3月2日のニュース
今月下旬のW杯予選に向けた代表候補合宿に大挙33名を招集
MFL-給料未払い問題のクダとKLシティのライセンス剥奪は「最後の手段」
MFLはリーグ新規参入濃厚のKLローヴァーズに投資の中国企業について情報提示を求める

今月下旬のW杯予選に向けた代表候補合宿に大挙33名を招集

今月21日にはマスカット(オマーン)で、そして26日にはクアラ・ルンプールで予定されているFIFAワールドカップ2026アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027予選に向けた代表候補合宿が3月8日から始まるのを前に、その参加者33名をマレーシアサッカー協会(FAM)が公式サイトで発表しています。

氏名年齢所属
GK*#シーハン・ハズミ28JDT
スハイミ・フシン30TRE
*#アズリ・ガニ25KLC
*#シーク・イズハン22
DF*#マシュー・デイヴィーズ29JDT
*#ラヴェル・コービン=オング33JDT
*#シャールル・サアド31JDT
*#ジュニオール・エルドストール33JDT
#シャルール・ナジーム25SEL
ハリス・ハイカル22SEL
ジクリ・カリリ22SEL
V・ルヴェンティラン23SEL
#アザム・アズミ23TRE
サフワン・マズラン22TRE
*#ドミニク・タン27SAB
*#ダニエル・ティン32SAB
*#ディオン・コールズ28BRU
MF*#エンドリック・ドス・サントス29JDT
*シャミル・クティ27JDT
#ムカイリ・アジマル23SEL
#ノーア・レイン22SEL
*#スチュアート・ウィルキン26SAB
*#ブレンダン・ガン
FW*#アリフ・アイマン22JDT
*ロメル・モラレス27JDT
*#ファイサル・ハリム26SEL
アリフ・イズワン20SEL
*#サファウィ・ラシド27TRE
*#アキヤ・ラシド25TRE
*#ダレン・ロック34SAB
*#パウロ・ジョズエ35KLC
ハキミ・アジム21KLC
T・サラヴァナン27SRP
*はアジアカップ2023、#はW杯予選キルギス戦と台湾戦で代表選出された選手
所属チーム:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SEL-スランゴールFC、SAB-サバFC、SRP-スリ・パハンFC、TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PEN-ペナンFC、BRU-タイ1部ブリーラム・ユナイテッドFC

キム・パンゴン代表監督は、1月のアジアカップ2023出場メンバー26名中21名を再び招集しています。またアジアカップ2023出場メンバー以外では、アザム・アズミ(トレンガヌFC)、シャルル・ナジーム、ムカイリ・アジマル、ノーア・レイン(以上スランゴールFC)が昨年11月の2026W杯アジア2次予選キルギス戦と台湾戦以来、代表に復帰しています。(ただしアザム・アズミはケガにより招集辞退)

また今回初めて代表に招集された12名にはU23代表のメンバーが含まれており、これらの選手は3月15日から予定されているU23代表合宿に参加するため、いわば「経験」目的の招集だと考えられます。また、スランゴールFCを退団し、去就が決まっていないブレンダン・ガンは昨年11月のW杯予選、1月のアジアカップ2023に続いて招集されています。

なおアジアカップ2023出場メンバーからは、MFナチョ・インサ、MFアフィク・ファザイル、MFモハマドゥ・スマレ、DFシャーミ・サファリ(以上JDT)、DFクザイミ・ぴー(スランゴールFC)の5名が外れています。

この代表候補メンバー発表後、キム監督は「FIFA国際マッチカレンダーは3月18日から26日までだが、選手の中には(5月のスーパーリーグ開幕を前に)プレシーズンのトレーニングを始めたクラブ所属の選手もいれば、またトレーニングを始めていないクラブの選手もいることから、代表チームとしては早めの準備を行うために、U23代表の選手も含めて、3月8日から代表候補合宿を行うこととした。クラブと話し合いの上、今回の33名中の数名はクラブでのトレーニングを経て、1週間遅れの3月15日から合宿に参加する者もいる。」という声明を発表しています

