2023マレーシアスーパーリーグ
第22節結果とハイライト映像(1)-ジョホールが前人未到のリーグ10連覇達成

マレーシアスーパーリーグ第22節の1試合が行われ、今季優勝まで勝点1と迫っていた首位ジョホールが8位のPDRMに快勝し、4試合を残して優勝を決めるとともに、前人未到のスーパーリーグ10連覇を果たしています。

2023年9月27日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆: 12,666人
ジョホール・ダルル・タジム 4-0 PDRM
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ(37分)、フアン・ムニス(40分)、アリフ・アイマン(54分PK)、フェルナンド・フォレスティエリ(57分)
🟨ジョホール(0):
🟨PDRM(1): マリオ・アルケス
MOM:アリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジム)
ジョホールの邦本宜裕選手は55分から出場して、試合終了までプレーしています。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して、61分に交代しています。

前日の試合前記者会見でエステバン・ソラリ監督が話したように、今季のリーグ戦21試合中20試合に先発しているインドネシア代表CBジョルディ・アマトがベンチ外となり、代わりにフェロズ・バハルディンが先発した以外は、先週のACL第1節、川崎戦と同じ11人が先発し、来週10月3日のACL第2節、BGパトゥム・ユナイテッドを想定した布陣なのは明らかでした。一方のPDRMは、ミャンマー代表DFチョー・ミン・ウー、今季18試合に先発しているDFジェイムズ・オクウォサ、さらにいずれも17試合に先発しているMFファディ・アワドとMFマーカス・マコーリーら主力選手を欠く苦しい布陣でリーグ首位のジョホールと対戦しました。

試合開始からジョホールが一方的に攻め込む展開から次々とシュートが放たれるものの、その多くが枠の外だったため得点に至りませんでしたが、ついに38分、ジョホールが先制しました。9月23日のマレーシアカップ準々決勝、ヌグリスンビラン戦でMリーグ通算101ゴール目を決めていたベルグソン・ダ・シルヴァが、相手DFを引きつけたアフィク・ファザイルからノールックのパスを受けると、PDRMのDFをかわしてシュート。これが決まってジョホールがリードを奪います。さらにその3分後には右サイドを上がってきたマシュー・デイヴィーズからパスを走り込んできたフアン・ムニスがノートラップでシュート。このゴールでジョホールは2-0として前半を折り返します。

後半に入ると、ペナルティエリア内で倒れて倒されてファウルを得たアリフ・アイマンが自身でPKを決めて3-0とすると、57分にはヘベルチ・フェルナンデスからのパスをPDRMのDFラインの裏で受けた途中出場のフェルナンド・フォレスティエリがそのままドリブルで持ち込み4点目のゴールを決めています。終わってみればシュート数はジョホール17本(枠内11本)に対してPDRM1本(枠内0本)と、ジョホールがPDRMに完勝。22試合で勝点64としたジョホールが、4試合を残して今季のスーパーリーグ優勝とリーグ10連覇を決めた試合でした。

ジョホールは開幕から連勝しながら、得失差により今季初めて首位に立ったのは第3節でしたが、そこから首位を譲ることなく、また2位以下との差を徐々に広げました。この日は出場がありませんでしたが、昨季途中に加入したジョルディ・アマトが今季はCBとして安定した力を見せる一方で、ケガで出遅れたDFシェーン・ローリーの穴を23歳のDFフェロズ・バハルディンが埋め、衰えが見えていたMFナチョ・インサに代わって元ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC U 23出身のMFホン・ワンことナサニエル・シオが今季全22試合に先発し、さらに21歳ながら2年連続リーグMVPのMFアリフ・アイマンも今季8ゴール10アシストを挙げるなど、常勝チームながら世代交代も上手く進めています。さらに前半戦を終えて13勝0敗と圧倒的な力を見せつけながらも、今季前半終了後のトランスファーウィンドウではタイ1部リーグで得点王の経験もヘベルチ・フェルナンデスをバンコク・ユナイテッドが期限付き移籍で獲得、またACLでのプレー経験もある邦本宜裕選手をポルトガル1部リーグのカーザ・ピアACから獲得するなど、貪欲な補強を行った結果がこの日の試合を含めた今季22試合で得点86失点7得失差79という数字になっています。

この日のスーパーリーグ優勝でマレーシアFAカップ優勝に続き、今季2つ目の国内タイトルを手にしたジョホールですが、昨年に続く国内三冠達成に向けてマレーシアカップ獲得が残っており、対戦相手がペラに決まった準決勝(ホームアンドアウェイ方式)の2試合、そして決勝1試合とあと3勝で、クダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)が2007年と2008年に達成して以来の2年連続国内三冠達成となります。しかしその前には来週10月3日にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第2節となるアウェイのBGパトゥム・ユナイテッドが控えており、ホームでの川崎フロンターレ戦に惜敗したジョホールはまずは今季のACL初勝利がかかっています。

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節途中)

順位チーム勝点
1JDT2221108677964
2SEL22161560213949
3KDA21142542251744
4SAB22133650331742
5SRP20124435211440
6TRE21105639231635
7KLC218763834431
8PDRM208392127-627
9NSE214982641-1521
10PEN2154122538-1319
11PRK2144131647-3116
12KLU2015142053-338
13KEL2122172487-638
14KCH1914141439-257
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第22節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/58422
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1831/62717
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1632/85418
4クパー・シャーマン(SRP)1121/38620
5イヴァン・マムート(TRE)1027/56117
ファイサル・ハリム(SEL)1025/37719
7アブ・カマラ(KCH)915/37117
8ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ステファノ・ブルンド(SRP)817/36019
ロメル・モラレス(KLC)817/31217
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
アリフ・アイマン(JDT)818/431021
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC