11月29日のニュース
KLシティのフィリピン代表GKが今季終了を待たずに退団し前監督が指揮するプルシブ・バンドンへ移籍
クランタンUも今季2試合を残してチーム得点王のフィリピン代表FWとの契約を解除
国立競技場で今週金曜日に開催予定だったボリウッドコンサートは延期でサッカーファンは安堵

KLシティのフィリピン代表GKが今季終了を待たずに退団し前監督が指揮するプルシブ・バンドンへ移籍

マレーシアスーパーリーグのKLシティFCは、過去3季に渡りチームのゴールを守ってきたフィリピン代表GKのケヴィン・メンドーザ選手がシーズン終了を待たずに退団することをクラブ公式SNSで発表しています。またその直後には前KLシティ監督のボヤン・ホダック氏が指揮するインドネシアリーグ1部のプルシブ・バンドンがやはりクラブ公式SNSでメンドーザ選手の加入を発表しています。
インドネシアリーグのトランスファーウィンドウは11月1日から28日までとなっており、これに合わせる形での早期契約解除だったようです。
KLシティでは通算64試合に出場し、クリーンシート19回を記録したメンドーザ選手の退団を報じた英字紙ニューストレイトタイムズは、退団理由の一つに2ヶ月以上支払われていない給料未払い問題があった、というメンドーザ選手の談話を掲載しています。
2021年にデンマーク2部のヴェンシュセルFFから加入したメンドーザ選手は、ジョホール・ダルル・タジムFCを破って優勝した2021年のマレーシアカップ決勝を在籍期間中最大の思い出だと述べています。11月26日にKLシティの本拠地、KLフットボールスタジアムで行われたマレーシアスーパーリーグ第24節のクランタン・ユナイテッド戦では出場はなかったものの、試合後にはチームメイトやファンとの別れを惜しんだということです。

クランタンUも今季2試合を残してチーム得点王のフィリピン代表FWとの契約を解除

マレーシアスーパーリーグで現在10位のクランタン・ユナイテッドは、今季リーグで6ゴールを挙げているチーム得点王のO・J・ポルテリアとの契約を双方合意のもとで解除したことをクラブ公式SNSで発表しています。
なお契約解除の理由として、ポルテリア選手が他のクラブからより良いオファーを受けたためだと説明しています。
今季開幕前にクランタン・ユナイテッドに加入したポルテリア選手は前述のケヴィン・メンドーザ選手とはフィリピン代表のチームメートで、今季のマレーシアリーグではリーグ戦とカップ戦合わせて25試合に出場し、今季通算では7ゴール、3アシストの成績を残しています。
残り2試合を残しての契約解除は、11月1日から28日までがトランスファーウィンドウのインドネシアリーグ、あるいは11月14日から12月11日までがトランスファーウィンドウのカンボジアリーグへの移籍が考えられます。

国立競技場で今週金曜日に開催予定だったボリウッドコンサートは延期でサッカーファンは安堵

今週金曜日の12月1日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催予定だった「ボリウッド」スターによるコンサートが延期になったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

ボリウッドとは、インドのムンバイのインド映画産業全般につけられた俗称で、ムンバイの旧称「ボンベイ」の頭文字「ボ」と、アメリカ映画産業の中心地「ハリウッド」を合わせてつけられた俗称です。ボリウッド映画はインド系市民も住む多民族国家マレーシアでも人気があり、今回のコンサートにはインド版アカデミー賞で最優勝男優賞を4度も受賞しているリティク・ローシャンや、ヴァーニー・カプール、サニヤー・マルホートラといったボリウッドの有名スター(らしい)が参加することになっていました。

ボリウッドファンにとっては残念なニュースですが、国内サッカーファンの多くがこのニュースに安堵したはずです。先日このブログでも取り上げた、英国のロックバンドのコールドプレイが11月22日に開催したコンサート後に、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチは一部では土がむき出しになるなど悲惨な状況になっており、12月8日に予定されているマレーシアカップ決勝までに芝の修復が終わるかが心配されていました。

ブキ・ジャリル国立競技場を運営するマレーシアン・スタジアム社は、ジョホール・ダルル・タジムFCとトレンガヌFCが対戦する今年のマレーシアカップ決勝では、ピッチの状態は完璧にすることを約束していましたが、今週のボリウッドコンサート開催延期のおかげでなんとか実現しそうです。

AFCチャンピオンズリーグ2023/24グループステージI組第5節-ジョホールが屈辱の今季最多5失点で事実上の終戦

ACL2023/24のグループステージI組第5節が行われ、3位のジョホール・ダルル・タジムFCは首位の川崎フロンターレと相手ホームの等々力陸上競技場で対戦し、0-5で敗れています。川崎はこれでI組首位を確定してグループステージ進出を決める一方、ジョホールはこれで通算成績を2勝3敗とし、順位は3位のまま変わらず、2季連続のグループステージ突破がほぼ不可能になっています。

