLシティFC監督を辞任し、プルシブ・バンドン監督に就任しました。
ホダック監督は、開幕ダッシュに失敗し、1勝3分1敗、得点10失点11でリーグ10位に低迷していたチームに合流すると、そこから15勝11分3敗、得点55失点27とチームを立て直し、レギュラーシリーズ2位でチャンピオンシップシリーズ進出を決めています。チャンピオンシップシリーズでは、準決勝でレギュラーシリーズ3位のバリ・ユナイテッドを通算成績4−1で破ると、前述の通り決勝は6−1と解消しています。マレーシアでプレー経験がある選手では、ホダック監督がKLシティFCから引き抜いたフィリピン代表GKケヴィン・メンドーザは、優勝の懸ったチャンピオンシップシリーズ準決勝2試合、決勝2試合の計4試合でで2失点と活躍し、またトレンガヌFCでプレー経験がある(Jリーグではツェーゲン金沢でも)ダビ・ダ・シルヴァがリーグ最多の30ゴール(34試合)を挙げ、決勝2試合でも3ゴールを決めて、プルシブ・バンドンの優勝に貢献しています。
現在のリーグになってからは2014年以来3度目の優勝となったプルシブ・バンドンに外国籍監督としては初めてタイトルをもたらしたホダック監督は、自身も今季のインドネシアリーグ最優秀監督を受賞しています。
ペラFC本拠地の高麗芝への張り替えは前半戦終了後の11月に予定
ペラ州イポーにあるペラ・スタジアムはペラFCのホームですが、このペラ・スタジアムの芝張り替え工事を11月から始める予定であることをペラ・スタジアムを管理するイポー市のルマイジ・バハリン市長が明らかにしています
これを伝えたマレーシアの通信社ブルナマによると、ルマイジ市長は今季2024/25シーズンのマレーシアアスーパーリーグの前半戦最終節の第13節が10月18日から20日に予定されていることから、この前半戦終了を待ってからピッチの排水システムを改善した上で、現在のカウグラス(アカツメクサ)から高麗芝の一種のゼオン・ゾイシア芝に張り替え、来季2025/26シーズンの開幕に間に合わせたいとしています。
ペラ・スタジアムの芝張り替えは、マレーシア政府青年スポーツ省からの補助金を使って行われ、作業終了までには3から4ヶ月程度かかるとしています。今年1月に青年スポーツ省は、国内のスタジアムのピッチ改善のために700万リンギ(およそ2億4000万円)の支援を行うことを発表しており、今回のペラ・スタジアムの芝張り替えはこの支援を使って行われます。具体的にはピッチ下の排水システムのアップグレードに30万リンギ、芝の張り替えに20万リンギが各州に補助されます。
ルマイジ市長は、世界基準のピッチとなることで将来はペラ・スタジアムでも国際大会が開けるようになることを歓迎すると話す一方で、芝張り替え工事期間中のペラFCの公式戦については、ペラFCとリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)との間で相談の上、開催地が決定されるだろうと話しています。