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3月21日にアウェイで、26日はホームでオマーン戦を控えるわけですが、その前の練習試合の日程などは全く発表されていません。上でも書いたように5月のリーグ開幕までは時間があるため、JDTやスランゴールFCなど既にプレシーズンを始めているクラブがある一方で、給料未払い問題を抱え、できるだけ選手との契約期間を短くしたKLシティFCなどはまだプレシーズンのトレーニングを始めていません。キム監督は練習試合を行うだけのフィジカルレベルに達していないという心配があるのかも知れませんが、キルギス、台湾に連勝し予選D組の首位に立つマレーシアは、今回の2試合のどちらかで1勝すれば3次予選進出が見えてきます。それだけにアジアカップ2023の最終戦となった1月25日の韓国戦から実戦なしでこの重要な2試合に臨むのは正直、不安しかありません。

MリーグCEO-給料未払い問題のクダとKLシティのライセンス剥奪は「最後の手段」

このブログでも何度も取り上げているクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)とKLシティFCの給料未払い問題ですが、マレーシア1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)のスチュアート・ラマリンガムCEOは、給料未払い問題の解決は重要だが、それを理由にクラブライセンスを剥奪するのは実践的な解決にはならないと述べています。

スチュアートCEOは両クラブの給料未払い問題を軽視しているわけではないと断った上で、(今季のスーパーリーグへの参加ができなくなる)国内クラブライセンス剥奪は、クラブとの話し合いでは問題が解決できない場合にのみ検討したいと話しています。

「もし国内クラブライセンスを剥奪すれば、クラブは解散する可能性がある。そうなると最大の被害を被るのは、未払い給料問題が解決されないまま放置される選手である。そういった事態とならないよう、ライセンス剥奪は選手への未払い給料問題が解決することが前提となる。」と述べているラマリンガムCEOは、いずれも給料未払い問題を理由に2023年シーズンのライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドFCやサラワク・ユナイテッドFC、そして今季のライセンスが交付されなかったクランタンFCを例に挙げて、MFLはこれまでも給料未払い問題に真剣に向き合っていることを強調しています。

このブログでは昨日、クダFCが未払い給料問題を解決する資金の目処がついたというニュースを紹介しましたが、MFLは問題解決の期限として新たに設けた3月5日までに資金源の詳細な情報と、4か月分とされる未払い給料支払いまでの日程などについて追加の報告を求めていることを発表しています。さらにスチュアートCEOは、これ以上の問題解決期限の延期はできないとして、クダFCが置かれている状況は非常に深刻であるとも述べています。

MFLはリーグ新規参入濃厚のKLローヴァーズに投資の中国企業について情報提示を求める

未払い給料問題未解決により昨季14位のクランタンFCは国内クラブライセンスが交付されず、スーパーリーグ撤退を余儀なくされたことから、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、新たな14番目のクラブとして、アマチュアフットボールリーグ(AFL)が運営するセミプロリーグである国内3部のM3リーグから特例として参入希望クラブを募っています。その中で昨季M3リーグ優勝のイミグレセン(入国管理局)FCは昇格を望んでいないことから、リーグ2位のKLローヴァーズFCが最有力候補とされています。(注:現在MFL傘下の国内2部リーグ、プレミアリーグは休止中のため、3部のM3リーグから1部リーグスーパーリーグへの参入が可能になっています。)

スーパーリーグ参入を求めるクラブは、財務状況や運営形態といったソフトの面や、練習施設、ホームスタジアムなどハードの面など様々な審査を経て参入の可否が決まりますが、参入クラブに対するMFLの公聴会の日程が5月4日から5月10日に延期されたことが発表されています。またこれに関連して、MFLはKLローヴァーズFCに投資している中国企業に関するより詳しい情報の提供を求めているとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、KLローヴァーズFCから提出されている書類に中国企業がクラブの株を保有している記載があったことは認めた上で、この中国企業に関する情報が不十分だとしています。マレーシアサッカーにおいては初めてとなる国外企業によるクラブの買収ということもあり、国内クラブライセンスを交付する第一審機関(FIB)の審査も慎重になっているようです。

KLローヴァーズFC運営会社のアシュラフ・マズラン社長は、この中国企業はマレーシア国内に工場を持つ企業で、既に100万リンギ(およそ3200万円)でクラブの株式を購入しており、今後はさらに投資を行い最大株主になることを目指しているということです。