前節第4節ではヘベルチ・フェルナンデスとアキヤ・ラシドのゴールで蔚山現代FCを2-1で破り、ノックアウトステージ進出の可能性を残したジョホール。川崎には9月19日のI組第1節でホーム開催ながらマルシーニョの1発で敗れていますが、この試合では最低でも引き分けを、あわよくば勝利して、ノックアウトステージ進出の可能性を残したいところです。ジョホールのエステバン・ソラリ監督は、これまでの4試合全てに先発したDFシェーン・ローリーが警告累積により出場停止となっていることからDFフェロズ・バハルディンを今季初先発させる一方で、左サイドにはオスカル・アリバスを起用し、右サイドのアリフ・アイマンとともに積極的な攻撃参加を仕掛ける布陣を選択しています。(下はこの試合の両チームの先発XI)


しかし試合は開始早々の8分に川崎の得点を許してしまいます。右サイドから大南拓磨にペナルティエリア内に持ち込まれると、そこから出たボールをファーサイドに走り込んだ家長昭博がフリーで蹴り込んで川崎がリードします。しかし12分には右サイドのヘベルチ・フェルナンデスのクロスをゴール前で競ったボールをオスカル・アリバスの足元へ。これをボレーで蹴り込むとDF登里享平に当たって角度が変わるもGKチョン・ソンリョウが反応よく弾いてゴールとはなりません。

さらに38分には中央のヘベルチ選手とのワンツーパスからベルグソン・ダ・シルヴァがミドルシュートを放つも、再びGKチョン選手が横っ飛びになりながらも弾き出して得点を防ぎます。また前半終了間際には右サイドの家長選手から中央の橘田健人へ絶妙のパスが出るも橘田選手のヘディングシュートはゴールポストに阻まれ、前半は川崎が1点のリードで折り返します。

点差以上に劣勢のジョホールは後半も押し込まれる展開となり、50分には右サイドの家長選手のクロスにあわせて絶妙に動いてスペースを作ったレアンドロ・ダミアンがジョホールDFと競ることなくシュートを放ちます。一旦はゴールポストにあたったシュートは跳ね返ってゴールインし、川崎の2点目となります。その直後には左サイドからオスカル・アリバス、フェルナンド・フォレスティエリと繋いだボールをペナルティエリア内の角度のないところからベルグソン選手がシュートを放ちますが、枠を捉えることはできません。

逆に60分には。右コーナーキックからジョホールがボールを奪ってカウンターを仕掛けるも、ベルグソン選手とアリフ・アイマンのミスコミュニケーションから逆にボールを奪われて反撃に遭います。右サイドの山根視来からゴール前に上げられたクロスにファーサイドのマルシーニョが飛び込みながら頭で合わせて3点目のゴール。ここでも前にいたマシュー・デイヴィーズに周りが声をかけた様子もなく、素晴らしいヘディングではあったものの、この試合全体を通して感じられたDFラインの意思の疎通の悪さが見える場面でした。さらに69分には途中出場の小林悠が自身のヘディングシュートがGKシーハン・ハズミに弾かれると、そのこぼれ球をアクロバティックなシュートで蹴り込んで川崎に4点目を加えると、88分には山根選手がダメ押しの5点目を中央から決めて、川崎がジョホールの息の根を止めています。攻撃面でも川崎のシュート数12(枠内8)に対してジョホールはシュート数6(枠内3)と圧倒されまさに完敗した試合でした。

2023/24 AFCチャンピオンズリーグ グループステージI組第5節
2023年11月28日@等々力陸上競技場(川崎市)
観衆:人
川崎フロンターレ 5-0 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️川崎:家長昭博(8分)、レアンドロ・ダミアン(50分)、マルシーニョ(60分)、小林悠(69分)、山根視来(88分)
🟨ジョホール(5):ホン・ワン、ジョルディ・アマト、フェロズ・バハルディン、シャールル・サアド、アフィク・ファザイル
🟨川崎(3):大南拓磨、遠野大弥
ジョホールの邦本宜裕選手はベンチ入りしませんでした。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの公式

I組のもう1試合は蔚山現代FC(韓国)がBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)を3−1で破り勝点9として2位を堅持しています。一方の敗れたBGパトゥム・ユナイテッドは5戦全敗となり、来月12月12日の最終第6節のジョホール戦で今季のACL初勝利を目指します。(下はこの試合の先発XI)


2023/24 AFCチャンピオンズリーグ グループステージI組第5節
2023年11月28日@BGスタジアム(パトゥムターニー、タイ)
観衆:人
BGパトゥム・ユナイテッド 1-3 蔚山現代FC
⚽️BGパトゥム:チイゴール・セルゲーエフ(41分)
⚽️蔚山:ジャッカパン・プライスワン(20分OG)、グスタフ・ルドヴィグソン(27分)、イ・ミョンジェ(李明載)(62分)
🟨BGパトゥム(0)
🟨蔚山(0)

2023/24 ACL グループステージI組順位(第4節終了)

順位チーム勝点
1川崎F55001441015
2蔚山現代530210649
3ジョホール5203712-56
4BGパトゥムU5005818-100